【最新】第170回芥川賞・直木賞 受賞作/候補作一覧

2024年01月17日 (水) 19:00

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第170回芥川賞と直木賞の受賞作が1月17日(水)に決定しました。
芥川賞は九段理江『東京都同情塔』が、直木賞は河ア秋子『ともぐい』、万城目学『八月の御所グラウンド』が受賞となりました。


第170回 芥川賞 受賞作

日本人の欺瞞をユーモラスに描いた現代版「バベルの塔」。ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら、パワフルに未来を追求する。ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。
著者プロフィール
九段 理江(くだん りえ)
1990年、埼玉生れ。2021年、「悪い音楽」で第126回文學界新人賞を受賞しデビュー。同年発表の「Schoolgirl」が第166回芥川龍之介賞、第35回三島由紀夫賞候補に。23年3月、同作で第73回芸術選奨新人賞を受賞。11月、「しをかくうま」で第45回野間文芸新人賞を受賞。12月、「東京都同情塔」が第170回芥川龍之介賞候補になった。

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第170回 直木賞 受賞作

死に損ねて、かといって生き損ねて、ならば己は人間ではない。人間のなりをしながら、最早違う生き物だ。明治後期、人里離れた山中で犬を相棒にひとり狩猟をして生きていた熊爪は、ある日、血痕を辿った先で負傷した男を見つける。男は、冬眠していない熊「穴持たず」を追っていたと言うが…。人と獣の業と悲哀を織り交ぜた、理屈なき命の応酬の果ては―令和の熊文学の最高到達点!!
著者プロフィール
河ア 秋子(かわさき あきこ)
1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)受賞。14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、同作で15年度JRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞、20年『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞を受賞。他書に『絞め殺しの樹』(直木賞候補作)などがある。

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女子全国高校駅伝―都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。謎の草野球大会―借金のカタに、早朝の御所Gでたまひで杯に参加する羽目になった大学生。京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは―人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇。
著者プロフィール
万城目 学(まきめ まなぶ)
1976年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。2006年にボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー。

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第170回 芥川賞 候補作

ブラックボックス化した小さな事件がトリガーとなり、混沌を増す日常、醸成される屈折した怒り。快楽、恐怖、差別、暴力。折り重なる感情と衝動が色鮮やかに疾走する圧巻のクライム・スリラー。

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Blue

Blue

川野芽生

価格(税込) : ¥1,650

発行年月: 2024年01月

「ほんものの人間と見なされなくても、神様に認められなくても、人魚姫はやっぱり海の上を目指しただろうか」

高校の演劇部で『人魚姫』を翻案したオリジナル脚本『姫と人魚姫』を上演することになり、人魚姫役の真砂(まさご)は、個性豊かなメンバーと議論を交わし劇をつくりあげていく。数年後、大学生になった当時の部員たちに再演の話が舞い込むが、「女の子として生きようとすることをやめてしまった」真砂は、もう、人魚姫にはなれなくて――。
自分で選んだはずの生き方、しかし選択肢なんてなかった生き方。
社会的規範によって揺さぶられる若きたましいを痛切に映しだす、いま最も読みたいトランスジェンダーの物語。

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いい子のかんむりは/ヒトにもらうものでなく/自分で/自分に/さずけるもの。

ある事件以降、引きこもっていたしふみはテレビ画面のなかに「おねえちゃん」を見つけ動植物園へ行くことになる。言葉を機械学習させられた過去のある類人猿ボノボ”シネノ”と邂逅し、魂をシンクロさせ交歓していく。 ――”わたしたちには、わたしたちだけに通じる最強のおまじないがある”。

”女がいますぐ剥ぎ取りたいと思っているものといえば、それは〈人間の女の皮〉にちがいなかった。女は人間の〈ふり〉をして、ガラスの向こう側にたっている”

”女とシネノは同じだった。シネノのほうはそのふるまいこそ完璧ではあったけれど、それでも猿の〈ふり〉をして、あるいは猿の〈姿をとって〉、こちら側にいる”

ねえ、なにもかもがいやなかんじなんでしょう。ちがう?

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32歳のピアノ講師・琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、事態は思わず方向へと転がっていくーー。静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作。そして選考委員の絶賛を浴びた文學界新人賞受賞作「アキちゃん」を併録。

第170回 直木賞 候補作

一枚の不思議な「絵」の謎を追い、令和から昭和、大正へ。日本最後の空襲といわれる秋田・土崎空襲。戦争が引き起こした家族の亀裂は、現代を生きる人びとにも影を落としていた。

ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員、守谷京斗(もりや・きょうと)。異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)が祖母から譲り受けた、作者不明の不思議な古い絵を使って「たった一枚の展覧会」を実施しようと試みる。ところが、許可を得ようにも作者も権利継承者もわからない。手がかりは絵の裏に書かれた「イサム・イノマタ」の署名だけ。守谷は元記者としての知見を活かし、謎の画家の正体を探り始める。だがそれは、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた秘密に繋がっていた。
1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。芸術が招いた、意図しない悲劇。暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。

戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。

「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物の成れの果てだ」

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裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭の初衣。「家」から、そして「普通」から逸れてもそれぞれの道を行く。
「千代。お前、山田の茂一郎君のとこへ行くんでいいね」
親が定めた縁談で、製缶工場を営む山田家に嫁ぐことになった十九歳の千代。実家よりも裕福な山田家には女中が二人おり、若奥様という立場に。夫とはいまひとつ上手く関係を築けない千代だったが、元芸者の女中頭、初衣との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。
やがて戦火によって離れ離れになった二人だったが、不思議な縁で、ふたたび巡りあうことに……

幸田文、有吉佐和子の流れを汲む、女の生き方を描いた感動作!

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ソ連時代のバルト三国・エストニアに生まれたラウリ・クースク。黎明期のコンピュータ・プログラミングで稀有な才能をみせたラウリは、魂の親友と呼べるロシア人のイヴァンと出会う。だがソ連は崩壊しエストニアは独立、ラウリたちは時代の波に翻弄されていく。彼はいまどこで、どう生きているのか?―ラウリの足取りを追う“わたし”の視点で綴られる、人生のかけがえのなさを描き出す物語。

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暗愚と疎まれた将軍の、比類なき深謀遠慮に迫る。口が回らず誰にも言葉が届かない、歩いた後には尿を引きずった跡が残り、その姿から「まいまいつぶろ(カタツムリ)と呼ばれ馬鹿にされた君主。第九代将軍・徳川家重。しかし、幕府の財政状況改善のため宝暦治水工事を命じ、田沼意次を抜擢した男は、本当に暗愚だったのか――?廃嫡を噂される若君と後ろ盾のない小姓、二人の孤独な戦いが始まった。

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第169回、168回 受賞作品

歴代の芥川賞・直木賞

歴代の芥川賞・直木賞

第150回〜170回までの芥川賞・直木賞作品をまとめました。

HMV&BOOKS online-文芸|2023年07月19日 (水) 18:00

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