チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

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パープル・ハイビスカス

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309208510
ISBN 10 : 4309208517
フォーマット
出版社
発行年月
2022年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
320p;20

内容詳細

自由という色を底にひめた紫色のアイビスカス―ありのままでいる自由、したいことをする自由。中学校に通う物静かな少女カンビリ。厳格な父親のもとを初めて離れて身を寄せたおばの家は、自由な空気に満ちていた。政権批判の砦であるスタンダード紙の社主にして大工場を経営する父、威勢のよい大学講師のイフェオマおばさん、土地の音楽が好きで議論好きないとこアマカ、若くて、うっとりするような美声のアマディ神父、伝統を重んじる民話の名手の祖父パパ・ンクウ…規律正しい家族の生活から解放された少女が出会う、まったく知らなかった彩り豊かな世界。世界文学の新たな旗手による衝撃のデビュー長編、ついに邦訳!!!

【著者紹介】
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ : 1977年、ナイジェリア南部のエヌグで生まれ、大学町スッカで育つ。最初は医学を学ぶが、19歳で渡米して政治学とコミュニケーション学を学び、作品を発表しながらジョンズ・ホプキンズ大学クリエイティヴ・ライティング・コースで修士を修める。ストーリーテラーとして天賦の才に恵まれ、抜群の知性としなやかな感性で紡ぎ出される繊細で心にしみる物語が、2003年にO・ヘンリー賞や、PEN/デイヴィッド・T・K・ウォン短編賞を次々と受賞。03年発表の初長編の『パープル・ハイビスカス』がハーストン/ライト遺産賞やコモンウェルス初小説賞を受賞し、ビアフラ戦争を背景にした長編『半分のぼった黄色い太陽』は07年のオレンジ賞を最年少で受賞してベストセラーとなる。08年にイェール大学でアフリカ学を修め、09年に短編集『なにかが首のまわりに』を刊行、10年9月に国際ペン東京大会に招待されて初来日する。13年には長編『アメリカーナ』で全米批評家協会賞を受賞。15年にニューヨークで開催されたPENワールド・ヴォイス・フェスティヴァルのキュレーターをつとめる。作品は30を超える言語に翻訳され、タイム誌やフォーチュン誌で世界的影響力をもつリーダーに選ばれる。毎年ラゴスで作家を育てるワークショップを開催し、ナイジェリアと米国を往復しながら旺盛に活躍をつづけている

くぼたのぞみ : 北海道生まれ。翻訳家、詩人、エッセイスト。著書に『J・M・クッツェーと真実』(読売文学賞、白水社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • アキ さん

    ナイジェリア生まれの著者が19歳でアメリカに渡り、初めて書いた作品の邦訳。すでに多くの文学賞を得ている著名な作家だが、生まれ育ったエヌグとナイジェリア大学のあるスッカを舞台とした家族の物語と共に、イギリスの植民地としてキリスト教が布教され、イボ語を野蛮な言語とみなし、伝統文化を異教で悪魔の手先とする父親の存在が、複雑な社会情勢を際立たせている象徴として描かれている。あまりにも意外な展開は、主人公の15歳のカンビリの心情の描写とともに、物語にぐいぐいと引き寄せられる力強さをも感じる。他の著作も読んでみよう。

  • ちゃちゃ さん

    紫色のハイビスカス。それは「ありのままでいられる自由」を象徴する花。支配からの解放、抑圧から自由へ。そこに至るまでの大きな痛みと犠牲…。資産家で名士、熱心なカトリック信者である父親の重すぎる愛。15歳のカンビリは厳格な父の支配に苦しみ自らの言葉を持たない。混迷するナイジェリアの政治情勢を背景に、愛情豊かな叔母家族との交流や神父への恋を通し、羽化して大空へと羽ばたく美しい蝶のように、彼女は笑顔を取り戻し力強く自らの人生を歩み始める。その揺れ動く繊細な心が瑞々しい筆致で描かれ、ラストは希望の光を運んでくる。

  • どんぐり さん

    長編デビュー作にして、アディーチェの翻訳小説8冊目。ナイジェリアで会社を経営する、狂信的なカトリック信者の父親と暮らす主人公の15歳の少女カンビリ、母親と17歳の兄の一家。信仰に反することを行うと、父親は怒りから祈祷書を投げたり、「我らの罪を赦したまえ。悪より救い出したまえ」と泣きながら娘の足に熱湯をかけて責める。信仰というドグマに囚われた父親の暴力が日常化し、家族のなかに緊張感が高まりやがて綻びが生じていく。これを狂気といわずして、なんというのだろう。この小説、図書館ではYAに分類されている。→

  • (C17H26O4) さん

    DVの場面が辛くとても一度には読めなかった。15才の少女と17才の兄、その母親は常に父親の支配と暴力に対する緊張と恐怖に張り詰めている。しかし父親への愛情や尊敬の損なわれない典型的な構図がある。兄との僅かな年齢差による受け止め方や男女の違いからか、影響は妹の方がより顕著に思える。日常的に喉を詰まらせ言葉を出せず、トラウマで咳き込む姿は耐え難い。叔母家族との接触を機に状況が変化していく。兄妹が感情や思いをあらわにすることを知り、妹が自身の心からの笑い声を聞いた場面に嗚咽がもれた。タイトルに自由と希望を見る。

  • がらくたどん さん

    初めてのアディーチェ。ナイジェリア出身の作家さんの邦訳されていなかったデビュー作。苦学の末の立身出世を果たし社会活動にも同胞支援にも熱心だが原理主義的なクリスチャンの父に心身ともに抑圧された家庭の軋みと崩壊と予想外の再生の兆しが、それでも消すことができない愛や喜びの記憶を交えながら物語性豊かに内気な少女の視線で描かれる。宣教師によって移植された「忌むべきもの」という安直なアフリカ文化観と妻子を導く強く正しい男というジェンダー役割の重圧が、結局父親自身の心を蝕み周囲を巻き込む暴走へと繋がる点が興味深い。

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1977年、ナイジェリア南部のエヌグで生まれ、大学町スッカで育つ。最初は医学を学ぶが、19歳で渡米して政治学とコミュニケーション学を学び、作品を発表しながらジョンズ・ホプキンズ大学クリエイティヴ・ライティング・コースで修士を修める。ストーリーテラーとして天賦の才に恵まれ、抜群の知性としなやかな感性で

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