【インタビュー】Akira Kosemura pt.3

K 　『polaroid piano』を作って『grassland』を作り終えて、今何を考えているかというと、瞬間的に生きている音というか、剥製ではない、生きた音楽に興味があるんです。 毎日、気温とか天候とか自分の体調とかいろんなものがあって、その日にしかできない演奏とか、その日にしか出てこないフレーズとか、そういう所にすごく魅力を感じているんです。今ちょうどヴァイオリニストの方やギタリストの方とスタジオに入ってセッションしていて、そうすると、やっぱりその日にしか鳴らない音っていうのがたくさんあって。 それは一人でピアノを弾いていても同じことで、いまはそういう、音楽そのものが生きているような感覚に興味があるんです。 だから次に何かアルバムを作るとしたら、スタジオセッションかライブレコーディングか、その時その場所でしか鳴らないような音をレコーディングしてみたい。 でも現時点でレコーディングを考えているわけではなくて、まずはそういう音楽をもっと試してみたいと思っています。

K 　面白いですね。本当に。

K 　そうですね。誰かが盛り上がってきたら、ちょっと引いたりとか、逆に合わせていくとか。生の音楽って音の波が出来ますよね。その感覚がすごく心地いいなと思っていて。

K 　ジャズのライブアルバムとか聞いていると飽きないですよね。毎回発見があるというか。

K 　そうなんですよ。なんか、音楽が生きてるなぁって思うんです。生きてるから何回聴いてもいろんな発見があるっていうか。

K 　そうですね、いまピアノソロの曲をたくさん書いているのでそれを演奏してみたいのと、ピアノをベースにしたトリオ編成の演奏もしてみたいですね。ピアノソロでしか出せない繊細な表現と、トリオ編成じゃないと生まれない大胆な音のうねりのようなもの、両方をやってみたいなと思っています。

K 　5月頃にレーベルのコンピレーションをリリースしたいと思っています。ゲストアーティストは入れないで、これまでscholeからリリースしたアーティストの皆さんがそのままの名義で書き下ろした曲を収録する予定です。 最初のコンピレーションを発表してからそろそろ丸3年になるので、その3年間をまとめる意味でも、アーティストの皆さんそれぞれの「今、鳴らしたい音」を一つにコンパイルできたらと思っています。