DVD

『ドクター・アトミック』全曲 セラーズ演出、レネス&ネーデルラント・フィル、フィンリー、リヴェラ、他(2007 ステレオ)(2DVD 日本語字幕付)

アダムズ、ジョン(1947-)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
COBO4966
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
日本
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD
その他
:
Squeez, 2007

商品説明

ネーデルラント・オペラ2007年
ジョン・アダムズ:『ドクター・アトミック』

なぜ人類はこんな恐ろしいものを作り出したのか−現代に問いかけるオペラ

人気のアダムズ&セラーズのコンビがあえて原爆というテーマに向かい合った、まさに現代に問いかけるオペラ『ドクター・アトミック』。公開文書などをもとにセラーズが台本を編成、原子爆弾開発計画を背景に、「原爆の父」オッペンハイマーら科学者たちの情熱や葛藤を率直なまでに描いた作品です。「21世紀を代表するオペラ」との呼び声高い話題作の日本語字幕入り映像。ノーツ・日本語字幕:前島秀国。
 検閲の目をかいくぐりながらも時事的話題を作品に盛り込もうと努めてきたオペラ作曲家たち。そうして人々の支持を得られたからこそ、繰り返し上演される傑作が生み出されたとも言えます。このアダムズ&セラーズによる『ドクター・アトミック』は、まさにこの元来のオペラ作曲家の系譜に連なるともいうべき作品。代表作でもある『中国のニクソン』同様、歴史を動かした重大事件を、音楽を通じて人々に伝え、問題意識を喚起しようという彼らの姿勢が反映された作品でもあります。
 物語では、天才物理学者と言われたオッペンハイマーを主人公に、マンハッタン計画の大詰め、世界初の原爆実験となった「トリニティ実験」前夜に時間を絞り、科学者たちの葛藤や軍部の焦りといったドラマを克明に描きます。
 強烈な印象を残したサンフランシスコ初演(2005年)のあと、メトでも新演出上演された話題作。この映像は、サンフランシスコ初演版がネーデルラント・オペラで2007年に再演された際にライヴ収録されたものです。(コロムビア)

【収録情報】
・ジョン・アダムズ:歌劇『ドクター・アトミック』全曲
 ロバート・オッペンハイマー:ジェラルド・フィンリー
 キティ・オッペンハイマー:ジェシカ・リヴェラ
 レズリー・グローヴズ将軍:エリック・オーウェンズ
 エドワード・テラー:リチャード・ポール・フィンク
 ジャック・ハバード:ジェームズ・マッダレーナ
 ロバート・ウィルソン:トーマス・グレン
 ジェームズ・ノーラン大尉:ジェイ・ハンター・モリス
 パスクァリータ:エレン・ラビナー
 ネーデルラント・オペラ合唱団(合唱指揮:マーティン・ライト)
 ネーデルラント・フィルハーモニー管弦楽団
 ローレンス・レネス(指揮)

 演出:ピーター・セラーズ
 装置:エイドリアン・ローベル
 衣裳:ドゥーニャ・ラミコーヴァ
 照明:ジェームズ・F・インガルス
 振付:ルシンダ・チャイルズ
 音響:マーク・グレイ

 サンフランシスコ歌劇場委嘱作品
 サンフランシスコ歌劇場、シカゴ・リリック・オペラ、ネーデルラント・オペラによる共同制作

 収録時期:2007年6月7,25,29日
 収録場所:アムステルダム音楽劇場(ライヴ)英語上演
 映像監督:ピーター・セラーズ

特典映像(24分、音声:Dolby Digitalステレオ、字幕:日本語)
・インタビュー(1)作品について(2)歌手の紹介(3)作曲家インタビュー(4)演出家インタビュー

 収録時間:全プログラム195分(本編171分)
 画面:カラー、16:9
 音声:リニアPCM48kHz/16bitステレオ、Dolby Digital 5.1chサラウンド、DTS 5.1chサラウンド
 字幕:日本語・英語
 NTSC
 Region All

ジェラルド・フィンリー(ロバート・オッペンハイマー)
1960年、モントリオール生まれ。オタワで学んだ後、英国王立音楽大学、ケンブリッジ大学キングス・カレッジ、英国国立オペラ・スタジオで学ぶ。グラインドボーン音楽祭でモーツァルトのバリトン役を歌った後、ロンドン、パリ、ベルリン、アムステルダム、ザルツブルクなどの主要歌劇場に出演。『ドクター・アトミック』オッペンハイマー役、ターネジ作曲『銀の杯』ハリー・ヒーガン役、ピッカー作曲『父さんギツネバンザイ』父さんギツネ役をそれぞれ創唱した。

リチャード・ポール・フィンク(エドワード・テラー)
オハイオ州マシロン生まれ。ヒューストン・グランド・オペラにてオペラ歌手デビューを飾り、メトロポリタン歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ベルリン国立歌劇場、パリ国立オペラ、ハンブルク州立歌劇場等に出演。とりわけワーグナー・バリトンとして高い評価を集め、『ドクター・アトミック』テラー役とハービソン作曲『華麗なるギャツビー』ウィルソン役をそれぞれ創唱した。

ジェシカ・リヴェラ(キティ・オッペンハイマー)
ペパーダイン大学と南カリフォルニア大学ソーントン音楽学校に学んだ後、ロサンゼルス歌劇場で多くの諸役を歌い、ゴリホフ作曲『アイナダマール』世界初演でヌリア役を創唱して注目を集めた。『ドクター・アトミック』キティ役をネーデルラント・オペラで歌ってヨーロッパ・デビュー。アダムズ作品では、他に『フラワリング・ツリー』世界初演でクムダ役を創唱し、2008年の日本初演でも同役を披露した。

ジョン・アダムズ:作曲
1947年2月15日、マサチューセッツ州ウースター生まれ。クラリネット奏者の父の影響でクラリネットを学び始め、ハーバード大学でカーシュナー、セッションズ、デル・トレデッチに作曲を師事。サンフランシスコ音楽院で教鞭を執りながらライヒ、ライリー、グラスらの楽曲分析・演奏を行い、ミニマル的な作風を確立していった。『シェイカー・ループス』『ハルモニウム』『ハルモニーレーレ』などの出世作で“ポスト・ミニマリズムの旗手”と呼ばれ、ピーター・セラーズが演出したオペラ第1作『中国のニクソン』で大きな成功を収めた。以後、セラーズとは『クリングホファーの死』『私は天井を見つめ、それから空を仰いだ』『エル・ニーニョ』『ドクター・アトミック』『フラワリング・ツリー』など、すべてのオペラ・舞台作品の初演でコンビを組む。2001年同時多発テロ犠牲者追悼作品『魂の転生』でピューリッツァー賞受賞。

ピーター・セラーズ:台本・演出・映像監督
1957年9月27日、ペンシルベニア州ピッツバーグ生まれ。ハーバード大学在学時より、奇抜な舞台設定で古典を新解釈した演出を手がけ、注目を集める。ハイドン『アルミーダ』をベトナム戦争に置き換えた演出で物議を醸すが、この時の体験がアダムズに『中国のニクソン』の作曲を持ちかけるきっかけとなった。モーツァルト没後200年を記念してモーツァルトの“ダ・ポンテ3部作”を現代アメリカに置き換えたテレビ用演出が好評を博し、以後、世界有数のオペラ・舞台演出家として活躍。メシアン作曲『アッシジの聖フランチェスコ』、サーリアホ作曲『彼方からの愛』など、現代オペラの演出にも定評がある。アダムズ作曲『エル・ニーニョ』と『フラワリング・ツリー』の日本初演では、自ら来日して演出を手がけた。

ローレンス・レネス:指揮
1970年、オランダ生まれ。アムステルダム音楽院でヴァイオリンを、ハーグ王立音楽院で指揮をそれぞれ学ぶ。1992年、オランダ放送国際指揮者マスタークラス第1位に入賞、翌93年にグラン・カナリア管弦楽団を振って指揮者デビューした。エド・デ・ワールトのアシスタントを務めた後、アーネム・フィル芸術監督兼首席指揮者、ならびにブレーメン市立劇場オペラ監督兼ブレーメン・フィル音楽監督を歴任。2009-10年のシーズンはバイエルン放送交響楽団、フランス国立フィルに客演する。(以上、コロムビア)

内容詳細

オッペンハイマーらによる原子爆弾開発を取り上げたオペラ。P.セラーズが演出・脚本を担当し、サンフランシスコでの初演の後、METでも上演され話題を呼んだ。本作はネーデルランド・オペラでの再演時の映像を収録。(CDジャーナル データベースより)

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原爆の父、オッペンハイマーを主人公とした...

投稿日:2010/11/07 (日)

原爆の父、オッペンハイマーを主人公とした問題作。歌詞やセリフは実際の関係者の手記等に基づいたもので、かなりリアルに原爆実験前夜当時の模様が描かれている。音楽的には演劇性が重視されており、セリフに無理やり歌をつけた部分が多く、少々疑問が残る。しかしながら、一方でオペラアリア的なシーンも所々にあるため、難解な部類には入らない。 第1幕 序曲 ノイジーな出だしはいかにも現代音楽風だ。そこに爆撃機のエンジン音やノスタルジックなラジオの歌が重なって行く。その後重量級の重々しい主題が奏され、これから起こりうる悲劇を提示する。 第1場。研究所。第1曲は人々による合唱だ。核爆弾を正当化する歌が軽快で狂気に満ちた旋律にのせて歌われる。続くオッペンハイマー(バリトン)とテラー(バス)を中心としたやり取りはかなり演劇性が強い。開発に突き進むオッペンハイマーと反対派の緊迫した情景の中でも、バリトンによる原爆投下目標を淡々と読み上げるシーンは、まるで何かにとりつかれたように悪魔的に表現されており、かなり印象的だ。 第2場。自宅での夫婦のシーン。ソプラノ(妻)が入るため、かなりオペラらしくなる。主人公もやはり一人の人間なのだ。しかしながら、妻の狂気に満ちた反戦の歌もむなしく、事態はブレーキなど全く無いかのように突き進んでゆく。 第3場。実験前夜。悪天候の中、着々と準備が進んでゆく。気象学者を脅してでも任務を全うしようとする将軍がアイロニカルだ。ただひたすらに慌ただしく暴力的なリズムは、雨による被爆の恐怖に怯え足並みがそろわない人々の心理を見事に表している。相変わらず歌ともいえないセリフが続く中、ラストのオッペンハイマーによるアリアが心を打つ。悪魔に心を売った苦悩が神への告白と言う形で歌われるのだが、音楽も悲劇的かつロマンチックで、客席の控えめなブラボーも納得の出来映えだ。ここでオペラを終わりにしてもいいくらいだ。 第2幕。第1場。自宅で待つ妻のシーン。舞台には妻と家政婦(メゾソプラノ)と子供たちが登場する。このシーンは脅かされる人々の日常の象徴として第2幕全体にオーバーラップして登場する。 第2場。実験場。雷雨という悪天候の中、鉄塔に爆弾が設置される。人類初の実験に様々な憶測が飛び交い人々の不安を煽る。ここで歌われるメゾ・ソプラノの深い祈りの歌が心を打つ。音域的にはおそらく最低音だろう。 雨は天の恵みか、それとも死の恐怖か。人々の絶叫をよそに、ついに実施が決断される。 第3場。カウントダウン第1部。ここでは恐怖のあまり錯乱するオッペンハイマーの幻覚が主要なテーマになっている。紙の上の計算がついに実行に移される時が来た。その破壊力など誰一人知る由も無い。 第4場。カウントダウン第2部。ついにカウントダウンが始まる。天気は晴れ渡り、あたりに不気味な静けさがただよう。

いわごろう さん | 東京都 | 不明

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