CD 輸入盤

ロザリオ・ソナタ リリアルテ

ビーバー(1644-1704)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
OC514
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

ロッターの新解釈! ビーバー:ロザリオ・ソナタ

ビーバーの『ロザリオのソナタ』は、別名『ミステリー・ソナタ』と呼ばれているように、実際に楽譜の中に謎が隠されている作品とも言われています。第1曲とパッサカリアのみ通常の調弦、それ以外の全ての曲は、それぞれ違った調弦を施されたヴァイオリンを用いる(更に第11曲目は、4弦の内側の2弦を入れ替えて調弦されるため、下から順番に上に音階は上がらない)という変則調弦(スコルダトゥーラ)を採った作品で、現在では、この作品は受胎告知からキリストの受難と復活、聖母マリアへの戴冠までに沿った表題を持つ15のソナタに“守護天使”を表す「パッサカリア」を付して、聖母マリアの生涯を綴った標題音楽で、独特な宗教的音響を意図した祈りの音楽であると解釈されています。
 しかし、ロッターの考えは、そうした従来の見解とは異なるものです。
 今年の夏にドイツの専門誌「Concerto」で正式発表される予定の論文で、ロッターは自説をこう述べています。
「これらの曲は、調弦法によって3つの部類に区分けされる。
第1グループ(1G):1,5,6,10,11,15
第2グループ(2G):2,4,7,9,12,14
第3グループ(3G):3,8,13
 曲順で追っていくと、1G→2G→3G→2G→1G→2G→3G→2G→1G…と順になっているのがわかる。さらに各グループの曲番号を足すと、全て4の倍数になっている。当時「4」という数字は『科学的数学』『幾何学』『ハーモニー』『天文学』では非常に重要な数字であった。それ以前の宗教的観念から見ると、「3」が重要視されていた。各グループの調弦の度数をトータルしていくと3の倍数に固定されている。それ以外にも天文学的に星座や惑星の動き(惑星和音)とも一致していることも解析されたのだ。宗教的観念と数学科学的観念(ガリレオ、ピタゴラス、プラトン等)を取り入れた結果における、計算された調弦だったのだ。熱心なカトリック教徒であったビーバーであったが、こうした科学的なものを信じてもいた。しかし当時、科学は宗教への反発行為だったため、それは単なる音響効果を生むだけのものではなく、秘密に音符に織り込まれた作品なのだ」
 さらに「この曲集の多くはアリアと舞曲形式によって書かれている。もし一般的な宗教音楽であったらならば、こうした形式はとらなかったであろう。『キリストの鞭打ち』と題された7曲目は、ヘ長調のアルマンドで書かれているが、これは悲しみとは対照的な調と形式である。演奏するならば宗教的観念をはずし、基本は当時の舞曲演奏法に則って演奏するべきであるが、そこから発せられた和音と開放弦の音色は『宗教的』であり、かつ当時の最新の科学であり、世俗的なものでもある」
 このような解釈に基いて、このロッターによる演奏は宗教的解釈も充分取り込みつつも、全体としては舞曲的であり、変奏的舞曲形式で書かれた第14曲では、テオルボをギターのようににかき鳴らしたりと、スペイン風に快活に演奏されているのが特に印象的です。基本の低音はテオルボが受け持ち、チェンバロまたはオルガンは和音を添える程度に控えめに演奏されているため、ヴァイオリンの特徴的な開放弦や、和音を多用した独特な音色が強調され、超絶技巧を要することで知られるこの難曲を楽々クリアするそのテクニシャンぶりもあって、スコルダトゥーラの神秘的な響きの魅力をたっぷり味わうことができます。

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ビーバー:『ロザリオ・ソナタ』(全曲)
・第1番ニ短調『お告げ』
・第2番イ長調『聖母マリアのエリザベト訪問』
・第3番ロ短調『キリストの降誕』
・第4番ニ短調『イエスの神殿への拝謁』
・第5番イ長調『神殿における12歳のイエス』
・第6番ハ短調『オリーヴの山で苦しみ』
・第7番ヘ長調『イエスのむち打ち』
・第8番変ロ長調『いばらの冠をかぶせられ』
・第9番イ短調『十字架を負ったイエス』
・第10番ト短調『十字架にかけられたイエス』
・第11番ト長調『キリストの復活』
・第12番ハ長調『キリストの昇天』
・第13番ニ短調『聖霊降臨』
・第14番ニ長調『聖母被昇天』
・第15番ハ長調『聖母マリアの戴冠』
・パッサカリア ト短調

 ルディガー・ロッター(vn)
 オルガ・ワッツ(cemb,org)
 アクセル・ヴォルフ(lute,テオルボ)
 アンサンブル“LYRIARTE”

 2004年5月3,4日 ミュンヘン、アレルハイリゲン教会でのライヴ録音



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【ルディガー・ロッター】
モダンとバロック両方のヴァイオリン奏法を習得したのち、ムジカ・アンティクァ・ケルン、コンチェルト・ケルンのメンバーを務め、多くのコンサートや録音に加わっています。さらにドイツ・カンマーフィルにも在籍、ミュンヘン・フィルのソロ・ゲストにも呼ばれたこともあるそうです。2004年からは、ミュンヘン新王宮カペレのコンサート・マスターを務めています。

【アンサンブル“Lyriarte”】
2000年に結成された新興団体。当盤では古楽器による演奏ですが、彼らはモダン楽器も演奏し、しかもレパートリーは現代音楽に及ぶという広範囲の活動で、現在ドイツでたいへんに脚光を浴びています。


収録曲   

ディスク   1

  • 01. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 1 (die Verkuendig
  • 02. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 2 (marias Besuch
  • 03. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 3 (christi Geburt
  • 04. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 4 (christi Darste
  • 05. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 5 (der Zwolfjaehr
  • 06. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 6 (leiden Christi
  • 07. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 7 (christi Geisse
  • 08. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 8 (die Dornenkron
  • 09. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 9 (der Kreuzgang)
  • 10. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 10 (die Kreuzigun

ディスク   2

  • 01. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 11 (die Aufersteh
  • 02. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 12 (christi Himme
  • 03. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 13 (ausgiessung D
  • 04. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 14 (mariae Himmel
  • 05. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 15 (die Kronung D
  • 06. Lyriarte - Rosenkranz-sonate Nr. 16 (passacaglia)

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