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HMVインタビュー:Funky DL

Friday, September 7th 2007

  インタビュー
  Funky DL
美しいピアノ・メロディー、暖かいホーン・サウンド、ラフなビート…そのジャジー&メロウなサウンドで全世界のヒップホップ・ヘッズから絶大な支持を得ているFunky DL。Nujabes主宰のHydeoutからもリリースがあり、ここ日本での認知度も抜群。聴きやすいメロディアスなトラックとラップ、そして何よりジャズ・サンプルを多様したトラックのトレードマークでヒップホップ・ファンはもとより多くのミュージック・ラバーズに支持されている。そんなかれが約2年ぶりにニューアルバムを完成。アルバム・タイトル『4th Quarter』からもわかる通り4つのサウンドステージから構成される興味深い趣向を凝らしてきました。Funky DL自身も自分の作品の中で最高傑作と豪語する内容の本作について、じっくりとお話を伺うことが出来ました。

このアルバムを例えて言うなら、バスケットボールの試合に似ていると思う
  このアルバムを例えて言うなら、バスケットボールの試合に似ていると思う
■僕のクリエイティビティーの核心に触れた最高の出来上がりなんだ


――まずはこのアルバム『4th Quarter』を作り終えた感想を聞かせて貰えますか?


『4th Quarter』を作り終えたときは、僕のキャリアの中で最高の作品を作り上げた、って実感したよ。新しい感性と昔の自分の音とがうまい具合に混ざったって感じたね。もし今までFunky DLの作品を何も聴いたことがない人がいて、どれかひとつアルバムを聴かせるなら、絶対このアルバムを推薦するよ。それぐらい、僕のクリエイティビティーの核心に触れた最高の出来上がりなんだ。


―― このアルバムは貴方のこれまでの作品の中でどのような意味(意義)を持つものなのでしょうか?


『4th Quarter』は本当にとっても重要な意味を持っているアルバムなんだ。これは僕の中にある違った側面を見せるのと同時に、そういった側面を自分が持っているということを改めて認識できるようにしてくれたんだ。このアルバムを作ることで、春夏秋冬があるように、曲作りや人生にも、それぞれのステージ(段階)があるって事を実感したよ。このアルバムを例えて言うなら、バスケットボールの試合に似ていると思う、ゲームのどのクオーターが抜けてもゲームは完結しないだろ?


――今回、「The Soul Quarter」 、「New Age Quarter」、 「Jazz Quarter」、「Authentic Quarter」と4つのセクションに区切るアイディアはどのように思い付いたのでしょうか?


単純に、リスナーがアルバムを聞くにあたって、どんな工夫があったらもっと面白いものになるんだろう?って考えたのが発端だよ。12曲ただ作るのはとても簡単だけど、リスナーをもっと納得させてアルバム全体を通して見てもらうには試行錯誤やコンセプトが必要なんだよ。4つの違ったスタイルを通して聞くことで、このアルバム全体を経験できるんだ。


――それぞれのセクションのサウ ンドのキャラクターを説明して頂けますか?


「The Soul Quarter」は、なだらかで昔のフィルターがかかったようなベース・ラインが特徴の昔のソウルと70年代スタイルのブレイクスにすごく練られたメロディーを組み合わせたんだ。このクオーターは、音楽的にもトラックやドラムがさまざまに変化するけど、全ては70年代の古いループが根幹になってるんだよ。

「New Age Quarter」はよりスペイシーで空気感を感じるような仕上がりになったね。ちょっとゆがんだコードやストリングスを多用したり、メロディーを生かしながらもアブストラクトな感じが出るようにしたんだ。さまざまな波形のフィルターをかけた音でコードを作ってそれを重ねることでアルバムの中に新しい雰囲気を演出することに成功したよ。

「Jazz Quarter」はまさに昔の典型的なDLの音と思ってくれていいと思う。この要素は、人が僕の音をこのJazzという要素で評価してくれていることも考えて、本当のオリジナルFunky DLということでどうしても入れる必要があったんだ。

最後に「Authentic Quarter」は、生の(Rawな)Hiphopがベースになっているんだ。どの曲も、ドラムや組み込まれたサンプルがメインになってる。僕にとって、ハードでエッジがきいたHiphopをアルバムに入れることはとても重要なことだったんだ。このクオーターはイカツイ、ゴツゴツしたビートやリズムが好きなHiphopキッズにはパーフェクトだと思うよ。


――この4つのセクションが貴方の作品の重要なソースであると考えて宜しいですか?


そうだね、この4つが僕の作品の基本となる要素だし、過去の作品をきいてもらっても、どの曲もこの4つのクオーターのいずれかに当てはまると思うよ。でも特徴となるクラシックなfunky DLのオリジナリティーはどの要素に当てはまろうと崩れないけどどね。


――もし、もう一つ新しいセクションを増やすとしたらどんなセクション でしょうか?


それは”ラテン・クオーター”だろうな。でも前にリリースしたのが『The Latin Love Story』 と 『Music From Naphta』といってラテンがベースになったHiphopアルバムだったから、この要素は今回は外したんだ。

4th Quarter
  『4th Quarter』
■Jazzy&Mellowって言葉は僕の音楽にとってパーフェクトな表現だよ


――今回のアルバムの中で特に思い入れのある曲、気に入っている曲、そしてその理由を教えて下さい。


そうだね、一番思い入れがあるのは、「Love, Honesty & Discipline」(愛、誠実さ、規律)かな。何故かといえば、この3つは僕が音楽を作り始めた時からずっと大事にしていることなんだ。だからこそ、このアルバムの一曲目にしたんだけど、僕の正直で個人的な気持ちを歌っていて、どうして僕らは愛や、誠実さ、規律を重んじなければならないかを歌っているんだ。この曲は本当に心をこめて歌ったし我ながら何回聞いても、とっても考えさせられるよ。


――貴方の作品はビートが強いことはもちろんですがメロディー・ラインがとても綺麗な作品が多いように思われます。それはやはり貴方がそのような作品を好んでいるからでしょうか?


僕が作る曲には必ず美しいメロディーを入れるように・・・と思ってる。ブレイクスの多い「Authentic Quarter」のトラックにだって、メロディーの痕跡を残してあるんだ。トラックにとても良いメロディーが備わっていれば、それは聞くものをハッピーにさせたり、悲しくさせたり、同情したり、あるいは色んな感情というものが生まれるものなんだよ。感情というものは音楽には欠かせないものだから、だから僕はメロディーを大切にしているんだ。


――あなたのサウンドは日本ではJazzy&Mellowと形容されることが多いですが、この形容のされ方は気に入ってますか?


もちろん、とってもうれしいよ。Jazzy&Mellowって言われることは、すなわちスタイルがあるって事だろ?それに、メロディーやアレンジもすごく考えられているって事だし、それが歌によりバイブを持たせてるって事も意味するんだ。この表現は僕の音楽にとってパーフェクトな表現だよ。


――ヒップホップのトラックにおいてビートとメロディーは重要な要素ですが、さらにもう一つ必要とすればそれは何でしょうか?


その2つを抜かしてもう一つ重要なものといえば、それはハートだよ。プロジェクトに対してハートを費やした、と言うことは簡単さ。でも、もし自分が言いたいこと、どうやってビートを作るかにしても、本当に自分の心の内側から湧き出て、その湧き出たものが音楽として語りだしたとき、本当にすばらしい音楽というものが生まれるんだ。たとえば、ボブ・マーリーは心と魂を彼の音楽につぎ込んだ、だからこそ彼が死んでから今でもなお多くの人の心に響くんだ。


――貴方の作風はA Tribe Called QuestやPete Rockといったアーティストの影響を感じとれますが、やはり影響されているのでしょうか?また貴方が考える彼らの魅力とはどのようなものものですか?


A Tribe Called Questやpete Rockは僕の若いときに本当に大きな影響を与えてくれたアーティストで、彼らからはインスピレーションをいっぱいもらったよ。彼らは若いながらも、本当にグレイトな作品を作って世に送り出したんだ。A Tribe Called QuestやPete Rockの良いところは、すごい量の知識や高度な技術を持っていて、しかも完璧主義なんだ。だから彼らの作品を聞くと、音の奥行きや奥深さを感じるだろ?彼らの作品から本当に良い音楽って時間がかかるものなんだって事を学んだね。




―続く―
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