統帥権の独立 帝国日本「暴走」の実態 中公選書

手嶋泰伸

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121101471
ISBN 10 : 4121101472
フォーマット
出版社
発行年月
2024年02月
日本
追加情報
:
248p;20

内容詳細

帝国陸海軍の作戦行動の指揮・決定権限である統帥権。天皇大権に属し、その「独立」は内閣からの干渉を阻止した。そのため満洲事変以降、陸軍の暴走をもたらした最大の要因とされてきた。しかし近年、通説の見直しが進む。明治政府はなぜ「独立」を必要としたのか。否定論者がいながら、なぜ「独立」は維持されたのか。海軍の役割とは。本書は、軍事の特殊専門意識に着目、明治からアジア・太平洋戦争敗北までの通史を描く。

【著者紹介】
手嶋泰伸 : 龍谷大学文学部講師。1983年宮城県生まれ。2006年東北大学文学部卒業。11年同大学院文学研究科博士課程後期修了。日本学術振興会特別研究員、東北学院大学非常勤講師、国立高専機構福井工業高等専門学校講師などを経て、20年より龍谷大学文学部講師。専攻・日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • パトラッシュ さん

    過去に正しいと思われた法や制度が、後の世を混乱させた最たる例か。維新後の軍事指導の混乱を痛感した明治政府は、非政治的な専門家集団たる軍を作るため統帥権独立と軍部大臣現役武官制を決めた。しかし戦争が実力行使による政治の一形態であるなら、両者の分離には最初から無理があった。そこに「素人の政治家は軍事に口を出すな」という軍人のエリート意識が生まれ、現地部隊や中堅将校の暴走で統制が崩壊した軍が勝手に動く口実に統帥権が悪用されるに至ったのだ。明確な決定権者を決めなかった日本政治の根本的欠陥が、諸悪の根源といえよう。

  • ジュンジュン さん

    本来、軍が政に関与させない(逆も然り)為だった統帥権の独立が、30年代、軍部の暴走を招き、日本は敗北へと至ったのは何故か?著者は軍の暴走は統帥権の独立に起因するのではなく、軍内部の統制欠如が原因であり、本来別件であった二つが混ざり合い複雑化したとする。統帥権の独立を支えたものは、軍事の事は軍人にしか担えないという「特殊専門意識」だという。この考えが広く認識されていた為、敗戦まで存続したというが…難しかったなあ(苦笑)。

  • hyena_no_papa さん

    若い頃から耳にしてきた旧軍の統帥権。政府が何か軍事に口を挟むと統帥権の干犯だと騒がれ、結局は軍部の統制が取れなくなってしまう。それがあの破局的大戦争へ突き進んだ大きな要因だと聞いてきたし、そう認識してきた。ではさて統帥権とはなんぞや?素人が首を突っ込むには難しいテーマなんだろうと躊躇しつつも、本書のタイトルに惹かれた。「あとがき」によれば著者が大学の専門科目のために準備したものだという。なので内容的には難しいが、流石に第5章は目を引く。やはり独裁者なき全体主義と言えそうである。巻末の注記・参考文献も豊富。

  • Kelevra Slevin さん

    明治維新を迎えて政治・軍事両方を担っていた士族は安定的な秩序維持には危険な存在であるため、非政治的な軍事組織を作り上げる必要があった。そのために考えだされたのが軍事集団が政治領域に侵食しないよう「統帥権」という枠にある種孤立化させるものであった。当初は、西郷従道が郷土のものたちを勝手に台湾に渡らせてしまうことなどがあったが、徐々に安定的な政党政治が作り上げられる中で問題は落ち着いて来たが、満州事変、日中戦争、そして対米開戦という形でそもそも政治と軍事領域はきれいに分けることなどできないという矛盾(1/2)

  • aeg55 さん

    明治維新~昭和まで統帥権を軸にした通史といえようか。この本を読むことによって、ぶつ切りだった日本近現代史がつながった感じがする。維新軍そのものだった明治新政府の弱体故に統帥権の独立が生み出された。政治から軍を切り離し影響力を削ぐため。日清日露戦争、そして、ワシントン軍縮会議を経て統帥権は軍事専門性をテコに政治への影響力を増していく。東條幕府と言われた東條内閣によって、統帥権の独立は終わりを告げるというのも皮肉なものである。加藤陽子『模索する1930年代』と併せて読むと理解が深まる。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

手嶋泰伸

龍谷大学文学部講師。1983年宮城県生まれ。2006年東北大学文学部卒業。11年同大学院文学研究科博士課程後期修了。日本学術振興会特別研究員、東北学院大学非常勤講師、国立高専機構福井工業高等専門学校講師などを経て、20年より龍谷大学文学部講師。専攻・日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に

プロフィール詳細へ

哲学・歴史・宗教 に関連する商品情報

おすすめの商品