
熊蜂の飛行のようなスケルツォが楽しいピアノ協奏曲はじめ佳曲揃い!
フランスの色彩
チコーニア コンソート
【概要】ハーグの紋章に描かれたコウノトリの学名「チコーニア」を冠した弦楽オーケストラ「チコーニア・コンソート」による20世紀フランス作品集。作風はクラシックの伝統に則りながらもモダンな書法のスパイスが効いたもので、弦楽オーケストラの表現力がフルに引き出されています。
【作品】メシアンの弟子で「パンドラの箱」でローマ大賞を受賞したジャック・カステレードの作品に、メシアンと音楽サークル「若きフランス(ラ・ジュヌ・フランス)」を結成して活動していたアンドレ・ジョリヴェとダニエル・ルシュールの作品で構成したアルバム。
【演奏】常設弦楽オーケストラ「チコーニア・コンソート」による細部まで生き生きした演奏はいつもながら見事なもので、ピアノ協奏曲でのパオロ・ジャコメッティによるきらびやかで軽やかなタッチも作品にぴったりで、第2楽章スケルツォでの「熊蜂の飛行」のような楽しさも印象的。
【録音】2025年4月に、オランダ、ロッテルダム都市圏のスヒーダムにあるヴェストフェスト教会で収録。
【仕様】CD収録時間は約73分。ケースは10mm厚のポリスチレン製(ジュエルケース)。ブックレット (英語・16ページ)には、指揮のディック・ファン・ハステレンによる解説などが掲載。EU製で、ディスクはメジャー・レーベルでもおなじみの独オプティマル・メディアが製造。
Brilliant Classics ・
Piano Classics ・
Berlin Classics ・
Neue Meister
作曲者情報
ジャック・カステレード (1926-2014)
【生地】1926年4月10日、フランス、パリで誕生。
【学業】1931年(歳):5歳でピアノのレッスンを開始。1944年(歳):にパリ国立高等音楽院に入学し、トニー・オーバン(1907-1981)とオリヴィエ・メシアン(1908-1992)らに師事 。1948年から1953年にかけて、ピアノ、室内楽、和声、作曲、音楽分析で1等賞を獲得。
【賞歴】1953年(歳):カンタータ「パンドラの箱」でローマ大賞を受賞し、1954年から1958年までローマのヴィラ・メディチに滞在。その後も、1963年(歳):ポルティーク賞、1983年(歳):ドゥメニル賞、1986年(歳):フローレンス・グールド賞、1991年(歳):パリ市音楽大賞など、数々の賞を受賞。
【仕事】コンサート・ピアニストとして世界各地で演奏。教育にも尽力し、1960年(歳):パリ国立高等音楽院の歌手のための音楽教育教授に任命され、そこで研究顧問教授、1971年には上級音楽分析教授を歴任。1988年には作曲の教授に任命され、1983年から1988年までパリのエコール・ノルマル音楽院でも作曲を指導。
【作品】「弦楽のための前奏曲とフーガ」はポール・クエンツとその室内オーケストラからの委嘱で1960年に作曲。復古的な聴きやすい音楽で、バロック的な要素を現代的な手法で表現した作品。「ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲」は、エクサン・プロヴァンス音楽祭からの委嘱で1954年に作曲。ショパンやフランク、サン=サーンスといったフランスの伝統を感じさせるロマン派風な作品。
【没地】2014年4月6日、フランス東部ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏、ディジョンで死去。87歳。
アンドレ・ジョリヴェ (1905-1974)
【生地】1905年8月8日、フランス、パリのモンマルトルで誕生。父ヴィクトール=エルネスト・ジョリヴェ(1869-1954)は技師でアマチュア画家、母マドレーヌ・ペロー(1874-1936)はアマチュア・ピアニスト。
【修業】1909年(歳):4歳から母とウジェニー・ヴォーにピアノを習い、ほどなくノートルダム・ド・クリニャンクール教会の聖歌隊指揮者エメ・テオダス神父にオルガン、即興演奏、和声の指導を受けて聖歌隊にも参加。1919年(歳):14歳の時には、キュビズムの画家で歌手でもあったジョルジュ・ヴァルミエ(1885-1937)に師事。1920年(歳):15歳の時にピアノの勉強を中断してチェロに転向。チェロ奏者でパリ音楽院教授のルイ・フイヤール(1872-1941)に師事。音楽院への進学には家族が猛反対したため、師範学校を卒業し、1924年から1927年にかけての兵役を終えると、1927年から教師として働き始めるものの、翌1928年には作曲家で指揮者・教育者のポール・ル・フレム(1881-1984)に和声と対位法の指導を受け始め、その際にエドガー・ヴァレーズのもとを訪れるよう勧められ、1930年から師事することになり、12音技法や無調、オーケストレーションなどを修得。
【仕事】1934年(歳):メシアン(1908-1992)から手紙を受け取って交流が始まり、1936年に音楽サークル「若きフランス(ラ・ジュヌ・フランス)」を設立。メンバーは、ジョリヴェ、メシアン、イヴ・ボードリエ(1906-1988)、ダニエル・ルシュール。作曲以外の職歴は、1945〜1959年(歳):コメディ・フランセーズ音楽監督、1960〜1962年(歳):フランス文化省の文化顧問、1960〜1968年(歳):コンセール・ラムルー協会会長、1966〜1971年パリ音楽院教授など。また、指揮者としても国際的に活動して自作を頻繁に演奏。
【作品】「弦楽のための交響曲」はフランス国立放送の委嘱により1961年に作曲。バロック風ポリフォニーから無調や不協和音まで力強くまとめた聴きやすい作品。
【没地】1974年12月20日、フランス、パリでインフルエンザにより死去。69歳。
ダニエル・ルシュール (1908-2002)
【生地】1908年11月19日、フランス、パリで誕生。母アリス(1881-1980/旧姓:ティブースト)は作曲家。
【学業】幼少期から母に作曲などの指導を受け、11歳でパリ音楽院に入学し、エミール・シュワルツにソルフェージュ、ジャン・ガヨン(1878-1959)に和声学、ジョルジュ・コサード(1873-1936)に作曲を師事。また、アルマン・フェルテにピアノ、シャルル・トゥルヌミール(1870-1939)にオルガンと作曲の個人指導を受け、助手も務めてパリのサン・クロティルド教会のカヴァイエ=コル・オルガンを演奏。
【仕事】1935年から1964年まで、パリのスコラ・カントルムで対位法の教授を務め(1957年から1961年には院長も兼務)、その間、1937年から1944年まで、聖マリー・ベネディクト会修道院のオルガニストとして演奏。1936年には作曲家の音楽サークル「若きフランス(ラ・ジュヌ・フランス)」での活動を開始。1971年から1973年にかけてはパリ・オペラ座の監督を務め、フランス文化省に勤務。
【作品風】弦楽セレナーデは、エクサン・プロヴァンス音楽祭からの委嘱で1954年に作曲し、モーリス・オアナに献呈。初演はカステレードのピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲と共にハンス・ロスバウトが指揮。
【没地】2002年7月2日、フランス、パリで死去。93歳。
「若きフランス(ラ・ジュヌ・フランス)」
1936年に設立。左からジョリヴェ、ルシュール、メシアン、ボードリエ。
演奏者情報
チコーニア・コンソート (ハーグ弦楽オーケストラ)
【設立】2012年(歳):ハーグで設立。名称はハーグの紋章に描かれたシュバシコウ(コウノトリ属)の学名「チコーニア・チコーニア」に由来。組織形態は財団法人(ハーグ商工会議所登録番号:KvK 54917026)。
【編成】弦楽器奏者約20名が登録団員。
【仕事】ハーグの新教会を中心に各地でさまざまな曲目を演奏。メインのレパートリーは近現代作品。
【録音】CDは、Brilliant Classicsなどから発売。
ディック・ファン・ハステレン (指揮)
【生地】1965年(歳):オランダに誕生。
【学業】9歳でチェロの訓練を始め、ハーグ王立音楽院でアンナー・ビルスマにチェロを師事(1988年に修士号取得)、ヤン・ストゥーレンに指揮法を師事(1990年に上級資格取得)。その後、ロンドンで、ベルナルト・ハイティンクに師事し、アムステルダムで開催された1995年のマーラー音楽祭ではハイティンクのアシスタントを務めています。また、ライデン大学では美術史と法律を学び、2003年に法学修士号を取得。
【賞歴】シエナのキジアーナ音楽院とウィーン・マイスターコースの両校で指揮マスタークラスで桂冠を受賞したほか、同分野で数々の栄誉を獲得。
【仕事】弦楽オーケストラ・レパートリーを中心に取り組むチコーニア・コンソートを2012年に設立し、指揮者兼芸術監督に就任。現代音楽アンサンブル「クラングフォラム・ウィーン」や、リンブルフ交響楽団、北ホラント・フィルハーモニー管弦楽団、ニュルンベルク交響楽団などにも客演し、2014年から2021年まではシモン・ボリバル交響楽団の客演指揮者を務め、ベネズエラの「エル・システマ」に所属するフランシスコ・デ・ミランダ管弦楽団、テレサ・カレーニョ管弦楽団など、他のオーケストラも頻繁に指揮。また、ベネズエラのイノセンテ・カレーニョ音楽院の教授として、レッスンとマスタークラスの両方を通じて、若い指揮者の育成に尽力。さらに、ドイツのオルデンブルク州立劇場で「オテロ」、「エレクトラ」、「こうもり」なども指揮してオペラ指揮者としても高い評価を得ており、ハーグ王立劇場では、コンスタント・ファン・デ・ウォル作曲のオランダ=インドネシア合作オペラ「アッティマ」の指揮を任されています。
【録音】CDは、Brilliant Classicsなどから発売。
パオロ・ジャコメッティ (ピアノ)
【生地】1970年(歳):イタリア北部、ミラノに誕生し、幼少期にオランダに移住。
【学業】アムステルダムのスウェーリンク音楽院を首席で卒業。
【賞歴】国内外のコンクールで数々の賞を受賞。
【仕事】古楽器と現代楽器を演奏し、ソロと室内楽の両方で国内外で活動。近年はデュッセルドルフのロベルト・シューマン音楽院で教えてもいます。
【録音】CDは、Brilliant Classics、Channel Classics、Columns Classics、Onyx、CPO、Ars Produktion、BIS、 Evil penguinなどから発売。
トラックリスト (収録作品と演奏者)
CD 73'12
ジャック・カステレード (1926-2014)
弦楽のための前奏曲とフーガ(1960/ポール・クエンツのために)
1. 11'57
ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲 (1954) 24'13
2. パストラーレ 5'37
3. スケルツォ 4'12
4. ノクチュルヌ 9'11
5. ロンド 5'13
アンドレ・ジョリヴェ (1905-1974)
弦楽のための交響曲 (1961) 22'40
6. ファルーシュ(激しく) 8'07
7. フロッタン(漂うように) 7'59
8. トレピダン(慌ただしく) 6'34
ダニエル・ジャン=イヴ・ルシュール (1908-2002)
弦楽セレナーデ (1954/モーリス・オアナのために) 14'03
9. アレグレット 4'22
10. アダージョ 4'06
11. アレグロ・デチーゾ 5'35
チコーニア・コンソート(ハーグ弦楽オーケストラ)
パオロ・ジャコメッティ(ピアノ)
ディック・ファン・ハステレン(指揮)
録音:2025年4月14〜15日、17〜18日
場所:オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト教会
Track list
JACQUES CASTÉRÈDE 1926-2014
1. Prélude et fugue pour cordes (à Paul Kuentz, 1960) 11'57
Concerto pour piano et orchestre à cordes (1954)
2. Pastorale 5'37
3. Scherzo 4'12
4. Nocturne 9'11
5. Rondo 5'13
ANDRÉ JOLIVET 1905-1974
Symphonie pour cordes (1961)
6. Farouche 8'07
7. Flottant 7'59
8. Trépidant 6'34
DANIEL JEAN-YVES LESUR 1908-2002
Sérénade pour cordes (à Maurice Ohana, 1954)
9. Allegretto 4'22
10. Adagio 4'06
11. Allegro deciso 5'35
Ciconia Consort The Hague String Orchestra
Paolo Giacometti piano
Dick van Gasteren conductor
Recording: 14-15 & 17-18 April 2025, Westvestkerk, Schiedam, The Netherlands