ヘヴィメタとラフマニノフの結合? 新時代のロシア音楽
コンスタンチン・ココウロフは1992年イルクーツク生まれのピアニストで作曲家。20歳の時、家族とともにクロアチアのザグレブに移住し、この地で活躍しています。デス、パンテラ、ドラゴンフォースなどヘヴィメタやパンクを聴いて育ち、後にクラシック音楽を学びました。クラシック作曲家としてはチャイコフスキー、ムソルグスキー、ラフマニノフらの伝統を受け継ぐロマンティックで流れるようなメロディとボルテージの高さに、ポップな感覚を加えた新しいロシア音楽を示しています。
ここに収められた10曲はいずれもココウロフの作風を明確に表していますが、興味深いのは30年前にリリースされたジェイソン・ベッカーのアルバム「Perpetual Burn」の「Air」をピアノとオーケストラへのカバー。完全なロシアのオーケストラ曲となっているのが聴きもの。他も映画音楽風、ゲーム音楽風の壮大な世界が広がり、ピアノやオーケストラが熱く謳いあげます。
興味深いのはベルリンで器楽部分、モスクワで合唱部分を別々に録音してミキシングしていること。全く自然な出来に感心させられます。ロシア音楽好きには超オススメの不思議なアルバムです。(輸入元情報)
【収録情報】
ココウロフ:
● 燃える太陽
● つむじ風
● 魔女の家で
● 内なるエレジー
● 森の住民
● シベリアの声
● 氷穴
● 追憶のワルツ
● エアー(ジェイソン・ベッカー原曲)
● アウトロ
パヴェル・シャツキー(ピアノ)
ベルンハルト・ヴュンシュ指揮、スコアリング・ベルリン管弦楽団
エフゲニー・ヴォルコフ指揮、スヴェシニコフ国立アカデミー合唱団
録音時期:2018年
録音場所:ベルリン、テルデックス・スタジオ&モスクワ、マトヴェンコ・スタジオ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
ディジパック仕様