インタビュー:二階堂和美2/2

2007年11月7日 (水)


 ミニアルバム『ハミング・スイッチ』リリース!
  二階堂和美インタビュー 2/2

─インタビュー続き

- そしてその曲も含めて後半の曲のサウンドについてなんですけど、ほとんどツボイさんが手掛けてらして、この雰囲気 … ローファイ気味のすごい良い感じでてますよね?あと、「真夏の果実」とかは御自宅で録音ですか?

そうなんです。「卒業」と「真夏の果実」は私の前々作の『またおとしましたよ』ってアルバムのときと同じ機材で、自宅の MD の MTR( 笑 ) 。私はいまだにそれで録音しているんですけど、この曲はそうやって録音してツボイさんに渡して Mix していただいきました。
でもやっぱり何かしらの ” ツボイマジック ” があって、さっきの「つるべおとし」もそうなんですけど、外山さんの変態ドラムがさらに変態がかって ( 笑 ) 。

 

- 最後には「 Lovers rock 」が弾き語りで収録されてますけど、これはリスナーの間でも人気の曲ですよね。

はい、ありがとうございます。

- この曲をこのようなかたちで入れたというのは?

えっと、前作では SAKEROCK のバージョンでやってもらったんですけど、その前後からライブでやって、この曲が好きだって言ってくださる方が多くって。でもバンド編成でやるライブっていうのは、年に 1 、 2 回くらいのことなんです。それ以外の何十っていうライブでは弾き語りでやってきた曲なので、弾き語りで収録っていうのは一回してみたいなって前々から思っていました。この曲を一緒に作った鴨田君(=イルリメ)とも『 Lovers Rock の弾き語りっていうのは一回やっときたいよね』って言っていて、今回入れさせてもらったんですけども。

- なるほど。そしてちょうど今イルリメさんの話が出たんですけど、今回もプロデューサーとしてクレジットされてますが、今回はどんな感じで関与されてるんですか?

あのですね、ほんとに表面的な事ではないんですけど、例えば選曲にしても『このユアソンの関白宣言いれたらいいんじゃない?』とか『「つるべおとし」やったらいいんじゃない?』とか、そういう選曲のセレクトをしてくれましたね。その点が今回の作品に関しては一番大きいと思います。
私が一人だと煮詰まっちゃうところを、サッとスパっとやってくれる感じですね。

- 二階堂さんは割と「あれやりたい!」「これやりたい!」っていうのが作品に直結する前に、結構迷いも多いんですか?

私はすっごい迷うんです。「あれやりたい!」「これやりたい!」って言うんですけど、とっちらかるんですよ ( 笑 ) 。で、判断するのにものすごい時間が掛かってしまって … 。あれを一人でやったら倍の時間がかかりますよね。それを ( イルリメさんが ) 客観的にスパっと切ってくれるいう。
そういうのって、意外と責任かかってくるのでなかなか言えないと思うんですよ
ね。でも彼は ( 笑 ) 、わりとヒョイって「こうしたほうがいい」って言いきるんで( 笑)、そういう意味でのプロデューサーっていう感じですね。影のアイデアマンというか。

- スーパーバイザーですね、なんか葉巻をこう吹かす感じの。

あはは、そう。立ち位置的には ( 笑 ) 。
いや、もちろん音に関してもね。アドバイスはくれますけど。

- で、今回はあたらしい曲も、弾き語りも、カヴァーもありながらですものね。

うん、なんかねぇ「何アルバムなんだよ!」って感じも ...

- いやいや、そこの芯を貫くのは二階堂さんの歌声があるからこそですよ。

あ、あはは。もぉー、うまいこと言ってくれますね ( 笑 ) 。ありがとうございます。

 

たぶん欲張りですね。


- 二階堂さんの活動のなかではコラボとかってたくさんやられてますけど、例えば音楽に限らず本とか映画とか外からの影響って受けやすいほうなんですか?

うーん … 私はすごく ” つまみぐい ” なタイプで、何か一つに傾倒するっていうのはあまり無くって。その時々に勝手につまむというか、例えば伝記集みたいな本があるじゃないですか?そういうので一人の人生が子供向けに 2 ページくらいにまとめてあったりするような、そういう感じが好きなんですよ ( 笑 ) 。
そういう「エッセンスだけ!」みたいなのを勘違い半分で勝手に理解するという、そのインスピレーションの部分だけ持って帰るみたいな感じです。
だから人に説明するときには正確な情報がないんです ( 笑 ) 「なにかから影響受けたか忘れたんだけど ... 」みたいな感じ。

- なるほど。

たまたま読んだ新聞だったり、映画だったり、そんなにファンでもないけど一部分だけにすごい感銘を受けたり。それで「凄いんですよね!」とか言っても実はその人のこと全然知らない ( 笑 ) 。

- じゃあ、そういうぱっと思ったことから妄想が膨らむタイプなんですね。

そうですねぇ、でもそれを形にするのは下手ですねぇ。フフフ ( 笑 ) 。

- ちなみに最近では?

その、子ども向け伝記集、キュリー夫人も野口英雄も、勉学に夢中で食事もろくにとってなかったというエピソードが書かれてて、ああ、私お茶休憩とりすぎてる、とか、風呂入ってる場合じゃないわ、とか。
こないだは河瀬直美監督の「萌の朱雀」を観たんです。 10 年前の。まだ「もがりのもり」は観てなくて、明日観ようと思ってるんですけど。素人の役者さんをみてて、どんな気持ちでオーディションを受けに行ったんだろうなーとか想像したり。

- 辞書をめくってぱっと指を指したところについて考えるみたいなことも?

そこまで意図的にはできないんですけどね。でもそういうのもカッコイイな、と思って昔やってみたことはあるんですけど、全然。飽きちゃって続かない ( 笑 ) 。

- ははは

そう、でも私は新聞が好きなんですよね。なんか専門誌とかを見るとあまりにも情報が多すぎるというか、途中で嫌になるんですよ。でも新聞ってすごく一般的なレベルでいろーんな情報がちょこっとづつ載ってる感じが好きで。ぱーっとひらいて適当なとこだけ見てとか。

- あー!じゃあ、ちなみに食べ物とかはどうですか?回転寿司とか小皿で出てくる点心みたいのが好きとか。あとそばとかラーメンとかにハマって通い続けるっていう人なんかもいますよね。

うんうん、回転寿司もそばもすきですけど、ほんとにこだわりがなくって。「あのそばおいしいですよね」とかって言うんですけど、一回しか行かない ( 笑 ) 。たぶん欲張りですね。もっといいとこあるかもしんないなぁとか思っちゃって。
あとガイド本見て料理屋さんに行くってことは一切なくて、行き当りばったりでしかないんです。でも女の人って、たとえば衣装とか服だったり、なんかそういうので外側を変えると中身も自然に変わるっていうか、スニーカー履くのかハイヒール履くかで変わったりってごく自然にあります。『今日はこういう格好だからこういうご飯屋でしょう!』だったりとか ( 笑 ) 。

- それは割と女性っぽい感覚なんですかね。

音楽とかも「ここが好き」とか言っても、他にもっと自分では気づいてない部分があるかも?とか思って、言い切っちゃうのをビビる。という感じがあるんですよね。

- あぁ、その感覚は解る気がします。

ね、全部においてそんな感じです !( 笑 )

 

- じゃあ食べ物の話で最後を締めるのもなんなので ( 笑 ) 。今回が初となる ” バンドと一緒のワンマンツアー ” のお話をお伺いできますか?

普段弾き語りが多いんですけど、私は " 歌手 " っていうのが昔からの TV とかの刷り込みで「美空ひばりさんみたいなああいう感じを歌手っていうんだ!」っていうのがあって ( 笑 ) 、ずっと恥ずかしくてなんか ” 歌手 ” とか言えなくて … 。それがようやく去年くらいから「歌手なんです」とかちょこちょこ言うようになっていて、それで年に 1 回くらいは私は歌うことに集中させてもらおうってことで、バンドに演奏していただいて歌うっていうのをやらせて頂きます。
今回 ( のメンバー ) は赤犬の 3 人と、 mama!milk の生駒祐子さん、そして渋谷毅さんっていうちょっとあり得ない感じ ( 笑 ) の 3 組なんですけど。でも例えば赤犬の方だったら私のミーハーな部分を共有できたり、生駒ちゃんは音楽の「音一つ出す美しさ」みたいなところに凄くこだわる方なのでそこを共有できたり、渋谷さんとは「どうにでも変化できる」っていうジャズ的な部分であったり、そういう共有する部分を無理やり ( 笑 ) まとめます。

- わかりました!では最後に、 HMV オンラインをご覧の方に一言いただければと思うんですけど。

はい。うーん、なんだろう?
えーっと、どんなシチュエーションでも皆さんそれぞれの感覚で受け取っていただけたらいいなと。「こうです!」っていうのは全然無いので、いろんなシチュエーションで「 試してください! 」 ( 笑 )

- はい、ありがとうございました!
 
―END―


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