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特集:時代に翻弄された歌〜放送禁止歌〜

2007年10月23日 (火)

File11.  
    泉谷しげる/黒いカバン(アルバム『春夏秋冬』収録)  
         
 

現在ではバラエティ番組などでも見かける泉谷しげる。彼の人気曲である「黒いカバン」も警察権力を揶揄する歌詞の内容から放送が自粛されていたといわれる。彼の歌ではほかに「戦争小唄」なども放送禁止歌といわれている。

 
   

File12.  
    山平和彦/放送禁止(『山平和彦BOX』)  
         
 

"放送禁止歌手"の称号を持つ山平和彦。ファーストアルバム『放送禁止』上記BOXではタイトル通り放送禁止とされた曲「放送禁止」を聴く事ができる。なお、このデビュー盤に納められていた「大島節」と「月経」も"猥褻"などの理由によりことごとく発売禁止の憂き目にあっている。上記BOXにはその後改訂版としてリリースされた『放送禁止』が納められているため、内容が差し替えとなっている。

 
   

File13.  
    高田渡/生活の柄(アルバム『ごあいさつ』収録)  
         
 

日本のフォーク界でも独特の存在感を放っていた高田渡。2005年に逝去するまでそのマイペースなスタイルを貫いた彼。そんな彼の屈指の名盤とされるメジャー流通の第1弾アルバム、さらにアルバム中の名曲といわれファンからの評価も高い「生活の柄」、この曲も"浮浪者"という言葉ひとつで放送を自粛された。

 
   

File14.  
    岡林信康/チューリップのアップリケほか(アルバム『ジャックスの世界』収録)  
         
 

"フォークの神様"としてカリスマ的な存在に奉りあげられた岡林信康。その存在は70年代フォークの歴史の中でも大きなポイントとなっていましたが、そのストレートで赤裸々な歌の数々はまた、メディアによる自主規制の対象にもなりやすいものでした。「チューリップのアップリケ」のほか「くそくらえ節」や「手紙」など、部落問題や国家体制などに正面からぶつかっていった楽曲が多く放送禁止となっていました。

 
   

File15.  
    つぼイノリオ/「金太の大冒険」(アルバム『ジョーズ ヘタ』収録)  
         
 

卑猥な言葉を巧みに織り込んだ楽曲の数々が見事に放送禁止となったつぼイノリオ。近年では深夜ラジオなどで伝説のギャグソングとしてO.Aされる事もあります。パロディーや替え歌的な要素があり、言葉尻だけを捉えた規制や堅苦しい過剰な解釈を笑い飛ばすような確信犯的にスパイスの効いた楽曲にアッパレ。

 
   

 
4現在
 時代とともに音楽シーンも変化し、現在では政治的・思想的・道徳的な理由で放送が自粛される楽曲というのは少なくともヒットチャート上では皆無。また、インディーズ流通の一般化やインターネットの進化によるメディアやシーンの分散、多情報化といった音楽を取り巻く状況の変化もこういった概念自体を 薄くしているのかもしれません。

一方で直接的に暴力や薬物問題などを描写した音楽と現実の犯罪行為を指摘する世論や、アメリカにおける同時多発テロの際のラジオ曲の特定楽曲の放送自粛など、海外を含め「表現」を巡る論争は常に存在しています。

 

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