【訃報】ゾルタン・コチシュさん

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2016年11月7日 (月)

ゾルタン・コチシュさん死去

ハンガリーのピアニストで指揮者のゾルタン・コチシュさんが11月6日、亡くなられました。コチシュさんは2012年に心臓を手術、最近は体調を崩し、10月に予定されていたハンガリー国立フィル日本公演にも同行することができず、心配されていた矢先のことでした。64歳でした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

【プロフィール】
1952年5月30日、ブダペストに生まれたコチシュは3歳からピアノを弾き始め、5歳からブダペストの学校でピアノを学習、11歳でバルトーク音楽院に入学し、ピアノと作曲を勉強します。その後、16歳でリスト音楽院に進学し、パール・カドシャとフェレンツ・ラドシュに師事。18歳の時にハンガリー国営放送が主催するベートーヴェン・ピアノ・コンクールで優勝して注目を集め国際的な活動を開始します。

21歳のときには優れた実績を評価されてリスト賞を獲得。翌々年の1975年には23歳で初来日を果たしてもいます。1978年にはコチシュはハンガリー最高の音楽賞であるコシュート賞も受賞、やがて指揮にも乗り出し、1983年、31歳の時に指揮者のイヴァン・フィッシャーと共にブダペスト祝祭管弦楽団を設立、1987年からは定期的に指揮をおこない、1997年、小林研一郎の後任としてハンガリー国立交響楽団の音楽監督に就任、名前をハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団に変更し、楽員の入れ替えによるレヴェル・アップも図って国際的な活動を展開します。

コチシュは8歳のときにはベートーヴェンの交響曲全曲を暗譜して指揮も練習、さらに、ピアノを弾いている時でもオーケストラの音を強く意識していたと語るなど、指揮への関心が非常に強かったようで、この音楽監督のポスト獲得により長年の夢がかなったことになります。

そうしたピアニスト・指揮者としての実績への高い評価もあってか、2004年には、カンヌで開催される国際的な音楽見本市「MIDEM」で「生涯業績賞（Lifetime Achievement Award）」を受賞し、フランス文化省からはフランス文化芸術勲章を授与、翌2005年には、ハンガリー最高の音楽賞であるコシュート賞を再度受賞してもいました。（HMV）

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