■僕は報われない才能あるアーティストにシンパシーを感じるよ
――貴方のトラック・メイカーとしての評価は最高位に位置することは世界的に知られていますが、ラッパーとして貴方が伝えたいメッセージとはどんなものですか?
ラッパーとして、自分の歌からはポジティブなフィーリングを感じてほしい。
人にインスピレーションを与えたり、あるいは人の話題となるようなラッパーになりたいな。人が、”この人の言っている事、その言い方が良いね”って言ってほしいと思っている。人は自分のことをプロデューサーとして評価してくれているけど、自分はMCとして、歌ってもいるって事にも気がついてほしいよ。プロデュースすることと、ラップをすること両方で評価されることは本当に難しいことで、例えばDr Dre、Erick Sermon、Diamond D、Large Professor、Pete Rockや最近のJ Dillaなんかはラップもするしプロデュースもしているけど、彼らは大抵プロデューサーとしての評価のほうが良いよね。Kanye Westはプロデュースとラッパー両方でバランスが取れているけど、それってとてもすごいことなんだよ。
―― ラッパーとして、リリシストとして影響されたラップ・アーティストは誰ですか?また、その理由も教えて下さい。
ラッパーとして面白いなって最近思うのは、Nasかな。彼が言っている事はいつも面白いね。リズムに不似合いな程のエネルギーを持っているんだけど、彼が言っている事は人をひきつけて彼の曲を聞かせる力があるんだ。だからFunky DLとしてではなく、いちNasファンとして彼のアルバムは本当に全部買っても良いと思うくらいだよ。それからリリシストとしては、Jay-Zも好きかな。彼の物言いというか、自慢たっぷりな感じで説得力のある感じなんだけど、すごくいとも簡単に言い放っているんだ。それからMcとしてはJ-Live、Mos DefやBlack Thoughtなんかすごいと思うね。
―― 現行のヒップホップ・アーティストで特にシンパシーを感じるのは誰ですか?
シンパシーを特に感じるHiphopアーティストといえば、すごく良いのに認められずに苦しんでいるアーティストだよ。才能もあってすばらしいアーティストが必ずしも成功しているとは限らないんだ。自分も色々苦しむことがあるから、僕はそういった報われない才能あるアーティストにシンパシーを感じるよ。
―― あなたの生涯のヒップホップ・アルバムBest 5を教えて下さい。
1.
3 Feet High & Rising / De La Soul
これは僕が最初に買ったアルバムなん
だ。
2.
The Low End Theory/ A Tribe Called Quest
このアルバムでベースラインとは
何かを学んだようなもんだね。
3.
A Wolf In Sheep’S Clothing / Black Sheep
このアルバムは僕を死ぬほど笑わ
せてくれたよ。
4.
Mecca & The Soul Brother / Pete Rock & C.L. Smooth
これはジャズアルバムと
して本当にすばらしい。
5.
Midnight Marauders / A Tribe Called Quest
このアルバムが僕にどうやって完
璧に仕上げるか・・ってのを教えてくれたんだ。
―― 貴方の作品は日本でもとても評価され人気が高いですか、そのことに
ついてどう思いますか?
そりゃうれしく思っているよ。日本で評価されているって事は、耳の肥えた日本のリ
スナーが僕を気に入ってくれているってことだから、
だからいつもすごく感謝しているんだ。評価って言うのは、お金や有名になることよ
りも重要だったりするしね。
だから、日本のファンが、Funkydlのアルバムを、前作よりもより良いものだ
と信じて買ってくれることはとっても重要なんだ。
―― 最近のUKのhiphopシーンではDizzee Rascalや
Lady Sovereignといったアーティストが注目されていますが、UK
ヒップホップ・シーンの現状を貴方はどのように捉えていますか?
UKのヒップホップ・シーンはここ最近ずっと苦しんでる感じかな、マスメディアや
人々からのサポートが薄いからだろうね。
新人のラッパーはビックになるのに必要なものは才能のみだって信じているけど、も
し彼らが、才能は歌にのみ反映し、
成功は自分の姿勢によるものなんだってことがわかったら現状はもっとよくなるか
も・・・。
―― 貴方が注目しているUKのヒップホップ・アーティストはいます
か?
“Baby Blue”, “Pyrelli” それから “Kingpin”に注目してるんだ。他にも才能
あるやつだって思う人は何人か要るけど、
この3人は自分の今のお気に入りだね。
―― UKヒップホップ・シーンの将来はどのようになると想像しま
すか?
UKヒップホップ・シーンの将来を想像するのはとても難しいよ。
この業界の中で、成功するのにどういったことをしなければならないか・・・を知ら
ずに業界の急激な変化を見極めることも難しいだろうし。
自分が言えることは、僕の目が黒いうちに、この業界がより実りのあるものになっ
て、順調に運ぶことだよ。
UKには潜在的なものが多くあると思うけど、何かが僕らをひるませているんだ。悲
しいけどそれが現実だと思う。
――
今後の活動およびリリース・プランを教えて下さい。
色々常に変わっていっているからプランについて話すのは難しいんだけど、
いつ出るのかわからないプロジェクトにもかかわったりしているし。
ただ今現在進行中なのは“Lei-An”っていうボーカリストのアルバムの制作をやって
いて、
彼女はとても才能があるんだ。あとはUKのラッパーが2人いて、彼らのアルバムを
僕がプロデュースする
話はあるけど、まだ早い段階で確定とはいえないな。自分的にはライブでバンドを
使ってXantone Blacqをフィーチャーした
アンプラグドのアルバムを作ろうと思っているけど、色々やることも多くてこれもま
だ決まっていないね。