精鋭の演奏陣で真価に迫る、不当に見過ごされてきた天才女性作曲家たち
近年まで、いいえ今でも圧倒的に男性優位が続いているのが、クラシック音楽における「過去の作曲家の再評価」。脚光を浴びる機会を不当にも奪われ続けてきた女性作曲家たちの中に、どれほど豊かに音楽的な貢献を果たしてきた天才たちがいたか、ヨーロッパでは21世紀に入ってから急速に見直しが進んでいます。
19世紀音楽の真相探求と再評価に意欲的に取り組んできたロマン派フランス音楽センター(パラツェット・ブリュ・ザーネ)は今回、CD8枚にも及ぶ充実した音源(全て2019年以降の新録音)を通じ、ベルリオーズやサン=サーンス、ドビュッシーといった有名作曲家たちの活躍した19世紀から20世紀初頭にかけてのフランスに焦点を当て、そこで活躍した重要な女性作曲家たち21人を特集。交響曲や交響詩、カンタータといった大規模編成の作品から室内楽、歌曲やピアノ曲に至るまで、さまざまな規模の名品を通じてその偉業の真相に迫ります。
ピリオド楽器楽団「レ・シエクル」を率いるフランソワ=グザヴィエ・ロト、気鋭のベルギー人指揮者ダヴィド・レラン、フランス歌曲の新たなスタンダードを打ち出しつつあるシリル・デュボワやヤン・ブーロンなど、フランスとイタリアなどの演奏陣による妥協ない解釈は、先入観抜きに作品そのものと対峙しても十分観賞の価値ある充実名演の連続。19世紀初頭に活躍した鍵盤音楽家モンジュローに始まり、近年再評価めざましい初期ロマン派のファランク、ヴィアルドやジャエルら19世紀半ばの才人、メル・ボニやシャミナードら世紀転換期の多作な偉人に加え、新録音が驚くほど少ないオーギュスタ・オルメスや仏語版「Wikipedia・IMSLP」の解説すらない幾人かの稀少作曲家の作品など、このレーベルならではの新鮮な出会いにも事欠きません。貴重な図版を多く含むブックレット(仏英独語)には各作曲家の適切な紹介も含まれ、資料的価値も計り知れないセットとなっています。
ブックレットに歌詞の掲載はございません。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1
メル・ボニ[1858-1937]:
1. クレオパトラの夢(c.1909)
2. オフィーリア(c.1909)
3. サロメ(c.1909)
アンリエット・ルニエ[1875-1956]:
4. チェロとピアノのためのソナタ(1896/1920)
セシル・シャミナード[1857-1944]:
5. ある夕べの夢(1891)
6. そうお望みか?(1898)
エドヴィグ・クレティアン[1859-1944]:
7. 小さな水辺の詩いくつか(1910)
川
小舟
柳
月
水の精
冬
マリー・ジャエル[1846-1925]:
8. 歌曲集『東方詩集』より『夢』(1893)
9. 歌曲集『海』より『早朝4時』(1893)
リタ・ストロール[1865-1941]:
10. 歌曲集『ビリティスの歌』より『子守唄』(1898)
11. 十四行詩(1897)
シャルロット・ソーイ[1887-1955]:
12. 歌曲集『瞑想』(1922)
平穏
信頼
喜び
トゥールーズ・キャピトール国立管弦楽団(1-3)
レオ・フセイン(指揮:1-3)
ヴィクトール・ジュリアン=ラフィリエール(チェロ:4)
テオ・フシュヌレ(ピアノ:4)
シリル・デュボワ(テノール:5-12)
トリスタン・ラエス(ピアノ:5-12)
Disc2
シャミナード:
1. 6つのロマンティックな小品(1890)
プリマヴェーラ(春)
駕籠(かご)
アラビア風牧歌
秋のセレナード
ヒンドゥの踊り
リゴードン
ストロール:
2. 大幻想五重奏曲(1886)
ソーイ:
3. 交響曲嬰ハ短調(1917)
ロベルト・プロセダ、アレッサンドラ・アンマラ(ピアノ連弾:1)
イスラエル・マルガン(ピアノ:2)
ハンソン四重奏団(2)
フランス国立管弦楽団(3)
デボラ・ワルドマン(指揮:3)
Disc3
ボニ:
1. ピアノのための舟唄 変ホ長調(1906)
2. 壊れかけた大聖堂(1915)
3. 無言歌 変ト長調(1905)
4. 夕暮れに(1923)
5. 紡ぎ歌(1895)
リリ・ブーランジェ[1893-1918]:
6. ある春の朝に(1917)
ルイーズ・ファランク[1804-1875]:
7. 交響曲第3番ト短調(1847)
ナディア・ブーランジェ[1887-1979]:
8. チェロとピアノのための3つの小品(1914)
ジャエル:
9. オシアン(1879)
序章
悲しみの歌
フランソワ・デュモン(ピアノ:1-5)
アンナ・アガフィア(ヴァイオリン:6)
フランク・ブラレイ(ピアノ:6)
メス・グランテスト国立管弦楽団(7)
ダヴィド・レラン(指揮:7)
ヴィクトール・ジュリアン=ラフィリエール(チェロ:8)
テオ・フシュヌレ(ピアノ:8)
アナイス・コンスタン(ソプラノ:9)
トゥールーズ・キャピトール国立管弦楽団(9)
レオ・フセイン(指揮:9)
Disc4
シャミナード:
1. 組曲『カイロエ』(1887/同名のバレエ音楽による)
前奏曲
スカーフの踊り
小さなスケルツォ
シンバルの踊り
ヴェルジェ男爵夫人ヴィルジニ・モレル[1799-1869]:
2. 8つの旋律練習曲(1857)
序章
平穏
絶望
子守唄
とらえどころのなさ
舟唄
ロマンス
蝶々
ボニ:
3. 一途な想いにかけて(作曲年不詳)
4. ある夕暮れ(1908)
5. さあおいで(1888)
6. スミレの君よ (1914)
7. 不滅の優しさ(1910)
8. 願い(1887)
9. 古めかしく綴られた悲歌(1918)
ジャンヌ・ダングラ(本名ロザリー・クラボス)[1871-1915]:
10. 恋の神が目を覚ます(1911)
ポリーヌ・ヴィアルド[1821-1910]:
11. ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ(1873)
メス・グランテスト国立管弦楽団(1)
ダヴィド・レラン(指揮:1)
マリー・ヴェルムーラン(ピアノ:2)
ヤン・ブーロン(テノール:3-9)
ダヴィド・ゾベル(ピアノ:3-9)
レ・シエクル(10)
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮:10)
アンナ・アガフィア(ヴァイオリン:11)
フランク・ブラレイ(ピアノ:11)
Disc5
ボニ:
1. チェロとピアノのためのソナタ(1905)
シャミナード:
2. フルートと管弦楽のための小協奏曲(1902)
ボニ:
3. ワルツの形をとった組曲(1898)
踊れるように
遅いワルツ
神聖な舞曲
スケルツォ=ワルツ
間奏とバッカナール
ヴィアルド:
4. わたしを愛してください(1886)
5. アイ=リュイ!(1880)
6. ここではリラの花もすべて萎れ(1887)
7. 孤独(1843)
8. カディスの娘たち(1887)
9. アヴァネーズ(ハバネラ)(1880)
10. 不在(1844)
ソーイ:
11. ピアノ・ソナタ(1910)
ヴィクトール・ジュリアン=ラフィリエール(チェロ:1)
テオ・フシュヌレ(ピアノ:1)
クレール・ル・ブーランジェ(フルート:2)
メス・グランテスト国立管弦楽団(2)
ダヴィド・レラン(指揮:2)
ロベルト・プロセダ、アレッサンドラ・アマラ(ピアノ連弾:3)
オード・エクストレモ(メゾ・ソプラノ:4-10)
エティエンヌ・マンション(ピアノ:4-10)
マリー・ヴェルムーラン(ピアノ:11)
Disc6
N.ブーランジェ:
1. カンタータ『シレーヌ(海の精)』(1908)
ジャエル:
2. 春の声(1885)
街道で
抜け道に入り
嵐
牧歌
5月の夜
真昼間
ボニ:
3. メリザンド(1922)
4. デズデモーナ(1913)
5. オンパレー(オンファール)(1910)
6. オフィーリア(日付なし、1909年頃)
7. ヴィヴィアン(1909)
8. ポイボス(1909)
9. サロメ(1909)
L.ブーランジェ:
10. 夜想曲(1911)
11. 祝典行列(1914)
ボニ:
12. ピアノ連弾のための6つの小品(ごく平易な2曲を含む)(1930)
隊商
アンダンテ・レリジョーゾ
祭りを告げる鐘
夜明け前の祈りに
ハバネラ
深夜零時に大時計が鳴る
アナイス・コンスタン(ソプラノ:1)
オード・エクストレモ(メゾ・ソプラノ:1)
フランソワ・ルジエ(テノール:1)
トゥールーズ・キャピトール国立管弦楽団(1)
レオ・フセイン(指揮:1)
ロベルト・プロセダ、アレッサンドラ・アマラ(ピアノ連弾:2,12)
マリー・ヴェルムーラン(ピアノ:3-9)
アンナ・アガフィア(ヴァイオリン:10,11)
フランク・ブラレイ(ピアノ:10,11)
Disc7
オーギュスタ・オルメス[1847-1903]:
1. 歌劇『祖国愛の喜び』より間奏曲『夜と恋』(1888)
ファランク:
2. ピアノ三重奏曲第2番ニ短調 Op.34(1844)
オルメス:
3. 『神々の小噺』より『天の道』(1893)
4. 歌曲集『7つの酩酊』(1882)より
恋愛
葡萄酒
ダングラ:
5. 心臓から唇へ(1913)
6. 恋の神が目を覚ます(1911)
マルト・ブラクモン[1898-1973]:
7. 3つの歌曲(1922)より
川鵜(かわう)
湖のほとりで
クレマンス・ド・グランヴァル[1828-1907]:
8. 根無し草(1865)
9. 生贄(1885)
マリー=フランシーヌ・ダマスキーノ[1844-1921]:
10. ある女性に寄せて(1889)
11. 子供(1878)
12. わたしの心には(1887)
マドレーヌ・ジョシック=イェーガー[1868-1905]:
13. 紡ぎ歌(1891)
14. いつか死すべき星々(1891)
マルト・グリュンバック[1871-1932]:
15. ネレに寄せて(1915)
マドレーヌ・ルマリエ(生歿年不詳、20世紀初頭に活動):
16. 6つの歌曲(1913)より
月の光
極上のひととき
メス・グランテスト国立管弦楽団(1)
ダヴィド・レラン(指揮:1)
アレクサンドル・パスカル(ヴァイオリン:2)
エロイーズ・ルザッティ(チェロ:2)
セリア・オネト・ベンサイド(ピアノ:2)
シリル・デュボワ(テノール:3-14)
トリスタン・ラエス(ピアノ:3-14)
Disc8
オルメス:
1. 交響詩『アンドロメダ』(1899)
エレーヌ・ド・モンジュロー[1764-1836]:
2. ピアノ・ソナタ ヘ短調 Op.5-2(1811)
ヴィアルド:
3. ロシアの詩による12の歌曲(1866)より
嵐
ジョージアの女
コサックの子守唄
召喚術
深夜の幽霊たち
グランヴァル:
4. アンダンテと間奏曲(1889)
ボニ:
5. ピアノを始めたばかりの子供たちのためのアルバム(1913)
回転木馬
物乞いの子
人形芝居のお人形たち
洗礼式
おばあちゃんの褒め言葉
ミシン
すごく辛い思い
怒り
雨粒
ヴューボワさん
遊べる時間
大昔
甘えさせてくれる
祈り
ニャオー、ゴロゴロ
マドリガル
蚤
山上の羊飼い
ピアノを弾くミレーユ
かわいいお友達の女の子
トゥールーズ・キャピトール国立管弦楽団(1)
レオ・フセイン(指揮:1)
ミハーイ・ベレチ(ピアノ:2)
オード・エクストレモ(メゾ・ソプラノ:3)
エティエンヌ・マンション(ピアノ:3)
アレクサンドル・パスカル(ヴァイオリン:4)
エロイーズ・ルザッティ(チェロ:4)
セシリア・オネト・ベンサイド(ピアノ:4)
ナタリア・ミルシテイン(ピアノ:5)
録音時期:2019〜2022年
録音場所:フランス、イタリア
録音方式:ステレオ(デジタル)