ストラヴィンスキー(1882-1971)

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SACD 輸入盤

ラフマニノフ:交響的舞曲、ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲 ゲルギエフ&ロンドン交響楽団

ストラヴィンスキー(1882-1971)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
LSO0688
組み枚数
:
1
レーベル
:
フォーマット
:
SACD
その他
:
ハイブリッド,輸入盤

商品説明

ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲
ラフマニノフ:交響的舞曲
ゲルギエフ&ロンドン響


ゲルギエフがLSOを指揮して、ラフマニノフの『交響的舞曲』とストラヴィンスキーの『3楽章の交響曲』を演奏したアルバムは、2009年5月におこなわれたコンサートの模様をライヴ収録したもので、2008/09年のシーズンを通じてLSOが据えたプログラムのテーマ『Emigre(亡命者)』に因んで、祖国ロシアを離れアメリカ滞在時代に作曲された点の共通する組み合わせとなっています。

【交響的舞曲】
作曲者一流の哀愁と抒情を漂わせたメロディと、リズミカルな要素とがうまくブレンドされた『交響的舞曲』は、病と望郷の念で憔悴のなか持てる精魂を振り絞って回顧するかのように『第1交響曲』や『晩祷』といった自作の引用も特徴的なラフマニノフ最後の作品。
 LSOは比較的珍しいことにその長い歴史の中で『交響的舞曲』を7度しか演奏しておらず、うち4回が1973年のアメリカ・ツアーにおけるプレヴィンとの顔合わせによるものでした。また、レコーディングもLSOは過去に3度、すなわち1958年にグーセンス指揮、1974年にプレヴィン指揮、1992年にワーズワース指揮でおこなっています。
 ゲルギエフとLSOによるラフマニノフといえば、やはりこれに先立って2008年9月のシーズン・オープニングを飾った『第2交響曲』が当コンビ屈指の出来栄えとして記憶されているので、その流れを受けて演奏された『交響的舞曲』にも同様のすぐれた内容が期待できそうです。

【3楽章の交響曲】
そもそも「オーケストラのための協奏曲」的な音楽として構想された『3楽章の交響曲』は、ピアノやハープが活躍する協奏曲風な響きと形式構造が際立つと同時に、ストラヴィンスキー自ら「戦争交響曲」と述べてもいるように、ドキュメンタリー・フィルムを通して得た第2次世界大戦に対する強烈なインパクトを、粗野なリズムと管弦楽の咆哮といった原始主義時代をおもわせる作風で音化しているのが特徴的。
 すでにゲルギエフはマリインスキー劇場管とは、その原始的な傾向が相通じる『春の祭典』や『結婚』といったストラヴィンスキーのバレエ音楽の録音を完了しており、そこでは緻密な設計により圧倒的なサウンドを聴かせていました。
 いっぽう、LSOがグーセンスの指揮で初めて『3楽章の交響曲』をレコーディングしたのは、1946年の世界初演から12年後、じつに半世紀以上前の1958年のことで、LSOが手掛けた『3楽章の交響曲』の実演での演奏回数も全部で20回以上といいますから、その頻度はむしろ高い数字といえるでしょう。
 以上を踏まえると、ゲルギエフ&LSOによる初のストラヴィンスキーはいかにも刺激的な取り合わせの予感十分で、期待度もかなりのものとおもわれます。(キングインターナショナル)

【収録情報】
・ラフマニノフ:交響的舞曲 Op.45 (1940)
・ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲 (1942-45)

 ロンドン交響楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:2009年5月7,8日
 録音場所:ロンドン、バービカン・ホール
 録音方式:DSDレコーディング(ライヴ)
 プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
 エンジニア:ニール・ハッチンソン、ジョナサン・ストークス
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND

ユーザーレビュー

総合評価

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これは素晴らしい名演だ。近年のゲルギエフ...

投稿日:2012/04/14 (土)

これは素晴らしい名演だ。近年のゲルギエフ&ロンドン交響楽団の充実ぶりを窺い知ることができる名演とも言うことができるだろう。本盤の選曲も絶妙である。ストラヴィンスキーとラフマニノフと言えば、その芸風は全く正反対。この両者は、同時期にアメリカ合衆国で活躍していたこともあるが、ストラヴィンスキーはラフマニノフの楽曲を前時代的な作風と酷評していたのは想像に難くなく、他方、ラフマニノフにしてみれば、ストラヴィンスキーの楽曲は、革新的でとても受け入れがたいものであったのではないだろうか。それでも、どちらが送り手だったか記憶が定かではないが、両者には有名な蜂蜜の逸話が存在しており、両者のまるで異なる芸風ほどに溝があったのではないのかもしれない。実際のところ、この両者は、ともに故国ロシアの大作曲家であるチャイコフスキーを深く敬愛していたことにおいても共通しており、意外にもお互いを認め合っていたと言えるかもしれない。しかしながら、本盤におさめられたストラヴィンスキーの3楽章の交響曲と、ラフマニノフの交響的舞曲は、全く対照的な作品と言える。革新的なリズムをベースとしつつ、強烈無比な不協和音などがさく裂する現代音楽の申し子のような楽曲と、故国ロシアへの望郷の念が色濃く反映された情感豊かでメランコリックな旋律に満ち溢れた楽曲。ゲルギエフは、この対照的とも言える両曲を巧みに振り分け、両曲の魅力を最大限に表現し得ている点を高く評価したい。ゲルギエフによる両曲のアプローチは、近年のこれら両曲の演奏において一般化しつつある洗練されたものではない。むしろ、個性的で、いわばあくの強ささえ感じさせるものであり、ストラヴィンスキーの3楽章の交響曲で言えば、ブラスセクションなどもオブラートに包むなどという小細工を弄することなど薬にしたくもなく、ブラスセクションにとどまらず、すべての楽器セクションを思い切って鳴らし、同曲の性格でもある一種の原始的な様相を殊更に強調しているとさえ言えるだろう。かかるアプローチ故に、他のどの演奏にも増して、ストラヴィンスキーが同曲に込めたメッセージが明瞭に表現されているとも言えるところであり、その意味では、前述のように、同曲の魅力を最大限に引き出すことに成功した稀有の名演と評価してもいいのではないかとも考えられるところだ。ラフマニノフの交響的舞曲も、同曲に特有のメランコリックな旋律の数々を、さすがにかのスヴェトラーノフほどではないが、思い切って歌い抜いており、演奏全体から漂ってくる独特の情感の豊かさは、ラフマニノフが亡命した後、二度と足を踏み入れることができなかった故国ロシアへの深い愛着の念が滲み出ており、実に感動的であると言える。演奏全体のスケールの大きさは、悠久の大地ロシアを思わせるのに十分であり、本演奏を、近年のゲルギエフの充実ぶりが如実にあらわれた名演と評価するのにいささかも躊躇するものではない。加えて、本盤で素晴らしいのは、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音であると言える。いずれにしても、ゲルギエフ&ロンドン交響楽団による素晴らしい名演を、マルチチャンネル付きのSACDという、臨場感溢れる極上の高音質で味わうことができるのを大いに喜びたい。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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