Tuesday, January 8th 2008

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-ヒップホップ・リスナーにもオススメできる、かっこいいドラム・ブレイクの入ったジャズ・アルバムを何枚か教えていただけますか?
「これは無限にあるので、最近良くクラブ・プレイする物から選びました。Brother Jack Mcduffの『To Seek A New Home』に収録されてる「Hunk o'Funk」です。この曲は、最近ヘヴィー・プレイしてますね。イントロから少し経って出てくるドラムの音が、もの凄く良いです。曲自体が、展開を含めてカッコイイです。」
「あと、Pazの『Paz Are Back』っていうアルバムに収録されている「Laying Eggs」。これも、どアタマからもの凄いドラム・ブレイクです。その後の展開、ベース、ホーン、全てがカッコイイですね」
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V.A. 『Blue Funk』
Brother Jack Mcduff『To Seek A New Home』は、残念ながら未CD化ということ で、「Hunk O' Funk」収録のこちらの「70sブルーノート」コンピを。Mitsu the Beats も太鼓判を押す、同曲のドラム・ブレイクは、音の抜け、硬さ、尺、どれをとっても二重丸。Black Sheepネタなど引く手数多のサンプリング・クラシック。

Paz 『Best Of Paz』
ヴォーカリスト/キーボード奏者Geoff Castleを中心とした、UKフリークアウト・ジャズ ・ロック・バンド=Paz。ラテン的なイディオムを盛り込みながら、Nucleusなどに代表さ れる英国ジャズのテイストをふんだんに撒き散らす彼らのベスト盤。過去3枚のレア・アル バムからの選曲で、もちろん、ブレイク搭載のキラー・ファンク「Laying Eggs」も収録。
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-2004年にブルーノートの65周年ミックスCD『Blue Impressions』を手掛けているのですが、Mitsu the Beatsさんから見て、このレーベルの魅力って何だと思いますか?
「そこまで深くは知らないんですけど、ジャズの歴史に残る本当に古いものから、フュージョン系のものや、最近の作品まで、とにかく一貫して良作ばかりですよね。何かそういうところに惹かれるんですよね。しっかりした芯があるっていうか。やっぱり、ボクはヒップホップが好きなんで、特にLAシリーズ(1966年に創始者アルフレッド・ライオンがレーベルをLibertyに売却してからの作品群)のようなフュージョン寄りの作品は大好きですね。音が太くて、レコードの盤質もカタくていいんですよ。ジャケのデザインも含めて、全てがパーフェクトですね」
-LAシリーズと言えばやはり、Mizell Brothersの音に影響を受けたことも?
「いや、曲は大好きですけど、Mizell Brothersに何を影響されたかと言われれば、特にないと思うし。実際、ブルーノートから1回もサンプリングしたことないんですよ。有名なネタの曲が入っていたとしても、あまり気にしてないですしね。曲が純粋にかっこいいから、そっちのインパクトの方が強いんでしょうね」
-前の年に出たMadlibの『Shades Of Blue』は、かなり刺激になりましたか?
「なったんじゃないでしょうかね、結構。普通に好きで聴いてましたから。だからといって、自分で積極的にジャズのカヴァーをやろうとは思わなかったですけど。後に出た、その元ネタ集の『Untinted』にしか入っていない、Donald Byrdの未発表曲「Distant Land」を『Blue Impressions』に入れてるんですよ。ちゃんと許可ももらって」
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Mizell Brothers 『Mizell』
伝説のプロデュース・チーム、Mizell Brothers=スカイ・ハイ・プロダクションによる ブルーノート・クラシック集。うち3曲は、12インチ・カットもされた「Think Twice」リミッ クスなど、未発表、新ミックスでの登場。Donald Byrdオリジナル演目の「Think Twice」といえば、Main Source「Looking At The Front Door」他、数々のクラシ ックの骨格を形成した名ネタ。ヒップホップ・ファンならば避けては通れない必須暗記事項 的楽曲が満載!

Madlib 『Shades Of Blue』
ジャズへの愛情と造詣をまざまざと見せつけた、Madlibのブルーノート70's時代音源 のリコンストラクト・アルバム。既存の「ジャズのヒップホップ・リメイク」とは完全に一線 を画した、その独特の視点と切り口、そして調理法はまさに革新的であり確信犯的。 後のYesterdays New Quintetプロジェクトの前哨戦となったことは言うまでもない だろう。後世に残るスモーキーでロウな「マッド・ジャズ」が産声を上げた。

Various 『Untinted -Sources For Madlib's Shade Of Blue』
上掲『Shades Of Blue』で使用した音源のオリジナルを収録したコンピレーション・ア ルバム。まずは、本盤を聴いてから『Shades〜』を嗜むのも、「ヒップホップとジャズの 蜜月」を再確認するには打ってつけだろう。Donald Byrd「Distant Land」は、「Blackbyrd」セッション時の未発表曲で、Mitsu The Beatsも『Blue Impressions』 に収録している。
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-お好きなレーベルは山ほどあるかと思いますが、次に挙げる10のレーベルのジャズ作品の中で、Mitsu the Beatsさんのフェイヴァリットをそれぞれ教えていただけますか?
-Milestone
「Joe Henderson『Multiple』ですね。このアルバムの曲のほとんどは、アフロっぽいビートで超かっこいいですね」
-CTI
「CTIだと・・・めちゃめちゃありますね(笑)。・・・だったら基本的なところで、Freddie Hubbard『Red Clay』で。あれは全曲いいです」
-Cadet
「Argo/Cadet時代のAhmad Jamalは、全部好きですね」
-MPS
「Monty Alexanderの『Rass』。これは、むしろジャズ好きより、ヒップホップ好きの定番と言えるでしょうね。このアルバムは、僕の好きな「ジャズ」というキーワードのド真ん中です。ローズの調べに酔いしれます」
-Verve
「Bill Evans全般です。ほとんど掘ったと思います」
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Joe Henderson 『Multiple』 (Milestone)
90年代に入り、再評価熱の高まったJoe Henderson。今も多くのDJ達がスピンす る呪術的なアフロ・チューン「Tress-Cun-Deo-La」を収録した73年Milestone盤。 Jack DeJohnette (ds)、James Blood Ulmer(g)、Larry Willis(p)らと繰り 広げられるブラック・マジック・セッションは、フロアでの破壊力も十分。ロック・ビート でありながら後期コルトレーンを継承するかのようなHendersonのソロも素晴らしい。

Freddie Hubbard 『Red Clay』 (CTI)
Jazz Messengersへの参加や、John Coltrane、Eric Dolphy、Herbie Hanco- ckのVSOPグループなどで数多くの名演を支えてきたトランペッター、Freddie Hubb- ardの70年CTI人気盤。ネタとしてもおなじみのタイトル曲は、Jack WilkinsからSoil & Pimp Sessionまで、多くのアーティスト達にカヴァーされ続けている大名曲。 Hancockのエレピも凄まじい。同じCTI作品では、『Sky Dive』、『Polar AC』なども 推薦したい。

Ahmad Jamal 『Happy Moods』 (Argo/Cadet)
Miles Davisのグループ加入の誘いを、「オレは地元シカゴの街を離れたくないんだ よ」と断ったエピソードを持つAhmad Jamal。60年、Argoに吹き込まれた『Happy Moods』は、Jamalトリオ最盛期の演奏を捉えたアルバム。絶妙な間のタッチから繰 り出される美しいシングル・トーンがJamalの真骨頂。本盤は、同年録音作『Listen To The Ahmad Jamal Quintet』をカップリングした徳用盤。

Bill Evans 『At The Montreux Jazz Festival』 (Verve)
モントルー・ジャズ・フェスティヴァル会場のすぐ近く、スイス・レマン湖のほとりに建つ古 城。本作は「お城のエヴァンス」としてファンに親しまれる、Bill Evansの名ライヴ盤。「Riverside4部作」を踏襲する形で挑んだ、当時まだ無名のEddie Gomez(b)、 Jack DeJohnette (ds)、2人の若き才との緊密なインタープレイにも注目。ピアノ・ネ タ古典「Nardis」等、Verve作品の中でも、一際「掘り氏」らに需要の高い名演だ。
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Young-Holt Unlimited 『Oh! Girl』 (Atlantic)
Ramsey Lewisトリオを経て結成されたソウルフルなインスト・バンド、Young-Holt Unlimited。「Soulful Strut」をはじめ、フリーソウル〜サンプリング・ソースの宝庫とな る彼らの作品は、やはりジャズとヒップホップの関係性を探る上でも重要なキーワードと なるはず。Brunswick時代より、さらにジャズ・ファンク色の濃いAtlantic期の本作(72年)にも、Pharcyde、Pete Rock、さらには帝王Milesなどをも虜にしたキラー曲が満載。

David Axelrod 『Songs Of Innocence』 (Capitol)
こちらもネタ宝庫盤としておなじみ、鬼才コンポーザー/アレンジャー/プロデューサーDavid AxelrodがWilliam Brakeの詩の一説にインスパイアを受け制作した68年作 品。「Holy Thursday」、「Urizen」、「The Smile」、「Merlin's Prophecy」、「The Mental Travelar」など、強靭なドラム・ブレイクを含んだあのネタこのネタが金太郎飴 状態。ドラマチックかつアブストラクトなサウンドは、現在のダンス・ミュージック・シーンに 多大な影響を及ぼしている。

Hal Galper 『Guerilla Band』 (Mainstream)
若きBrecker Brothersを擁するHal Galper Bandの70年初リーダー作。高速ビート に乗って疾走しまくるジャズ・ロック・チューンが数珠繋ぎ。この時代ならではのプログレ ッシヴな展開も含みつつ、フュージョン前夜のカオティックなエレクトリック・ジャズ・ファ ンクをたっぷりと堪能できること必至。当時気鋭のNY系ミュージシャン達の熱くたぎった 音楽への情熱が、ストレートにぶつけられたガッツ溢れる1枚。
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