Wednesday, June 5th 2013
--- そもそも、バンドは、どのようなメンバーが、どのように集まって結成されたのでしょう?
成田: 僕は元々クラシックをやっていて、その中でも印象派とよばれるジャンルが特に好きで。それと平行して、09年頃にライブ、フェスを見に行く機会があって、バンドというものに凄く興味、あこがれを抱くようになりました。その流れの中で“バンド”と “クラシックの印象派”をコンセプトに音楽を出来ないか、と思ったのがそもそものきっかけだったので、言ってみれば最初はそのコンセプト重視でスタートしてます。そこからいざメンバーを集めようという時に、別のバンドで活動をしていた時に知り合った大胡田(Vo: 大胡田なつき)をまず誘った。彼女がやっている事や音楽に凄く興味があったんですよね。その後、楽器隊が順々にギター、ベースと決まって。ドラムだけは最初別の人間だったんですけど、対バンのライブや色んな縁があって、今の5人になりました。
--- バンド同士の繋がりや縁で形作られた。
成田: そうですね。各々「自分で成りあがろう」じゃないですけど、意識高く頑張っていた人たちというか。それぞれバンド以外でもサポートだったり、いろいろな事をやっていたんですけど、パスピエっていうのがうまく鞘におさまった感じですね。
--- コンセプトは“バンド”と “クラシックの印象派”という事ですが、実際、パスピエの音楽を聴いてる人って、そんな難しく考えてなくて、単純にかっこいいポップ・ロックとして楽しんでいると思うんです。
やお: 自分も一リスナーとして音楽を聴いてきましたし、単純にパスピエの音楽を楽しんでもらえるのは嬉しいですね。
--- 作り手として、クラシック音楽の要素を、どう仕込むかみたいな事って考えますか?
成田: バンド結成のきっかけは確かにそこだったんですけど、バンドとして積み上げていくうちに、いい意味で予期していない方向に転がっていったりしていて。パスピエの音楽ってなんだろう?って考えた時に、「きっかけ:印象派」っていう土台があってこそなんですけど、別にそこの枠に収める必要はないんじゃないかな?って思うようになってきてます。それぞれが影響を受けた音楽を、この5人の編成で、女性ボーカルとして出していければいいんじゃないかなと思ってますね。
--- 今は、クラシック音楽の要素を取り込む事に、そこまで固執してはいないんですね。
成田: そうですね。パスピエの音楽って何?って言われた時の名詞代わりというか。そのきっかけ自体は他にはないコンセプトだったという自負はあるので。あくまでもスタートラインはそこなので、そういう風に認識してもらえれば嬉しいです。
--- 多分メンバーそれぞれの音楽の趣味嗜好ってバラバラですよね?パスピエの音楽はバラバラなものが組み合わさった面白さがあると思うのですが、それぞれの音楽遍歴や影響を受けたアーティスト等、教えて頂けますか?
成田: 僕は、クラシック以外に、80年代のジャパニーズ・ニューウェーブのオリエンタル感に凄い影響を受けてます。もともと純粋にロックを聴いてきたわけじゃないんで、なんかちょっと変化球を求めるんですよ。ニューウェーブに派生していくポストパンクだったりとか、ロックじゃなくてポストロックだったりとか。そういう一線外れたものに刺激を受けます。あと、得てしてそういう音楽にキーボードが多かったりするので。そういうところで音楽を聴いてますね。
やお: 僕はJ-POPですね。自分が好きなメロディーをとにかく聴きあさっていて。最初は邦ロックから入って、どんどん掘った先に矢野顕子さんとか女性ボーカルのものも好きになったりしてます。JAZZとかも勉強で聴いたりするんですけど、基本的には日本語詞でメロディーが自分好みなものを聴いてますね。
三澤: 僕は元々メタルがすごい好きなんです。高校時代から所謂テクニカル系をずっと聴いてて、東京に出てきてからはジャズとかフュージョンとか。プレイヤー目線で音楽を聴いているところがあります。ある時フジファブリックを聴いて「なんだこれは?」と思って、最近は日本の音楽に戻ってきてるところはありますけど。
露崎: 中学生くらいからずっとジャミロクワイが好きだったので、自然とアシッドジャズ周辺、ブランニューヘヴィーズだったりとかファンクな方向に行くようになって、ミーターズ、王道でアース・ウィンド・アンド・ファイヤーとか…全体的に踊れるリズムがあるものばっかり聴いてましたね。自分がベースでリズム楽器を担当している事も関係してると思うんですけど。
大胡田: 私が影響を一番受けてる音楽は両親が聴いていた音楽だと思います。中でも私がずっと好きなのは小川美潮さんなんです。バンドがいいなぁと思ったきっかけはナンバーガールですね。聴いたときに温度・湿度を感じられる曲が好きなんです。歌っている内容、歌詞よりも、最初は音に惹きつけられます。
--- やっぱりバラバラでしたね(笑) では、そういうメンバーが集まって、どうやって音楽を作っているんでしょう?
成田: 僕が最初に何曲か歌メロと大体のイメージを持って行くんですね。それをメンバーに聴かせて「どの曲やる?」みたいなところからスタートします。やる曲が決まったら、スタジオで詰めていく感じですね。順番は曲が先です。アレンジとか尺が固まってから、そこに歌詞を乗せる感じなので、普通のバンドの作り方とは少し違うかもしれないです。
やお: 特に最初から楽曲のイメージは決めずに、成田の用意した元ネタから、メンバーそれぞれがイメージを膨らまして演奏してみて、いいものを採用するっていうスタイルが多いですね。アレンジに関しても、成田が「こういう感じで」 っていうのはあまりなくて。
--- そうやって一曲を完成させるのは大変じゃないですか?
成田: 曲によりけりですね。さくっと出来上がる曲もあれば、凄い時間をかけたあげく不採用みたいなものも(笑)
やお: さらに半年後に、成田が不採用になった曲のメロディーを少し変えて持ってきたりとかね。
成田: そう。ライブでやってボツになる曲もありますしね。その時にいいと思ったもの、新鮮さを常に失いたくないというのがあるので。続けていく中でパスピエの目指している方向も、ちょっとずつ変わっているはずなんですよ。だから、今のパスピエがやったら面白い事っていうのを常に追い求めていて、その中で過去にボツにした曲が再浮上してくる事もあるんです。
やお: 『演出家出演』の中にも、そういう曲が収録されてますよ。
--- パスピエが音楽を作るにあたって最も重要な事ってなんですか?
成田: 僕は、意外とそういうのって言葉で表せないと思うんです。僕を含めメンバーそれぞれの“感覚”を大事にしたい。料理もそうだと思うんですけど「美味しい」に理由はないじゃないですか?例えば僕が「いい!」と思ったものであっても、メンバーが「いや」と思うのであれば出せない。僕は一人でやっているわけじゃないし、最低限この5人で納得しない限りは、人前に出してもいいものにはならないと思うので。だからそこの“感覚”ですかね、一番大事だと思うのは。
--- そうやってメンバーの“感覚”を軸に、ある程度出来上がった曲に対して歌詞を付けるのが大胡田さんですよね?
大胡田: そうですね。だから音からイメージする事が多いです。私、自分の中で決まった歌詞の書き方はないんですよ。バンドであわせた時に浮かんだ言葉だったり、ノートにずっと書き溜めている話を元にテーマを決めて書いたり。あとは想像、頭の中で経験した事を書いたりとかいろいろですね。
--- “ハイファイはいからさん”(M-8)とか“気持ちが三角形”(M-9)とかなかなか出ないワードですよね?難解さは無くむしろポップなこの言語感覚って一体…とか思ってたんですけど。
成田: 僕は、大胡田が書く歌詞には2通りあると思っていて、それは「歌詞の意味を考えさせるもの」と「言葉遊び的な単語の響き重視で展開していくもの」。それを受けて、言葉に負けないようにアレンジも複雑にしようかなと思ってみたり、逆にあえてアレンジを平べったくして言葉が転がっていく様を伝えようとする事もあります。さっき、曲がほとんど完成してから歌詞を乗せるっていう話をしたんですけど、歌詞が出来上がった後の最終仕上げ段階で曲が変わっていく場合もあるんです。
やお: 大胡田が結構ゆずらない時もあるしね。「これだと物語が繋がらないんです!」とか言って(笑)
--- メンバーそれぞれ頑固なところはあったりしますか?
露崎: 昔ほど頑固じゃなくなったかな。
三澤: 僕はそんなに頑固じゃないです。
やお: 僕は、めっちゃ挑戦はしますけど、「ダメ」って言われたら、あっさり止めます。(笑)
成田: 僕はメンバーから出てくるものを聴くだけ聴いて、自分がゆずれない部分だけは、なんとかしてねじ伏せる。
やお: 成田は基本、そういうスタンスですね。「俺を納得させてみろ」っていうタイプなんで。
成田: すげー嫌なヤツみたい(笑)
--- 先日、月刊HMVの方で、好きな書籍を挙げて頂きましたが、パスピエは音楽だけではなく、アート、文学、カルチャー…と多方面への興味と、そこからの影響がある人たちかなと思うのですが、最近特にハマっている事とかありますか?
成田: 僕は小さい頃から音楽しかやってきていないので、これを見たら曲作りに影響がでるんじゃないかとか、音楽ベースで考えている事が多いかもしれないです。アートでも映画でも文学でも、自分がもっていない感覚に触れる事で、それを自分の中に取り入れようとしてみたり。
--- 常に音楽へのフィードバックを考えているんですね。
成田: そうですね。僕はそれしかないんで。
--- やおさんはいかがですか?
やお: 僕は漫画を読むのが好きです。その世界を客観的に読む感じ。学びもありますしね。非現実的な世界を脳内で体験できるというか。
--- 特に好きな漫画とかは?
やお: 尊敬する“先生”が居て。(笑)それは東村アキコ先生。『海月姫』という代表作がありまして、人柄が漫画に出ていて、とにかく面白いです。大好きです!!!
--- 三澤さんはどうですか?
三澤: 僕はアニメが凄い好きですね。物心付いた頃からアニメが好きで。だからギター弾いてるか、飯食ってるか、アニメ見てるかってくらいな感じです。映画を見るよりも、自分はアニメーションを見る方が感動出来るんです。
--- 好きな作品は?
三澤: 今、放送中なんですけど「惡の華」っていうアニメですね。最初にドラマを撮影してそれをトレースしてアニメにするっていう特殊な手法を使っていて、そういう事を含めてすごい面白いですね。
--- 大胡田さんはいかがですか?
大胡田: 最近とっても好きなのが、中国語とあと…残り湯洗濯。
--- 残り湯洗濯ですか!?
大胡田: 電気屋さんに聞いたら「結構みんなやってますよ」って。
--- そうですね…
大胡田: 私は今まで知らなかったから、それをするのが楽しくて。
--- (笑) 中国語の方は?
大胡田: 中国の歌って響きがかわいいじゃないですか、なんとなく。リズムもとってもいいし。ちょっと気になってます。
--- 中国語覚えたりしてるんですか?
大胡田: 好きな言葉だけ。だから今後なにかで使えたらいいなぁと思って。
--- 露崎さんはどうでしょう?
露崎: 月刊HMVの時に、柳広司さんの「ジョーカー・ゲーム」を紹介させて頂いたんですけど、それをきっかけに読み返してみたら、やっぱり面白くて、またいろいろと本を読み漁ってます。伊坂幸太郎さんは昔から好きな作家さんで、ご自身も音楽の趣味が深いんですよね。作中に音楽にまつわる話が出てきたりとか、本のタイトル自体が曲名から来ていたり。元々自分が知っている音楽が文章の中に出てきても、こういう解釈があるのかと広がりますし、知らない音楽が出てくれば、聴きたくなって調べてみたりとか。とにかく発見がありますよね。
後編では、アルバム『演出家出演』を掘り下げます。

詳細は6/11!
パスピエ 『演出家出演』[2013年06月12日]
HMVオリジナル特典:オリジナルデザインステッカー(ローソンHMV ver.)

※ ステッカーは、大胡田なつきのアートワークによるスペシャルデザインです。
※ 特典は無くなり次第終了となります。ご購入前に必ず商品ページにて特典の有無をご確認下さい。
【初回限定盤】(スペシャルパッケージ仕様)
※ボーカル大胡田なつきによるアートワークの特別仕様
『演出家出演』収録楽曲
- 01. S.S
- 02. 名前のない鳥 「iTunesニューアーティスト2013」配信曲
- 03. フィーバー 2013.3.20発売 1st Single
- 04. シネマ
- 05. ON THE AIR TOKYO FM×東京タワー頂上新アンテナ送信記念キャンペーンSONG
- 06. くだらないことばかり
- 07. デ・ジャヴ
- 08. はいからさん
- 09. △
- 10. ワールドエンド
- 11. カーニバル
パスピエ プロフィール
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21 世紀流超高性能個人電脳破壊行歌曲 2009年に東京藝大卒のキーボード、成田ハネダを中心に結成。 卓越した音楽理論とテクニック、 70s〜00sまであらゆる時代 の音楽を同時に咀嚼するポップセンス、ボーカルの大胡田なつきよるMusic Clip やアートワークが話題に。2011年11 月に発売した1st Album「わたし開花したわ」、2012年6月に発売した2nd Album「ONOMIMONO」がロング・セールスを記録中の中、【iTunes ニューアーティスト2013】・【2013年レコチョクが選ぶ15組のブレイクるアーティスト】に選ばれるなど今年ブレイクが有力視されている。 【メンバー】 成田ハネダ(key) 大胡田なつき(vo) 三澤勝洸(gtr) 露崎義邦(bs) やおたくや(ds) |
パスピエ ライブ情報
●パスピエ presents 「印象B」▼東京公演
2013年07月03日(水)
恵比寿LIQUID ROOM
開場/18:00 開演/19:00
お問い合わせ ソーゴー東京 03-3405-9999 http://www.sogotokyo.com
▼大阪公演
2013年07月05日(金)
東心斎橋JANUS
開場/18:00 開演/19:00
お問い合わせ GREENS 06-6882-1224 http://www.greens-corp.co.jp
【チケット料金】
オールスタンディング 3,500円(消費税込)整理番号付 D代別
※入場時にドリンク代500円必要
※未就学児童入場不可
※パスピエ謹製お土産付
【一般発売日】 2013年5月26日(日)

※ 4/2 自主企画「印象A」東京公演の様子
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Latest Items / Tickets Information
for Bronze / Gold / Platinum Stage.
FEATURED TITLE
Enshutsuka Shutsuen
Passepied
Price (tax incl.):
¥2,724
Member Price
(tax incl.):
¥2,506
Initial-Exclusive Jacket Sleeve
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Deleted
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Enshutsuka Shutsuen
Passepied
Price (tax incl.):
¥2,515
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(tax incl.):
¥2,313
Multi Buy Price
(tax incl.):
¥2,139
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FEATURED TITLE
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Kai Sera Sera [Standard Edition]
Tomohisa Yamashita
Price (tax incl.): ¥1,047
Member Price
(tax incl.): ¥964Release Date:13/March/2013
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Watashi Kaika Shitawa
Passepied
Price (tax incl.):
¥1,885
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¥1,735
Multi Buy Price
(tax incl.):
¥1,602
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