『いつか聴いた歌 〜スタンダード・ラヴ・ソングス』から始める
はじめてのスタンダード・ソング
「スタンダード」とは文字通り「標準」「規準」を意味することば。音楽の世界では、50年以上に亘って標準であり続ける、つまり多くの音楽家たちによって、時間を越えて今なお歌い継がれ、演奏され続けている曲を一般的に「スタンダード・ソング/ナンバー」と呼んでいます。歌い手や演奏家のオリジナリティに沿った、または時代に応じた様々な解釈がなされることで原曲の表情はみずみずしくも多彩に変化。古典といえども決して過去の遺産として封じ込められるわけではなく、事あるごとに取り上げられてはそこに新しい息吹がもたらされていくものがほとんどです。
ここでは星の数ほどあるスタンダード・ソング/ナンバーを、和田誠さん監修・選曲の『いつか聴いた歌』収録曲に照らし合わせながら厳選。さらにジャズ器楽奏者の名演など、”聴き比べ”に持ってこいの作品を(わずかながらですが)もろもろ追加。
「スタンダードの名唱・名演をさがせば、必ずやジャズのマスターピースに突き当たる」(その逆も然り)ということで、まずは前編として、ディスク1 [Love Is] サイドの24曲と、そこに準じた都合84作品をご紹介しましょう。