HMVインタビュー:Bun B(UGK)

2009年6月5日 (金)

interview

UGK

俺にとってこのアルバムはすごく感慨深い作品で自分にとっていろんなことを意味してるし、自分以外のたくさんの人たちにとってもいろんな意味を持ってると思う。だからただ急いで仕上げて、みんなや自分をがっかりさせるようなものにはしたくなかったんだ。

--- Pimp Cのことを語るのは非常に辛いと思うのですが、あなたにとって彼はどのような存在でしたか?

家族の一員だよ。本当の兄弟みたいな存在だった。あいつはすごく情熱のあるヤツで、何事に対しても中途半端な態度や気持ちでいるってことはなかった。だから意見が相違することもたくさんあったけど、あいつのストレートな態度を俺も受け入れられたし、あいつも俺をストレートに受け止めてくれたんだよね。お互いに励まし合うことも何度もあったし、コンビとしてのバランスはあれ以上のものは求められなかったよ。

--- 彼を失ってから活動を再開するにあたっては相当な苦難があったと思いますが、何が活動再開のモチベーションになったのでしょうか?

いや、特にきっかけがあったわけじゃない。新作用のレコーディングはすでに一緒に始めてたんだ。ただ、アルバムとして完成させるにあたって、参加してる人たち全員が同じだけのエネルギーを持って努力しないと俺だけが頑張っててもだめなんだよな。俺にとってこのアルバムはすごく感慨深い作品で自分にとっていろんなことを意味してるし、自分以外のたくさんの人たちにとってもいろんな意味を持ってると思う。だからただ急いで仕上げて、みんなや自分をがっかりさせるようなものにはしたくなかったんだ。

--- 前作『Underground Kingz』はUGKのキャリアで初めてのビルボード1位を獲得しましたが、この成功をどのように受け止めましたか?

あれは俺らももう大人だし、いろんな事情も分かってる時点でのことだったから得意げになることはなかったけど、すごくありがたく感じたよ。しかも音楽業界はいろんな意味で楽じゃないからね。こうやってたくさんの人たちが俺らのことをまだまだ、というか、今まで以上に応援してくれてるってことに対して感謝の気持ちでいっぱいだったよ。

--- 『UGK 4 Life』とアルバム・タイトルに冠した理由を教えてください。

UGKフォーエヴァーってことだよ、文字通り(笑)。このアルバムは俺とPimpにとっていい最終章になると思う。グループとしてだけじゃなくて、Pimp Cってヤツをこの先にもみんなの記憶に残る存在にしてやりたいって思ってるんだよ。

--- 今作からはまず最初にAkonとの「Hard As Hell」が昨年リークされましたが、なぜエイコンとコラボすることになったのでしょうか?また実際にコラボしてみて如何でしたか?

AkonとはマイアミでDJ Khaledの「We Takin’ Over」のビデオ撮影をやった時に、話し合う機会があってね。Pimpも俺も彼の作品は本当にすごくいいと思ってる、って言ってたんだ。で『Underground Kingz』用の予算はそれまでよりずっと良かったから(笑)、一緒になんかやってくれないかって聞いたら「そう言ってくれるのを待ってたぜ!」って言ってくれたんだよね。で、俺としては普通の曲はやりたくなかったから、「いつもみたいな曲じゃなくて、自分らが慣れてる安全地帯から抜け出して、あんたの世界に乗り込みたいんだ」って言ったんだ。どうせAkonとやるなら何か新しいことに挑戦してみないと意味ないからね。彼も同意してくれてPimpも乗り気だったから進めたんだ。あの曲はもともと『Underground Kingz』に入るはずだったんだけど、制作の終盤に出来上がった曲だったから使用許可を取ってる時間がなくてね。Akonも忙しい人だし。でもすごくいい曲だから無駄にしたくなかったから、じゃあ次回のアルバムに必ず入れようってことで保留にしておいたんだ。

--- 逆に「Da Game Been Good To Me」はUGKらしい感じですが、この曲を先行カットに選んだのはなぜでしょうか?

いいタイトルだし、いい曲だし、いろんなことをまとめた曲だからだよ。UGKは苦い経験も甘い経験もしてきたってのはみんなも知ってる通り。でも最後に振り返ってみれば俺らは素晴らしいキャリアを築いてしっかりした作品を残してきたから、「Da Game Been Good To Me」(この業界にはお世話になった)って、その通りだと思うんだよね。

--- 他にも今作には当初、Marvin Gayeの楽曲をサンプルした「Marvin」という曲が収録されるという話でしたよね。

いや、タイトルも変わって、結局Marvin Gayeのサンプルは使ってないんだ。あれはコーラスとかも完成してなかったから、トラックに仮でつけておいたタイトル。あの時点ではMarvin Gayeのサンプルが入ってたから「Marvin」って仮題をつけておいただけなんだ(※筆者注:アルバム・リリース前にこのヴァージョンもリークされた)。でももう彼のサンプルは使ってなくて、全然違う曲になっている。「Still On The Grind」って曲さ。リリックはそのままだけどね。曲構成とテーマは同じだけど、コーラスにはRaheem Devaughnが参加してくれてて、トラックは違うものを使うことにしたんだ。

--- アルバムに参加しているゲストについて詳しく教えてください。

本当にありがたいことに今回参加してくれた人たちは、彼らの方から申し出てくれたんだ。他にもいろんな人が手を挙げてくれてて断るのはすごく辛かったんだけど、このアルバムは都合いいからやっちゃおうってものにはしたくなかった。Lil WayneやKanye West、Ludacris、Jay-Zとか、ただみんなに参加してもらえるからやってもらうっていうものにはしたくなかったんだ。T.I.に関してはぜひぜひ参加してもらいたかったんだけど、タイミングが合わなくてね。そんな中で今回参加してもらったのは、まずさっき出たRaheem Devaughn。彼とは前作でも仕事をしたし、ほかにも何曲か一緒にやったことがあるんだけど、俺もPimpも彼の才能と努力を惜しまない仕事に対する情熱にはすごく感心したんだ。それからもちろんE-40、B-Legit、8Ball & MJG、Too $hort。彼らはUGKを昔から応援してくれていて、これまでも俺らの作品に参加したことがある人たちだろ。俺らも彼らの作品に参加してきたし、彼らとはただ音楽だけでっていうんじゃなくて友情で繋がってる。今回はUGKを最初から追いかけてきた人たちに納得してもらえるものにしたかったんだ。UGKのルーツと中枢になっているもの、みんながこれぞUGKだ!って楽しんでもらえるものにしたかった。だからデビューから17年経った今も当時からずっと一緒にやってきたヤツらに関わってもらいたかったんだ。友達だからって理由だけでも十分だけど、こいつらはみんな素晴らしいアーティストだろ。それぞれすごく才能もあるし、その才能を持ってリスペクトされていて今も頑張ってるアーティストだからね。

profile

テキサス州ポート・アーサーを拠点とする、ピンプ・C(Chad Butler)とバン・B(Bernard Freeman)から成るヒップホップ・デュオ。UGKとは“アンダーグラウンド・キングス”の略称。サウス・ヒップホップが盛り上がりをみせる遥か以前から南部のアンダーグラウンド・シーンを先導し続け、多くのアーティストからの絶大なるリスペクトを保ち続けている重鎮グループである。92年にJIVEからアルバム『Too Hard To Swallow』でメジャーデビューを果たすと、94年の『Super Tight』(全米R&B/HIPHOPチャート9位)、96年の『Ridin’Dirty』(全米R&B/HIPHOPチャート2位・全米チャート15位)、01年の『Dirty Money』(全米R&B/HIPHOPチャート2位・全米チャート18位)と常に安定したセールスを記録した。00年にジェイ・Zの「Big Pimpin」、スリー・6・マフィアの「Sippin’On Some Syrup」でフューチャーされたことがきっかけとなり、その名を全米に知らしめたのだが、03年にピンプ・Cが暴行罪などで服役したことでコンビとしての活動休止を余儀なくされてしまう。しかし、相棒バン・Bはピンプ・Cの投獄中もUGK名義で数々の客演をこなし、さらには獄中のピンプ・Cに”Free Pimp C!”とメッセージを叫び続け、多くの賛同を得ることとなった。

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