【インタビュー】BURNING WITCHES

2018年12月19日 (水) 19:45

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 スイスの女性ヘヴィメタル・バンド、バーニング・ウィッチーズ。このたびニュークリア・ブラストと契約、セカンド・アルバム『ヘクセンハンマーが』がリリースになったということで、ドラマーのララに話を聞いてみた。

川嶋未来(以下、川嶋):ニュー・アルバム『ヘクセンハンマー』がリリースになりますが、デビュー・アルバムと比べてどのような点が進歩しているでしょう。

ララ:このアルバムは、あらゆる点において成長していると思うわ。聴いてもらえばわかると思うけど、アレンジも曲自体も良くなっているというのがわかってもらえるはず。演奏も歌もすべてよ。音質も良くなっているし。

川嶋:なるほど。すべてですね。

ララ:そう、全部よ!アルバムは聴いた?

川嶋:はい、聴きました。

ララ:それでどうだった?

川嶋:素晴らしい内容でした。

ララ:ドウモアリガトウ。

川嶋:日本語を勉強しているのですか。

ララ:実は日本に9年住んでたことがあるの。シゴトシテタ。でもニホンゴワスレマシタ(笑)。千葉に住んでいて、アンダーグラウンドなショウにもよく行っていたの。浅草エクストリーム、東京デスフェストとかね。

川嶋:17年にアルバム・デビューをして、今年もうセカンド・アルバムが出ました。これは現在のスタンダードからすると、とても速いペースだと思うのですが。

ララ:みんなそう言うわ。デビュー・アルバムが出たあと、私たちは曲を書き続けたの。たいていはセレイナとロマーナが曲を書くのだけど、彼女たちはものすごく才能があって、曲を仕上げるのがとても速いのよ。ニュークリア・ブラストとの契約が決まる前に、すでに7曲もの曲が出来上がっていたの。7曲よ!あっという間にアルバム1枚分の曲が出来上がったから、11月にリリースすることにしたの。つまり、別に急いだというわけではなく、単にこれがパーフェクトなタイミングだったと言うだけのこと。ニュークリア・ブラストと契約できたわけだし。まったく想像もしていなかったけど(笑)。

川嶋:バンド名がバーニング・ウィッチーズで、今回のアルバム・タイトルが『ヘクセンハンマー』と、魔女というコンセプトにこだわりがあるようですが、今回のアルバムの歌詞は、どのような内容なのですか。

ララ:すべてがウィッチクラフトについてというわけではないわ。戦争や破壊、人々の行動、人種差別に対して目を開かせると言うような内容もある。「ドント・クライ・マイ・ティアーズ」は、鬱について。タイトル曲は、『Hexenhammer(魔女に与える鉄槌)』と言う本を書いたハインリヒ・クラーマーについて。「デッド・エンダー」も彼についてよ。「エクセキューテッド」はスイスの最後の魔女について。だから、魔女を扱った歌詞もあるけれど、すべてというわけではないわ。歌詞はセレイナが書いているの。

川嶋:今回のアルバムには、ディオのカヴァー、「ホーリー・ダイヴァー」が収録されています。デビュー作にはジューダス・プリーストの「ジョーブレイカー」が入っていましたが、カヴァーする曲はどのようにして決めるのでしょう。

ララ:「ホーリー・ダイヴァー」は、私たちが初めてジャムをした曲なのよ。ライヴでも何度もプレイしていて、お客さんもみんなとても気に入ってくれたし。あの曲を知らない人なんていないでしょう。メタルの最高のアンセムの1つよ。いつも大合唱になるの。それで、せっかくだからセカンド・アルバムに入れましょうって。ファーストでは「ジョーブレイカー」をやったわけだし。「次は『ホーリー・ダイヴァー』を入れてよ」なんて言われることもあった。この曲はライヴ・アルバムにも入っているのよ。本当に美しい曲だし、演奏するのも大好き。

川嶋:他にカヴァーを考えている曲はありますか。

ララ:今は特に考えていないわ。もしサード・アルバムをやるときは、カヴァーなしで全部オリジナルで行きましょうって話をしているのよ。さすがに気が早い話だけど(笑)。

川嶋:アイアン・メイデンズのコートニー・コックスが、ゲストで参加しています。どのような経緯で彼女の参加が決まったのでしょう。

ララ:コートニーとロマーナは友達で、アイアン・メイデンズとも2度一緒にプレイしたことがあるの。スイスとオーストリアで1回ずつ。「メイデン・オブ・スチール」は100%メタルなスペシャルな曲でしょ。だから彼女に参加してもらったの。とても素晴らしいプレイをしてくれたわ。彼女は本当に凄いギタリストよね。最高のギタリストの一人よ。

川嶋:ギタリストのアレアが脱退していましたが。

ララ:残念ながら、彼女はファースト・アルバムのリリースから数ヶ月後に、バンドを抜けてしまった。具体的なことは言えないけれども、個人的な理由でね。やめてもらったとかではなく、彼女の方から抜けたいということで。とても優れたミュージシャンだったから、残念だわ。

川嶋:新しいギタリスト、ソニアとは、どのようにして出会ったのですか。

ララ:ソニアは、ロマーナがFacebookで見つけたの。おそらく2人はもともと繋がっていたんじゃないかしら。ソニアはソーシャル・メディアではよく知られていて、多くの人がフォローしているのよ。だからロマーナは簡単に彼女を見つけられたのだと思う。ロマーナが誘ってみたら、「私はバーニング・ウィッチーズのファンなの。ぜひ参加させて」って。すぐにうまく行った。若くて才能のあるオランダの女性よ(笑)。人間的にも素晴らしいし。

川嶋:やはりメンバー全員女性ということにこだわりがあるのですか。例えば男性のギタリストを加入させるというような選択肢はなかったのでしょうか。

ララ:それはないわ。全員女性のバンドをやるというのが、ロマーナの夢だったから。彼女はアトラス・アンド・アクシスというバンドもやっているけど、そこでは女性は彼女だけだし。女性はたいてい夢を持っているものだけど、ロマーナの場合は、それが全員女性のバンドをやるということだった。ただ単に全員女性というだけでなく、本物のヘヴィメタルをプレイして、ステージを燃え上がらせることができるバンドをやることがね。それで彼女がシュミーアにアドバイスを仰いだら、それは良いアイデアだって。今日に至るまで、シュミーアはずっと手助けをしてくれているわ。ロマーナは昔からの友達のジェニーンと話して、それからセレイナとコンサートで知り合って、音楽の話で意気投合して。同じ人生の目的を持っていれば、会話は尽きることはないわ。私の場合は、ドラムのコーチが、女性だけのバンドがドラマーを探してるみたいだって教えてくれて。それで応募したの。実は当時、ドラムのプレイを再開して3ヶ月しか経っていなかったのだけど(笑)。家族から「あなたはドラムの才能があるのだから、またドラムをやるべきよ」って言われて、本当かなと思いつつドラムを習い始めて。そしたら先生からも「君には可能性があるよ」って言われて(笑)。それで3ヶ月後「これに応募してみなさい」って。美しい女性ばかりのバンドで、最高だったわ。


川嶋:ギターやヴォーカルと違って、ドラムは練習場所の確保なども難しいので、なかなか始めづらい楽器ですよね。ドラムをやろうと思ったそもそものきっかけは何だったのですか。

ララ:そうね。私はもともとギタリストだったのだけど、母がヤマハのオールドスクールなディジタル・ドラムを送ってくれて、それを試したら面白くて。で、18歳の誕生日に何が欲しいかと聞かれたので、ドラムセットが欲しいと(笑)。初めてプレイした曲は、G.B.H.の「Sick Boy」だったわ(笑)。とても面白い楽器だと思ったけど、エネルギーがたくさん必要だった。特にツーバスは。

川嶋:その後ドラムはやめてしまったということですか。

ララ:そうなの。十数年はドラムから遠ざかってた。だけどスイスに帰ってから、家族に勇気付けられて、また叩き始めたというわけ。それからは3年半、ずっと叩きっぱなし。今ではギターはまったく弾かなくなってしまった(笑)。完全にドラマーよ。ハードコアのギタリストではなく(笑)。

川嶋:好きな女性のバンドはいますか。

ララ:日本には女性だけのバンドがたくさんいるのを知ってるわ。SHOW-YAのレコードはたくさん持ってる。あとはVixenとか。

川嶋:デストラクションのシュミーアの話も詳しく聞かせてください。

ララ:シュミーアとロマーナは古い友達なのよ。もう10年くらいになるのかしら。ロマーナが女性だけのバンドをやりたいと相談した時から、ずっと私たちのサポートをしてくれてるの。彼は30年以上の経験があるから、音楽業界のことも色々知っているし。シュミーアは、なんでも話せる父親か兄貴分みたいな存在よ。それから、ロマーナの旦那さんである、ゴノリアスのギタリスト、ダミールも最初からずっとサポートしてくれてるの。ゴノリアスは日本でプレイしたことがあるんじゃないかしら。シュミーアとダミールの2人はとてもよくしてくれていて、私たちはビッグ・ファミリーみたいな感じ。2人とも大好きよ。

川嶋:レコーディングもデストラクションと同じく、V.O.Pulver(ポルターガイストのギタリスト)のスタジオでやっているんですよね。

ララ:彼も私たちのメタル・ファミリーの一員よ。彼とシュミーアもとても仲が良くて、私たちはファースト・アルバムも、彼のスタジオで録ったの。彼は自分の仕事を知り尽くしている。彼の仕事はパーフェクトだし、私たちの手助けも色々してくれるの。

川嶋:あなたの音楽的なバックグラウンドを教えてください。激しい音楽を聴くようになったきっかけは、どのようなものだったのでしょう。

ララ:私個人としてはハードコアから始まって、そこからエクストリーム・メタル、グラインドコア、ブルータル・デス・メタルなんかを聴くようになった。こういう音楽を好むようになったのは、家族からの影響もあるわ。私が小さいころ、従兄がレッド・ツェッペリンやアリス・クーパーなんかを聴いていて、「何なのこのノイズは?ドラッグでもやってるんじゃないの?」なんて思っていた(笑)。もちろんいまはそんなこと思わないけど。他のメンバーは、いろいろな音楽を聴いているわ。ジャズからエクストリーム・メタルまで。セレイナはゴス・ポップやメタルも好きだし、ロマーナはスラッシュやヘヴィメタル、ソニアはエクストリーム・メタルを聴いてるの。ジェイもメタル・ガールだし。

川嶋:ハードコアはどのあたりを聴いていたのですか。

ララ:90年代当時は、マッドボール、ヘイトブリード、アグノスティック・フロントとか。

川嶋:ニューヨークものが中心ですか。

ララ:そう。それからジ・エクスプロイテッドとかも聴いていたわ。

川嶋:バーニング・ウィッチーズというバンドとしては、どのようなバンドから影響を受けているのでしょう。

ララ:バンドとしては、間違いなく私たちのヒーローであるアイアン・メイデンとジューダス・プリーストね。何しろ彼らは今でも現役バリバリでしょ。エネルギーに溢れていて、私たちにとても大きな影響を与えているわ。私たちというか、パンクやハードコアのバンドであっても、彼らから影響を受けないなんて不可能よ。それから、もちろんディオ。素晴らしいアーティストだわ。残念ながら彼に会うことはできなかったけれど。

川嶋:スイスのメタル・シーンはどんな感じですか。

ララ:スイスはとっても小さな国なのだけど、いろいろなジャンルにたくさんのバンドがいるわ。デス・メタル、ヘヴィメタル、何でもいる。日本と同じよ。でもメタルは日本の方が人気があるかもしれない。シーン自体はとてもいいのよ。お互いサポートし合っているし、ヘヴィメタルのバンドとデス・メタルのバンドが一緒にプレイをしたりもする。ビッグ・ファミリーみたいな感じ。ヘヴィメタルのライヴでも、ハードコアやデス・メタルのファンもやってくるし、逆もある。私は日本にいたから、スイスに戻ってきてびっくりしたの。きっとスイスにはシーンなんてないだろうと思っていたから。もちろんスレイヤーみたいな大きいコンサートはあるのは知っていたけど、実はアンダーグラウンドのシーンがこんなに活発だったなんて。素晴らしいことよ。個人的にはアンダーグラウンドのシーンの方が、人々がピュアで好きなの。ニュー・メタルとかとは違って(笑)もちろんニュー・メタルに敵意は無いけれど(笑)。ごめんなさい。

川嶋:スイスのおすすめのバンドはいますか。

ララ:やっぱりゴノリアスね。とても才能があるし、彼らは私たちの師匠みたいな感じだし。

川嶋:お好きなドラマーは誰でしょう。

ララ:難しいわね。素晴らしいドラマーはたくさんいるわ。レッド・ツェッペリンのドラマーは大好き。それからデイヴ・ロンバード。『South of Heaven』は名作よね。ツーバスに関しては、ジューダス・プリースト。こういう人たちが私にとって偉大なドラマーなの。もちろんテクニカル・デス・メタルの世界にはものすごいドラマーもいるし、世界中に優れたドラマーは本当にたくさんいるわ。

川嶋:お気に入りのアルバムを3枚教えてください。

ララ:やっぱりマッドボールが大好き。『Demonstrating My Style』。それからスレイヤーの『South of Heaven』。あとはクリエイターの『Extreme Aggression』。他にも素晴らしいアルバムはたくさんあるわ。『Painkiller』も名作ね。

川嶋:では最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします。日本語でも構いません。

ララ:残念ながら、ニホンゴワスレマシタ(笑)。日本のファンには、ぜひサポートし続けて欲しい。日本には素晴らしいバンドがたくさんいることを知ってるわ。バーニング・ウィッチーズをぜひサポートしてね。ニュー・アルバム『ヘクセンハンマー』を聴いてみて。現代的なタッチの80年代メタルが好きならば、このアルバムを気に入ってもらえるはずよ。それから、ぜひ日本でプレイしてみたいわ。9年間住んでいた日本に行ってショウをやれたら、泣いてしまうかも(笑)。私の夢ね。日本人は本当に素晴らしいし。日本はすべてが素晴らしいわ。

デストラクションのシュミーア、ポルタ―ガイストのV.O.Pulverらが全面的にバックアップをしているだけあり、本格的なヘヴィメタルを聴かせているバーニング・ウィッチーズ。演奏もハイクオリティだし、セレイナの歌声も力強い。正統派メタル好きは、ぜひチェックしてみて欲しい。

取材・文 川嶋未来



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