無人島 〜俺の10枚〜 【Maki The Magic 編】

2013年7月16日 (火)

キエるマキュウのMC、MAKI THE MAGIC(本名:槙茂樹)が、2013年7月14日に逝去されました。享年46歳。

1998年、キエるマキュウとして活動開始以降、トラックメーカー、DJ、プロデューサーとしても活躍。日本のヒップホップ史に刻まれた氏のあまりにも大きな功績を偲び、謹んでご冥福をお祈り致します。

なお、通夜は7月19日に神奈川・浄土真宗本願寺派常念寺にて執り行われます。

下記は、2012年6月、キエるマキュウ『HAKONIWA』リリースタイミングに、MAKI THE MAGICがHMV ONLINEの鉄板企画『無人島〜俺の10枚〜』に参加してくれたもの。
MAKI THE MAGICが愛した作品を、コメントと共に。

どこを切っても純度100%Hip Hop…マキュウが再び動き出す。

HIP HOPド真ん中!あのキエるマキュウが4thアルバム『HAKONIWA』をリリースするって話。全曲セルフプロデュース / N.Y. マスタリングのクラシック。今回はリリースを記念してメンバーそれぞれにHMVの鉄板企画「無人島 〜俺の10枚〜」を依頼!Illicit Tsuboi、CQと続き、アンカーはもちろんこの人、Maki The Magicの選ぶ至宝の10枚!
 Illicit Tsuboiの10枚はコチラ!
 CQの10枚はコチラ!
キエるマキュウ

<キエるマキュウとは?>

Magic (MC), CQ (MC), Illicit Tsuboi(DJ)三人からなる、Hip Hop 最後の秘境と呼ばれるモンスターグループ。各人それぞれソロ活動もしており、トラック制作、ゲストMC、DJ、プロデュースなど多岐にわたり活躍中。Magic は、Maki The Magicとしてトラック制作、DJ、プロデュースなどを手がける。そのトラックのクオリティの高さは、皆が認めるとこであり、Rhymesterの“Come On”などもMagic プロデュースである。CQ は、Buddha Brand のメンバーでもあり、詩人、ラッパーとしての評価が高い。その独自のスタイルから信奉者も多く常に注目を集める存在である。Illicit Tsuboi は、Hip Hop 最高峰とも呼ばれるエンジニア。その独特の音作りは、マニアを常に唸らせている。そしてライブにおける圧倒的なパフォーマンスは他の追従を寄せ付けない。破壊の限りを尽くすツボイ見たさにライブに来る客も多い。マキュウは常にHip Hop ド真ん中である。

 キエるマキュウ official weblog

キエるマキュウ 最新作品!

キエるマキュウ HAKONIWA 『HAKONIWA』 / キエるマキュウ
[2012年06月20日 発売]
どこを切っても純度100%のHip Hop…あのマキュウが再び動き出す。この音こそThis Is Hip Hop !!
キエるマキュウ待望の4th アルバム…全17 曲、捨曲一切無しの圧倒的フルボリュームで遂に発売!! 全曲 プロデュース、キエるマキュウ エンジニア Illicit Tsuboi N.Y. マスタリングで送る本作品。Hip Hop はサンプリングミュージックから始まったということ…この音楽の原点を改めて感じさせる素晴らしい作品。インタルード無しで構成された17 曲、様々な音楽的要素を盛り込んだサンプリングにMagic , CQ のブッ飛んだ言葉が絡む。独特の世界観は、他に見当たらず、結成当初からの独自のポジションを築く。このマキュウワールドにはまると抜けないアリ地獄に陥る。常に高い評価を受ける彼らが更な飛躍となる大傑作アルバムを出した。ディス• イズ• ザ• クラッシック!!
無人島 〜俺の10枚〜 【Maki The Magic 編】

無人島 〜俺の10枚〜 【Maki The Magic 編】

音楽好きには、超定番の企画“無人島 〜俺の10枚〜” !!なんとも潔いタイトルで、内容もそのまんま、無人島に持って行きたいCDを10枚チョイスしてもらい、それぞれの作品に込められた思い入れを思いっきり語ってもらいます!ミュージシャンとしてルーツとなるもの、人生を変えた一枚、甘い記憶がよみがえる一枚、チョイスの理由にはそれぞれのアーティストごとに千差万別です!今回のお客様はMaki The Magicが登場!
 無人島 〜俺の10枚〜 過去のArchiveseはこちら!
The Roosters

The Roosters 「DIS」

ルースターズは、ひとつ前のファンキーなニュールンベルグの12もイカスが、突然カメレオンズのようなギターバンドになった今作品も初期とは違った魅力がある。大江がいたファイまでがと言う人が多いが、個人的には、初期からグッドドリームスまでかなと…
このアルバム収録のShe Made Me Cryは、日本ロック史上不滅の名曲だと思っている。
惜しむらくは、Sad Songがシングルバージョンの方が良いことくらいか…

Crass

Crass 「Best Before」

Crassの政治的姿勢、メッセージに影響を受けた人は多い。オレは逆で、そっちには影響を受けて無く、アートワーク、音楽に影響を受けた。転調に次ぐ転調…アバンギャルドでなおかつ魂を揺さぶる音…スティーブイグノーラントの熱いボーカル…記憶が曖昧だが二人ほど女性ボーカルがいたがどちらも苦手だった。
やはりスティーブのボーカルと屈折したパンクサウンドがいい。今回推薦したアルバムよりクラスカルコレクションとして過去のアルバムが再発されているのでそちらを進める。今回、なぜこれかというと名曲Big A, Little Aが入っているからだ。いずれ再発されるだろう。

The Clash

The Clash 「Sandinista」

やはり、クラッシュと言えば…オレにとってはこれだ。当時渋谷陽一が、サウンドストリートで問題作だということで番組でまるまる紹介していた。このアルバムは最早説明不要だろう…出るのが早すぎた名作…理解されるのに時間がかかった。
関係無いが、渋谷陽一は辛口でThe Modsのデビューまえに名曲Two Punksをかけたのはいいが、“列車に乗せてもらえなかった…ってのはどんな列車なんでしょうね…”と見も蓋もないことを言っていて、オイオイ渋谷…と思ったモノだ。よくパンクを前進主義と批判していたことも懐かしい…そんな渋谷が、やがてポルシェに乗った衝撃は忘れられない。

The Kinks

The Kinks 「Something Else By」

フーのピートタウンゼント曰く…レイディヴィスこそイギリスロック界最高の詩人…”ジョンレノンじゃないところがいい。有名な話だが、レノンがレイディヴィスに吐いた嫌みを後々まで恨んでいたらしい。実際、伝記などを読むとその屈折具合に驚かされる。
そんな屈折した男が作った最高の一枚がこれだ。
オレにとってビートルズもストーンズもいらないがキンクスは必要だ。

ザフー

ザフー 「四重人格—ディレクターズカット」

敢えて日本語で書いたのは、このボックスセットは日本盤でないと意味がない。
英語が読める人には安い輸入盤を勧めるが、今回ブックレットの丁寧な日本語訳には、本当に助かった。
このアルバムは、最早説明不要…映画“さらば青春の光り”の原作にもなっている。
ピートタウンゼントは、四重人格という短編集も書いている。作家としてのピートも優秀なので興味がある人は是非読むことを進める。                                                                                         

あぶらだこ

あぶらだこ 「あぶらだこ 青盤」

“あぶらだこ“こそ日本が世界に誇るロックバンドだと思う。サウンドは、歳月を取るとともに変化していったが、どれもが一定のクオリティを保っている。そして日本音楽界最高の詩人が、長谷川裕倫だとずっと思っている。
名曲“祝言”は、Paranoiaと並ぶ…どちらも後々深い余韻が残る。
あぶらマニアとしては、ギブミーチョコーレートが初期のADK盤に入っていなのが惜しまれる。ロフトの二周年のアンコールの曲だ。現在活動停止中…

The Jam

The Jam 「Direction, Reaction」

これは、ボックスセットよりも本の方を進める。値段も手頃に買えるし、同じ内容なら写真集として楽しめる、本仕様の方がお勧めだ。
個人的には、サウンドアフェクツを取り上げようとしたが、このボリュームでこの値段…ジャムを知るにはこれだ。無人島企画ではなく、ロック推薦アルバム10みたいになっているが、無人島にもっていくならお得なこっちの方がいい。
サウンドアフェクツについて書くと、ジャムのアルバムでは一番完成度が高いと思っている。
ビートバンドとしての頂点を極めた…シングル“スタート”のシンプルながら巧みなコードワーク…素晴らしい。

Ramones

Ramones 「Rocket to Russia」

一枚目と間違えるようなジャケット…ラモーンズの初期はどれもが名作だが、特にこれは楽曲の粒が揃っている。ラモーンズは短調な3コードバンドと誤解されがちだが、転調のセンス、ハーモニーの乗せ方…非常に優れたソングライティングのグループだ。
ジョニーラモーンは、コードだけでフィルハーモニックを表現出来る…正に名言。
伝記を読むと分かるが、本国アメリカでの不当な評価にかなり悩んでいたらしい。
確かに、こんな素晴らしいバンドが大成功を収めることが出来ないなんて…
“オレたちは、開けてはもらえないドアをそれでもノックし続けた…”

Peter Hook

Peter Hook 「Unknown Pleasures」

ジギーの40周年、ボウィかとも思った。フロイドの再販もある…ベルベッド、ドアーズ…アメリカンハードコア…ミスフィッツ…Jazzを一枚も入れていない…あと浸りのアルバムも…
所詮、無人島なんてその時の流れで書いてしまうもの…気分でがらっと変わることもある。
正直これを無人島に持って行きたい訳でもない…なのに、なぜこれをあげたか…
これを出したとき、Joy Divisionの名前で商売かと…皆最初は思ったハズ…
ところがこのライブ…ひたすら熱い…続けることへの大切さ、執念…歳をとったミュージシャンがいかに生きるべきかを問う…それぐらい素晴らしい作品。
昔の名前じゃない今の自分…老いも若きもこれを聞き、続けることの大切さを再認識して欲しい。

Maki The Magic

Maki The Magic 「Mix CD各種」

今回、ダンクラやR&B が無かったのは、トータルで持っていくなら手前ミソだが自分のMix CDが一番だ。別に、宣伝とかでなく自分の聞きたい曲は自分が一番知っている。
選曲には、自信があるので自分の選曲が一番気持ちよく聞くことが出来る。
それも自分の為のスペシャルミックスを作っていくだろう…ダンクラの中にR&Bが混ざる感じだ…
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