Friday, September 28th 2007
| 待望の1stアルバム『monobright one』リリース企画! |
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monobright突撃インタビュー! 1/2 |
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桃野陽介(Vocal, Guitar) |
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出口博之(Bass) |
-メジャー1stアルバム完成おめでとうございます!
全員「ありがとうございます!」 -まずはアルバムが完成した今の率直な感想を聞かせてもらえますか?
桃野陽介(以下、桃野)「単純にもともと好きなアルバムを自分で創りたいって思っていたんで。そういうアルバムがひとつ出来たっていうことで正直嬉しいですね。“やった!”と素直に喜べるようなアルバムが出来ました」
出口博之(以下、出口) 「やはり率直な感想は、桃野と一緒で嬉しいという気持ちが大きいですね。それと、今まで自分たちがやってきたことを純度の高いところで形にできたなぁっていうのがありますね」
瀧谷翼(以下、瀧谷) 「単純にいいものが出来たなということですかね。自分で何度も聴きたくなるアルバムになりましたし」
松下省伍(以下、松下)「ずっと札幌からやってきた曲達がメインなので、自分たちがライブとかで育ててきたような曲をパッケージ出来たことがとても嬉しい。でも、集大成でありながらやっとスタートラインに立てたというか。これからどうなってもここに戻ってこれるようなアルバムで。タイトルの「one」という言葉が示すように、ほんと僕らの最初のものになったんじゃないかなって思っています」
-ありがとうございます。それでは色々とお聞きする前に、この『monobright one』というアルバムの中で一番おススメの曲を挙げてもらいたいのですが。
桃野「なかなか難しいですねぇ…。まあ、メンバーみんなそれぞれ違うのかも知れませんが、僕は『バタフライングリップス』ですね。ま、好きというか、この曲を創ったことによってまた自分が新たに創りたいものが見えたというか。そういう曲でもあるので。なんかこう、へんちくりんというか、どこまでも深い溝に入っていくような曲っていうのを、この曲をはじめとして今回のアルバムの中で沢山見せることが出来たので。なので、これが“おススメ!” (笑)ですね」
出口「僕は『デイドリームネイション』ですかね。今のメンバーで “monobrightをやろう!”ってなったときに、はじめて演ったのがこの曲だったんですよね。で、その時に、“あ、この4人で行けるじゃん!”って思えたんですよ。カチッとはまる感じというか。気持ちよい感じというのをこの曲を演った時に感じて。そういう風に思ったのがmonobrightでやって行こうと思ったきっかけであったりするので。今聴いても、その時に思っていたこととか考えていたことを思い出したりして、好きです(笑)」
瀧谷「そうですね…。『まぼろし』という曲がおススメですね。自分が今置かれている状況が『まぼろし』という曲のストーリーとマッチするというか。個人的に思い出深い曲でもありますし。他のリスナーの皆さんも共感するだろうと思うし。はい」
松下「じゃあ僕は、アルバムの最初の曲『20th Century Lover’s Orchestra』がおススメですかね。なんか、僕、勝手にこういう曲をロック・バラードと呼んでいるんですけど(笑)、こういうバンドサウンドで創られていて、激しい部分もあるし全体を通してみると柔らかい部分もあるしという曲って、今の世のバンドがあまりやっていないような感じがして。そういった意味で、僕の中では“コロンブスの卵”的なものに感じていて。普通なんだけど意外に演っている人が少ないというか。あまり聴いたことがないということで、盲点を突いているという感じがするんですよね。まあ、そういう小難しいことを考えなくても、青春チックな感じな曲で純粋な曲なので聴いて懐かしかったりするので好きですね。ストレートな曲が少ないんですが、これはわりとストレートになっているので、その上でギターを弾くのが楽しいんですよね。自分の中で。なのでおススメです」
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-実は、何故最初にメンバーのみなさんにおススメの曲を聴いてしまったかというと、アルバムに収録されている楽曲全てが素晴らしく。収録曲全てが素晴らしい個性を放っているので。敢えて、こちらから質問する前に、4者4様の答えを頂きたいと思ったんです。で。偶然なのか、気を使っていただいたのか(笑)。皆さん見事にバラバラにおススメの曲を紹介してもらって嬉しいです。それだけバラエティに富んだ作品になっているということで。
桃野「ありがとうございます」
-それでは改めてアルバムについて色々とお聞きしていこうかと。松下さんがおススメしていましたが。もう、アルバムの1曲目の『20th Century Lover’s Orchestra』のイントロ。いきなりギターのチョーキング音からはじまるという衝撃。これ聴いた瞬間、“なんじゃこりゃ!”って(笑)。そこで既に僕はノックアウトされてしまったんですが。
桃野「それは、もう、うちらとしては儲けもんっすね。してやったり(笑)」
-(笑)。このようなミドルテンポのロック・バラードをアルバムの1曲目に収録した意図というのがもしあれば聞かせてもらいたいんですけど
桃野「そうですね。まあ曲の配置っていうのは聴いていて気持ちいい感覚で並べていったんですけど。でも、まあ、逆に、1曲目に『20th Century Lover’s Orchestra』を持ってきたほうが変だなと思ったっちゅうのもありましたね。あの、どちらかというと、僕らのイメージって、“行け行け押せ押せ”で来るっていうイメージが強いのかもと思ったんで、ちょっとかましてやろうかなって思ったんですよ。でもこれってとても自分たちらしい楽曲でもあるんで、本当は、なんて言うんすかねぇ…。この曲を1曲目に持ってきた理由は、なんかうちらの天邪鬼な感じとか、逆にストレートな感じとか、なんか裏目に出ちゃってるみたいな感じとか。そういうのを色々含めて一筋縄ではやらないという僕らのスタンスっちゅーことですかね。ましてや、おっしゃるとおり、ギターのチョーキングで始まるアルバムなんて聴いたことないですからね(笑)。それが1stアルバムになっているという(笑)。そういう意味でも、ほんと、自分たちらしいというか。敢えてミドルテンポのナンバーを1曲目に持ってきて良かったなと思いますけどね」
-実は、意外にも4曲目の『未完成ライオット』がはじまるまで。『学校』もそうですけど、ミドルテンポのナンバーが多いなと感じまして。
桃野「まあ、ミドルテンポなロックは、ほんと、たまたま僕らで演奏して一番気持ちよかったのがミドルだったという感じなんですけどね(笑)。だからそうなっちゃったっていう」
-“ミドルが好きなんだ”ということなんですね、単純に。
桃野「好きというか結果的に多くなったという感じですかね」
松下「まあ、激しいロック全てにおいて言えることが、必ずしもテンポ的なものではないと思っているので」
-monobrightの楽曲の歌詞には“踊る”とか“ダンス”という言葉が頻繁に登場するわけですが、それは、テンポやビートが踊りやすいからとかいうものとは違う解釈ということですよね?
桃野「そうですね。それはやっぱ音楽全体に言えることで。“身体が踊らずとも心が躍る”みたいな。必ずどっかの感覚で踊る部分があるんですよね。バラードでもね。そういった意味でそのような言葉が頻繁に現れてきたのではないのかなと思いますね」
-例えば、monobrightの音楽には、同年代のバンドなどで、BPMが120-130を刻むような、いわゆるダンスミュージックのフォーマットを引用してロックでダンスしているバンドに対してのアンチテーゼというものが含まれているんですかね?
桃野「ん…。まあ、僕らも言ってしまえば現代っ子なんで。そういった現代のものも染込んでますしね。その染込んだ現代のものと、60年代70年代への憧れが混ざって出ちゃった現代の感じが僕らというものでしょうね。そういう意味で、単なる現代の音楽ではないとは思っているんですけど。そういった意味で言うと今の現代のバンドが出している音とは違うと思うんですよね」
松下「アンチという感じは無いですね。単なる天然ですかね(笑)。ほんと、染み付いたものを出しているだけですから。他の人たちと同じように流行の音楽と共に生きて成長してきて、染み付かせてきた部分もありますから、全く通ってないとか知らないとかは言えませんし。だから、頭からアンチ的なものを突き出そうというものに関してあまり意識していないですかね」
桃野「僕は自分たちのことをポップなバンドだと思っているんですけど、他のバンドの曲を聴いていて、ポップなのに一辺倒な部分に疑問を抱いていたりするんですよね。実はポップなものって色んな要素が入っていて、色んなものが見えるっちゅうか…。本来ならば、玉手箱のように色んなものが出てくるのがポップであるはずが、なんちゅぅっすか? ポップなのにパンクの精神というのかなんちゅうのか…。アルバムに同じ曲が多いっていうのは結構しんどいんですよ(笑)。あえてアンチと言うなれば、そういうアルバムとは違うものにしたいなというのはありましたけどね。でも、自然と僕が創ってた曲がそうだったんで。だから、“2度おいしい”ていうか。“2度ラッキー”っていうかね。意識しなくとも思っていた違和感と、やってみたら自然にこうなってよかったということが重なって。“2度得したね”っていう意識が強いですね」 |
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-曲作りは基本的にどういう手法で?
桃野「曲作りは、パソコンソフトを使って楽曲を作りこんでみんなに渡してイメージを伝えて聴いてもらって練る、という感じが基本ですね。そして練る、さらに練って練るみたいな(笑)。そういう感じが自然ですかね、今のところ」 -『魔法のライター』や『まぼろし』などのフォーキーな楽曲は?
桃野「そういう曲は、だいたいアコギから生まれるっちゅうか。弾き語りから生まれるというか。そういう曲ですね。ギターと唄で成立するものを広げてという感じです」-なるほど。この『monobright one』というアルバムは本当にバラエティに富んでいると思うわけなんですが、その中でも、“ぶっちゃけ、この1曲だけでも満足しちゃうんじゃないの?”とまで思ってしまう曲があるんです。それが、『バタフライングリップス』なんですよ。
桃野「お!僕のおススメと被ったじゃないっすか!」
松下「なんかすげぇ嬉しそうな顔しているよ(笑)」
全員
「(笑)」-もう、「バタフライングリップス」は何度もループして聴いてしまうんですよ。それでも決して飽きないし。聴くたびに色んな音が出てくるし。景色も変わるし。凄いんですよ、ほんと。もう率直に、“こういう曲がどう産まれるんだろうか?”という疑問があっての先の作曲方法の質問だったわけなんです。
松下「これってかなり時間かかった曲だよね?」
桃野「そうなんですよ。かなり時間かかったんですよ。で、他の曲はわりと曲から出来ているんですが、この曲は詞と平行して創っていたんですよね。だから余計に牛歩というか」
松下「牛歩ってなんだよ(笑)」
桃野「いやもう本当に牛歩(注:牛のように歩みが遅いこと。物事が遅々として進まないことの意)ですよ。時間がかかったんですよ。で、そうやって時間をかけて創りこんでいくと逆に愛着がわくじゃないですか?そうなってくると“もっと大切に創りたい!”っていう風になってしまって。ていうか、あまりにも時間をかけすぎたので、創り上げていく過程で込められた思いがちょいちょい鳴るんですよね、今でも」-このような難しい曲というか、異質な楽曲を演奏するメンバーのみなさんはどのように感じているんですか?難しい?
松下「そうですねぇ。桃野が書いてくる曲って今まで勉強してきた音楽的考えでは思いつかないぐらい異質で斬新なんですよね。だから、『バタフライングリップス』が出る前にも色んな曲を演っていたんですけど、とりあえず桃野が“演ってみて!”という曲を演って、僕らが馴染んでいってという感じで今まで来てますから。この曲にしてもそうでしたね。でもまあやっぱりここまで異質だと“変な曲だなぁ”と思ってしまったんですけど(笑)。でもまず演ってみてね。演っているうちに楽しくなるんだろうなって思っていて。それが続いて染み付いて楽しくなっているっていう感じですよ。その繰り返しです」
瀧谷
「なんか無意識にやっていくだけで、それで楽しくなっていくっていう感じなんですよ」
松下「最初に曲を合わせたときに、“なんかこれ以上先に行っても、この曲は厳しいなぁ”ってときは、すぐに桃野が、“これやめようか?”って言ってくるんですよ(笑)。見切るときがあって」
桃野「そうです。すぐ打ち切るんです(笑)。“わ、これだめだ!”ってなって」
松下
「『バタフライングリップス』をやったときも、ちょっと厳しかったんですけど、“あ、なんか出来そう?”っていう空気感というのがあったからね」
出口
「うん。その判断が凄くはっきりしてるから。駄目だったらもう、根本から駄目なんだろうっていうことだし。何かひっかかるんだったら、そこから何かを広げていこうっていうのがあるんですよね。それが何なのかはわからないんですけど。もしかしたら全員の直感なのかもしれないし。そういった意味で、『バタフライングリップス』はそういうのが凄くあった曲だなぁって感じですね」
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