HMVインタビュー:Jason Derulo

2010年3月10日 (水)

interview

Jason Derulo

ジェイソン・デルーロ オフィシャル・インタビュー
質問・文  二木崇(D-ST.ENT)

僕が聞くCDの中には、飛ばしても構わないような埋め合わせの曲が入っているアルバムが沢山ある。そういうアルバムにはしたくなかったんだ。

--- 「Whatcha Say」をJ.R.(J.R.ロテム)と作った時に“マジックが起こった!”と後日言われてましたが、その時のスタジオでの様子を少しだけ再現してください。

「Whatcha Say」を作った時は、別に他の曲を作った時と変わりなかったんだ。J.R.がすでにこの曲のビートを作っていて、完全に完成はしていなかったんだけど、ほぼ出来上がっている状態だった。イモージェン・ヒープのサンプルも2人とも好きだったしね。それで僕はブースに入って、まずメロディを書いたんだ。コンセプトは頭の中にあったから、それを出したんだよ。兄貴が浮気して僕に電話してきた時のことを思い出してリリックを書いたんだ。その時は2人とも、これがシングル曲になるとか考えてなかった。そんなことは全然考えずに、ただいつもと同じように曲を作ったんだよ。J.R.はその時からマジカルな曲になった!と言ってたけどね。でも、「Whatcha Say」はメインコースの前のアペタイザー(前菜)っていう気がしているんだ。このアルバムには、本当にクールな曲が沢山入っているからね。

--- では、全米1位という結果や、欧州、日本などでの反応などはその時、予想できなかったと?

全くなかったね。僕にはそういう判断はできなかったから。僕はただ音楽を作っているだけで、それを自分で評価しようとはしないんだ。だけど、皆がこれだけ僕の音楽を受け入れてくれて、本当に嬉しく思ってるよ。本当にエキサイティングだよ。

--- この曲にはピアノ・ヴァージョンの他、数々のダンス・リミックスが出てますが、中でもお気に入りは?日本盤にはボーナスで4ヴァージョン、プラスされますが。

えーと、「Wa Wa」(リミックス・ヴァージョン)かな。お気に入りはそれだね。僕の耳にすごく残ったんだ。

--- 「Whatcha Say」のブレイクの直後にタイガー・ウッズの浮気報道が起こって、日本ではあなたの曲がニュースで使われて、この曲のヒットにもつながったわけですが・・・。

YouTubeにもこの曲のタイガー・ウッズ・リミックスとか上がってたよね。クレイジーな話だよ(苦笑)。正直言って僕は皆がタイガー・ウッズに注目し過ぎだと思うよ。浮気は本当に本当に酷いことだけど、世界では誰かのプライベート生活を気にするよりも、もっとずっと重大なことが色々起こってる。でも、浮気は酷いことだ。「Whatcha Say」は浮気をしちゃった兄の曲なんだけど、その兄も彼女とよりを戻して、婚約したんだ。僕の曲を使ってくれたのはクールだね。

--- アルバムは実際、「What If」などのバラードを含めてシングル向きの完成度が高い曲ばかりですね。制作するに当たって、どんなことに最も気を配りました?バラエティに富みながらも、タイトに曲数も絞った感じですが・・・。

そう。バラエティに富んでるんだ!一番重要だったのは、アルバムの全ての曲を、その前の曲とは違うものにすることだったんだ。一曲毎に、新しい発明をしたかった。そして全曲、それぞれに独自の曲になるようにしたかった。僕が聞くCDの中には、飛ばしても構わないような埋め合わせの曲が入っているアルバムが沢山ある。そういうアルバムにはしたくなかった。僕は音楽ファンだから、僕自身が消費者でもあるんだ。だからプレイしたら、最後まで本当に楽しめるような、どの曲もお気に入りになるようなCDが大好きなんだ。僕はそういうアルバムを作りたかった。そして、この先何年経っても楽しめるような、タイムレスなアルバムを作りたかった。ゲストもあえて入れずにね。プロデューサーも J.R.だけだし。オールドスクールなスタイルの制作方法かも知れないけど、それがデビュー作に一番相応しいと思ったんだ。コラボとかは次のアルバムからやるよ。

--- 2ndシングル「In My Head」はPVでのダンスも印象的ですが、このコリオグラフは?

いや、ケヴィン・メイハーっていうコリオグラファーが振りつけを考えてくれたんだ。僕もコリオグラフには関わってるけど、僕がアイデアを彼に伝えて、そこから彼が作ってくれるんだ。だから、彼と一緒にやってるんだよね。僕がコリオグラフした色々なポーズも入ってるんだけど、それはフリースタイルでやったんだ。

---特に注目して欲しいポイントは?またPVの出来には満足いってますか?

このヴィデオでは僕のダンスをもっと見てもらえるから、そこが気に入ってる。ヒップホップだけじゃなく、バレエ、ジャズとか色々習ってきたから、そういう僕ならではのブレンド感を味わって欲しい。音にあわせてフリースタイルで踊ったりして、すごく楽しい撮影だった。外の撮影でかなり寒かったんだけど、それ以外は楽しくて、クールだったよ。

---次のシングルをどれにするか、決まりましたか?

いや、まさにこれから決めようとしているところなんだ。すごく決断が難しいんだよね。サード・シングルはスローにするべきか、またアップテンポにするべきか、本当に難しくて、かなり慎重に選ぼうとしているところなんだよ。

---じゃあ今の気分で(仮)に決めてください。

(笑)全く分からないんだよね。教えてあげたいんだけど、本当に分からないんだ。どの曲にも、それぞれに良さがあると思うし、だからどの曲もシングルになる可能性があるんだ。それだけ、いいアルバムができたってことかな

---J.R.やベルーガ・ハイツ(J.R.が設立したレーベル)の仲間についてコメントしてください。

J.R.はすごくいい友人だよ。知り合ったのは、J.R.がソングライターを探していて、彼の弟がMySpaceで見つけたらしいよ。 僕はバードマンの「Bossy」を書いたり、ピットブルの「My Life」にシンガーとして参加してたり、バッド・ボーイの仕事もしていたから、その流れで知ったんじゃないかな? その前にアポロ・シアターのアマチュア・ナイトの伝説の舞台でチャンプになってね。光栄だったけど、その直後は・・・恐ろしいほど何も起こらなかったね(笑)。みんなそんなもんじゃないかな?

僕はマイアミ生まれ・育ちなんだけど、J.R.に呼ばれてLAに引っ越したんだ。僕達は最高のチームって感じだよ。音楽的にもすごく共通する部分がある。彼も僕も学校でクラシック音楽とジャズを学んできたし、僕達はヒップホップ・ソングからポップ・ソングまで作れるんだ。だから音楽面ですごく似ているし、彼と一緒に色々と実験的なことをやって、色々なジャンルに踏み込んでこの新しいポップ・サウンドを創造するのは、すごく楽しかった。スタジオでのJ.R.はすごく面白くて、よく冗談を言うんだよ。アウォード・ショウなどには行かない人だけど、スタジオでの彼は本当に楽しくて、いつも楽しい時間が過ごせるんだ 。

ベルーガ・ハイツには アイヤズという男性アーティストがいて、「Replay」っていう曲を僕が共作したんだ。「Solo」って曲も共作したよ。彼はクールな奴だね。それからマンっていう18歳の男もいて、背が低くて、レーベル内で僕の弟みたいな感じなんだ。彼とは「Text」っていう曲を一緒に作ったんだけど、彼のアルバムのファースト・シングルになるんだ。それからオーバーンっていう若い女性アーティストもいる。あ、あとショーン・キングストンもね!すごくクールなファミリーだよ。