こちらラッパ吹きのアヴィシャイです。
Tuesday, October 9th 2012
Trumpeter's Delight ☆
レッチリをも魅了するラッパ屋アヴィシャイの傑作『Triveni』に続編!!「アヴィシャイ・コーエン」と申しましても、こちらはベーシストではなくトランペットのアヴィシャイ・コーエン。はい、ややこしいですね。しかしこの名前イスラエルでは、日本で云うところの「鈴木一郎」「山本健一」などにあたる極めてポピュラーな姓名なのであります。
そのラッパ屋のアヴィシャイ、今じゃベース屋のアヴィシャイに負けず劣らず、ニューヨーク・ジャズ・シーンの超顔役として八面六臂の大活躍をみせており、今昔「ジャズの世界はトランペッターの歴史」と呼ばれ、昨今クリス・ポッター、ファブリッツィオ・ボッソ、フラヴィオ・ボルトロ、マティアス・アイク、クリスチャン・スコット、ライアン・カイザー、マグナス・ブルー、イブラヒム・マールーフなど、スターアクトがミドル・ヤング入り乱れながら犇く現代ジャズ・トランペット業界においてもその存在感はズバ抜けていると言っても過言ではないでしょう。豪快でヌケのよいトランペットで耳の肥えたジャズ好きニューヨーカーはおろか、「ダウンビート」をはじめとした各ジャズ専門誌の高名なライター諸氏をも唸らすアヴィシャイ・コーエン。通算6枚目となるニューアルバム『Triveni U』がこの秋登場します。
タイトルから一目瞭然、前作『Triveni』の続編となるこのたびのニューアルバム。厳密にはその『Triveni』と同日録音、2010年12月のレコーディング・セッションで、以前にアヴィシャイ本人が「大量のマテリアルをストックすることができたから2作に分けてリリースするんだ」と語っていたとおり、この度「パート2」としてTriveni セッションの記録が明らかにされるということになります。即ちオメル・アヴィタル(b)、ナシート・ウェイツ(ds)との血湧き肉踊る興奮のトライアングルがここに再登場と相成るわけです。
ちなみに先だっての9月10日には、あのレッド・ホット・チリ・ペッパーズのワールドツアー、イスラエルはテル・アヴィヴ公演にゲスト・プレイヤーとして登場。「Did I Let You Know」、「The Power of Equality」の2曲で ”憧れのレッチリ” とのステージ共演を果たしました。「レッチリが大好きで、ガキの頃からウォークマンで擦り切れるぐらい聴いてたよ」とアヴィシャイが興奮気味に語る一方で、バンド最初期のギタリスト、ヒレル・スロヴァクがイスラエル出身だったということもあり、レッチリ側にとってもイスラエル・ミュージシャンとのジョイントは因縁めいた何か特別なものを感じていたに違いありません。
実際アヴィシャイのファンクやロックに対するリテラシーの高さに関しては、これまでのリーダー作を聴く限りにおいては正直決定的な”尻尾”を掴むまでには至っておりませんが、どうやら彼の地イスラエルではジャズとファンク/ロック・ミュージシャンたちのハングアウトは日常茶飯事、日がな頻繁にジャム・セッションなどが行なわれているということもあり、ジャズ、ロック双方のフィーリングをアヴィシャイ・クラスの演奏家が首尾よく身につけているのはごくごく自然なことなのかもしれません。またイスラエル音楽独特の異国情緒に「ロック性」を感じ、そこに親近感を憶える欧米のロック・ミュージシャンも少なくないそうで。誤解を恐れずに言えば、たしかに彼らイスラエル勢のオリジナル楽曲の一部には、90年代オルタナティヴ・ロック、シューゲイザー、レディオヘッド以降のポストロック陣がアウトプットする民族音楽の昇華センスなどに共通する匂いがほんのりと・・・
さて、ニューアルバムの『Triveni U』。英名高きデビュー盤『The Trumpet Player』と並んでキャリアの代表作と目されている前作『Triveni』をお聴きになり直ぐさまガッツポーズを禁じ得なかった方々にとってはまさに続けざまの朗報。前作の山場ともなったドン・チェリー先輩の「Art Deco」、その別テイクを含む全10曲。前述したようにオメル&ナシートとのトリオ・レコーディングということですから、ひとまずは”スベりようがない”と断言することもできるでしょうか。
前作でアグレッシヴな部分にやや物足りなさを感じていたのはきっと私だけじゃなかったはず。特に中盤から後半にかけてもうひと起伏あれば文句なし、という感じだったのですが・・・そんな煮え切らなさを払拭すべくオープニングに用意されたオリジナル「Safety Land」、これがめちゃくちゃカッコイイ! と思わず感情も露に。ゴリゴリのハードバップながら、途端ギアを入れ替えファンク(ハンコックの「Fat Mama」を想起!?)の形相にて猪突猛進。オメル&ナシート、リズム隊のハジケぶりに主役アヴィシャイもテンションが上がる一方のようで、ブルーザー・ブロディのように吠えたける瞬間も。気付けば辺りには、男クサイこのトリオならではの烈風がビュウビュウ吹きすさんでおります。
『Triveni U』 収録曲
- 01. Safety Land
- 02. B.R. Story
- 03. Nov. 30th (Dedicated to My Mother)
- 04. Music News
- 05. Willow Weep For Me
- 06. Woody'n You
- 07. Portrait
- 08. Get Blue
- 09. Follow the Sound
- 10. Art Deco (Alternate take)
Avishai Cohen (tp) / Omer Avital (b) / Nasheet Waits (ds)
Recorded at System Two Recording Studio, Brooklyn N.Y. on Deccember 17&18, 2010
続く「B.R. Story」もイケイケ殊勲のオリジナル。「と、飛ばすなァ・・・」とあんぐり。アヴィシャイのよく歌う饒舌なトランペットが鋭く切り込み、太くしなやかなオメルのランニング・ベースが疾駆、とどめにナシートのドラム・ソロ一丁上がりからのテーマ着地、と諸々に鳥肌。ややこじんまりとした尺ながらもトリオ・アンサンブルの妙やスリルを言い得ている好曲であります。
もの悲しげなミュート音に導かれて挽歌のメロディが天空に放たれる「Nov. 30th (Dedicated to My Mother)」、同じくワウワウ〜ハーマンミュートを駆使した場末のキャバレーブルース「Get Blue」では、アヴィシャイのエモーショナルな嗚咽がこれでもかと五臓六腑に染みわたる。いずれもとっておきのオリジナルということで、楽士としてのポテンシャルの高さにもハハァとひれ伏すこと必至。
ほかミュートものでは、スタンダード「Willow Weep For Me」の味わいも格別。比較的オーソドックスな12小節ブルースがここまで表情豊かな哀愁歌に化けるとは。まさに「ジャズに名曲なし名演あるのみ」を地で行く一曲。ウィントン・ケリー、アイク・ケベックらが残した歴史的名演に肩を並べて然るべきと言ってもそこにブラフは微塵もなし。素晴らしい。
宴も酣の中盤にはオーネット・コールマン作の「Music News」、さらにオーラス前には「Following The Sound」が。アヴィシャイの”ラブ・オーネット”ぶりがヒシヒシと伝わってくるというものです。ご承知のとおり『The Trumpet Player』では「Giggin'」を採り上げ、前作においては「One Man's Idea」というオリジナル曲でデディケートしたほど。アヴィシャイのオーネット熱は日毎高まりをみせ、ついには2曲同時に揃い踏み、といった具合でしょうか。『After The Big Rain』と『Virgin Beauty』との言及に値しそうなアナロジーはさておき、いずれにせよアヴィシャイにとってのオーネットというものが(マイルスやドン・チェリー以上に)どれほど巨大で偉容な存在か、こちらの2曲でしかとご確認いただきましょう。
ディズの「Woody'n You」ではビ・バップの華やかなりし日の粋を、ミンガスの特編ビッグバンドによる名演「Portrait」(アヴィシャイは今夏来日したミンガス・ビッグバンドの一員でもあります)ではムーディ且つエキゾ感漂うしっとりとしたタッチを。随所でキラリと光る独特の古典解釈とアレンジング力もまた、「温故知新」をリアルに表現する彼らイスラエル・ジャズメンならではのもの。
然も本文序盤で触れたレッチリとの共演が当たり前のような出来事に思えるほど、ともかく冒頭2曲のハジケっぷりが凄まじく。古典史との比較の中で何かと揶揄されがちではあるものの、間違いなく「現代を生きるジャズ」にしか持つことのできない溢れんばかりのフレッシュネスやエナジー、さらには無限の可能性というものを感じずにはいられません。
2012年も残すところ早2ヶ月あまり。アヴィシャイ&オメル絡みのサード・ワールド・ラブ、シャイ・マエストロ、ベース屋アヴィシャイとニタイ・ハーシュコヴィッツによるデュオなどなど、今年もここまでいくつもの傑出作品が届けられてきましたが、この『Triveni U』もそんな「ジャズ新時代」の到来をドテッ腹で受け止めることができる素晴らしき「現代ニューヨーク=イスラエル・ジャズ コレクション」に加えられることは言うまでもないでしょう。 つきましてはこの『Triveni』、必ずや「T」「U」セットでどうぞ!
コーエン3兄妹の総領娘にしてANZICレーベルの主宰者
クラリネット/マルチリード才媛アナット・コーエンも新作をリリース!
これ以上ないグッド・タイミングと言いますか、アヴィシャイの実姉アナット・コーエンも同日となる10月20日にニューアルバム『Claroscuro』をリリースすることが決定しました。
サックス奏者の兄ユヴァルと弟アヴィシャイとのファミリー三管コンボ「3コーエンズ」での活動でもよく知られ、またニューヨークを拠点に2005年に設立され、これまでに自身やファミリーのソロ作品ほか、オメル・アヴィタル『Suite of the East』、エリ・デジブリ『Live at Louis 649』、『Israeli Song』、サード・ワールド・ラブ『New Blues』、『Songs and Portraits』といったイスラエル勢作品から、ジェイソン・リンドナー、ジョエル・フラーム、ダニエル・フリードマンらニューヨーク最前線のファーストコール・アクト、さらにはエイミー・セルヴィニ、メリッサ・スティリアノウといった知る人ぞ知る気鋭シンガー・ソングライターにまで至る良質作品をコンスタントにリリースしたきた「ANZIC」 レーベルの主宰者としてもおなじみの才媛アナット。こちらも弟アヴィシャイと同じく通算6作目のアルバムとなります。
弟の作風とはやや異なり、”古きよきジャズ”の芳香が所狭しと充満するこれまでの彼女の作品。デビューアルバム『Place & Time』をはじめ、『Noir』、『Notes From the Village』など、いずれも本場ニューヨークのジャズファンから「現代最高のクラシカル・ジャズ伝道者」と称賛され高い評価を得ています。今作『Claroscuro』ではそんなトラッド&ドリーミンな世界はそのままに、さらに加えてポストバップ、アフリカン、ブラジリアン〜サウダージ、ジューイッシュ、東洋的テクスチャ、おまけにロニー・スミス、アブドゥーラ・イブラヒム御大楽曲カヴァーといった着色がムラなく施されているという極めて多彩な内容に。ヒップホップ・ネタとしてすでに全国区の「Tudo Que Voce Podia Ser」なんかもありますよ!
軽快且つ優雅なアナットのスタイルには、アヴィシャイはじめ数多傑作を世に送り出す他のイスラエル勢のそれともまた異なった趣に溢れており、返すはイスラエル・ジャズメンの表現力の豊かさやレンジの広さというものを多分に感受することができると言えるでしょう。バックには、先述のリンドナー、フリードマンらおなじみのニューヨーク面子が顔を揃えしっかりとバックアップ。さらにスペシャルゲストとしてワイクリフ・ゴードン、パキート・デリベラ(!)の両雄が参加ということでこちらも中々気になるところ。
闇夜を切り裂くトランペットに打ち震えるのも一興ですが、秋の夜長はやはり柔らかいクラリネットの音にもたれながら熱燗をチビチビやるのがオツかもしれませんね・・・とまぁ何にせよ、現代ジャズ・シーンを語る上でもはや欠かせない存在となったコーエン兄妹の最新作、どちらもお見逃しないように!
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for Bronze / Gold / Platinum Stage.
『Triveni』 続編!!
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Triveni II
Avishai Cohen (Trumpet)
Price (tax incl.):
¥2,409
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(tax incl.):
¥2,097
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こちら前作
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Introducing Triveni
Avishai Cohen (Trumpet)
Price (tax incl.):
¥2,409
Member Price
(tax incl.):
¥2,097
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パキート・デリベラもゲスト参加!
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Claroscuro
Anat Cohen
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¥2,409
Member Price
(tax incl.):
¥2,097
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3 コーエンズ
アヴィシャイ・コーエン その他のリーダー作/サイド参加作
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Import Flood
Avishai Cohen (Trumpet)
Price (tax incl.): ¥2,409
Member Price
(tax incl.): ¥2,097Release Date:21/October/2008
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Import After The Big Rain
Avishai Cohen (Trumpet)
Price (tax incl.): ¥2,409
Member Price
(tax incl.): ¥2,097Release Date:17/July/2007
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Import Trumpet Player
Avishai Cohen (Trumpet)
Price (tax incl.): ¥3,289
Member Price
(tax incl.): ¥2,862Release Date:20/August/2003
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Import Songs And Portraits
Third World Love
Price (tax incl.): ¥2,409
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(tax incl.): ¥2,097Release Date:15/January/2012
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Import New Blues
Third World Love
Price (tax incl.): ¥2,409
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(tax incl.): ¥2,097Release Date:04/March/2008
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Import Sketch Of Tel Aviv
Third World Love
Price (tax incl.): ¥2,519
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(tax incl.): ¥2,318Release Date:20/October/2012
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Import Suite Of The East
Omer Avital
Price (tax incl.): ¥2,409
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(tax incl.): ¥2,097Release Date:24/April/2012
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Import Free Forever
Omer Avital
Price (tax incl.): ¥2,849
Member Price
(tax incl.): ¥2,621Release Date:12/April/2011
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Import(Japanese Edition) Live At Smalls
Omer Avital
Price (tax incl.): ¥1,885
Member Price
(tax incl.): ¥1,735Release Date:29/December/2010
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Import Ancient Art Of Giving
Omer Avital
Price (tax incl.): ¥2,519
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(tax incl.): ¥2,318Release Date:08/November/2012
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アナット・コーエン その他のリーダー作/サイド参加作
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Import Clarinetwork: Live At The Village Vanguard
Anat Cohen
Price (tax incl.): ¥2,409
Member Price
(tax incl.): ¥2,097Release Date:13/April/2010
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Import Notes From The Village
Anat Cohen
Price (tax incl.): ¥2,409
Member Price
(tax incl.): ¥2,097Release Date:09/September/2008
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Import Noir
Anat Cohen
Price (tax incl.): ¥2,409
Member Price
(tax incl.): ¥2,097Release Date:31/July/2007
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Import Poetica
Anat Cohen
Price (tax incl.): ¥2,409
Member Price
(tax incl.): ¥2,097Release Date:31/July/2007
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Import Silent Movie
Melissa Stylianou
Price (tax incl.): ¥2,409
Member Price
(tax incl.): ¥2,097Release Date:27/March/2012
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オメル・アヴィタル(b)、アヴィシャイ・コーエン(tp)ら最前線で活躍中のニューヨーク=イスラエル・カルテットによる新録。昨今のジャズ・シーンを賑わす千両役者集団がシーンの話題を総ざらい!








