激ロック×HMV&BOOKS online vol.102

GENRE：POST HARDCORE, LOUDROCK
新体制下で結成15周年を迎えるリベリオンが放つ、2バージョンの記念ミニ・アルバム
星熊南巫（我儘ラキア）を招いた「Re:Create of the Re:d」はキャッチーさとアグレッションが 交錯するサウンドはそのままに、フィーチャリングの妙を生かした新鮮な感覚を、続く「TATSUMAKI」、「ZENITH」では聴く者を翻弄する展開とピアノ＋ラウドの得意のパターンで圧倒的な完成度を、「DISTRESS」ではファンと共にある彼らの姿勢を楽曲にまとめあげる表現力と構成力を十二分に聴かせる。ここまでをひとつの作品として高次元でまとめながらも、アグレッション全開の「FASTER THAN SKANDA」を収めたDVD付き盤、エモーション溢れる伸びやかな「GHOST」を収めたTシャツ付き盤と、ふたつの限定盤が用意されているあたりに彼らの今の充実ぶりがにじみ出ている。
米沢 彰 【ライター推薦】

GENRE：PROGRESSIVE METAL, MIXTURE, METALCORE
日本武道館公演を控えた“バンドユニット”神激の振り幅を表現したミニ・アルバム完成
3月に日本武道館ワンマン・ライヴ“宣戦布告”を控える、“プログレッシヴ・ミクスチャー・メタルコア”を掲げた“バンドユニット”神激（神使轟く、激情の如く。）。彼女たちが2作品同時リリースしたミニ・アルバムのうち、神激の振り幅を体現した1枚がこの『Rebellion of Maverick』だ。ラップ、スクリーム、ファンクやシティ・ポップと怒濤の超展開を見せる「合法トリップ:ボイルハザード」で幕を開け、エモーショナルなラウド・ナンバー「青瞬螢詠」や、挑戦的なディスの効いたリリックが痛快な「BAD CAKE」、神激流ピコリーモを鳴らす「オキシバギー」と、とにかく多彩な仕上がりに。ラストを飾るのは「生まれ変わっても自分になりたい」。極上のメロディが終始展開していく名曲だ。
宮�ｱ 大樹 【ライター推薦】

GENRE：PROGRESSIVE METAL, MIXTURE, METALCORE
怒濤の“プログレッシヴ・ミクスチャー・メタルコア”を浴びせる
“神奏曲”シリーズ作品集で、神激サウンドを体感せよ
神激（神使轟く、激情の如く。）が2作品同時リリースしたミニ・アルバムのうち、“神奏曲”シリーズの楽曲をまとめた作品がこちら。テンポ・チェンジ、ラップ、シャウト、ブレイクダウンが入り乱れた、シリーズの集大成とも言える1曲「神奏曲:ライトニング」は、そのエネルギーと情報量、スキルに圧倒された。嵐が吹き荒れるかのような「神奏曲:テンペスト」、ジャジーな冒頭に意外性がある「神奏曲:アブソルートゼロ」、メタルコア色の強い「神奏曲:ガイア」、「神奏曲:インフェルノ」の全5曲を収録。各曲で“必殺技”が炸裂するニヤリとさせられる遊び心も詰め込まれているので、ぜひ探してみてほしい。彼女たちが標榜する“プログレッシヴ・ミクスチャー・メタルコア”を理解するには、この作品を聴くのが近道だ。
宮�ｱ 大樹 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, METALCORE, DEATHCORE
閉塞感の漂う現世に風穴を開ける、ヘヴィ且つキャッチーな現体制初ミニ・アルバム
野性を感じさせる獣のようでもあり、軽やかに空を飛んでみせる鳥のようでもあるコウモリの如く。DEXCOREはヘヴィ・ミュージックの醍醐味を感じさせる激烈サウンドを得意としているものの、一方で繊細な旋律や叙情的な調べを表情豊かに表現することにも長けたバンドなのだ。2021年の間にデジタル・リリースしてきた曲たちを総括したうえで、強力な新曲も投入した今回のミニ・アルバムは彼らのそんな特殊にして自由な存在感を、より研ぎ澄ませた形で凝縮した内容になっていると言えるだろう。中でも、MVが先行公開された途端に絶賛コメントが多く寄せられた「20」は突破力満載。リリカルなメロと重厚な音像が心地よく響く「Who's fault?」も秀逸だ。いよいよ22年は彼らがハネると確信！
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：ELECTRO, LOUDROCK
メジャー5周年を強烈なインパクトで飾るライヴ・ベスト・アルバム
奇天烈にして大胆不敵。メジャー・デビュー5周年を迎えたメトロノームがこのたびリリースするのは、ライヴ・ベスト＋新曲によって構成されたスペシャル・アルバムとなるが、ここから伝わってくるのは彼らがライヴ・バンドとして放つ強い存在感であり、新曲たちから感じられるのは常にアップデートされ続けている先鋭性となる。ベーシスト リウが詞と曲を手掛けている「華胥之夢」での、リリカルでいてモダンなポップ・センス。ギタリスト フクスケが詞と曲を手掛けている「汚レテ汚レタ時刻ニ」での、エキセントリックで尖った音像からあふれるダイナミズム。そして、それぞれに異なるトーンの2曲を淡々としたスタンスで的確に歌い上げるシャラクのヴォーカリゼイション。安定にして奇天烈なこの味わいは、不思議なヤミツキ感を呼ぶ。
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, POST HARDCORE
サバプロの新たな決意を感じるエネルギッシュな両A面シングル
この1年、世の中も落ち着かないなかメンバー編成も変わり、大変な時期だったのではないかと思う。しかしながら、ツアーを完走し、走り続ける強い意志をファンと分かち合った彼らは強い。そんなサバプロのエネルギッシュな面を体感できる2曲だ。「Papersky」はアニメ“東京24区”のために書き下ろされた曲だが、困難にぶつかりながらも成長していくというポジティヴなメッセージは、今のサバプロを象徴しているようだ。また、ポップなサビとハードコアなパートの振り幅の広さも彼ららしい。「Win / Lose」は、男子プロ・バスケットボール・リーグ“B.LEAGUE 2021-22 SEASON”公式テーマ・ソングで、冒頭から拳を振り上げて合唱したくなるような、テンションの上がるナンバーに仕上がっている。
山本 真由 【ライター推薦】

GENRE：HEAVY ROCK
豪華ゲストも参加し、MUCCの生き様そのものがパッケージされた
SATOち（Dr）ラスト・ツアーを総括するライヴ・ベスト・テイク集
命の迸りを感じる音たちは、ライヴ盤の域を超えて彼らの生き様そのものであると思ってしまう。10月まで在籍していたドラマー、SATOちが参加したラスト・ツアーの模様を総括したライヴ・ベスト・テイク集の今作には、生粋のライヴ・バンドであるMUCCの“あの瞬間”や“その瞬間”がパッケージされている。DISC 3には各地にて彼らと交流のあるゲストVoが参加した「ファズ feat.葉月 （lynch.）」、「蘭鋳 feat.NOBUYA, HIROSHI (ROTTENGRAFFTY)」、「Mr. Liar feat.尋 (NOCTURNAL BLOODLUST)」など全8曲が収録してありレア感満載。すでに新体制でのスタートは切られているが、MUCCの歴史の一部として大切にしていきたい作品。
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：HEAVY METAL
ツイン・ヴォーカルを武器とするフィメール・メタル・バンド、Pinkish Crown
凛然とした精神性が漂う1stフル・アルバムをドロップ
夜明けを迎えたとしても、そのあとにはまた夜闇がやってくることもありえるわけで。結局のところ、クラピンことPinkish Crownが表題曲バラードにおいて“焼け野原の大地で／手を取り合い仲間と／哀しみ強さに変え進む／光彩の下へ”と歌いあげているように、いかなるときにも前に進み続けてやるのだという意思を持たない限り、朝が来ようと夜になろうと物事はきっと進展しない。20年11月に8年もの時を経て沈黙から覚醒し、AkaneとYuriによるツイン・ヴォーカルを武器としながら現体制にて復活した彼女たちが、ここに完成させた1stフル・アルバムには、曲調こそ個々に違えど全編に凛然とした精神性が漂うのだ。「Utopia」における“這い上がり朽ち果てぬように／未来へ”という一節も、実に腑に落ちる。
杉江 由紀 【ライター推薦】