DVD 輸入盤

マエストロ・クラウディオ・アバド・エディション(25DVD)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
2057478
組み枚数
:
25
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
DVD
その他
:
輸入盤

商品説明


没後5周年。ベルリン・フィル時代、後進の育成に心血を注いだ晩年
クラウディオ・アバドの音楽家、人としての信念を凝縮したDVDボックス登場


2014年1月20日、80歳で惜しくも亡くなったクラウディオ・アバド。まもなく没後5年を迎えます。当DVDボックスは、アバドの人間性、音楽性を描いたドキュメンタリー5篇と、晩年のライヴ映像を中心とした25枚のボックス・セットです。
 カラヤンの後任としてベルリン・フィルの首席指揮者に就任したアバド。約13年間のアバド時代を象徴するようなコンサートを収録。さらに、自らグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団、モーツァルト管弦楽団などを設立し、若手音楽家の育成にも力を入れていたアバドの功績をたたえるライヴ映像、ドキュメンタリーも含まれています。(輸入元情報)(写真:輸入元提供)


【収録情報】
マエストロ・クラウディオ・アバド・エディション


Disc1
● ドキュメンタリー『ザ・オーケストラ〜クラウディオ・アバドとモーツァルト管弦楽団の音楽家たち』

 監督:ヘルムート・ファイローニ、フランチェスコ・メリーニ

モーツァルト管弦楽団の2013年ヨーロッパ・ツアーをとらえたドキュメンタリー。この映像がアバドとの最後のツアーとなりました。モーツァルト管弦楽団は、2004年にクラウディオ・アバド自身が設立した若きオーケストラですが、400年にわたる歴史と伝統に支えられた音楽組織、アッカデミア・フィラルモニカの中心的存在といえる団体です。かつてモーツァルトがボローニャを訪れ、音楽家マルティーニ神父に教えを請うた来歴を由来とし、モーツァルト管弦楽団と名づけられました。
 この映像は、モーツァルト管弦楽団の音楽家たちの音楽性、そして人間的な側面にも焦点を当てています。フィーチャーされているのは、マリア・フランチェスカ・ラテッラ、フェデリカ・ヴィニョーニ、ルーカス・ナヴァロ、アロイス・ポシュ、ラインホルト・フリードリヒ、アレッシオ・アレグリーニ、ヨハニ・ゴンザレスらベテランから若手まで。さらにクラウディオ・アバドの未公開インタビュー、ボローニャ、ルツェルン、ウィーン、マドリード、パレルモでのリハーサル風景も収録。
 ボーナス映像には、団員たちの個別インタビューが収録され、アバドの大いなる遺産であるモーツァルト管弦楽団を深く掘り下げた見ごたえのある内容となっています。

Disc2
● ドキュメンタリー :『沈黙を聴く〜クラウディオ・アバドの芸術的肖像』

 監督:ポール・スマチヌィ

 収録曲(部分):
 ノーノ:プロメテオ
 ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
 ベートーヴェン:交響曲第1,3,9番、エグモント序曲
 ブルックナー:交響曲第1,9番
 ストラヴィンスキー:詩篇交響曲
 ブラームス:ドイツ・レクイエム
 R.シュトラウス:エレクトラ
 ヴェーベルン:管弦楽のための6 つの小品
 ドビュッシー:海
 チャイコフスキー:交響曲第5番

 出演者:
 クラウディオ・アバド(指揮)
 ダニエル・ハーディング、アルブレヒト・マイヤー、ヴォルフラム・クリスト、コーリャ・ブラッハー
 ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ルツェルン祝祭管、グスタフ・マーラー・ユーゲント管

世界的に絶賛されたアバドのドキュメンタリー映像。巨匠クラウディオ・アバドの音楽ドキュメンタリー映像。若き日のウィーン・フィル、10年余りにわたったベルリン・フィル音楽監督時代、近年のグスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラ、ルツェルン祝祭管弦楽団での演奏映像、インタビューや、名優ブルーノ・ガンツを初めとする芸術的盟友たちの証言によって、名映像ディレクター、ポール・スマチヌィ(シュマツニー)がアバドの知られざる実像を描きます。
 2004年モントリオール国際映像芸術祭、ベスト・ポートレート賞、2004年パリ映像(芸術&教育)祭グラン・プリ受賞作品。

Disc3
● ドキュメンタリー:『音楽と静寂のはざま〜クラウディオ・アバドの肖像』

 監督:ポール・スマチヌィ

 収録曲(部分):
 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」(ベルリン・フィル/1995年4月ザルツブルク復活音楽祭)
 ブラームス:交響曲第2番(ベルリン・フィル/1994年5月1日マイニンゲン劇場)
 ロッシーニ:歌劇「セヴィリャの理髪師」序曲(ヨーロッパ室内管/1995年2月フェリーチェ歌劇場)
 シューベルト:交響曲第2番(ヨーロッパ室内管/1995年2月フェリーチェ歌劇場)
 ブルックナー:交響曲第1番(ウィーン・フィル/1968年)
 シューベルト:歌劇「フィエラブラス」(ウィーン・フィル/1988年5月アン・デア・ウィーン劇場)
 ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」序曲(ウィーン・フィル/1991年ニューイヤー・コンサート)
 ブルックナー:交響曲第9番(マーラー・ユーゲント管/1995年8月シテ・ドゥa・ラ・ミュジーク)
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番(マーラー・ユーゲント管、ピリス(ピアノ)/1995年8月シテ・ドゥ・ラ・ミュジーク)
 R.シュトラウス:歌劇「エレクトラ」(ベルリン・フィル/1995年4月ザルツブルク復活祭音楽祭)
 ブルックナー:交響曲第9番(マーラー・ユーゲント管)

 出演者:
 クラウディオ・アバド(指揮)
 クラウス・シュトゥール、ゲオルク・ファウスト、ハンスイェルク・シェレンベルガー、ヴォルフラム・クリスト、ダグラス・ボイド、シャルロット・ガッスルブラハト、ズービン・メータ、ダニエル・バレンボイム、ビエール・ブーレーズ、他

伝統ある一流のオーケストラと同時に次世代を担う若手音楽家の育成にも心血を注いだアバド。さらには、現代音楽にも積極的に取り組み同世代の音楽を広めてきました。この映像は、音楽家として人としてのアバドの魅力を描いたもの。タイトルの「音楽と静寂のはざま」とは、アバドにとって「静寂」は音楽上欠かせないもの。映像中で「山には都会が失った静寂があります」と語っていますが、音楽でも、音が鳴っていることで音楽は奏でられますが、音が消えている間も音楽はそこにある、ということがより重要であるということ。ここでも、「静寂」を感じられる構成となっており、アバドの音楽感を理解することができます。

Disc4
● ドキュメンタリー:『シャローム(Shalom)〜パパゲーノ合唱団』

 監督:エンツァ:ネグローニ

ボローニャのドッツァにある刑務所の囚人たちとボランティアをメンバーとしたパパゲーノ合唱団が設立されたのは2011年。この設立にはクラウディオ・アバドが深くかかわっていました。この映像は、「音楽は人生に必要不可欠であり、音楽によって人生が変わることもある」というクラウディオ・アバドの理念に基づいて設立した社会的・教育的プロジェクト「Mozart 14」の一貫として行われたコンサートの記録とドキュメンタリーです。

Disc5
● ドキュメンタリー:『ルクス・エテルナ〜クラウディオ・アバド・イン・リハーサル』

 監督:ノルベルト・バイルハルツ

 収録曲:ヴェルディ:レクィエム(部分)
 出演者:
 クラウディオ・アバド(指揮)
 モンセラート・カバリエ(ソプラノ)、ルチア・ヴァレンティーニ=テッラーニ(メゾ・ソプラノ)、ペテル・ドヴォルスキー(テノール)、サミュエル・レイミー(バス)
 ミラノ・スカラ座管弦楽団、ミラノ・スカラ座合唱団
 収録:1985年、ヴェネツィア、サン・マルコ寺院

1985年にサン・マルコ寺院で行われたアバド&ミラノ・スカラ座によるヴェルディ:レクィエムのリハーサルを捉えたドキュメンタリー映像。監督は数々の芸術映像作品を手がけたノルベルト・バイルハルツ。ソリスト陣も世界中のオペラ・ファンを魅了するソプラノ、モンセラート・カバリエ、早世してしまったメゾ・ソプラノ、ルチア・ヴァレンティーニ=テッラーニ、色気のある深い声が魅力のバス、サミュエル・レイミー、伸びやかな歌声のテノール、ペテル・ドヴォルスキーと大変豪華。丁寧に音楽を作り上げていくアバドの統率力。音楽の歓び、演奏の歓びを共に分かち合う演奏者の熱意、精魂を傾け取り組んでいる姿が克明に描かれています。また真摯に音楽に向き合う姿はもちろん、普段は見ることができない演奏者たちの素顔も垣間見ることのできる映像となっています。

Disc6
● 『プロメテウス』神話の様々な変奏〜火の詩

 ベートーヴェン:『プロメテウスの創造物』 Op.43より(導入部『嵐』/第1番/第9番/パストラーレ第10番)
 リスト:交響詩『プロメテウス』
 スクリャービン:交響曲第5番『プロメテウス』
 ノーノ:『プロメテオ』組曲(1992)〜ヘルダーリン

 マルタ・アルゲリッチ(ピアノ:スクリャービン)
 ベルリン・ジングアカデミー
 フライブルク・ゾリステン合唱団
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:1992年5月23-25日 ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
 映像監督:クリストファー・スワン

クラウディオ・アバドが、ベルリン・フィルの定期演奏会で取り上げた「プロメテウス」神話に基づく様々な作曲家による作品が収録されたライヴ。アバドらしい企画として話題となった映像です。「プロメテウス神話」とは、ギリシア神話の神プロメテウスが人間に火を与えたとして、ゼウスの怒りをかい、不死身のプロメテウスは永遠にハゲ鷹に腹を割かれて処刑された、それを勇敢なヘラクレスがハゲ鷹を殺しプロメテウスを救うという内容。映像監督のクリストファー・スワンは、照明等を駆使した視覚的効果を巧みに使い、「火」「炎」を表現。ベルリンのフィルハーモニーホールが、赤、黄色、緑、青と変幻自在に染まっていく様子は必見です。
 スクリャービンの交響曲第5番『プロメテウス』では、アルゲリッチがピアノ・ソロとして登場。神秘主義に影響され、色彩への強い関心をもち、音楽に色彩をも取り込もうとしたスクリャービンの作風が最も色濃く投影された曲。大編成のオーケストラとヴォカリーズによる混声合唱、そして独奏ピアノのために作曲されました。この映像では使われてはいませんが、元々スクリャービンは、鍵盤を押すと七色に照明が変化する「色光鍵盤」の使用を指定しているので、このライヴ映像のようにホール全体が照明によって刻一刻と色彩が変化していくのは、まさに作曲者の意図通りと言え、映像で楽しむ価値のある演奏です。アルゲリッチの神秘的で魅惑的な演奏にも注目です。

Disc7
● 『ベルリン・フィル・イン・ジャパン1994』

 ムソルグスキー:禿山の一夜(原典版)
 ストラヴィンスキー:組曲『火の鳥』(1919年版)
 チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 Op.64

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:1994年10月14日 東京、サントリーホール(ライヴ)
 映像監督:ボブ・コールズ

1994年にベルリン・フィルとクラウディオ・アバドがサントリーホールで行ったコンサート映像。原典版を使用したムソルグスキーの『禿山の一夜』。魔女たちの盛大な夜会の様子が不気味に描かれ、アバドが新鮮な響きを引き出しています。これまで数多くの名演を繰り広げ、アバドが最も得意とする作品の一つ、ストラヴィンスキーの『火の鳥』。そしてアバド&ベルリン・フィルという最強タッグの実力が存分に表れたチャイコフスキーの交響曲第5番。ベルリン・フィルの圧倒的な表現力とアバドの求心力が見事な名演です。

Disc8
● 『ヴァルトビューネ1996〜イタリアン・ナイト』


 ヴェルディ:
 歌劇『ナブッコ』序曲
 歌劇『ナブッコ』より「行け、わが思いよ、金色の翼に乗って」
 歌劇『ドン・カルロ』より「彼れ!王子!我らの胸に友情を」
 歌劇『運命の力』序曲
 歌劇『仮面舞踏会』より「永久に君を失えば」
 歌劇『オテロ』より「喜びの炎よ」
 歌劇『オテロ』より「無慈悲な神の命ずるままに」
 歌劇『オテロ』より「すでに夜もふけた」
 歌劇『アイーダ』より「凱旋行進曲〜エジプトとイシスの神に栄光あれ」
 歌劇『シチリア島の夕べの祈り』序曲

 ロッシーニ:
 歌劇『ウィリアム・テル』序曲
 歌劇『セビリアの理髪師』序曲

 ベッリーニ:
 歌劇『カプレーティとモンテッキ』より「私はこうして晴れの衣装を期せられ...ああ、いくたびか」

 パウル・リンケ:ベルリンの風

 アンジェラ・ゲオルギュー(ソプラノ)
 セルゲイ・ラリン(テノール)
 ブリン・ターフェル(バリトン)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:1996年6月
 映像監督:ボブ・コールズ

1996年のヴァルトビューネ・コンサートは、アバド指揮による「イタリア・オペラの夕べ」。アンジェラ・ゲオルギュー(ソプラノ)、セルゲイ・ラリン(テノール)、ブリン・ターフェル(バリトン)をゲストに迎え、ヴェルディ、ベッリーニ、ロッシーニのアリア、二重唱曲、合唱曲が歌われます。当時、破竹の勢いだったゲオルギューの美しい容姿と歌唱、ターフェルの珍しいヴェルディ、早逝したロシア人スピント・テノール、ラリンの若々しい声など、見どころたっぷりです。何よりも魅力なのは、アバドのヴェルディとロッシーニの序曲。透明感とリズムの冴えに満ちた、かけがえのない「アバドの音」を楽しむことができます。

Disc9
● ブラームス:ドイツ・レクィエム Op.45


 バーバラ・ボニー(ソプラノ)
 ブリン・ターフェル(バリトン)
 スウェーデン放送合唱団
 エリク・エリクソン室内合唱団
 マリア・ヴィースランダー(合唱指揮)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:1997年4月3日 ウィーン、ムジークフェラインザール
 映像監督:ボブ・コールズ

ブラームス歿後100周年を迎えた1997年に、クラウディオ・アバドがベルリン・フィルを引き連れて、ライバルであるウィーン・フィルの本拠ムジークフェラインでおこなったコンサートのライヴ映像。ブラームスが晩年を過ごし、数々の傑作を生み出したウィーンはまた、「ドイツ・レクィエム」の試演がおこなわれた地でもあります。
 ここでのアバドは、病に倒れる前の溌剌とした演奏を展開しており、ベルリン・フィルとの関係も成熟し、まさに絶好調といえる冴え渡る指揮姿をみせてくれています。またソリストもソプラノにバーバラ・ボニー、バリトンにブリン・ターフェルと大変豪華。そしてスウェーデンの2大合唱団であるスウェーデン放送合唱団とエリク・エリクソン室内合唱団を従え完璧なアンサンブルと美しい歌声を聴かせてくれています。

Disc10
● 『ジルヴェスター・コンサート1997 カルメン』

 ビゼー:歌劇『カルメン』より(前奏曲、ハバネラ、闘牛士の歌、にぎやかな楽の調べ、花の歌、合唱と場面)
 ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
 サラサーテ:カルメン幻想曲
 ラヴェル:スペイン狂詩曲
 ファリャ:『恋は魔術師』より『火祭りの踊り』
 ブラームス:ハンガリー舞曲第5番

 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)
 ロベルト・アラーニャ(テノール)
 ブリン・ターフェル(バリトン)
 ヴェロニク・ジャンス(ソプラノ)
 ステラ・ドゥフェクシス(メゾ・ソプラノ)
 ミハイル・プレトニョフ(ピアノ)
 ギル・シャハム(ヴァイオリン)
 オルフェオン・ドノスティアラ(合唱団)
 ホセ・アントニオ・サインス・アルファロ(合唱指揮) 
 南チロル児童合唱団
 グレーテル・ブルッガー(児童合唱指揮)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:1997年12月31日 ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
 映像監督:ハンス・フルシャー

『カルメン』は最も有名なオペラのひとつであるだけでなく、神話的存在です。女性的魅力の象徴であり、社会の常識をかなぐり捨てた存在として、様々な作曲家にインスピレーションを与えました。1997年のジルヴェスター・コンサートでは、クラウディオ・アバドの指揮で、カルメンの魅力が余すところなく紹介されています。
 プログラムの中心となるのは、当然のことながらビゼーのオペラです。カルメンの誘惑的な音調を理想的に歌い上げるアンネ・ゾフィー・フォン・オッター、エスカミーリョのブリン・ターフェルは力強い歌声、ドン・ホセのロベルト・アラーニャは繊細な表現で、それぞれの役柄を表現。若きヴェロニク・ジャンス、ステラ・ドゥフェクシスの脇役登場も興味をそそります。サラサーテのカルメン幻想曲で技巧的なソロを弾くギル・シャハム、同様に至難で、カルメンと共通するエロティシズムを発散するラフマニノフのパガニーニ狂詩曲を演奏するミハイル・プレトニョフと、豪華なソリスト陣のリストは後を絶ちません。アバドが得意とするラヴェルのスペイン狂詩曲の演奏にも、ご注目ください。

Disc11
● 『ヨーロッパ・コンサート1998 フロム・ストックホルム』

 ワーグナー:歌劇『さまよえるオランダ人』序曲
 チャイコフスキー: 交響的幻想曲『テンペスト』 Op.18
 ドビュッシー:夜想曲
 ヴェルディ:聖歌四篇

 マリー・アレクシス(ソプラノ)
 スウェーデン放送合唱団
 エリック・エリクソン室内合唱団
 マリア・ヴィースランデル(合唱指揮)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:1998年5月1日 ヴァーサ号博物館、ストックホルム(ライヴ)
 映像監督:ボブ・コールズ

会場は17世紀に沈没して20世紀半ばに引き上げられた軍艦ヴァーサ号を展示してあるストックホルムの博物館。メインはヴェルディの聖歌四篇で、合唱はスウェーデン放送合唱団とエリク・エリクソン室内合唱団という豪華な組み合わせとなっています。

Disc12
● 『ジルヴェスター・コンサート〜ガラ・フロム・ベルリン1999 グランド・ファイナル』

 ベートーヴェン:交響曲第7番より第4楽章
 ドヴォルザーク:交響曲第8番より第4楽章
 マーラー:交響曲第5番より第5楽章
 ストラヴィンスキー:『火の鳥』より(カスチェイ王の魔の踊り/子守歌/終曲)
 ラヴェル:『ダフニスとクロエ』より「全員の踊り」
 プロコフィエフ:『アレクサンドル・ネフスキー』より「アレクサンドルのプスコフへの入場」
 シェーンベルク:『グレの歌』より「見よ、太陽」
 リンケ:『グリグリ』序曲
 リンケ:『フォリー・ベルジェール』より「行進曲」
 リンケ:『督促』より「ギャロップ」
 リンケ:ベルリンの風
 トランスラトイル:スポーツ宮殿ワルツ
 フィッシャー:スパークリング・シャンペン
 ニコライ:『ウィンザーの陽気な女房たち』序曲
 コロ:菩提樹の木陰にいる限り

 クラウス・マリア・ブランダウアー(語り:グレの歌)
 ベルリン放送合唱団
 RIAS室内合唱団
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:1999年12月31日 ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
 映像監督:ハンス・フルシャー

千年に一度の演奏会、1900年代最後の日、1999年12月31日に行われたガラ・コンサートのライヴ映像。アバドもベルリン・フィルのメンバーも、この演奏会を大いに楽しんでいる様子が伝わってきて、ベルリン・フィル恒例のジルヴェスター・コンサートもこの日ばかりはお祭り騒ぎ!「グランド・ファイナル」と題されたこのコンサートは、名曲の終楽章ばかりが選曲され、観客も大盛り上がりで、観ているこちらも思わず大熱狂してしまう映像です。『グレの歌』の語りはドイツの名優クラウス・マリア・ブランダウアーが務めています。後半の団員たちの挨拶にはじまり、プログラムはおなじみ『ベルリンの風』などドイツ人ならだれでも知っている名曲が演奏され、会場はミレニアムを祝う人々の熱気で満ち溢れています。

Disc13
● 『カラヤン・メモリアル・コンサート』

 モーツァルト:
 レクィエム(フランツ・バイヤー&ロバート・レヴィンによる校訂版)
 墓標の音楽 K.42〜「この心を見て私に問え」
 証聖者の荘厳晩課 K.339〜「ラウダーテ・ドミヌム」

 カリタ・マッティラ(ソプラノ)
 サラ・ミンガルド(メゾ・ソプラノ)
 ミヒャエル・シャーデ(テノール)
 ブリン・ターフェル(バリトン)
 ラヘル・ハルニッシュ(ソプラノ)
 スウェーデン放送合唱団
 マリア・ヴィースランダー(合唱指揮)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮) 

 収録:1999年7月16日、ザルツブルク大聖堂(ライヴ)
 映像監督:ボブ・コールズ

ザルツブルク大聖堂で開かれたヘルベルト・フォン・カラヤン没後10周年記念コンサート。カラヤンは1989年7 月16 日に亡くなりました。この映像は、カラヤンゆかりの場所ザルツブルクの大聖堂で、モーツァルトのレクィエムなどを、カラヤンの後継者だったクラウディオ・アバドが指揮をしたものです。アバドはこの未完の大作を、フランツ・バイヤーとロバート・レヴィンによる校訂版の楽譜を使用し、一石を投じ大変話題となった演奏です。ソリストもフィンランドの世界的ソプラノ、カリタ・マッティラ、アバドの信望の厚かったサラ・ミンガルド、モーツァルト歌いのテノール、ミヒャエル・シャーデ、現代を代表するバス・バリトンのブリン・ターフェルと最強の布陣です。

Disc14
● 『ヨーロッパ・コンサート2000 フロム・ベルリン』

 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
 ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』

 ミハイル・プレトニョフ(ピアノ)
 カリタ・マッティラ(ソプラノ)
 ヴィオレータ・ウルマーナ(コントラルト)
 トマス・モーザー(テノール)
 アイケ・ヴィルム・シュルテ(バリトン)
 エリック・エリクソン室内合唱団
 スウェーデン放送合唱団
 トヌ・カリユステ(合唱指揮)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2000年5月1日 ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
 映像監督:ボブ・コールズ

この第九はベートーヴェン全集にも組み込まれた演奏。俊敏、明快なベートーヴェン像を提示し、現代のベートーヴェンを考えるうえで無視できないものと絶賛されたものです。ピアノ協奏曲第2番では指揮者としても活躍する名手ミハイル・プレトニョフがソロを担当しています。

Disc15
● 『ジルヴェスター・コンサート2000 ヴェルディ・ガラ』

 ヴェルディ:
 『仮面舞踏会』より「彼女は天を見つめる」「諸君、ウルリカの家で」「見よ この夜に」「オスカルのカンツォーネ」
 『ドン・カルロ』より「王妃の舞踏会」
 『リゴレット』より「あれかこれか」「女心の歌」
 『椿姫』より「乾杯の歌」「花から花へ」
 『ファルスタッフ』より第1 幕第2 場
 『ファルスタッフ』より第2 幕第2 場
 『ファルスタッフ』より第3 幕フィナーレ

 ヨハン・シュトラウス:『仮面舞踏会』によるカドリーユ

 アンドレア・ロスト(ソプラノ)
 アラン・タイタス(バリトン)
 ラモン・ヴァルガス(テノール)
 ラリッサ・ディアドコーヴァ(メゾ・ソプラノ)
 ステラ・ドゥフェクシス(メゾ・ソプラノ)
 エンリーコ・ファチーニ(テノール)
 エリザベス・フュートラル(ソプラノ)
 ルーチョ・ガッロ(バリトン)
 マッシモ・ジョルダーノ(テノール)
 アナトリー・コチェルガ(バス)
 アンソニー・ミー(テノール)
 カルメラ・レミージョ(ソプラノ)
 プラハ放送合唱団
 スタニスラフ・ボグニア(合唱指揮)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2000年12月31日 ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
 映像監督:ハンス・フルシャー

豪華歌手陣を揃え新世紀の幕開けとなった2000年のジルヴェスター・コンサートのテーマはヴェルディ。1968年から86年までは、ミラノ・スカラ座の音楽監督を務め、様々なヴェルディの作品を上演しており、アバドにとって、ヴェルディの音楽は特別な意味を持っています。

Disc16
ベートーヴェン:
● 交響曲第4番変ロ長調 Op.60
● 交響曲第7番イ長調 Op.92


 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2001年2月 ローマ、サンタ・チェチーリア音楽院(ライヴ)
 映像監督:ボブ・コールズ

ベーレンライター新校訂譜の採用などで話題を呼んだこの全集は、2000年ベルリンでの第9番でスタートしましたが、ほどなくアバドが病に倒れたため、一時は完成を不安視されてさえいましたが、アバドが復調し、2001年の2月に、他の作品をローマで一気に収録したものです。俊敏、明快なベートーヴェン像を提示するこの演奏、現代のベートーヴェン演奏を考えるうえで欠かせないもの。

Disc17
ベートーヴェン:
● 交響曲第1番ハ長調 Op.21
● 交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』
● 交響曲第8番ヘ長調 Op.93


 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2001年2月 ローマ、サンタ・チェチーリア音楽院(ライヴ)
 映像監督:ボブ・コールズ

ベーレンライター新校訂譜の採用などで話題を呼んだこの全集は、2000年ベルリンでの第9番でスタートしましたが、ほどなくアバドが病に倒れたため、一時は完成を不安視されてさえいましたが、アバドが復調し、2001年の2月に、他の作品をローマで一気に収録したものです。俊敏、明快なベートーヴェン像を提示するこの演奏、現代のベートーヴェン演奏を考えるうえで欠かせないもの。

Disc18
● 『ヨーロッパ・コンサート2002 フロム・パレルモ』

 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77
 ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 Op.95『新世界より』
 ベートーヴェン:『エグモント』序曲
 ヴェルディ:『シチリア島の夕べの祈り』序曲

 ギル・シャハム(ヴァイオリン)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2002年5月1日 パレルモ、マッシモ劇場(ライヴ)
 映像監督:ボブ・コールズ

クラウディオ・アバドは、2002年にベルリン・フィルの首席指揮者を退任。これはベルリンでの最後の演奏会の後向かった、イタリアでの演奏会の模様です。
 プログラムは、アバドがしばしば取り上げているブラームスのヴァイオリン協奏曲。今回は、ギル・シャハムをソリストに迎えています。後半は、ドヴォルザークの『新世界より』。ベルリン・フィルが、アバドのために全身全霊で弾いている姿に打たれます。

Disc19
● マーラー:交響曲第2番ハ短調『復活』


 エテーリ・グヴァザーヴァ(ソプラノ)
 アンナ・ラーション(メゾ・ソプラノ)
 オルフェオン・ドノスティアラ(合唱団)
 ルツェルン祝祭管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2003年8月21日 ルツェルン、カルチャー&コンヴェンション・センター内コンサート・ホール(ライヴ)
 映像監督:ミヒャエル・ベイヤー

大病から復活したクラウディオ・アバドが、新たに編成したルツェルン祝祭管弦楽団を率いて行ったコンサート映像です。2003年のこのコンサートで新生ルツェルンと文字通り「復活」を果たしたアバド。メンバーは錚々たる面々が集結し、ナターリャ・グートマン、クレメンス・ハーゲン、ヴァレンティン・エルベンなどの充実の弦楽器陣、管楽器にはサビーネ・マイヤー、ウォルフガング・マイヤーら豪華な顔ぶれ。
 全力で音楽を表現する様は感動的で、各パートは鮮明に浮かび上がり透明度が一層増した名演を聴かせてくれます。またソリスト2人と合唱も素晴らしくアンナ・ラーションの伸びやかな歌声がより一層美しさを際立たせています。

Disc20
ドビュッシー:
● 組曲『聖セバスチャンの殉教』
● 『海』 - 3つの交響的素描


 ラへル・ハルニッシュ(ソプラノ)
 エテーリ・グヴァザーヴァ(ソプラノ)
 スイス室内合唱団
 ルツェルン祝祭管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2003年8月14日 ルツェルン、カルチャー&コンヴェンション・センター内コンサート・ホール(ライヴ)
 映像監督:ミヒャエル・ベイヤー

● ドキュメンタリー『トスカニーニからアバドへ〜ルツェルン音楽祭の歴史』(53分)

ベルリン・フィル音楽監督を勇退した後のクラウディオ・アバドが新生ルツェルン祝祭管を率いて行われた2003年のルツェルン音楽祭。1週間にわたるオープニングの掉尾となる2日間を、ドビュッシー2曲とマーラーの『復活』が飾りました。新生ルツェルン祝祭管との演奏のために満を持してきたアバドは実に精力的で、推進力に富む指揮ぶりがこのスーパー・オーケストラからみずみずしい音楽への忠誠を見事に引き出しています。
 交響詩『海』は意外にもアバドにとって初録音。彼は若い音楽家たちとこの作品を演奏してきたことに特別な意味を見出しており、新生ルツェルン初日、ガラ・コンサートのラストを飾ったこの演奏にも格別の思いが込められています。その演奏は、プレイヤーたちの演奏意欲を反映してか、熱気を帯びたダイナミックなアプローチがとても印象的なものとなっていて、どこまでも明晰かつ抑揚に富む各フレーズの絡み合いの面白さが、作品の描写性と循環構造の合致をきわめて高い次元で実現させていることに驚かされます。終演後の聴衆の興奮した様子からもそのことは十分に窺えるところですが、オーディオ・セットの前の聴衆にも熱い感動をもたらしてくれる高解像度かつパワフルな録音にもひたすら感謝。素晴らしい技術です。
 また『ルツェルン音楽祭の歴史』と題する約53 のドキュメンタリーが付いています。フルトヴェングラー、トスカニーニ、サバタ、カラヤン、フリッチャイなどそうそうたる名指揮者たちが活躍した音楽祭の歴史を知ことができる貴重な映像です。

Disc21
● マーラー:交響曲第9番ニ長調


 グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラ
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2004年4月14日 ローマ、聖チェチーリア音楽院(ライヴ)
 映像監督:ボブ・コールズ

自らが創設に関わったグスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラを率いた2004年4月のライヴで、かつてを上回るほどの精力を見せていたこの時期のアバドを象徴するような、凄味のある美しさが圧倒的な演奏です。
 まず驚かされるのは、この若いオーケストラの俊敏きわまる反応の良さと、音の精度の高さでしょう。何しろマーラーが好きで好きでしょうがない人たちです。アバドの硬軟自在のアプローチをくまなく再現していく高度な演奏能力は、ソロ楽器の巧さも含めて実に見事なものです。

Disc22
● マーラー:交響曲第4番ト長調
● シェーンベルク:交響詩『ペレアスとメリザンド』 Op.5


 ユリアーネ・バンゼ(ソプラノ)
 グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラ
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2006年4月24,25日 ウィーン、ムジークフェラインザール
 映像監督:ハンス・フルシャー

大病から復調したアバドが意欲的に取り組む、マーラー・シリーズ。2006年4月にウィーン、ムジークフェライン大ホールで行われた演奏会を収録したものです。オケはマーラー・ユーゲント管。ほかならぬアバド自らによって1986年に結成されたオーケストラのマエストロに寄せる共感には相当なものがあり、また、作品本来の持つ若々しいムードにもふさわしいように思われます。さらに、第4楽章のソリストに迎えられたバンゼは、すでにブーレーズの録音やシノーポリとのライヴでも知られるように、ここでも魅力的な歌唱を聴かせてくれます。カップリングの交響詩『ペレアスとメリザンド』は、『浄夜』とならんで濃厚なロマンチシシズムが充満するシェーンベルクの初期作品。

Disc23
● J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 全6曲
● アンコール:第2番ヘ長調 BWV.1047より第3楽章アレグロ・アッサイ


 ジュリアーノ・カルミニョーラ(ヴァイオリン:コンサートマスター)
 ミカラ・ペトリ(リコーダー)
 アロイス・ポッシュ(コントラバス)
 ラインホルト・フリードリヒ(トランペット)
 オッターヴィオ・ダントーネ(チェンバロ)、他
 モーツァルト管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2007年4月21日 イタリア、レッジョ・エミリア、ヴァーリ市立劇場(ライヴ)
 映像監督:アンドレアス・モレル

クラウディオ・アバドが音楽監督を務めるモーツァルト管弦楽団の演奏でブランデンブルク協奏曲全曲。モーツァルト管弦楽団は、2004年にアバド自身が設立した若きオーケストラですが、400年にわたる歴史と伝統に支えられた音楽組織、アッカデミア・フィラルモニカの中心的存在といえる団体です。かつてモーツァルトがボローニャを訪れ、音楽家マルティーニ神父に教えを請うた来歴を由来としモーツァルト管弦楽団と名づけられました。
 この演奏メンバーは若手演奏家から、コンサートマスターのジュリアーノ・カルミニョーラ、チェロにマリオ・ブルネロ、コントラバスはアロイス・ポッシュ、リコーダーはミカラ・ペトリなどのベテランまで顔を揃えます。チェンバロのオッターヴィオ・ダントーネの上手さにも感服です。

Disc24
● プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調 Op.26
● マーラー:交響曲第1番ニ長調『巨人』


 ユジャ・ワン(ピアノ)
 ルツェルン祝祭管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2009年8月12日 ルツェルン、カルチャー&コンヴェンション・センター内コンサート・ホール(ライヴ)
 映像監督:ミヒャエル・ベイヤー

ルツェルン祝祭管を率いて2009年に行った第1番『巨人』。『空前のスーパー・オケ』と呼ばれるルツェルン祝祭管。ヴァイオリンはコーリャ・ブラッハー、ゲヴァントハウス管首席のゼバスチャン・ブロイニンガー、チェロにはナターリャ・グートマン、クレメンス・ハーゲンにベルリン・ドイツ響首席のイェンス・ペーター・マインツと、アバドのもとに集った顔ぶれはいつもながら豪華の一点に尽きます。フィナーレのコーダなど、華麗なる音の洪水に圧倒されんばかり。これまでのシリーズを通じてもそうでしたが、オケの魅力はもとより、年齢を重ねてなお、かえってアバドの若々しい音楽運びには驚きと畏敬の念を禁じ得ないところです。
 カップリングは、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番。ソリストに起用されたのは話題のユジャ・ワン。若き日のアルゲリッチを彷彿とさせるかのような奔放苛烈なピアノはまことに痛快。ときにアバドとオケをガンガン追い立てるようなやりとりもスリリングきわまりないものです。

Disc25
マーラー:
● 交響曲第4番ト長調
● リュッケルトの詩による5つの歌曲


 マグダレーナ・コジェナー(メゾ・ソプラノ)
 ルツェルン祝祭管弦楽団
 クラウディオ・アバド(指揮)

 収録:2009年8月21,22日 ルツェルン、カルチャー&コンヴェンション・センター内コンサート・ホール(ライヴ)
 映像監督:ミヒャエル・ベイヤー

2009年収録のマーラー第4交響曲。充実しきったオーケストラ・サウンドとともに、完成度の高さということでは、フィナーレの独唱に迎えられた当代きってのメゾのひとり、コジェナーの存在も大きいでしょう。なおプログラムの前半に第4交響曲と相前後して書かれたリュッケルト歌曲集が演奏されています。
 第4交響曲のアダージョとの動機上の関連がみられる『私はこの世に忘れられ』が歌われたあと、そのまま交響曲へとつながる構成となっていますが、こちらは以前よりコジェナーが実演で歌い実績を示しているレパートリーなので、コジェナーにとって初録音となる第4交響曲と併せて、深みのあるゆたかな歌唱を聴かせてくれます。


 画面:カラー、16:9、4:3(Disc3,5,6)
 音声:PCMステレオ、DD 5.1、DTS 5.1
 字幕(ドキュメンタリー):英独仏韓日
 NTSC
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