Tuesday, January 8th 2008

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-常にレコード・バッグに入っている「1軍」のジャズ・レコードを教えて下さい。
「Art Farmerの『Talk To Me』です。1曲目が特に好きですね。良質なフュージョン・ソウル…かどうかは判りませんが、僕の大好きな1枚です。イントロでの抜けのいいドラム、終わり方も含めDJプレイにも向いています。」
「Earl Moseley『Facing The Sun』。これは、福島のレコード・ショップ「Little Bird」で、オーナーの板倉さんに教えてもらった1枚です。アルバム・トータルでツボですね。夜中のプレイに最適。」
「Marcus Belgrave『Gemini』。A面ラスト(CDでは3曲目)の「Glue Fingers PartU」という曲。これは、DJプレイの前半でいつもプレイしています。抜けのいいドラムとベース、その後の展開も最高。フリーというイメージが強く、避けている人も多いと思いますが、最高です。是非聞いてみて下さい。」
「Jimmy Smith『Black Smith』。これはヒップホップ・ネタの定番ですね。アタマのドラム・フィルが繋ぎやすく、最近毎回かけてます。」
-最近のジャズ・アーティストの作品なども良く聴いたりするのですか?
「純粋にジャズかどうか、ちょっと判らないんですけど、最近は、Stance Brothersが相当好きですね。ジャズ・ファンクって感じで。」
「Five Corners Quintetも、一時期はよく聴いていたんですけど、最近は全然ですね。(FCQ作品のような)メロディが綺麗なものを、京都でレギュラーでDJやってた時期なんかは、買ってたんですけど。今は、よりファンキーなものがいいですね。」
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Marcus Belgrave 『Gemini』 
Phil RanelinとWendell Harrisonによってデトロイトで設立された伝説のジャズ・レ ーベル=Tribeからリリースとなるトランペッター、Marcus Belgraveによる74年名盤。Carl Craigのプロジェクト、Detroit Experimentでの共演も素晴らしかった「Space Odyssey」はコズミック・ジャズ・ファンクの傑作。現在出回っている再発LPは、彼の自 主レーベル=Gemeyeから発表された方のジャケットが採用されているが、内容は同一。

Jimmy Smith 『Black Smith』 
ジャズ・オルガン奏者Jimmy Smithが、Atlantic傘下Prideレーベルに残した、74年 オルガン・ジャズ・ファンク名作。A.T.C.Q.、Beastie Boysネタにもなった「I'm Gonna Love You Just A Little More、Babe」は、イントロから炸裂する太いドラム・ブレイク に、妖艶な女性コーラスが絡む、まさにサンプリング・クラシックと呼ぶに相応しいキラー な仕上がり。「Something You Got」では、Smithの渋いヴォーカルも聴ける。

Stance Brothers 『Kind Soul』
Five Corners Quintetのドラマー、Teddy Rokによるオルターエゴ・プロジェクト=Stance Brothersのデビュー・アルバム。7インチで話題になった「Steve McQueen」や、Pete Rockネタとしても有名なCannonball Addley「Capricone」の珠玉のリメイ クなどを収録!北欧のY.N.Q.とも言うべき、ジャジーかつスムース&ドス黒いジャズ・ファ ンクが詰まった逸品。

Five Corners Quintet 『Chasin'The Jazz Gone By』
北欧フィンランドを拠点にヨーロッパを席巻し、世界へと広がる新たなジャズ・シーン最 重要グループ、Five Corners Quintedの2005年デビュー・アルバム。ジャイルス・
ピーターソン、ノーマン・ジェイ、ジャザノヴァらヨーロッパ中のDJ、リスナーを虜にし、 日本でも須永辰緒がいち早く注目していた新世紀ジャズ・コンボの代表格。
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-中古レコード屋でジャズを買う割合は、現在どのぐらいでしょうか?
「前は10割ジャズを買っていたのが、今は6〜7割ぐらいですかね。最近は、80年代ぐらいの安いものを買ってますね。あとは、買い逃していたりしてたもの。例えば、Lonnie Listen Smithの割と最近の買い逃していたものとか。いいなぁ、と思って。」
Wendell Harrison 『Farewell To The Welfare』7インチ |
-最近手に入れた、お気に入りのジャズのレコードは?
「Wendell Harrisonの7インチ『Farewell To The Welfare』です。これは、最高のジャズ・ファンクです。楽曲の良さもさることながら、この音質は奇跡ですね。かなり見つかりにくいのでは…。」
-では、最後になるのですが、Mitsu the Beatsさんにとってジャズとは、何でしょうか?
「結局、ボクはDJもやっているんですけど、曲を作る側の人間としての気持ちの方が強いので、そのインスピレーションの源となるものですね。ネタ云々ではなくて、純粋にいい曲を聴いて、何かが思い浮かぶとか、影響を受けるというもの、それがジャズなのかもしれないですね」
-今日はありがとうございました。
「ありがとうございました」
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Lonnie Liston Smith 『Silhouettes』
Pharoah Sandersら一連のスピリチュアル勢との交流、さらには「電化マイルス」の 傑作『Big Fun』、『On The Corner』への参加で一気に膨張した「コズミック・ファン ク」への想いを自らのCosmic Echoesとしての活動で発散してきたListen Smith。Doctor Jazzからの84年作。

Wendell Harrison 『Best Of Wendell Harrison』
Phil Ranelinと共にTribeレーベルを築き上げたWendell Harrisonは、Coltrane マナーからフリー奏法まで、あらゆるスタイルに対応し、フルート、クラリネットまでもこ なすマルチ・リード奏者。Tribeに残した唯一のリーダー作『An Evening With The Devil』はもちろん、その後立ち上げたレーベルRiberthや、Wenhaに吹き込んだア ルバムから選曲した、キャリアを俯瞰する完全ベスト盤。71年の名曲「Farewell To The Welfare」は、ブラック・ジャズ史に残るデトロイト・ビッグバンド・ファンク。
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