Sa-Ra Creative Partnersインタビュー

CLUB JAZZ STORE

2007年5月14日 (月)

  インタビュー
  Sa-Ra Creative Partnersスペシャルインタビュー
Jurassic 5やN.E.R.D.、Dr.Dre、Killer Mikeなどを手がけ、独特の刺激的なサウンドでアンダーグラウンドからオーヴァーグラウンドまで人気を博してきた 気鋭プロダクション・チーム、Sa-Ra Creative Partnersが、インディーからフル・アルバム『Hollywood Recordings』を緊急リリース!Kanye WestのG.O.O.D.Musicと契約し鳴り物入りでSonyから『Black Fuzz』を発表するはずだった彼らですが、G.O.O.D.とSonyとの繋がりが無くなりメジャーデビューは暗礁に。そんな複雑な業界の事情に巻き込まれてしまった彼らに注目のインタビューを敢行!メンバーのOm'Mas Keithがこれまでの経緯や各々の音楽的なルーツなど丁寧にお話してくれました。

Sa-Raスペシャルインタビュー
  常に自分たちはインデペンデントでいるべき
■重要なのは自分や自分のその運命みたいなものを見失わないこと


――まずはアルバム・リリースおめでとうございます。今どんな気持ちですか?


ありがとう!オレたちも最高の気分だよ。神様が授けてくださったような気持ちすら感じているよ。これからもますますオレたちのブランドを強くするぜ!


――軽く自己紹介をお願いいたします。


メンバーはShafiq Husayn、Taz Arnoldそして Om'Mas Keithです。


――今のグループ名は、Creative PartnersをとったSa-Raでいいのでしょうか?


正式には歌やラップの場合は"SA-RA™"でプロデューサーとしては"SA-RA CREATIVE PARTNERS™" もしくは "SRCP™"となるんだ。


――G.O.O.D./Sonyからメジャーデビューする前に、Babygrandeからアルバムを出すことになった経緯を教えてください。SonyとG.O.O.D.の契約は切れてしまったそうですが…。


オレたちのアルバムはビデオクリップを携えてマルチメディアプロモーションで世界発売されることになっていて、まさにメジャー発売という形だったのだけど、違うのはそれでも自分たちは“インディーだ”というところだったんだ。SonyとG.O.O.Dについてはそのとおりで契約は終わってしまったけど、まだカニエ・ウェストとは仕事をしているんだ。彼はいまスタジオにいてフィーチャリングとラップでオレたちの曲に参加してくれているんだ。


――Sonyとの件で学んだことがあったら教えてください。また『Black Fuzz』のリリースは今後ありますか?


いろんなことを学んだけど最も重要なのは自分や自分のその運命みたいなものを見失わないことだな。人っていうのは時として他人や他人のキャリアから権力や力を奪おうとするんだよ。そんなときに大事なのはきっちり自分としても行動を起こすこと、そして自分のポジションや創造力などをきっちりと守るということ。そして自分自身もきっちりと管理できるようにしておくことさ。実際にそのSonyとの件でもいろんなことで処理しないといけないことがいろいろあったのだけど、メジャーのようにたくさんの従業員を抱えるということはとってもシンプルなことでも10倍は時間がかかってしまうんだよ。だから常に自分たちはインデペンデントでいるべき、ということ、それが最も学んだことさ!



『Hollywood Recordings』
  『Hollywood Recordings』
■A.M.E.S.(Afro magnetic electronic spiritualism)


――『Hollywood Recordings』は『Black Fuzz』と並行して制作していたのですか?


今回のHollywood Recordingsに収録されている大部分の曲はカニエウェストと出会う前に作ったもので新曲としては「Not On Our Level」や「Hollywood Redux」、そして「Lean On Me」でそれ以外は自分たちが作ってきた未発表作品の中からのピックアップさ。カニエと仕事をしてすぐに『Black Fuzz』に取り掛かったのだけど「Hollywood」や「Fantastic Vampire」という曲などはSA-RA とSRCPが結成される初期のころの作品さ。


――この作品のコンセプトがあったら教えてください。タイトルの意味も。


コンセプトはとてもシンプル。人々にオレたちの代表的なスタイルとA.M.E.S.(Afro magnetic electronic spiritualismの略)音楽という健康的なクスリをあげよう、ということさ。そして意味はアルバムのほとんどがハリウッドの中、もしくは近辺で制作された、ということさ。


――アルバムに参加したアーティストは非常のバラエティに富んでいますが、これまでの人脈からチョイスしたのですか?Rozzi DaimeやTy and Kory、Rozzi Daimeのような新人はあなた方が見出したのでしょうか?


オレたちが実は知らなかったアーティストというのはKuruptだけだったんだけど、でもすぐに彼は歌詞の天才でありウエストコーストのヒップホップを代表する素晴らしいアーティストだということが分かったのさ。


――Sa-Raの音はP-Funk的でもありD'Angelo的でもあり、レアグルーヴやジャズ・ファンク、エレクトロもあったりで、新しくもあり懐かしくもあるような印象がありますが、自分達ではSa-Raサウンドをどう分析しますか?また個々が手がける作品とは全く別のものでしょうか?



A.M.E.S.がオレたちの音楽が集約されていて、表現するには最高の方法なのさ。つまり

"Afro" :これはもちろんアフリカを起源としたもので、そしてインスパイアされたもの。
"Magnetic": 人を惹きつけるポジティヴでそしてネガティヴなもの。
"Electronic": 科学というものが与えてくれたもので音楽をレコーディングする前でも楽しめるという力。
"Spiritualism": より強力なパワーや哲学、そして存在する精神的側面を強調する信条などを信じる力。

ソロ活動の場でも同じことが反映されているさ。とにかく待っててほしい。すぐに聞けるさ!


―― 引き合いに出されるかと思いますがWaajeedや故J Dillaについてはどう思いますか?


J Dillaは最も新しい音楽の最前線に居た人でいろんな取り組みを行って、そしてとても多くのプラチナレコードのアーティストたちと仕事をした人さ。Waajeedはとても才能豊かでかなり何度も一緒に仕事をしたよ。J Dillaと録音したときは、彼とは3日ぐらい一緒に過ごして、それは本当に素晴らしい時間だったさ。



―続く―
1 |  2  |  次のページ