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Fantastic Plastic Machine ロング・インタビュー (2/3)

Friday, July 6th 2007

  インタビュー
  Fantastic Plastic Machine

Fantastic Plastic Machine
 
―インタビュー続き―


――どこから聴いてもグッとくる素敵な選曲で、本当は1曲ずつ全部のエピソードをお伺いしたいところなんですが…。


えぇ、全然いいですよ(笑)?


――でも、きっと膨大なエピソードがあるんでしょうね。


そうですね。どういうきっかけでとか、どこのレコ屋で買ったとか、そういう思い出が全部あって。


――本当に一曲入魂という感じで。


ほんとそうですよ。一曲入魂の塊なので、悪いはずがないと思うし。
オンラインの音楽ショップを利用する事は僕もするし全然良い事なんですが、コンピみたいなものが脚光を浴びている今、ただ曲を集めるのではなくきちんとセレクトする事がクリエイティヴだって僕は思いたいし。それを続けているのがこのシリーズで、自分がサウンド・コンシェルジュと名乗る以上は、このCDを買ってくれる人の為に本気でやりたい。
単に選曲しました、入れましたっていう以上のものにしたかったし、ミックスはもちろん、曲と曲の繋ぎであるとか、流れであるとか、恐ろしく拘ったんですね。
だからそれは、ネットでダウンロードしたものを単にコンピューターに貯めていくだけでは味わえないものだと思うので、そういう意味でも、このコンピレーションを手に取ってもらう価値っていうものが必ずあると僕は思ってます。



FPM
 



――収録曲それぞれに膨大な思い入れがあるのだと思いますが、これはご自身のコレクションの中から?


基本的にはそうですね。自分のレコード棚にあるものから選んでいくっていう。


――ではアナログがマスターのものも?


そうですね。
世界初CD化というものも毎回何曲もあるので、そういうものは自分のレコードをそのままマスターとして使います。なるべく針音を除去したりしながら。


――『Sound Concierge: #702: Electric Heaven』(以下、#702)の方は、今クラブでプレイされているセットに近いですね。


もちろん、今クラブでプレイしている曲を中心にセレクトしています。"Electric Heaven" ってタイトルを付けました。これは日々アップデートされていく今のエレクトリック・ミュージック・シーンにおいて、その中でも自分のプレイ・スタイルであるとか、FPMとして咀嚼できる一握りの音楽を集めたものです。
面子を見ると「あ、今っぽいな」と思われるかもしれませんが、そんな中でも自分なりの審美眼っていうのは確かにあって。このアーティストだからいいとか、このレーベルだからいいって事は、僕に関しては絶対ないんですよ。
だから、ひとつの世界観でまとまってるというよりも、FPM としてのジャッジメントを通過した曲が入っていると思うし、いつもミックスCDの選曲って「自分が一番ピンとくるものって何だろう?」と考えるきっかけにもなるんです。
過剰だったり、ユーモアがあるものや、どこかシニカルなものが好きなので、やはりそういうものをDJとして現場でかけたいし、ミックスCDにも入れたいなと思ってます。
でも、やはりこの手のミックスものって最新の音楽を知るきっかけにもなるべきだと思うので、それは今だといわゆるエレクトロ・クラッシュだったり 、ニューレイヴだったりと言われるものになると思いますが、そんな中でも自分はこれを選んだっていう意思表明もしたくて。
例えば、Klaxons の曲の Simian Mobile Disco のリミックスが入っていて、この字面だけ見ると凄いハードな音楽が出てくるんじゃないかって思うんですけど、実際出てきた音楽ってその2組からは想像できないような音なんですね。極めてクラシカルでノーブルな、不思議な風合いのハウスになっていて「まさに僕が作りたいものはこれだ」っていうものに。そういうものを見逃さずにキャッチしていきたい。
そんな試行錯誤の結果、今っぽさと自分らしさが共存した自信作が出来たのかなと思います。


――『Sound Concierge』における偶数品番のスタイルと奇数品番のスタイルは、レコ屋的には別のジャンルのコーナーに分類される音ですが、実は同じフィルターを通っているという。


うん。でも#701を買いたい人が#702を知るきっかけにもなるし、その反対もあるだろうし。
音楽を選ぶ基準って人それぞれなんですけども、あるきっかけで違う世界に興味を持つ事ってあるじゃないですか?だから僕はあえて対極をなすダンスものと、ゆるいのも同時に出したいなって。
FPMの中にはその2つは同居していて然るべきものなので。それらを同時にプレゼンテーションするのが、自分らしいのかなと。と同時に「どっちでもないぜ」っていう事なのかなって思ってます(笑)。


――やはりDJとプロデュース活動は、それぞれ相互に影響し合っているのですね。


まさにそうだと思うし、ダンス・フロアーでの選曲と全然違う今回の#701のような選曲っていうのは、一見全然違う作業のようなんですけど、自分の中ではつじつまが合っているんですよね。
ダンス・ミュージックの中にも、僕は喜怒哀楽を求めたいんです。言ってしまえば今のエレクトロ・クラッシュってその中の突出した部分だけを表現した音楽で、 あまり感情の起伏、幅みたいなものを許さないストイックな音楽っていう風に僕は理解しているんです。
それはそれで非常にかっこ良いと思うけど、僕はやっぱりダンス・フロアー、ダンス・ミュージックにはいろいろな感情を持ち込みたいし、そういう意味ではこの作品の中にはそれらが入り込む余地はある。数多に出ているコンピとは違うものになっているんじゃないかと思っています。




―続く―
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