東京クヮルテット

Saturday, February 17th 2007

卓越した演奏と長いキャリア、そして世界的な知名度を誇る弦楽四重奏団、東京クヮルテットが来日します。世界に6セットしかないというストラディヴァリの弦楽四重奏用セット「パガニーニ・カルテット」のうちのひとつを日本音楽財団から長期貸与されていることでも知られる彼らの演奏を生で味わうチャンスです。
 この楽器のセットは、ストラディヴァリのコレクターでもあったパガニーニが所有していたものですが、彼の死後、ワシントンDCの美術館が長年に渡って所蔵、1994年に日本音楽財団が購入し、東京クヮルテットに貸与することになったという経緯を持っています。

【コンサート情報】
2007年2月17日(土) 午後2時開演  紀尾井ホール
・ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」
・武満徹:ア・ウェイ・ア・ローン
・ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」

2007年2月18日(日) 午後2時開演  フィリアホール
・モーツァルト:弦楽四重奏曲第21番「プロシア王第1番」
・ドビュッシー:弦楽四重奏曲作品10
・ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番「ラズモフスキー第2番」

 東京クヮルテット
 マーティン・ビーヴァー(ヴァイオリン)
 池田菊衛(ヴァイオリン)
 磯村和英(ヴィオラ
 クライヴ・グリーンスミス(チェロ)

※曲目は変更する場合がございます。ご了承下さい。



ラズモフスキー演奏に寄せて
東京クヮルテット 池田菊衛

“ベートーヴェン” 彼ほど聴き手にさまざまな異なる印象を与える作曲家はいないように思える。ある時は心安らぐ、たいへん平和な音楽に聴こえるし、その反面気分が高揚して感情を抑えることができなくなる時もある。人間的な悲しみや辛さをひた向きに伝えてくる音楽を書くかと思えば、すべてを受け入れるかのような敬虔なキリスト信者の姿も見せてくれる。どうしてこういう多様性を持ちえたのだろう。これは苦難との戦いの連続ともいえる彼の人生と直接関わりあいがあるのではないだろうか?
 『ラズモフスキー四重奏曲』と呼ばれる3曲は、ベートーヴェンが35,6歳の壮年期の作品。耳の病気に苦しみながらも、師であり、そしてどこかでライバルだと思っていたに違いないハイドンを超えて自分自身の作品を次々に生み出し始めた時期に当たる。1969年に結成された東京クヮルテットも、今まさに同じ年齢を迎えている。巷では「壮年期に入ってから、むしろ若返ったのではないか?」ともいわれるが、現在2度目になるベートーヴェンの弦楽四重奏曲を全曲録音中である。東京クヮルテットが初めて手がけたのはこの『ラズモフスキー』だった。時々新しい録音を聞きながら、「音楽というものは限りなく奥行きの深いものだ」と感じる事がある。これからも現在の自分たちに満足せず、精進したいものだ。

ブログURL:http://blog.goo.ne.jp/japanarts



「さらなる深みへ 東京クヮルテットの今」
音楽評論家 岡本稔

 今年の夏、札幌で開催されたPMFで東京クヮルテットの演奏会を聴いて、大きな感銘を受けた。この四重奏団は幾度も聞いている。でも、現在のメンバーになってからはこれが初めて。四重奏団の場合、メンバー変更は必ずしもプラスのイメージをもたらすものではない。でも、彼らの場合、それはもっとも良い意味での転機をもたらすものとして作用し、さらなる深い熟成へのステップになっていることが実感された。
 ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第4番、ブラームスの第3番では、4つの声部が自在に語らいあい、室内楽を聴く醍醐味をもたらしてくれる。もちろんアンサンブルはぴったりと合っているのだが、それは意識して縦の線をあわせるという次元のものではなく、阿吽の呼吸で伸び伸びと語らいあう中でごく自然なハーモニーを醸しているのである。その間に置かれた武満徹の「ア・ウェイ・ア・ローン」もしかり。東京クヮルテットの結成十周年の委嘱作として書かれた作品で録音もある。でも、常に新しい表現の可能性を模索する彼らは以前とはまた違った細やかなニュアンスと色彩を放つ生まれたばかりの音楽として表現した。
 東京クヮルテットの結成メンバーはいずれも桐朋学園、ジュリアード音楽院の出身者で占められ、その演奏では同じメソードで学んだ人たち特有の均質性が際だっていた。もちろん、それも素晴らしい可能性を秘めており、彼らは瞬く間に世界のトップに駆けのぼった。でも、異なった個性がより音楽に多様性と深みをもたらすことがある。現在の東京クヮルテットではそれが際だった特徴となっている。2002年に加わった第1ヴァイオリン、マーティン・ビーヴァーはトロント音楽院出身、1999年に加わったチェロのクライヴ・グリーンスミスはイギリスのマンチェスターで学んでいる。この二人の間の声部を池田菊衛と磯村和英がつとめる。音楽の多彩な表情は、出身、そして年代の違いがもたらすものだろう。
 リハーサルでは新たなメンバーに「東京クヮルテットではこのように弾くのだ」と強制することは決してない。全て各自の頭で考え、話し合いながら進めていくという。これは非常に大きな労力を要する作業に違いない。でも、そこから生まれる豊穣な世界、それこそが東京クヮルテットの身上である。単なる合奏の次元に留まる室内楽演奏が多い中、真の室内楽の醍醐味をもたらしてくれる数少ない団体の一つ、彼らとの再会が待ち遠しい。



【東京クヮルテット・プロフィール】
 1969年ジュリアード音楽院にて日本人4人で結成、1970年ミュンヘン国際コンクールで圧倒的優勝以来、世界の楽壇で最高峰の弦楽四重奏団として、卓越した技巧と優美な演奏スタイルで観衆を魅了し続けている。現在は、創設者の1人でもある磯村和英(ヴィオラ)、池田菊衛(ヴァイオリン/1974年〜)、クライヴ・グリーンスミス(チェロ/1999年〜)、マーティン・ビーヴァー(ヴァイオリン/2002年〜)で構成されている。本拠地をニューヨークに置き、毎年欧米を中心に100以上のコンサートを行っている。
 今シーズンは、欧米でのコンサート・ツアーの他、2003年からレジデンスを務める「ニューヨーク92ストリート Y」で、モーツァルト生誕250周年記念プロジェクト、シティ・オブ・ロンドン音楽祭にて「ブラームス&日本の現代作曲家」シリーズを実施。エクサン・プロヴァンス、PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティヴァル)、ラヴィニアなどの音楽祭にも参加。現代作品への取り組みも積極的で、武満徹、林光をはじめとする日本人作曲家の作品も数々初演。
 レコーディングは、ドイツ・グラモフォン、BMG/RCA、EMIからリリースされ、ベートーヴェン、シューベルト、バルトークの全曲集を含め、30を超える記録的な数を誇っている。最近では、ビダルフ 社からモーツァルト「プロシア王四重奏曲全曲集」をリリース。その後ハルモニア・ムンディと専属契約を結び、昨年完成した「ラズモフスキー四重奏曲全曲集」を含め、2008年までにベートーヴェン全曲を録音する予定である。
1995年以来、日本音楽財団から「パガニーニ・カルテット」(パガニーニが所有し、演奏に使用していたことから名付けられたとして知られる有名な1セットのストラディヴァリウス)を貸与されている。

歴代主要メンバー
・原田幸一郎:ヴァイオリン(創設メンバー)
・名倉淑子:ヴァイオリン(創設メンバー)
・磯村和英:ヴィオラ(創設メンバー)
・原田禎夫:チェロ(創設メンバー)
・池田菊衛:ヴァイオリン
・アンドリュー・ドース:ヴァイオリン
・ピーター・ウンジャン:ヴァイオリン
・マーティン・ビーヴァー:ヴァイオリン
・ミハイル・コペルマン:ヴァイオリン
・クライヴ・グリーンスミス:チェロ

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