トリオ・パルナッスス/コルンゴルド:室内楽曲集
以前からMDGレーベルに多くの録音をしているトリオ・パルナッススの最新盤。今作は、近年人気急上昇中のコルンゴルトの室内楽作品を取り上げています。
ピアノ・トリオop. 1は極めて早熟だった彼の13歳の時の作品、その30年後に書かれた組曲は円熟期の作品です。1897年にウィーンで生まれたコルンゴルトは、幼い頃から音楽の才能を発揮し、「モーツァルトの再来」と騒がれていました。彼が最初のピアノ小品を発表したのは12歳の時で、以降バレエ・パントマイム、オーケストラ作品、オペラと次々に作品を発表ウィーン中を激震させたのです。しかし、1938年には戦争のためアメリカに亡命し、映画音楽の作曲の作曲に従事。2つのオスカーも受賞しましたが、彼自身はその仕事に満足することはありませんでした。1945年、本来の作曲をするべくウィーンに戻ったコルンゴルトでしたが、当時のウィーンでは前衛音楽が全盛期を迎えていて、コルンゴルトの書く「後期ロマン派」の音楽は受け入れられることもなかったのです。失意の内にハリウッドに戻ったコルンゴルトは1957年に病死してしまいました。
ここに収録されている2曲の室内楽はどちらも独創的なもので、創意と工夫に溢れたピアノ・トリオからは、彼の早熟さが伺われます。そして「組曲」は、あの右手を失ったピアニスト、ヴィトゲンシュタインのために書かれた作品で、当然のことながらピアノ・パートは左手だけで奏するように作曲されています。しかし、そこに用いられている技巧は驚くべきもので、聴き手を陶然とさせるに違いありません。(IMS)
・エーリッヒ・ヴォルフガンク・コルンゴルト(1897-1957):室内楽曲集
@ピアノ・トリオ op. 1
A2台のヴァイオリンとチェロ、ピアノのための組曲op. 23
トリオ・パルナッスス
マティアス・ヴォロンク(A:vn)
録音:2006年11月 バド・アーロルゼン、ドイツ