2019年ロン=ティボー・クレスパン国際コンクール優勝者、三浦謙司デビュー盤。
明瞭なタッチとスピード感あふれる音楽運びにより、楽曲の意味を最大限かつ鮮やかに伝える演奏
ピアニスト、三浦謙司。少年時代にドバイに渡り、英国とベルリンで音楽を学ぶも、一旦音楽から離れ自身を見つめ直すという経験を経た上で再度音楽の道に戻り、2019年に開催されたロン=ティボー・クレスパン国際コンクールで優勝を飾り、一躍注目を集めたという俊才です。
このデビュー作となるアルバムでは、選曲にもこだわるとともに「自身のアイデンティティとの葛藤が反映された」と語る彼の現在がすべて映し出されています。フランスで活躍しながらもドイツ音楽のイデオロギーから強い影響を受けたフランクの『前奏曲とフーガ、変奏曲』で始まり、東洋と西洋の特質を融合した武満の2つの作品を続け、決して「印象派」には属さない(と三浦が考える)ラヴェルとドビュッシーの作品が並び、ボーナス・トラックとしてバンジャマン・ゴダールの『マズルカ』でアルバムを締めくくるという一連の流れは、聴き手に心地よさをもたらすとともに、「今聴いている音楽は果たして何なのか?」という深い思索も要求します。
それほどまでに一音一音に意味を込めて演奏する三浦。彼の紡ぎ出す音楽には、「美しい響きや巧みなテクニック」など月並みな賛辞を越えた何かが感じられることでしょう。プライヴェートでは良きパパであり、SNS上では親しみやすい姿を披露する三浦。しかし音楽にかける思いは熱く、彼自身が書いたライナーノーツでもその思いが迸っています。
この録音で使用された教会は、993年頃に建てられはじめ、ルイ7世によって再建された礼拝堂で、戦後に自動車修理工場として使用されていましたが、1973年にピアニストのジョルジュ・シフラが買い取り、若い芸術家のためのホールとして改修され、現在ではシフラ財団の本部ともなっています。またこの録音でも、シフラが所有し演奏・録音時に使用していたヤマハ製のピアノが使用されています。
ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い直輸入盤のみ、三浦謙司自身による解説、長井進之介氏による書き下ろし解説を掲載。(輸入元情報)
【収録情報】
● フランク/ハロルド・バウアー編:前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調 Op.18
● 武満 徹:ピアノのためのロマンス
● 武満 徹:雨の樹素描 II(オリヴィエ・メシアンの追憶に)
● ラヴェル:水の戯れ
● ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ M.61
● ドビュッシー:6つの古代のエピグラフ
● ドビュッシー:喜びの島
(ボーナス・トラック)
● ゴダール:マズルカ第2番変ロ長調 Op.54
三浦謙司(ピアノ/ジョルジュ・シフラが所有し演奏に使用していたヤマハ製)
録音時期:2021年11月15-17日
録音場所:フランス、サンリス、サン=フランブール礼拝堂
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い直輸入盤のみ、日本語解説書・日本語帯付き
【三浦謙司】
マルタ・アルゲリッチが審査員長を務めた偉大なるロン=ティボー・クレスパン国際コンクール2019で、優勝及び3つの特別賞、および(公財)アルゲリッチ芸術振興財団賞を受賞。新タイプのアーティストとして現れる。これまで第4回マンハッタン国際音楽コンクールで金賞受賞、第1回「Shigeru Kawai」国際ピアノコンクールで優勝、2017年スタインウェイコンクールベルリンにて第1位獲得。第9回浜松国際ピアノコンクールで奨励賞及びにAAF賞(Alink-Argerich-Foundation)を受賞。令和3年度文化庁長官表彰(国際芸術部門)。2022年日本ショパン協会賞受賞。
世界中の数々の会場に招かれる。ロンドンのウィグモア・ホール、ベルリンのコンツェルトハウス、パリのラジオ・フランス大ホール、モスクワ国際音楽の家、浜松アクトシティ、東京文化会館など数々の舞台で演奏会を開く。
これまでにフランス国立管弦楽団、浜松フィルハーモニーと共演。2020年にはVladimir Spivakov率いるロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団と共演。 Klavierfestival Ruhr, Festival Chopin de Lyon, Festival International de Musique Dinard, Vilnius Piano Festival, 2021年第23回別府アルゲリッチ音楽祭など世界各地のフェスティバルから招聘を受ける。
1993年、神戸で生まれ、4歳から自分の意思でピアノを始める。13歳で英国政府主宰の音楽とダンス専門教育のための奨学金を獲得し、単独渡英しロンドンのパーセル・スクールに入学。ロシャン・マガブ及びウィリアム・フォンのもとでピアノを学ぶ。
2011年ロンドンの王立音楽アカデミー、ベルリン芸術大学、そして名声のあるアメリカのカーティス音楽院の受験にすべて合格し、ベルリン芸術大学にてKlaus Hellwigに師事し研鑽を積む。2012年の夏、ベルリン芸術大学を中退、音楽の世界から一度離れる決心をする。2014年4月、同じくベルリンのハンス・アイスラー音楽大学に入り直し、Eldar Nebolsinに師事。(輸入元情報)