強力女子タッグ♡ 『百万円と苦虫女』

2008年10月23日 (木)

百万円貯めたら次の土地へ。

蒼井優×タナダユキ監督が生み出す、ちょっとビターで憎めない女の子の旅物語。

短大を卒業後、就職もできずアルバイト生活を送っている鈴子。ひょんな事件に巻き込まれ、傷ついた彼女は、家族のもとを離れ、貯金が百万円になるごとに誰も知らない土地へ移り住むことにする。

海の家、山の桃畑、郊外の街･･･行く先々で様々な人たちと出会い、笑ったり、怒ったり、恋をしながら、少しずつ人の温かさに触れ、大切なものを見つけていく。

蒼井優のひさびさにして、待望の主演作！

女優・蒼井優が人と距離を置く不器用な鈴子を、豊かな演技力で新たなヒロイン像に作り上げ、魅了する。

監督は、『さくらん』の脚本や『赤い文化住宅の初子』などで注目のタナダユキ監督。自身のオリジナル脚本で、等身大の女の子の姿を繊細かつユーモラスに描き、切ないながらも生きる幸せを感じさせる温かい作品に仕上げた。

『百万円と苦虫女』

森山未來、ピエール瀧･･･鈴子に魅了され、見守る、最高のキャスト陣。

慣れない仕事に戸惑いながらも、懸命に働く鈴子のひたむきさに惹かれる大学生、中島亮平を演じるのは、森山未來。無骨ながら心優しく鈴子を守ろうとする桃畑の男、藤井春夫を演じるのは、ピエール瀧。そして、海の家の常連として鈴子に屈託なく話しかけてくる青年ユウキを演じるのは、竹財輝之助。

さらに、鈴子を桃畑に紹介する喫茶店のマスターに笹野高史、桃畑の春夫の母にベテラン女優の佐々木すみ江が扮して、鈴子の旅に忘れがたい記憶を刻む。

また、江口のりこ、嶋田久作、モロ師岡、堀部圭亮、山本剛史らの登場も嬉しいサプライズになっている。

鈴子の想いを心地いいメロディにのせた原田郁子の書き下ろし主題歌。

旅する鈴子の気持ちをみずみずしく歌い上げるのは、人気バンド、クラムボンのボーカル、原田郁子。本作のために書き下ろした主題歌「やわらかくてきもちいい風」がすがしい余韻を残す。　

1月30日リリース。

主題歌を担当した、クラムボンの原田郁子ちゃんより、コメント到着です。

「タナダユキ監督が蒼井優ちゃん主演で映画を撮るので、音楽をやってもらえませんか」というお話をいただいたのが、はじまりです。どんな映画なのか、まったく詳細もなにも聞くまえに、おふたりの名前をきいてすぐ、"やってみたいな"と思いました。

映画の世界観に沿って音楽を作るというのは、すごく面白かったです。しばらくは毎日、鈴子のことばっかり考えてて、街で蒼井優ちゃんのポスターを見ると「あ、鈴子だ」って立ち止まったりして(笑)。いつも自分のなかに鈴子の気分があったから、すごく遠いものに対して近づいていくというよりは、自分の中に鈴子が広がっていく、という感じでした。ほんとに、この映画に出会わなかったら、この曲は生まれていなかったと思います。

STORY

短大を卒業後、就職もできずアルバイト生活を送っている鈴子。ひょんな事件に巻き込まれ傷ついた彼女は、家族のもとを離れ、貯金が百万円になるごとに誰も知らない土地へ移り住むことにする。

海の家ではかき氷の作り方を褒められ、山の中の桃畑では桃のもぎ方がうまいと褒められる。屈託なく話しかけてくる今どきの青年にはつれない態度をとっても、田舎の人の親切さには内心ほろりとする。そしてまた次の土地へ移動した鈴子を待っていたのは、生まれて初めての恋だった！

旅する鈴子の持ち物は、自分で縫ったカーテンとわずかな衣服だけ。1日中もくもくと働いて帰るのは、がらんどうのアパートの部屋。その何もない空間が、今の鈴子には心地いい。「自分探しなんて、むしろしたくない」と言う鈴子は、自分を閉ざすことで、心のリハビリをしているのだ。

でも、旅が進むにつれて、鈴子は人を信頼する方法を少しずつ学んでいく。あるがままの自分を受け入れて、未知の世界へとまた踏み出す彼女がラストで見せるきっぱりとした表情。それは、多くの観客にとっても、力強いエールになる。