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「ベルリン・フィル・ラウンジ」第44号:バーデン・バーデンでのオペラ公演の概要が発表

2011年6月16日 (木)

ドイツ銀行 ベルリン・フィル
ベルリン・フィル&HMV提携サイト
 ベルリン・フィル関係ニュース

バーデン・バーデン祝祭劇場におけるオペラ公演の概要が発表
 2013年からの復活祭期間におけるベルリン・フィルのオペラ公演の概要が発表になりました。バーデン・バーデン祝祭劇場では、2013年に《魔笛》(ラトル指揮)、2014年に《マノン・レスコー》、2015年に《ばらの騎士》、2016年に《トリスタンとイゾルデ》が上演される予定です。
 当初2013年には、ザルツブルク・イースター音楽祭で準備されていた《パルジファル》が上演される予定でしたが、この作品はザルツブルクでクリスティアン・ティーレマン指揮ドレスデン・シュターツカペレにより上演されることが決定しました。
 サー・サイモン・ラトルは、「バーデン・バーデンでの新イースター音楽祭を楽しみにしています。このオペラ上演を土台に、素晴らしいプログラムを組めると確信してています。また、《パルジファル》については、ザルツブルク・イースター音楽祭のマネージメントと、友好的な結論を出すことができました」と語っています。
 バーデン・バーデン祝祭劇場インテンダントのアンドレアス・メリッヒ=ツェープハウザーは、「マネージメントの組織、新しいコンサートのプランニング、教育プログラムについては、現在ベルリン・フィル側と交渉中です。ザルツブルク・イースター音楽祭で新しい体制が組まれたことを嬉しく思います」と談話しています(写真:サー・サイモン・ラトルとアンドレアス・メリッヒ=ツェープハウザー©Andrea Kremper今号末尾の関連記事をご覧ください)。

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スクロヴァチェフスキがベルリン・フィルに登場!
(5月28日)

【演奏曲目】
ハルトマン:ジロドゥの『ソドムとゴモラ』による情景
ブルックナー:交響曲第3番(1889年版)

バリトン:マティアス・ゲルネ
指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ


 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキがベルリン・フィルに登場しました。彼は70〜80年代にすでにベルリン・フィルを指揮していますが、今回は約20年ぶりの登場。周知の通り、ブルックナー指揮者として高い評価を得ており、今回もその交響曲第3番を指揮しています。
 ブルックナーはワーグナーを賛美しており、1873年に交響曲第2番か第3番を、彼に献呈することを申し出ました。出会いはお酒も入った楽しいものでしたが、ブルックナーは帰宅後、ワーグナーがどの作品を選んだかを失念してしまいました。手紙のやりとりによって第3番であることが判明しましたが、それも不思議ではありません。なぜなら第3番は、ワーグナーの作品の引用に溢れているからです。しかしブルックナーは、その後16年にわたってこの作品を改作し続けます。結果として、本来の引用はほとんど姿を消すことになりました。現在では最終版(1889年版)が演奏されることが多く、このコンサートでも当ヴァージョンが演奏されます。
 一方コンサート前半では、カール・アマデウス・ハルトマンの朗誦風のソロ作品、ジロドゥの『ソドムとゴモラ』による情景が取り上げられています。独唱は、ベルリン・フィルでもおなじみのマティアス・ゲルネ。オペラと交響曲の間をさまよう秘曲の作風を、ぜひお楽しみください。

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ラトルのマーラー「第6」
(6月2日)

【演奏曲目】
ベルク:管弦楽のための3つの小品
マーラー:交響曲第6番

指揮:サー・サイモン・ラトル


 ラトルは1987年11月のベルリン・フィル・デビューでマーラーの「第6交響曲」を指揮しています。それ以降は、2005年にウィーン・フィルとベルリン・フィルの初共演の際に指揮したきり。つまり、非常に重要な機会で取り上げてきた作品ですが、マーラー自身にとっても大きな転機となった曲と言えるでしょう。マーラー・ツィクルスの最新版を、ぜひお楽しみください。
 マーラーは交響曲第6番で伝統的な4楽章形式を取り、調性的にもイ短調で開始し終結するなど、それまでの作曲形式に比べて古典的な傾向を示しています。しかし音楽的には、過去の交響曲にはなかった激しい表現を行い、また特殊な打楽器を積極的にに取り入れています。とりわけ終楽章では、ハンマーを打ち鳴らすという常識では考えられない表現手段を取り、初演では聴衆を当惑させました。
 当晩は、ベルクの「管弦楽のための3つの小品」で開始されますが、この作品は、まさにマーラーの「第6」の衝撃により生まれた作品と言えるでしょう。ラトルは、「この作品は、明らかに交響曲第6番の子供です。ジョン・アダムスは、”マーラー第6をゴミのプレス機に入れて凝縮させ、コンパクトにした作品”と呼んでいます」と語っています。

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ウラジミール・ユロフスキの《嘆きの歌》
(6月12日)

【演奏曲目】
バッハ(ストラヴィンスキー編曲):コラール変奏曲『高き天より我は来たり』
ストラヴィンスキー:レクイエム・カンティクルズ
マーラー:カンタータ《嘆きの歌》

ソプラノ:クリスティーネ・シェーファー
アルト:イリス・フェルミリオン
テノール:ミヒャエル・ケーニヒ
バス:マルクス・ブリュック
合唱:ベルリン放送合唱団,
指揮:ウラジミール・ユロフスキ


 ウラジミール・ユロフスキは、すでに2003年にベルリン・フィルにデビューしていますが、2回目の客演となる今回の演奏会では、マーラー初期のカンタータ《嘆きの歌》を指揮しています。ロンドン・フィルの首席指揮者として成功を収め、現在飛ぶ鳥を落とす勢いの彼の演奏をお楽しみください。
 《嘆きの歌》は、マーラー自身が「私のスタイルが現われた最初の作品。オーケストラと合唱、ソリストのためのカンタータ」と呼んでいるもので、兄弟殺しというショッキングなテーマを扱っています。ここではワーグナー風のオーケストレーションと作曲様式がまだ色濃く現われていますが、同時にマーラーの独自性もはっきりと聴き取ることができます。一方、演奏会の前半では、ストラヴィンスキーの作・編曲による2作品が演奏されます。バッハはストラヴィンスキーならではの興味深い編曲。「レクイエム・カンティクルズ」は晩年の作品で、1971年の彼自身の葬儀でレクイエムとして上演されています。

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 次回のDCH演奏会

エトヴェシュの自作初演は「チェロ・コンチェルト・グロッソ」
(日本時間4月19日午前3時)

【演奏曲目】
ストラヴィンスキー:4つのロシア農民の歌
エトヴェシュ:チェロ・コンチェルト・グロッソ(初演・財団法人ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団委嘱作品)
ムソルグスキー:歌劇《ボリス・ゴドゥノフ》より戴冠式の場面とボリスの死

チェロ:ミクローシュ・ペレーニ
バス:フェルッチョ・フルラネット
ベルリン国立歌劇場合唱団(合唱指揮:エーバーハルト・フリードリヒ)
指揮:ペーテル・エトヴェシュ


 ベルリン・フィルに頻繫に客演する作曲家兼指揮者と言えばブーレーズの名前が挙がりますが、ペーテル・エトヴェシュも例年のように客演を繰り返すヨーロッパの代表的な作曲家です。今回は、彼自身の「チェロ・コンチェルト・グロッソ」を初演します。
 また生中継の前日から、リハーサルの模様を無料でご覧いただけます。詳細はこちらから。

放送日時:6月19日(日)午前3時(日本時間・生中継)

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エマニュエル・アイムがラモーとヘンデルを指揮
(日本時間4月24日午前3時)

ヘンデル:コンチェルト・グロッソ ト長調 Op. 6-1, HWV 319
水上の音楽 組曲第1番ヘ長調 HWV 348
水上の音楽 第3番ト長調 HWV 350
ラモー:舞台作品からの器楽組曲

指揮:エマニュエル・アイム


 今シーズン最後の定期演奏会では、フランスの古楽系指揮者エマニュエル・アイムがラモーとヘンデルのプログラムを演奏します。アイムは2008年3月にベルリン・フィルにデビューしており、今回が2回目の客演。女性指揮者として国際的に活躍する彼女の演奏に期待が掛かります。  また生中継の前日から、ハーサルの模様を無料でご覧いただけます。詳細はこちらから。

放送日時:6月24日(金)午前3時(日本時間・生中継)

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 ベルリン・フィル2011/12年シーズン記者会見

 5月30日、ベルリン・フィルハーモニーでは、2011/12年シーズンの記者会見が行なわれました。ここでは、サー・サイモン・ラトルが新シーズンのプログラムについて、芸術監督の立場から解説を加えています。ここでは、その模様の映像でご覧ください。

サー・サイモン・ラトル
 非常にたくさんのテーマがあります。まずマーラー・ツィクルスが完結されます。交響曲第7〜9番と、《大地の歌》ですね。どの回も、興味深い連想を喚起する曲とコンビになっています。ラッヘンマンの《オーケストラのためのタブロー》と交響曲第9番が一緒に演奏されるのは、ラッヘンマンのノイズを含んだ音響世界が、マーラーのそれと非常によく呼応すると思われるからです。また、タリスの40声のモテットと交響曲第8番の組み合わせもそうです。マーラーはタリスの曲を知りませんでしたが、《一千人の交響曲》は、同じ世界から来ていると思います。他にもシーズンを貫く赤い糸があります。例えば“1890年代”が大きなテーマです。単に世紀末、という意味だけではなく、音楽において大きな変化が起こり始めた時期、という意味ににおいてです。この時期には《英雄の生涯》や〈新世界交響曲〉のような傑作が書かれています。(これらは客演指揮者によって演奏される予定ですが)私自身はブルックナー交響曲第9番の4楽章版を指揮することを楽しみにしています。3人の音楽学者が25年以上掛けて作ったヴァージョンです。非常に説得力のある版だと思いますし、ブルックナーが第3楽章の後に何が言いたかったのかを考える上で、重要な試みです。またブルックナーが1890年代に、どれだけシェーンベルクに接近しているかが分かります。私はヴォルフの合唱曲を演奏するのも楽しみにしています。これは最近になってようやく演奏会のレパートリーに取り入れられるようになった作品群です。同時にこの時代の室内楽作品〜有名なものも、レアなものも含めて〜を集中的に取り上げます。
 もう1つ重要なテーマは、イギリス音楽です。これはほとんど偶然にできた重点なのです。というのは、多くの指揮者が自分からそれをやりたいと言ってきたのです。ラニクルズは“エルガーの交響曲第1番をやらせてくれ”と言ってきましたし、バレンボイムも電話で“実はずっと前から《ゲロンティアスの夢》をやりたいと思っていたんだよ”と言ってくれました。またビシュコフは、ウォルトンの交響曲第1番を指揮します。この曲は、イギリスにおける戦前最大の交響曲ではないでしょうか。さらにジョナサン・ハーヴェイの大作《世界のエトス》を初演します。これは私にとっては、個人的な背景を持つ企画です。というのは、我々のオーケストラ代表で最近亡くなったヤン・ディッセルホルストがスイスの神学者ハンス・キュング知っていて、彼にオラトリオのリブレットを書くように問いかけたからです。ヤンと私はハーヴェイに作曲をお願いすることにしました。というのは彼こそは、現代において最も“汎ヨーロッパ的”で、スピリチュアルな精神を持ったイギリス人作曲家だからです。この作品では、世界の5大宗教が問題となっています。今日会場には、キュングさんがいらっしゃっていますが、私たちは、この曲を演奏できることを、非常に楽しみにしています。
 もうひとつ重要なテーマは、ベリオです。彼は亡くなった後、あまり演奏されていないような気がしてなりません。しかし20世紀後半から21世紀初頭にかけての非常に重要な作曲家なのです。今回彼の《セクエンツァ》を取り上げますが、この作品はソロ楽器や声のためのシリーズとして、過去50年で最も重要なものと言えるでしょう。それはベルリン・フィルのメンバーが演奏するのに、極めてふさわしいものだと思います。
 ベリオのコンテクストで新しい企画として言及に値するのは、レイト・ナイト・コンサートです。これは普通の定期演奏会の後、夜10時半から行なわれるもので、3プログラム全5回あります。そこで必ずベリオの《セクエンツァ》が1曲演奏されるのです。それ以外にも、夜、気楽な雰囲気で聴くのにふさわしいHKグルーバーの《フランケンシュタイン!》(私がずっと前に初演した曲です)、ベリオの〈フォークソング〉、リゲティの《アヴェンテュール》(20世紀で最も可笑しな作品のひとつ)等が取り上げられます。定期演奏会のお客さんには、そのまま追加料金なしで残っていただき、またこのプログラムだけを聴きたい人には、大変安価なチケットを準備して聴いていただきたいと思っています。
 来シーズンは、ベルリン・フィルのソロ奏者が協奏曲の演奏で活躍するシーズンでもあります。管楽器はもちろん、3人のコンサートマスターがコンチェルトを弾くことが話題を呼ぶでしょう。
 オペラは、2本準備されています。ザルツブルクで予定されている《カルメン》と、《ワルキューレ》の演奏会形式上演です。
 デビュー指揮者について。先シーズン、デビューしたネルソンスとネゼ=セガンが再登場するのに対し、初登場する人は、ひとりしかいません。スペインのパブロ・ハラス=カサドです。彼はフライブルク・バロック・オケーストラとアンサンブル・アンテルコンタンポランに定期的に出演していますが、デビュー演奏会で選んだ曲目は、何とメンデルスゾーンです。きっと面白い方に違いありません。
 ジルベスター・コンサートについては、楽団内で“ベルリン・フィルは他のオーケストラのウィンナー・ワルツに対して、独自のトレードマークを持つべきだ”という意見がありました。そして、ワルツ以外のダンス音楽を継続的に扱う、という考えに至りました。これに加えて、毎回ひとり著名なソリストを迎えます。今年は、エフゲニー・キーシンが、長いブランクを経てベルリン・フィルに再登場し、グリーグのコンチェルトを演奏します。

記者会見の模様を観る

 ドイツ発最新音楽ニュース

本コーナーでは、ドイツおよび欧米の音楽シーンから、最新の情報をお届けします。

2013年以降のザルツブルク・イースター音楽祭におけるオペラ公演は、ティーレマンとドレスデン・シュターツカペレ!
 2013年より、ザルツブルク・イースター音楽祭の新しい芸術監督にクリスティアン・ティーレマンが就任することになった。加えてドレスデン・シュターツカペレがオペラおよびコンサートで演奏。演出は、ドレスデン・ゼンパーオーパーと共同で制作される。これは、2週間の交渉の後、急速に決定されたという。  契約は5年だが、この期間には、2017年のザルツブルク・イースター音楽祭50周年記念祭も行なわれる。これまで通り、オペラのプロダクション1つとコンサート・プログラム3つが上演され、ティーレマンはオペラとコンサート2プログラムを担当する。初年度のオペラ公演は、《パルジファル》の新演出。また、室内楽演奏会も同時に行なわれる。  2013年の演奏会プログラムの1つは、チョン・ミュンフンが担当する。チョンは、2012/13年シーズンより、ドレスデン・シュターツカペレの第1客演指揮者に就任するという。また復活祭会員券の他に、「ザルツブルクのためのコンサート」という演奏会が設けられる。これは値段を下げ、ザルツブルク市民がコンサートを聴く機会を与えるためのものである。また、オペラの演出は、ザルツブルクでのプレミエ後、ドレスデンでも上演される(写真:クリスティアン・ティーレマンとドレスデン・シュターツカペ©Staatskapelle Dresden/Matthias Creuziger)。

次号の「ベルリン・フィル・ラウンジ」は、2011年7月8日(金)発行を予定しています。

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