子供のためのミサ〜ラター作品集　ジョン・ラター＆ケンブリッジ・シンガーズ、カンターテ児童合唱団、シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア、他

ラター／子供のためのミサ

ここのところ、ますます自作自演以外の演奏の競合に拍車がかかるラター作品ですが、本家本元は、この「Collegium（コレギウム）」レーベルからリリースされる、作曲者指揮＆ケンブリッジ・シンガーズのコンビによるディスクであることは衆目の一致する事実。
　『子供のためのミサ』は2002年から03年初頭にかけて作曲されたもので、初演はニューヨーク、カーネギー・ホールで行われました。『ミサ』はキリエ／グローリア／サンクトゥス＆ベネディクトゥス／アニュス・デイ／フィナーレ（我等に平和を）の5章からなり、それぞれのタイトルからすると、伝統的なラテン語典礼文を歌詞に用いたミサ？...と思われがちですが、冒頭「キリエ」はいきなりトマス・ケン[1637-1711]の「目覚めよ、わが魂...」から始まる詩が用いられ、「アニュス・デイ」ではウィリアム・ブラック[1757-1827]の詩が挿入されます。このあたり、まるでブリテンの『戦争レクィエム』ばり。その他ラテン語典礼文も児童合唱のみで歌われる部分では英語訳が用いられていたりするので、決して通常の様式にのっとったミサ曲ではありません。そしてなにより、ラターならではの色彩的な和声感覚と明晰さ、決して通俗レヴェルにまでは陥らない気品あるポピュラリティが聴き手の心をとらえて離しません。日本にも多いラターのファン、そしてアマチュアからプロまで合唱に携わる人にとって必聴の新譜となるのは間違いなく、自信を持ってお薦めです！（輸入元情報）

【収録情報】
ラター：
● 子供のためのミサ　Mass of the Children
● 世界を見よ　Look at the World
● 全てのものには季節がある　To every thing there is a season
● 朝の翼　Wings of the morning
● クレアの祝福　A Clare Benediction
● 我は魂と共に歌わん　I will sing with the spirit
● 音楽は神の贈り物　Musica Dei donum
● 神よ、御身がわれらになしたまえること果たしたまえ　I My Best Beloved's am
● 来たれ、おお、天なる喜びよ　Come down, O Love divine

　ジョアンヌ・ラン（ソプラノ）
　ロデリック・ウィリアムズ（バリトン）
　ケンブリッジ・シンガーズ
　カンターテ児童合唱団
　シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア
　ジョン・ラター（指揮）

　録音時期：2002年6月、2003年5月
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）