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「ベルリン・フィル・ラウンジ」第57号:早稲田大響の祈念演奏会が無料生中継!

2012年3月2日 (金)

ドイツ銀行 ベルリン・フィル
ベルリン・フィル&HMV提携サイト
 ベルリン・フィル関係ニュース

写真満載!チューリヒ&ニューヨーク・ツアーのブログ日記が公開
 ベルリン・フィルは、2月20日から25日まで、チューリヒとニューヨークに客演しました。チューリヒでは、ドビュッシー、ドヴォルザーク、シェーンベルク、エルガーのプログラム、ニューヨークでは、3晩にわたり、同じ曲目とブルックナーの交響曲第9番(第4楽章補筆完成版)、マーラーの交響曲第2番を演奏しています。
 ベルリン・フィルでは、ツアーのブログ日記を公開しています。旅の様子、舞台裏やプライベートの写真が満載ですので、ぜひご覧ください。

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 最新のDCHアーカイブ映像

ラトルがブルックナー「第9」4楽章補筆完成版を指揮!
(2012年2月9日)

【演奏曲目】
ブルックナー:交響曲第9番(サマーレ、フィリップス、コールス、マッズーカによる4楽章補筆完成版/1985-2008年・2010年改訂)

指揮:サー・サイモン・ラトル


 ブルックナーの「交響曲第9番」は、未完の大作として知られています。この曲は、2011年11月のアジア・ツアーでも取り上げられましたが、その際は、通常通り第1〜3楽章が演奏されました。これに対し今回の演奏会では、終楽章付きの「補筆完成版」が上演されました。
 ブルックナーは、死の直前までこの作品に携わり、1896年に死去した時には、第4楽章を作曲している途中でした。残されたスケッチを元に完成が試みられ、これまでにも複数の完成版が発表されています。今回使用される「サマーレ、フィリップス、コールス、マッズーカ版」は、そのなかでも最も学究性が高いクリティカル・エディション。4人の音楽学者・作曲家が25年以上の歳月をかけて復元し、2010年にさらに改訂が行なわれました。
 「交響曲第9番」は、ブルックナーの辞世の句と言われますが、彼は作品を「愛する神に」捧げました。第1楽章は生からの決別を暗示し、続くスケルツォは不吉な死の踊りを連想させます。第3楽章アダージョは深い憂愁と同時に、破滅的なカタストロフも内包しています。補筆版の終楽章は計647小節に至り、そのうち208小節は、ブルックナーにより完全に作曲されています。これに個々の弦楽パート、管楽器のスケッチが加わりますが、37小節分のみが研究者の純粋な創作です。完成されたスコアは、ブルックナーの偉大さを示す一方で、やや奇異な印象を与えるでしょう。しかしラトルは、次のように語っています。「このフィナーレで奇妙な個所は、すべてブルックナー自身の手によるものです。ここには、彼が当時体験した脅威、恐れ、感情のすべてが現われているのです」

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ラトルの標題音楽プログラム
(2012年2月16日)

【演奏曲目】
ドビュッシー:《牧神の午後への前奏曲》
ドヴォルザーク:《黄金の紡ぎ車》
シェーンベルク:《浄夜》(1943年版)
エルガー:《エニグマ変奏曲》

指揮:サー・サイモン・ラトル


 当演奏会では、サー・サイモン・ラトルがフランス、チェコ、オーストリア、イギリスの4人の作曲家による標題音楽を演奏しています。ほぼ同時期に書かれた作品が音の絵画館のように並び、お国柄や音楽性の違いを堪能できるプログラムです。
 ラトルはこれらの作品をすでにベルリン・フィル、バーミンガム市響とCD録音しており、彼のお得意のレパートリーと言えるものです。

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ラトルがマーラー《復活》をリバイバル上演!
(2012年2月18日)

【演奏曲目】
ヴォルフ:《妖精の歌》
《炎の騎士》
《春の合唱》
マーラー:交響曲第2番ハ短調《復活》

独唱:カミッラ・ティリング、ベルナルダ・フィンク
ベルリン放送合唱団(合唱指揮:サイモン・ハルシー)
指揮:サー・サイモン・ラトル


 グスタフ・マーラーの「交響曲第2番《復活》」は1895年、ベルリンフィルにより初演されました。またこの作品は、サー・サイモン・ラトルのキャリアにおいても、重要な位置を占めています。マーラー・ツィクルス(2009〜10年)でも上演されていますが、この演奏会では、ご好評にお応えしてリバイバル演奏が行われました。
 ソリストとして登場するのは、カミッラ・ティリングとベルナルダ・フィンク。ティリングは、爽やかな声を持ち味とするソプラノ歌手で、ベルリン・フィルにも出演を重ねています。メゾ・ソプラノのフィンクは、バロック音楽をはじめ歌曲の分野でも活躍しています。

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 これからのDCH演奏会

ティーレマンの《ロマンティック》、A・マイヤーのR・シュトラウス「オーボエ協奏曲」
(日本時間3月5日午前4時)

【演奏曲目】
R・シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調《ロマンティック》(1878/80年版)

オーボエ:アルブレヒト・マイヤー
指揮:クリスティアン・ティーレマン


 クリスティアン・ティーレマンが、2週連続でベルリン・フィルに登場します。当晩は、R・シュトラウス、ブルックナーという、ティーレマンが十八番とするふたりの作曲家の作品が取り上げられます。ベルリン・フィルは今シーズン、メンバーを協奏曲のソリストに起用していますが、今回は首席オーボエ奏者のアルブレヒト・マイヤーがソロを担当します。

放送日時:3月5日(月)午前4時(日本時間・生中継)

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震災1周年、早稲田大響の追悼演奏会が無料生中継。開演はご覧になりやすい日本時間午後7時!
(日本時間3月11日午後7時)

【演奏曲目】
R・シュトラウス:アルプス交響曲
《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》
由谷一幾:和太鼓と管弦楽のための協奏曲

早稲田大学交響楽団
指揮:田中雅彦


 3月11日は、未曾有の被害と数多くの犠牲者を出した東北関東大震災から1周年に当たります。ベルリン・フィルハーモニーでは、ベルリン・フィルの招待により、早稲田大学交響楽団の追悼記念演奏会が行われ、その模様がDCHで無料生中継されます。
 当コンサートは、ドイツ、オーストリアの12都市をめぐる第13回海外公演「ヨーロッパ・ツアー2012」の一環。放送時間は、日本時間同日午後7時と、ライブでご覧になりやすい時間帯となっています。生中継後、映像は3月25日までアーカイブにアップされる予定です。
 プログラムは、R・シュトラウスの「アルプス交響曲」、交響詩《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》、由谷一幾「和太鼓と管弦楽のための協奏曲」。現地日刊紙『ターゲス・シュピーゲル』は、早稲田大学交響楽団の演奏を「ほとんど厚かましいとさえ言える程の精密さ」と評していますが、その実力は、これらの至難なレパートリーでも見事に発揮されるでしょう。
 早稲田大学交響楽団は、1913年に設立。1978年に、ベルリンで行なわれた第5回青少年オーケストラ大会(通称カラヤン・コンクール)で優勝しました。1979年、カラヤンが早稲田大学から名誉博士号を贈呈された際、カラヤン自らが公開リハーサルで指揮。それ以来、ベルリン・フィルとは、メンバーが同響の定期演奏会に参加する等の交流を結んでいます。DCHには、2009年に続き2度目の登場となります。

放送日時:3月11日(日)午前7時(日本時間・生中継)

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ティーレマンの《悲愴》!
(日本時間3月12日午前4時)

【演奏曲目】
ドビュッシー:夜想曲
メシアン:《ミのための詩》
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調《悲愴》

ソプラノ:ジェーン・アーチボルド
合唱:リアス室内合唱団(合唱指揮:ハンス=クリストフ・ラーデマン)
指揮:クリスティアン・ティーレマン


 3月に連続登場するクリスティアン・ティーレマンの2回目の演奏会です。ティーレマンはワーグナー、シュトラウスなどのスペシャリストとして有名ですが、今回はドビュッシー、メシアン、チャイコフスキーの作品を指揮します。なかでも注目は、チャイコフスキーの交響曲第6番《悲愴》でしょう。ベルリン・フィルによる《悲愴》といえば、何と言ってもカラヤンの名解釈が有名です。ティーレマンはカラヤンのアシスタントを務めた経験がありますが、彼がこの大作をどのように聴かせるのか、興味が尽きません。

放送日時:3月12日(月)午前4時(日本時間・生中継)

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 アーティスト・インタビュー

ニコラウス・アーノンクール(第2回)
「ベートーヴェンの交響曲第5番につきまとう“ダダダ・ダン”のイメージは、間違った作品理解です」
聞き手:オラフ・ヴィルヘルマー
(音楽評論家)
(2011年10月29日)

【演奏曲目】
ベートーヴェン:ミサ曲ハ長調
交響曲第5番ハ短調《運命》

独唱:ユリア・クライター、エリーザベト・フォン・マグヌス、ヴェルナー・ギューラ、フローリアン・ベッシュ
ベルリン放送合唱団(合唱指揮:サイモン・ハルシー)
指揮:ニコラウス・アーノンクール


 ベートーヴェンをテーマとする、アーノンクールのインタビューの第2回です。今回は、彼が《運命》のなかにメッセージ性を見出していることが、興味をそそります。その際作品の内容は、「標題音楽的」ではなく、「修辞法的」。つまり彼は、作品のなかにバロックの伝統である「語り」の要素を見ています。バロック音楽には、音楽で特定の事柄を具体的に「叙述」する側面がありました。「ベートーヴェンは、それを継承しつつ、ロマン派の標題音楽にもつながる新しい語法を展開していった」というアーノンクールならではの学究的なディスクールが読み取れます。

ヴィルヘルマー 「ベートーヴェンの第5交響曲は非常に有名ですが、それだけにアプローチが難しいと思います。アーノンクールさんは、どのように作品に対峙しているのでしょう」

アーノンクール 「この曲につきまとう“ダダダ・ダン”のイメージは、間違った作品理解ですね。携帯電話の着信音で使われるモーツァルトのト短調交響曲と同じくらい、間違っているでしょう。真剣で劇的な曲が、通俗化して甘ったるく、骨抜きにされています。一体どうしてそうなったのか――私の解釈は、そこからスタートします」

ヴィルヘルマー 「短調の交響曲というのは、19世紀初頭では珍しかったそうですね。ベートーヴェンは、なぜ敢えてハ短調で書いたのでしょう」

アーノンクール 「ハ短調は死を意味する調性です。そして作曲するのが非常に難しい。当時の金管楽器は、自然倍音しか吹けませんでした。つまり短3度が吹けなかったので、短調の曲を書くことは技術的に困難だったのです。ベートーヴェンはそれを巧妙にクリアし、悲劇的な調のシンフォニーを書きました。しかもこの曲は、開始調であるハ短調ではなく、輝かしいハ長調で終わります。さらにそこでは、以前の交響曲では使われなかった特殊な楽器、トロンボーンやピッコロ、コントラファゴットが入って来るわけです」

ヴィルヘルマー 「これは何を意味するのでしょうか」

アーノンクール 「彼はフィナーレのモチーフ(4つの音)に、“ラ・リベルテ(フランス語で“自由”)“という言葉を書き込んでいます。その意味、そして音楽が何を語っているのかを考えた結果、私はこの曲がベートーヴェン唯一の政治的交響曲であると確信しました。ここでベートーヴェンは、階級制度や専制、抑圧のもとに生きることの苦悩に立ち向かっています。第1楽章では、自分にかされた鎖を解こうとする人間の姿が表現される。第2楽章は自由への祈りですが、同時に”解放は本当に実現するのか“という迷いも顔を覗かせています。第3楽章では専制政治を倒そうと軽率な試みが行なわれますが、やがて第4楽章で勝利の賛歌へと変化します。私にとってこれは、非常に明白な展開です」

ヴィルヘルマー 「標題音楽的、ということでしょうか」

アーノンクール 「修辞法(レトリック)的、つまり音楽が特定の事柄を“語っている”ということです。興味深いのは、ベートーヴェンが死んだ頃には、既に以上のような解釈(作品理解)が広まっていた、ということです。E・T・A・ホフマン(ロマン主義の作家・音楽家)もそう考えていましたし、当時の資料を見ても、人々が政治的なメッセージを聴き取っていたことが分かります。一方19世紀の音楽家たちは、“これは表題音楽ではない。絶対音楽である”と主張していますが、絶対音楽とは一体何でしょう。音楽とはまず、何かを伝えるための“言葉”なのです。ですから私は、楽譜の背後に何があるのか、音楽が何を語ろうとしているのかを常に考えます。ベートーヴェン自身も、“修辞法をマスターすることなしに作曲することはできない”と言っているのですから」

ヴィルヘルマー 「この曲については、“運命がドアをノックする”とベートーヴェンが言ったといわれ、それゆえに《運命》のニックネームがついています。あなたもそう考えますか」

アーノンクール 「とんでもありません。それはナンセンスです。この交響曲についてのステレオタイプな見方は、ほとんどの場合間違っています。そうした見解については、誰がいつ、どのような状況で言ったかを、よく考える必要があるでしょう。この曲は、ベートーヴェンが望んだよりも、はるかに遅いテンポで演奏されてきました。 彼が要求したテンポでは、運命がドアをノックすることなんて不可能です。手が3つもあれば別でしょうが(笑)」

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 ドイツ発最新音楽ニュース

本コーナーでは、ドイツおよび欧米の音楽シーンから、最新の情報をお届けします。

ホーネックがピッツバーグ響の契約を延長
 マンフレート・ホーネックが、ピッツバーグ響との契約を2019/20年シーズンまで延長することになった。これは今後8年先までのコミットメントであり、極めて長い延長と言える。ホーネックは2008年より現職にあり、同オケとすでに数多くのヨーロッパ・ツアー、CD録音を行なっている(写真:© Gottfried Stoppel)。

オラモがBBC交響楽団の首席指揮者に決定
 サカリ・オラモが、2013年よりBBC交響楽団の首席指揮者に就任することが発表された。最初の演奏会は、同年BBCプロムスの演奏会。オラモは、現首席指揮者イルジー・ビェロフラーヴェクの後任となる。また彼は、ロイヤル・ストックホルム・フィル、フィンランド放送響の首席指揮者も務めている。

エマーソン四重奏団のチェリストが交代
 エマーソン四重奏団のチェリスト、デイヴィッド・フィンケルが、2012/13年シーズン一杯で同カルテットを離れることになった。同団は1979年の創設で、メンバー交替は初めてのことになる。後任は、ポール・ワトキンスの予定。ワトキンスは、イギリス室内管の指揮者で、今年5月まで、アルスター・オーケストラ(ベルファースト)の首席客演指揮者を務める。

ソプラノ歌手エリザベス・コネルが死去
 南アフリカ出身のソプラノ、エリザベス・コネルがロンドンで亡くなった。死因は肺がん。享年65歳であった。コネルは、1973年に英ウェクスフォード・オペラ・フェスティヴァルでデビュー。イングリッシュ・ナショナル・オペラに所属した後、80年代にバイロイト音楽祭に初登場し、国際的キャリアをスタートした。近年はドイツ語圏を中心に、エレクトラ等のドラマティック・ソプラノの諸役で活躍していた。
 最後の舞台は、2011年10月に行なわれた独バート・ウラッハと、11月27の英ハスティングスでの演奏会だという。

バリトン歌手ジャン・ジャコモ・グエルフィが死去
 イタリアのバリトン、ジャン・ジャコモ・グエルフィが、伊ボーツェン(ボルツァーノ)で84歳で亡くなった。グエルフィは、50年代にヴェルディやプッチーニの諸役で活躍し、NHKイタリア歌劇団公演にも出演している。

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