Thursday, November 1st 2007
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シリーズ第一弾『Dedicated 2 The Oldies』
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―インタビュー続き―
―― 『Dedicated To The Oldies』は日本でもかなり人気のある作品ですが、なぜこのようなシリーズをリリースしようと思ったのですか?
最初はこれをシリーズで出す予定じゃなかった。でも、この『Dedicated To The Oldies』をリリースした後の周りからの反響が凄かったんだ。「次はいつ出すんだ?」とか「また同じようなアルバムが聴きたい」とか。なぜならこの辺りではOldiesというのは一つのカルチャーだからね。それで『Dedicated To The Oldies 2』をリリースする事を決めたんだ。これは2枚組みのCDでDisc1はNew West Coast、Gangsta Hip Hopをテーマに仕上げたアルバムに、Disc2はJoe BataanやDelfonicsらが参加してOldiesを復活させたアルバムになっている。だから今回は一つのアルバムに過去と現代を映し出したんだ。
―― 今回の第2弾は2枚組でのリリースですが、レコーディングは順調だったのですか?
正直言って、レコーディング当初は少しナーバスになっていたよ。ファーストの評判が凄くよかったことが逆に俺にこのセカンドに対するプレッシャーを与えていたんだ。ファーストのように良いアルバムが出来るのか、ってね。しかし、レコーディングを進めていくうちにだんだん自信が出てきたね。全てのトラックは完璧だったし、例えばJoe Bataanとのレコーディングを終えた時もかなりの手ごたえを感じていたんだ。最終的に全てのレコーディングが終了した時、このアルバムはファーストの2倍どころか3倍もいいぜ!って感じたよ。
―― 先行曲「Summertime Anthem」は日本でも話題で、あなたとFingazzの相性はかなり良いと思うのですが、あなた自身はどう思いますか?
Fingazzとは『Dedicated To The Oldies』から一緒に仕事をしているよ。あのアルバムの中の「You’re The One For Me」はFingazzとの曲だ。その頃はまだFingazzはあまり知られていなかったけど、その次のアルバム『Always And Forever』では沢山の曲をFingazzに依頼したんだ。そのあたりからFingazzが注目されるようになり、彼にプロデュースを頼むラッパー達も増えてきて、地元のラジオ・ステーションに出たり、今では有名なプロデューサーだ。俺らは昔から一緒に仕事をして、沢山のヒットを生んできたんだ。俺達の相性がいいのは当たり前だぜ。FingazzのビートとMr.Capone-Eのラップのマッシュ・アップは完璧さ。
―― 今回はRosie & The OriginalsやDelfonicsといった面々が参加していますが、彼らが参加した経緯を教えてください。
今回のアルバムに参加している一人はDelfonicsのオリジナル・メンバーだ。昔から俺はDelfonicsが好きでよく聴いていた。「Didn’t Blow Your Mind This Time」は中でも特に好きな曲で昔から何かの節目には決まって歌っていた曲だ。それでこのアルバムにこの曲を入れようと思った。ただこの曲はラブソングだから、俺のアルバムに合うようなコンセプトでこの曲を俺なりにアレンジしたんだ。おれはこの曲でどのように俺がラップゲームにのし上がり、トップまで上りつめたかを歌っているんだ。ムショ生活から始まり、時に襲撃されたり、いろいろな困難があったがアンダーグラウンドから這い上がってきたってことをな!俺の場合のDidn’t Blowはこんな激しい状況の中でもチャンスを逃さなかったってことだ。
―― 今回、オールディーズの曲をカバーしたりサンプリングしている曲があったら教えてください。
このアルバムはOldiesがテーマだから、いろいろな曲をサンプリングしたんだ。誰でも知っている王道のOldiesからとてもレアな音源まで幅広く使ったよ。きっとコアなOldiesファンが聴いたら「お、この音をどこから見つけてきたんだ!」とか「こんな音源があったのは知らなかった」とか魅力的な発見があると思うぜ。もちろん全てがサンプリングされたものではなく、完全オリジナルのトラックもあるよ。でもそれらはOldiesを自分なりに再現したから、リスナーは全てがサンプリング、もしくはカバーされた曲だと思うかもしれないね。少し挙げるとさっき話した「Didn’t Blow Your Mind This Time」、Joe Bataan「My Cloud」、「Ordinary Guy」、Al Wilson「Show & Tell」とかかな。
―― 今作にもLil Flipとのコラボ曲が入ってますが、彼とはどのようなキッカケで共演することになったのですか?
実は2008年初旬にLil Flipとのコラボ・アルバムをリリースする予定だから、今回のアルバムでは彼を露出することは避けたんだ。だからこのアルバム内では彼はバック・パートで少し参加してもらっている程度だ。彼とは彼がLAに来る時によく会う機会があって、そういう時Flipはよくテキサスのシーンで盛り上がっている曲を持って来てくれたりして、チルアウトしながら情報交換なんかもしていたんだ。そのうちに意気投合して、共同制作の話を持ち掛けたんだ。彼のラップ・スタイルはクールだし、なんといってもヤツとは境遇が似ているんだ。ストリート出身でハスラーから成功し、いつもホーミーとつるんでいて仲間を大事にしている。腕のタトゥーもクールだろ(笑)。だから俺達の感覚でいったら、例え違う地域出身でもファミリーの一人なんだ。初めて会っても「What’s up!!」って言うようなね!
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俺はいつでも準備が出来てるぜ!
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■常にリアルなスピーカーでいること
――以前、日本に来たことがあると思うのですが、印象を聞かせてもらえますか?
以前一度だけ行ったことがあるが、なかなか楽しかったよ。街はクールだし、いろいろとエキサイティングなものが溢れている印象を受けたね。前回は初めての来日で日本を楽しむというよりはただ日本を感じるというだったから、もしもまた行くことがあったら今度はもっと日本を詮索して、楽しんで、クレイジーなことをしでかしたいぜ!どこか日本の会社がMr. Capone-Eを呼び寄せてくれれば、俺はいつでも準備が出来てるぜ(笑)!
―― 日本ではチカーノ・ヒップホップの人気が少しずつ高まっているのですが、中でもあなたの人気はズバぬけています。あなたと他のラッパーと、どこに違いがあると思いますか?
とにかくMr. Capone-EやHi-Powerはリアリスティックを追っているってことだ。確かに今のシーンには沢山のラッパー達がいて、タフなラップやシャウトをしているかもしれないが、俺らはリアルなんだ。俺達は昔からカリフォルニアのストリートに居て、多くの‘マザーファッカー達にリスペクトされたり、時には敵対されたりして生きてきた。ストリートでは何が起きてもおかしくない。だからもしかしたら明日俺がチャージされて、またムショに戻る事になるかも知れねぇ。そしたらきっと多くのファン達が俺の噂をするだろう。それこそが歴史を作るってことなんだ。普通の家庭に生まれて、普通に学校に行って、ラップを教えてもらって出てきたようなラッパー達とは生きてきた歴史の重さが違うんだ。人々は俺らの曲からストリートから生まれたラップというものはどんなものか、リアル・シットなギャングスタとはどういうものかってことを知るんだ。常にリアルなスピーカーでいること。これこそが俺らが何よりも大切にしている事で、全てのクリエイティビティの原動力だ。他のヤツらがやっているのはラップのコピーだよ。
―― 何か最後に日本のファンへのメッセージをお願いします
新しいアルバムをぜひチェックしてくれ!そしてこれからもMr. Capone-EとHi-Powerの活動に期待していてくれ!次回日本に行ったときは、最高にシットで、クレイジーで、パワフルなショウを見せ、ウェストコーストの風を吹かせるから、それまで楽しみに待っていてくれ!
Interviewed by Rina Yamanobe
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