【インタビュー】FRANTIC AMBER

2019年08月20日 (火) 22:00

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■Interview with FRANTIC AMBER■


ーQ : 待望のセカンド・アルバムですね。今のお気持ちは?

ミオ:ニュー・アルバム『Bellatrix』はとても誇りに思えるアルバムよ。

エリザベス:その通り!もうすぐリリースよ。エキサイティングな気持ちだし、新曲をライヴでプレイするのが待ちきれないわ。

ーQ ; デビュー作の『Burning Insight』の反応はいかがでしたか?

エリザベス:ファンとメディアからはいい反応だった。リリース後には多くのライヴを行ったけど、本当にすばらしい反応が返ってきてエキサイティングだったわ。感謝しかない。新しいアルバムでは予想以上に成長した私たちの存在を認識できるはずよ。

ーQ ; ニュー・アルバムでの方向性は事前に考えていましたか?

ミオ:ニュー・メンバーを迎えることによってソングライトとプレイのスキルがさらに身についたし、ツアーでの経験も大きい。前作と比べるとよりダークに、より速く、テクニックも向上した。結果、ブラック、ブルータル・デス、スラッシュ、エスニック、シンフォニック、プログレ、ヘヴィ・メタルと様々な影響がうまく組み合わさって、私達らしい方向性へと進むことができたと思う。

エリザベス:今回は女性の戦士についてのコンセプト・アルバムよ。歴史を懸命に生き抜いてきた彼女たちに敬意を払い、魅力的で勇敢な女性についての歌詞を書いたの。彼女たちの民族や戦士がいた国の音楽や文化にも影響を受けている。それらを私たちの感性でまとめ、ひとつの作品に仕上げるということは大きな挑戦だったわ。

ーQ ; 新作のレコーディングは順調に進行しましたか?

マック:今回はほとんどを自分たちで、自分たちのスタジオでレコ―ディングすると決めていた。でも予想以上にタフな作業になったよ。朝から晩までプレイし、トラックを仕上げる。その中で難しいトラブルやコンピューターの故障に見舞われ、再度録音し直すということが多々あった。レギュラーの仕事を持つメンバーもいるから時間の確保と調整も大変だったね。ようやく完成したトラックをダニエル・バーグストランドに送り、ミックスを行ってもらった。彼はMESHUGGAHやBEHEMOTH, IN FLAMESなんかを担当してきた敏腕プロデューサーさ。

ーQ ; 今回コンセプト・アルバムにしようとした理由は?

ミオ:多くのバンドはヒーローや戦闘についての曲を書いているけど、女性のヒーローや女性戦士について述べたものを聞いたことも見たこともなかった。そして実際に多くの女性の戦士が存在していたことを知らなかったの。学校の歴史の授業でさえ聞いたことなかった。だから今回このテーマである8人の歴史的な女性戦士”Bellatrix”の物語について書こうと思ったし、やるべきだと感じたのよ。この言葉を調べるとラテン語で「女戦士」に変換されるので、アルバム・タイトルに決めたわ。

ーQ ; アートワークは古い日本女性のイメージですが、このデザインにした理由は?

マデリーン:音とフィットするアートワークには苦労した。バービーみたいで、ビキニの姿に鎧を着たようなファンタジーみたいなものにはしたくなかった。本当の姿を伝える現実的な女性のポートレートをイメージしていたわ。するとガンバット・バダムカンドというモンゴルのアーティストが描いた絵を見つけたの。彼が描いたクールでリアルな描写に心が動いたわ。そして彼に直接連絡してアートワークを依頼したの。それが”Khutulun”でモンゴルの王女戦士について歌った曲よ。彼はカヴァーとブックレット内にある8人の戦士の肖像を2週間で書き上げてくれた。見ての通リ、素晴しい仕上がりとなったわ。

ーQ ; アルバムのセールス・ポイントを教えてください。

マック:バンドはいわゆるメロディック・デスメタルをプレイしているけど、このアルバムはいろいろなスタイル、ジャンルが収録されているからファンが楽しめるものに仕上がったと思う。ブラックとデス、ブルータルを筆頭にシンプルだけどテクニカル。ソフトとヘヴィという相乗効果であらゆるメタルヘッドたちに楽しんでもらえるはずさ。これらは4人の才能ある女性、メタル業界の中でも最も優れた女性プレイヤーによって創り上げられた誇るべきアルバムさ。

ーQ ; ソングライトはどのような方法で行いますか?

ミオ:それぞれ違った方法で行っている。マックとミラから曲の簡単なアイディアをもらって私がリフを付けたあとに全員でアレンジを施していく。最後にエリザベスが歌詞を書いて仕上げるのよ。それから曲をじっくりと聴き、お互いが意見を出し合うわ。ヴォーカルのラインから曲を創り上げて最後に歌詞を付ける場合もあれば、歌詞から曲へと発展するパターンもある。“Joshitai”は曲にマッチした雰囲気を与えるために伝統的な楽器で音の実験を行ったし、他の曲では今回のストーリーに共感してくれたアンダース・ウォルベックと一緒に書いた。彼からは的確な曲を活かすアドバイスをもらった。ターヤなんかの曲を書いている人物よ。そしてマックと私で曲を完成させるときもある。ほんといろいろよ。

ーQ ; アルバムを代表する曲とその背景について教えてください。

ミオ:”Scorched Earth”は現在のイギリス、ブリタンニア、ノーフォーク地域を統治していたケルト人イケニ族の女王、ブーディカについて歌っている。そのサウンドはオールド・スクール・デスとブルータル・メタルの要素を持ったファスト・チューン。

1stシングルの“Lagertha”はノルウェーの女王になったヴァイキングの盾の乙女について歌っている。ブラック・メタルとスラッシュに影響を受け、メロディックなパートはメロディック・デスメタル。”Joshitai”は日本幕末期に会津戦争で戦い、戦死した女武芸士、中野竹子さんのことを歌った曲よ。ギターのメロディは子供のころ聴いた日本の童謡が好きで、そこからインスパイアされた。これはとても悲しい物語だったから、泣きたくなった私はあまりそれを聴きたくない時期があった。”The Ghost That Kills”はロシアの凄腕スナイパーであるリュドミラ・ミハイロヴナ・パヴリチェンコについての歌。第二次世界大戦においてソビエト赤軍の中でも、確認戦果で309名を射殺という史上最高の女性スナイパーよ。”The Black Knight”はサウジアラビアの戦士、カウラ・ビント・アル・アズハルについて書いた曲。


ーQ ; アルバムの中から聴いて絶対に欲しい曲を教えてください。

ミオ:私は”Joshitai”ね。日本で聴いた童謡のメロディが活かされた曲。悲しい曲だわ。次は”The Ghost That Kills”。アンダース・ウォルベックが書いたイントロと雰囲気が素晴しい。ロシアの凄腕スナイパーの歌。3曲目は”Lagertha”。ヴァイキングをイメージさせる曲で強力なチューンよ。速くてテクニカルが好きなファンは”Scorched Earth”ね。ラストを飾る”The Black Knight”もオススメ。

ーQ ; あなたがこれまでに影響を受けた音楽、ミュージシャンを教えてください。

ミオ:ファンク・ロック、ソウル・ミュージックの影響を受けたわ。MOTHER’S FINESTやチャカ・カーン、アレサ・フランクリン、ジェイムス・ブラウンね。マイク・スターン、エラ・フィッツジェラルドなどのジャズやフュージョンも好き。ミュージカルの「ジキル&ハイド」や「オペラ座の怪人」もいいわ。私のギター・ヒーローはスティーヴ・ヴァイ、エディ・ヴァン・ヘイレン、ジョー・サトリアーニ、イングヴェイ・マルムスティーン。シンガーはロニー・ジェイムス・ディオよ。あとはクラシック・ロックとメタル全般が好き。

ーQ ; バンドがこれから目指していく方向とは?

マック:バンド開始から独自のやり方で突き進んできたと思う。自身ですべてを行い、男性中心のロック界を女性として立ちあがってきた強いバンドさ。FRANTIC AMBERは常にメタルの最前線を走り続けているけど、女性中心のバンドが男性バンドに引けを取らない、ここまでのプレイをすることが凄いことだよ。女性がいる他のバンドと比較しても突出した存在だと思う。まさにBEHEMOTHやSEPTICFLESHの女性版さ。この道を今後も極めていくと思うよ。

ーQ ; あなたの人生で欠かすことのできない5枚のアルバムとは?

エリザベス (vo):いろいろなジャンルのものが好き。日々その時の気持ちで作品を聴いているわ。
1. BEHEMOTH / The Satanist
ダークで、邪悪!魅惑的な歌詞と曲、そして彼らのミュージシャンシップが私をぶっ飛ばしてくれたわ。ネルガルが個人的にもお気に入りのシンガーよ。
2. GOJIRA / Magma
人生について考える必要があるときはいつもこのアルバムよ。生々しく、誠実なジョーの歌うスタイルが好き。彼らのグルーヴがマジックとなって私の耳に届くわ。
3. CARACH ANGREN / This Is No Fairytale
ゾクゾクするアルバムよ。セレガーのヴォーカルと彼のストーリーの伝え方、そしてテクニカルなプレイとオーケストラを使うパートが好き。巧みな曲とアルバムが伝えてくれるストーリー性が素晴しい。
4. DARKER / Realms
感情的な気持ちになったときに聴くアルバム。彼女のヴォーカルはとても魅力的で、しかも美しいわ。涙がこぼれ、多くの傷をいやしてくれるような雰囲気があるのよ。
5. ETHS / Soma
初めて女性のグロウルとスクリームを聴いたのがキャンディス・クロットよ。私がまだ15歳でメタルに目覚めてその道を歩み始めたころだったわ。彼女はささやくような声をミックスし、それがモダンでヘヴィなサウンドにマッチするの。そしてテーマは叙情的で暗く、残虐なものとの組み合わせが探し求めていたものとピッタリだったのよ。

マデリーン (b):オールド・スクールなメタル、スラッシュ、デスが好きだわ。この3枚で十分よ。
1. METALLICA / Kill ‘Em All
“(Anesthesia)-Pulling Teeth”で聴けるクリフ・バートンのベース・ソロに影響されてベースを始めたの。インパクト大の楽曲が目白押しよ。
2. IRON MAIDEN / Powerslave
言葉は不要よね。
3. JUDAS PRIEST / Painkiller
今でも最高のメタル・アルバムよね。ギター、ドラム、ロブのヴォーカルがパワフルでこれを超えるものはないわ。

ミラ (g):様々な音楽を聴くけど、やっぱりブラックとデスメタルが好き。アドレナリンが分泌されるし、メロディと生々しいサウンドがいいのよ。私は本当に好きな3枚を選んだわ。
1. BURZUM / Filosofem
2. DISSECTION / The Somberlain
3. TORTURE DIVISION / With Endless Wrath We Bring Upon Thee Our Infernal Torture

マック (ds):新しい音楽を常に聴くよう心掛けているけど、ここに挙げたアルバムは大きなインパクトを与えてくれたものだし、ミュージシャンとしての今があるのもこれらのおかげだと思う。
1. RAINBOW / Rising
コージー・パウエルさ。リッチーとロニーのスーパー・グループだよね。
2. CANCER / To The Gory End
12歳のときに初めて聴いたデスメタル。最初は変なサウンドだし、ヴォーカルもどうかなと思っていたけど、だんだんとはまったアルバム。
3. DEATH / Human
メタル・ドラムをプレイする上で、自身がターニング・ポイントとなったアルバム。ここで聴くことのできるキックは最速だよね。アルバムとしても大好きさ。
4. SEPULTURA / Beneath The Remains
昔MTVで観た”Inner Self”が強烈だった。この曲を何度も何度も聴いて、彼らがどのようにプレイしているかチェックしたね。
5. YNGWIE MALMSTEEN / Marching Out
クラシックからインスパイアされた彼らの音が気に入った。その時クラシック・ピアノを練習していたからね。まだ7歳のときさ。ジェフ・スコット・ソートの声とアンダース・ヨハンセンのパワフルなドラムに魅かれたよ。

ミオ (g):5枚を選ぶなんて難しいわ。でもトライするわよ。
1. MOTHER’S FINEST / Mother’s Finest Live
ジョイス "ベイビー・ジーン"ケネディは素晴しいシンガーよ。バンドがプレイするファンキーなグルーヴとハード・ロックなアティテュードが好き。
2. VAN HALEN / Van Halen
両親の友人の息子が”Eruption”をプレイしてくれたの。それがとっても印象的でカッコよかったの。そんなソロをそれまで聴いたことがなかったわ。
3. SHOW-YA / Hard Way Tour 1991
東京のレコード屋さんのショーウィンドウで彼女たちのライヴ・ビデオをたまたま観たの。それがカッコよくて、彼女たちのプレイが本当にクールだったわ。全員女性の日本のハード・ロック・バンドを見たことがなかったから驚いた。すぐにお店へ入ってこのアルバムを購入したのよ。
4. DREAM THEATER / Images And Words
それまでYesやE.L.Pを聴いていたけど、これは重く、メタル寄りのサウンドで気に入ったわ。プログレッシヴ・メタル系の要素を聴かせるヘヴィなギター・リフとテクニカルなドラムが好きよ。
5. NIGHTWISH / Century Child
私はシンガーでヴォーカルの講師でもあるの。ハード・ロックやファンク、ソウルも歌うし、クラシックのトレーニングも受けていた。そしてこのアルバムで初めてクラシカルな声とメタルをミックスしたサウンドを初めて聴いたの。ニナ・ハーゲンがかつてその声とロックとパンクをミックスしていたけど、私にはソフトすぎた(ニナ・ハーゲンとの比較よ)。とにかくこのアルバムと出会ってからはシンフォニック・パワー・メタルのスタイルが気に入ったのよ。それからKAMELOTやWITHIN TEMPTATIONなんかを聴いたわ。

ーQ ; 最近気に入っているバンドはいますか?

マック: SLUGDGEだね。NEVERMORE, GOJIRA, OPETH, BLOODBATHとブラック・メタルを ミックスしたかのようなサウンドだ。

ミオ:GOJIRA, SUFFOCATION, JINJER, SEPTIC FLESH, ARK。

ミラ:FIRESPAWNがイチ押しよ。ファンタスティックなデスメタルね。

ーQ ; 将来の音楽シーンや音楽ビジネスはどのように変化していくと思いますか?

ミオ:スウェーデンでは80年、90年代に活躍したミュージシャンとファンは年々歳を取っていくけど、まだまだメタル、ロックではがんばっているわ。最大のロック・フェス、Sweden Rock Festivalではチケットがソールド・アウトになっているけど、彼らが家族と子供たちを連れて行くようになったからよ。今でも盛り上がっている。メタル・シーンについては東ヨーロッパ、インド、タイ、アラブ諸国、南アメリカなどの国々が成長してきているから、そこに新しい才能と新しいファンが数多く存在している。多分将来的にはそれらの国からより多くのバンドが登場してきて活性化するとともに、その影響を世界へと発するようになると思うわ。

ーQ ; 日本のファンへメッセージをお願いします。

全員:日本のファンと会えることを楽しみにしているわ。そして近い将来、日本でプレイするから待っていてね。日本でプレイすることはバンドの大きな夢のひとつよ。そして大好きな日本食を食べること(笑)。


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