HMVインタビュー:Daniel Merriweather
2009年5月29日 (金)
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ジェイ Zと最近会った時にはなんと、食事に関するアドバイスをくれたよ。「シリアルにはライス・ミルクをかけたほうがいい」って(笑)
- --- 正式なデビュー・シングルとなった『チェンジ』はどのような経緯で生まれたんですか? 一番最後に書き上げたそうですが、ならばアルバムを完成させたパズルの最後の一コマみたいな曲なんでしょうか?
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ある意味でそう言えるかもね。うん。僕にとってあの曲は、アルバムを作っていた時に僕の心の中を巡っていたいろんな気持ちを総括しているんだ。去年のアメリカの大統領選に向けてテンションが高まってゆき、そして最終的にバラック・オバマ氏が当選するまでの、ちょうどあの時期に書いた曲なんだけど、様々な想いが込められているよ。ゲスト参加してくれたワーレーともずっと一緒にツアーしていたから、その間世界で起きていることについて彼と色々話したし、そういったことも含めて、とにかく色んなことがあの曲をインスパイアしているんだ。だからアルバムへの導入として相応しい曲だと思ったし、それでファースト・シングルに選んだのさ。
- --- アルバム・タイトルの『ラヴ&ウォー』にはどんな想いをこめたんですか?
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そもそも僕は、弁証法に深く興味を抱いているんだ。対極にあって反発し合う力がひとつになった状態とか、対極にあるふたつのものが衝突した時に起きる摩擦みたいなものとかにね。で、『ラヴ&ウォー』というタイトルは、人間の行動に関する僕の考察を総括しているんだよ。人間そのもの、或いは人間と人間の接し方、人間同士がお互いに及ぼす作用といったものに、僕は常々好奇心をそそられ困惑させられもしていて、アルバムに収録されている曲は全てそういう題材を扱っている。僕の曲の発端はいつだって、その“困惑”にあるのさ。何らかの形で人間観察に基づいていて、そして、善と悪は共存しなければならないという事実と向き合っているんだ。僕は人間のダークサイドを非常に重要なものだと思っているし、また同時に、善と悪はお互いにバランスを取り合って共存しなければならないものだと信じている。アルバムではそういったことを歌っているんだよ。
- --- アルバムを聴く限り、あなたの音楽はありきたりなアーバン・ミュージックの類ではなく、いわゆるネオ・ソウルでもなく、単なるポップでもなく、非常にユニークなスタイルを提示していますよね。
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ああ。でもそれが何なのか自分では分からない。自分の音楽に対して客観的な意見を持つのは、僕にとってすごく難しいことなんだよね。とにかくはっきりしているのは、僕は歌うことが大好きで、曲を書くことが大好きな人間だっていうことだけ。そして多分僕は、典型的な90年代の産物なんだと思うよ。90年代に育った世代は、実に幅広い音楽に一気にさらされたよね。様々な異なるジャンルの音楽に、これでもかっていうくらいに晒された。僕が作る音楽は、まさにそういう体験の延長にあるんだ。色々毛色が違う音楽をよくかき混ぜた結果であって、だから恐ろしく幅広い影響源が見え隠れしている。説明しようにもあまりにも難しいし、聴く人たちに好きに捉えてもらえればいいと思っているよ。
- --- あなたはカニエ・ウェストやジャスティン・ティンバーレイクの前座を務めたこともあるそうですが、それはいつ頃でしょう? ほかにもいろんなアーティストの前座をやったことと思いますが、彼らからはどんな風にインスパイアされましたか?
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カニエとかのツアーは2〜3年前だったと思うけど、インスパイアされたっていうと、やっぱり誰よりもマークのツアーでサポートしたジェイZだね。現役ミュージシャンの中では、僕に最も大きなインスピレーションを与えてくれる人物のひとりだよ。彼の活動姿勢にしろ、ビジネス的な才覚にしろ、音楽にしろ、全てにおいて大いにインスパイアされる。幸運にも僕は彼と個人的に親しくなることができて、ここ2〜3ヵ月の間にも何度か話す機会があった。なのに、未だに彼に会うたびにドキドキしてしまうんだ。何しろ僕は彼の音楽を聴きまくって育ったし、それに彼は本当に博識なんだよ。僕にとっては、頼りになる伯父さんって感じの存在かな?(笑)どんなことに関してもアドバイスをくれるしね。一番最近会った時にはなんと、食事に関するアドバイスをくれたよ。「シリアルにはライス・ミルクをかけたほうがいい」って(笑)。僕がこよなく愛するラッパーがミルクに関するアドバイスをくれるなんて、こんなおかしい話はないよね! 本当に笑えるよ。
- 新譜Love & War
- 2007年にリリースされたマーク・ロンソンのアルバム「Version」からのリード・シングル「Stop Me」で素晴らしいヴォーカルを披露し、一躍注目を浴びたAllido Records/J Recordsが送り出す大本命新人シンガーソングライター=ダニエル・メリウェザーの待望のデビュー・アルバム。グラミー・プロデューサー、マーク・ロンソンが初のアルバム全曲プロデュースを担当。ロック・ファンク・ソウル・ヒップホップ・・・あらゆるジャンルをクロスオーバーした新時代のソウルフル・ポップが誕生。ファースト・シングルの「チェンジ feat.ワーレー」はUKのラジオ・チャートでいきなり3位にランクイン、シングル・チャートでもトップ10入りを果たしている。アルバムにはレーベルメイトのラッパー、ワーレーの他、グラミー新人賞受賞シンガーのアデルも参加。奇跡のソウルフル・ヴォイスが遂にヴェールを脱ぐ!
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- Love & War
Daniel Merriweather - 2009年06月24日発売
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- Love & War (輸入盤)
Daniel Merriweather - 2006年06月02日発売
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- Version
Mark Ronson - 2007年06月20日発売

1982 年生まれ、オーストラリア出身の26 歳。マーク・ロンソンの秘蔵っ子としてAllido Records/J Records からデビューする新人シンガーソングライター。ダニエル・ポール・メリウェザーはメルボルンの田舎町で教師の両親のもと、決して裕福とはいえない控えめなライフスタイルを送る家庭で育った。4 歳の時にバイオリンを習い始めるが楽譜を読むことが苦手で、 13 歳まで耳の記憶力だけで全ての楽曲を演奏し、遂にはヴィヴァルディのコンチェルトまで弾いていたという。とにかく歌うことが好きで
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