【全曲解説】D 『Deadly sin』

2018年11月27日 (火) 18:00

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全曲解説テキスト by ASAGI(Vo)


1. Deadly sin


ヴァンパイアストーリー第二章の幕開けの曲である前シングル「Revive 〜荒廃都市〜」の続編となる楽曲です。
王であるドライツェンが亡くなり、人間として第二の人生を過ごしてきたジャスティスと四騎士たちなのに、なぜヴァンパイアの血が再び目覚めてしまったのか? という謎を残していた前作から物語は展開していきます。
人として死を迎えていたドライツェンは、黒き力によっての蘇生故に過去の記憶を失っていました。
記憶を失ったヴァンパイアであるドライツェンは人間性が失われ、ヴァンパイアの本性である生き血を求める凶暴なモンスターと化していたのでした。
ヴァンパイアの血の系譜を持つドライツェンの息子ジャスティスと四騎士は、ドライツェンと望まぬ再会を果たすことになります。
そこにはかつてのドライツェンはおらず、正気を失い非情な顔付きをした悪しきヴァンパイアの王が君臨していたのです。
父の記憶が失われていると感じたジャスティスと四騎士はその後もドライツェンの行方を追います。
愛する父を守りたいが為に世界を血に染め、人々を見殺しにするのか、それとも世界を守る為に愛する父をその手で殺めるのか。
父の本当の心はどちらを願っているだろうかと考えれば、答えはたったひとつ。
ジャスティスもまた父殺しという“大罪”を背負う覚悟を決めるのでした。
タイトルの“Deadly sin”は、大罪という意味。
ドライツェンは人々を殺めた大罪、ジャスティスは現状は未遂のままですが、親殺しという大罪に値することから、このタイトルを命名しました。


2. STAR SAPPHIRE

この曲は、四騎士の一人キルヒアイスを主軸に描きました。
前作の「Revive 〜荒廃都市〜」から今回の「Deadly sin」の間で揺れ動く四騎士の思考。
周囲の仲間がヴァンパイアから人間になったことを喜び合う中、キルヒアイスは複雑な気持ちでいました。
キルヒアイスは姉のマルツィショルの一件(愛した人間に利用され、裏切られた末に灰になってしまった)もあり、かつてより人間を憎んでいました。
故に愚かな人間という種族に戻ることは彼にとって苦痛以外の何物でもなかったのです。
自分自身に流れる人間の血を疎ましく感じ、また人間らしい生活や無力さにもうんざりしていました。
なので、ヴァンパイアの血が再び目覚めたことはキルヒアイスにとって幸運なことでした。
何故なら、彼にとっての本来の自分とは、人間になることではなく、ヴァンパイアになることだから。
ヴァンパイアは永遠の時を生きる存在。
限りない時が流れます。もし二人が過ごしてきた想い出の全てをドライツェンが忘れていたとしても、キルヒアイスには何度でもドライツェンと共に過ごす覚悟があるのです。
深い絆で結ばれた二人だからこそ、初めからやり直してもきっと再び同じ道を辿り、互いを分かり合えるはずと信じて。同じ“罪”を想い出すその日まで。


3. The Secret Rose Garden(TYPE-B、TYPE-C収録曲)

四騎士の一人カーバンクル目線で、前シングル「Revive 〜荒廃都市〜」から「Deadly sin」の間の物語を綴りました。
父母を始め、伯父であるドライツェンでさえ、かつては人間であった中、生粋のヴァンパイアとして生まれてきたのがカーバンクルです。
人間の過去、想い出を一切持たないが故、どこかで人間になりたいという憧れを秘めていた彼女は、たった三年間(「Dandelion」〜「Revive 〜荒廃都市〜」の間)という短い時間ですが、人として生きることが叶ったのでした。
お腹に子が宿っているにも関わらず、再びヴァンパイアの血が目覚めてしまったカーバンクル。
果たして我が子はどうなってしまうのか……。
森の奥深く、美しき野の薔薇が咲き誇る秘密の花園。
久しく訪れないうちに木々はあらゆる方向へ幹を伸ばし、森はまるで迷宮のよう。
秘密の花園は自分が訪れることを今も待っていてくれているのに、どうしても辿り着けない。
そんな中、カーバンクルの前に現れた、野ばらの茂みをかき分ける愛らしい少女、それは幼少期の自分の幻でした。
過去の自分を追いかけると、その先で辿りついた場所は懐かしの薔薇園“The Secret Rose Garden”でした。遡った記憶の中で蘇る寡黙な少年。
それはどんな時も側にいてくれたライデンシャフトでした。
彼はヴァンパイアのプリンセスであるカーバンクルに仕える従順な獣人であり、幼馴染でもあります。
幼い時より常にナイトとして従事し、嬉しい時も悲しい時も黙って側にいてくれました。そして、培ってきた厚い友情は時を経て深い愛情へと変わっていったのです。
ライデンシャフトの片想いが、ついにカーバンクルの心に届いたのは彼の一途な積年の恋心あってのこと。
そんな真っ直ぐに思い続けてくれたライデンシャフトを想うと、カーバンクルの曇っていた心に柔らかな木漏れ日が差し込むのでした。
カーバンクルに、必ず我が子をこの世に生誕させるという強い想いが窺えます。そして、いつの日か親子三人でこの秘密の花園に訪れるのだと心に誓うのでした。


3. Blood war(TYPE-C収録曲)

最後はインストゥルメンタル曲です。ドライツェン不在の中、四騎士それぞれの心の動きが感じられる楽曲になりました。
「Blood war」は闇と闇が織りなす壮絶な血の戦いという意味でもありますが、ドライツェン、ジャスティス、キルヒアイス、ラファーガ、カーバンクル、ウィルダネスは初代アインスからの血を受け継いだ親類同士でもあります。
また、ヴァンパイアの始祖であるドライツェンと血の誓約を交わした深い繋がりも持ち合わせているので、血統を意識したタイトルにしました。
光を失い、再び闇の中で武器を手に向かう先で立ちはだかるのは、かつての友であり唯一の王であった。
渦巻く戦禍の中、彼らが手にする未来とは。各々が希望を背負いながら、謎に立ち向かう姿が目に浮かぶでしょう。
彼らは辛い選択を強いられます。そしてドライツェンの叫びが嘆きに変わる時、彼らは愛する友を手にかけようとするのです……。


D 『Deadly sin』


GENRE:HEAVY ROCK, PROGRESSIVE METAL, SYMPHONIC METAL
結成15周年、メジャー・デビュー10周年を迎えたDが解き放つ
荘厳で濃密な“ヴァンパイアストーリー”最新作

壮大な物語と、重厚な音像。さらには、それを彩る視覚的アプローチが伴うDの世界はとても奥深い。かのティム・バートン監督がDに対して多大なる興味を持っているという情報からも、彼らがどれだけ徹底した“世界観”を持っているかがよくわかるのではなかろうか。今作シングルにおいても当然ながら隙は一切なく、それどころか音楽的にはダブステップとバンド・サウンドを融合させるという新たな一手までが取り入れられることに。結成15年、メジャー・デビューから10年というキャリアがありながらもなお進化し続けている彼らと、そんな彼らとともに進展をし続ける“ヴァンパイアストーリー”がいよいよ第2章へと突入した今、ここからさらにどのような様相を呈していくことになるのか……目が離せない。
杉江 由紀 【ライター推薦】



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