
女性ギタリストによる女性ギター作曲家シリーズ第3弾
トリビュート・トゥ・マリア・ルイサ・アニード
チンツィア・ミラーニ(ギター)
日本1954年から1971年にかけて日本を4度訪れている往年の名ギタリスト・作曲家のマリア・ルイサ・アニード[1907-1996]は、20世紀初頭から活躍し、演奏と教育に大きな足跡を残した人物で、その作品には故郷アルゼンチンの民俗音楽の要素も反映しています。
このCDでは、アニードの作品をイタリアの女性ギタリスト、チンツィア・ミラーニが演奏。共に神童として話題となった女性ギタリストという共通点もある2人です。ミラーにはこれまでBrilliant Classicsで、女性ギタリスト・作曲家のイーダ・プレスティのCD(95528)と、テレーザ・デ・ロガティスのCD(95627)リリースしていたので、これが3枚目の女性作曲家トリビュート・アルバムとなります。
ブックレット
8ページ。テキストは英語。演奏のチンツィア・ミラーニ、アルゼンチンの作曲家オスカル・ロベルト・カサレス[1956- ]による紹介文のほか、マリア・ルイサ・アニードへの賛辞として、ホアキン・ロドリーゴ[1901-1999/スペインの作曲家]、エミリオ・プジョル[1886-1980/スペインのギタリスト・作曲家]、ミゲル・リョベート[1878-1938/スペインのギタリスト・作曲家]のコメントを掲載。
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作曲者情報
マリア・ルイサ・アニード [1907-1996]
1907年、ブエノスアイレス州モロンに誕生。父フアン・カルロス・アニードは熱狂的なギター好きで、1912年、アニードが5歳のときにギターを教え始めますが、すぐに上達したため、1914年にブエノスアイレスに転居してドミンゴ・プラット[1886-1944]の指導を受けさせます。プラットは2年後の1916年、マリア・ルイサが9歳の時にデビュー・リサイタルを企画して開催。11歳のときにはブエノスアイレスの「ラ・アルヘンティーナ」ホールで本格的なリサイタルも開催して神童として知られるようになります。
父は多くのギタリストと交流があり、家にはエミリオ・プジョルや、レジーノ・サインス・デ・ラ・マサ、ミゲル・リョベート、ホセフィーナ・ロブレドなども訪れていたことから、1923年にギター専門誌「ラ・ギターラ」をティーポ=リート・ペテネロ社より創刊。数年間に渡って発行。
アニードの才能は多くのギタリストによっても認められ、有名なミゲル・リョベートも彼女の指導をおこなっています。
アニードのツアーは父が1933年に亡くなるまで続き、以後、ブエノスアイレス国立音楽院とリトラル国立大学音楽研究所などで指導。しかし母が亡くなったのを機に、1950年からツアーに復帰。1952年にヨーロッパを初めて訪れ、ロンドン、インスブルック、ウィーン、パリ、ミラノ、マントヴァ、モデナ、メッシーナ、パルマ、レッチェでコンサートを開催。ブラジルとアルゼンチンでも演奏し、翌年も南米とヨーロッパへのツアーを実施。
1954年には初めて日本を訪れ、東京、札幌などで少なくとも15回のリサイタルを開催し、ラジオやテレビの収録をおこない、ギターのマスタークラスも開催。皇太子に拝謁したほか、国会議員らの開催したレセプションへも出席。その後、自国やイタリア、ブラジルでも演奏。1955年にはウルグアイにも出向き、1956年には、イタリア、オーストリア、ソ連をツアー。
以後もツアーは続き、1963年に再び来日し、1965年にはフィリピンを初めて訪れ、翌1966年には3度目の来日、1971年には4度目の日本ツアーをおこなっています。
1976年、アルゼンチンでクーデターが起き、軍事政権が発足したため、アニードは祖国を離れ、スイス、ドイツ、スペインでコンサートを行い、スペインのマヨルカ島パルマに移住し、その後1978年にバルセロナに定住。スペインでは教育と演奏の両方で活動。
1982年、1984年、1986年とキューバを訪れ、1987年にはキューバ国立芸術大学の教授に任命されて定住。1988年度ハバナ国際ギター・コンクールの審査員も務めたほか、自身のコンサートも開催。その間、1987年にはアルゼンチンに一時帰国しています。
キューバでの生活を終えると、ヨーロッパでのツアーに戻り、スペイン、イタリア、フランスなどをまわっています。最晩年はスペイン、カタルーニャのタラゴナで暮らし、1996年6月4日に89歳で亡くなっています。
演奏者情報
◆
チンツィア・ミラーニ (ギター)
1975年に誕生。幼少の頃からクラシック・ギターを学び始め、5歳でミラノのコンクールで優勝し、7歳でミラノ市から「アンブロジーノ・ドーロ(守護聖人アンブロジウスの金賞)」賞を授与。10歳の時にはレカナーティのベニャミーノ・ジーリ・コンクールで優勝。14歳までに、内外コンクールで16回も一等賞を獲得。16歳でパルマ市から最優秀演奏と解釈に対して「フランコ・マルゴーラ賞」を授与。18歳でパルマ音楽院を卒業。多くの教師に師事し、著名なギタリスト、マウロ・ストルティのもとでテクニックを磨き、その後アルゼンチンの作曲家オスカル・ロベルト・カサレスのもとで解釈分析を学んでいます。
コンサート活動は12歳頃には本格化し、その後、イギリス、フランス、スペイン、アメリカ、カナダ、メキシコ、南アフリカ、インドネシア、南アメリカなど世界各地で演奏。
CDは、Brilliant Classicsなどから発売。

トラックリスト (収録作品と演奏者)
マリア・ルイサ・アニード [1907-1996]
1. ◆
ノルテーニョの歌 1'35
2. ◆
ユカタンの歌 1'59
◆
ノスタルジックな前奏曲
3. 遠く 4'12
4. 灰色 3'23
5. 海 2'21
6. ◆
子守唄 2'26
7. ◆
田舎の前奏曲 3'21
◆
アルゼンチンの印象
8. 先住民族のスケッチ 4'22
9. サンティアゴの女 2'52
10. 平原の歌 2'57
11. 哀歌 2'37
12. パンパ平原の前奏曲 3'02
13. カタマルカの女 3'15
14. 田舎の歌の変奏曲 1'58
15. クリオージョの前奏曲 1'42
16. 小さなミサ 2'43
17. ◆
ビダリータの歌 2'16
18. ◆
私の土地から 2'03
19. ◆
舟唄 2'31
チンツィア・ミラーニ (ギター)
録音 2024年2月、イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ
Track list
A Tribute to Maria Luisa Anido
1. Aire Norteño 1'35
2. Cancion del Yucatan 1'59
Preludios Nostalgicos
3. Lejania 4'12
4. Gris 3'23
5. Mar 2'21
6. Cancion de Cuna 2'26
7. Preludio Campero 3'21
Impresiones Argentinas
8. Boceto Indigena 4'22
9. Santiagueña 2'52
10. Canto de la Llanura 2'57
11. Triste 2'37
12. Preludio Pampeano 3'02
13. Catamarqueña 3'15
14. Variaciones Camperas 1'58
15. Preludio Criollo 1'42
16. El Misachico 2'43
17. Aire de Vidalita 2'16
18. De mi tierra 2'03
19. Barcarola 2'31
Cinzia Milani guitar
Total time: 51'45
Recording: February 2024, Bartok Studio, Bernareggio (MI), Italy