『ブレードランナー』がSACD化!
Friday, July 12th 2013

ヴァンゲリス『ブレードランナー』がSACD化!実績豊富なAudio Fidelity社のマスタリング!
ヴァンゲリスの名盤、『ブレードランナー』がついにSACD化。映画『ブレードランナー』には、通常の意味でのオリジナル・サウンド・トラック盤は存在しません。
映画で使用した楽曲音源を集め、新たに映画の中のセリフなどを交えて、ヴァンゲリス自身によって再構成されたのがこのアルバムであり、その意味では、サントラ盤というよりもヴァンゲリスの『ブレードランナー』という呼び方が正しいということになります。
実際、映画のセリフを時系列に関係なく効果音のように使うその手法は、もはやサントラ盤ではあり得ませんし、また、映画の中で使用されたときよりも、各楽曲の音質がはるかにワイドレンジで生々しいという事実からは、ヴァンゲリスのこのアルバムにかける思いも伝わってくるかのようです。
そしてその音質をさらに磨き上げて再度訴求しようという企画が、今回のAudio Fidelity社のマスタリングによるSACD化ということになります。
Audio Fidelity社はプログレッシヴ・ロックのSACD化などでも高音質化の実績があるため、今回のSACD化でも成果が期待されるところです。
【ブレードランナーの音楽】
傑作SF映画『ブレードランナー』で、音楽が果たした役割の重要さについては、監督のリドリー・スコット自身がインタビューで、作品に気品のようなものを与えてくれたとして、ヴァンゲリスの才能を称えていることからも明らかです。
ヴァンゲリスはここでシンセサイザーをベースに、ヴォーカルやサックスも効果的に使用、クラシック、ジャズ、インド音楽、中東風の音楽といった多彩なスタイルの音楽様式をとりこみ、さらに近未来的でマシン的なサウンドから、レトロなSPレコード風のサウンドに至るまで、さまざまな時代感覚の反映にも配慮した幅の広さをみせているのが印象的。
映画の中のカオスのような街頭映像が単なる情景描写に終わらず詩情豊かな雰囲気さえ漂わせるのは、ヴァンゲリスの音楽が功を奏しているものと考えられますし、さらにそうした要素の積み重ねが、映画の奥行きをいっそう深いものにしているとも思われます。
【魅力的な楽曲群】
第1曲「メイン・タイトル」
映画の中盤でデッカードがコンピューターに指令するセリフを使用し、そこから映画のオープニングに戻って巨大で重厚なピラミッド群のようなタイレル社のビルの威圧感、壮大な空間の広がりを、凄い低音と澄んだ高音で描き、さらにポリススピナー(パトカー)の移動音の立体感も交えながら一気に『ブレードランナー』の世界に引き込んでいきます。
第2曲「ブラッシュ・レスポンス」
タイレル社でレイチェルと出会ったデッカードとタイレル社長の会話を導入部に使用し、近未来的でオリエンタルなダンス・ナンバーへとつなげていきます。
第3曲「ウェイト・フォー・ミー」
リズミカルでパーカッシヴ、豊かな低音が心地よいナンバーにレイチェルのセリフを効果的に使用、表情抑えめのサックスとヴィブラフォン風の音などによって、レイチェルの満たされない雰囲気を描き出しています。
第4曲「レイチェルズ・ソング」
そうしたレイチェルの心情が見事に表現された名曲です。どこかラフマニノフの「ヴォカリーズ」を思わせるメアリー・ホプキンのヴォカリーズ・スタイルによる美しい歌唱は、伴奏の複雑で繊細な表情や、さまざまな効果音の魅力もあって、自分がレプリカントであることを知ってしまったレイチェルの深い哀しみが伝わってくるようです。
第5曲「愛のテーマ」
もともとは映画のプランにはなかった場面への音楽ですが、メロディアスで官能的なディック・モリセイのサックスはとても説得力があり、この曲単独でも世界的に有名になりました。
第6曲「ワン・モア・キス、ディア」
SPレコード風のレトロな曲を模したかのようなスタイルの音楽をドン・パーシヴァルが甘美なヴォーカルで聴かせます。映画での使用法はともかく、ヴァンゲリス本人は、「記憶」を求め、色あせた古い写真を大切にしていたレプリカントたちの心情に呼応させたかったのかもしれません。
第7曲「ブレードランナー・ブルース」
ハーモニカ・ジャズのトゥーツ・シールマンス風な雰囲気が哀愁を漂わせる個性的な音楽。背後のシンセサイザーならではの持続音が、広大な空間を感じさせます。
第8曲「メモリーズ・オブ・グリーン」
ショパンがさらに感傷的になったようなノスタルジックなピアノ曲風音楽。デッカードが人間らしい心を思い出す過程で効果的に使用されていました。
第9曲「テイルズ・オブ・ザ・フューチャー」
ハスキーな女性ヴォーカルが強烈な歌を聴かせる近未来風でエキゾチックなナンバー。
第10曲「ダマスク・ローズ」
中東風ともインド風ともとれる穏やかな癒やしの音楽。
第11曲「ブレードランナー」
映画のテーマ曲。シンセサイザーの音型とティンパニ連打が『ツァラトゥストラ』冒頭のパロディっぽい雰囲気を醸し出します。『ツァラトゥストラ』といえばキューブリック監督の正調SF映画『2001年宇宙の旅』(1968)で一躍有名になりましたが、それとは対照的な雰囲気の『ブレードランナー』のテーマ曲にこうしたパロディ精神を持ち込むあたりさすがヴァンゲリスです。
第12曲「ティアーズ・イン・レイン」
映画の最重要シーンと目される、レプリカントのロイが、生命の大切さを噛みしめながら死んでいく場面をルトガー・ハウアーのセリフとヴァンゲリスの音楽とともに。(HMV)
【収録情報】
01. メイン・タイトル / Main Titles (03:41)
02. ブラッシュ・レスポンス / Blush Response (05:46)
03. ウェイト・フォー・ミー / Wait for Me (05:27)
04. レイチェルズ・ソング / Rachel's Song (04:46)
05. 愛のテーマ / Love Theme (04:57)
06. ワン・モア・ キッス、ディア / One More Kiss, Dear (03:57)
07. ブレードランナー・ブルース / Blade Runner Blues (08:54)
08. メモリーズ・オブ・グリーン / Memories of Green (05:05)
09. テイルズ・オブ・ザ・フューチャー / Tales of the Future (04:46)
10. ダマスク・ローズ / Damask Rose (02:32)
11. ブレードランナー / Blade Runner (04:38)
12. ティアーズ・イン・レイン / Tears in Rain (03:01)
for Bronze / Gold / Platinum Stage.
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