HMVインタビュー:FOESUM

2010年1月28日 (木)

interview

FOESUM

インタビュー:升本 徹  通訳:Takashi Kikuchi

ファン、音楽、そして自分達に対するLoyalty(誠意、誠実さ)とRespect(敬意)を持ち続けることが大切だってこと。つまり、俺たちと一緒にやって来た、俺たちについて来てくれた人達に対して背を向けないこと。そして長い間FOESUMとして活動してきた自分達同士に対しても。

--- 前作『U Heard Of Us』から4年ぶりのアルバムとなりますが、この4年強の間はどのような活動をしていたのでしょうか。またなぜリリース期間が空いてしまったのですか?

T-Dubb(以下T):4年間活動してなかったわけじゃなくて、色々な事をしていた。MNMSTAのソロ・アルバム『Here For A Reason』とFoesumのDVD、リミックス・アルバム『G-MIXES』をリリースしたり、たくさんのヨーロッパのアーティスト達の作品に参加したりしていた。

MNMSTA(以下M):ずっとアルバム制作も並行してきて、ニューアルバムに見合った良い曲を探していたんだ。 ベストな物をファンに提供したくて、そのためには何が必要かを考える時間や、アルバムに関わる人間を選ぶ時間が必要だった。

--- 08年にベスト盤『Still Runnin’ Game – Best Mellow Collection』がリリースされ、久々の来日も果たしましたが、そのことが今作の制作に何か影響を与えていますか?

M: 影響がある無いというより、音楽を制作するのが好きで作り続けているけど、来日はすごく意味のあるものだと思ったよ。たとえば日本のファンは、ハードな曲よりは、「In The Wind」みたいなメロウなクルージング・ミュージックが好きなんだと実感した。

T: いつも日本のファンから愛を貰っている。新しいファンからも、昔からのファンからも。 去年日本へ行った後、FOESUM名義のアルバムを作るつもりだったところにソニー・ミュージックからのオファーがあり、そして日本のファンからのLoveで今回のアルバムは実現したんだ。去年のツアーで久しぶりに日本のファン達に会えてよかった。ファンのみんなへ俺たちからはニューアルバムでお返しだ。

--- 来日時にうかがった時は、「新作は『Perfection』のようなアルバムになる」という話でしたが、実際はどのようなプランの元で制作したのでしょうか。また、今作のコンセプトがあれば教えてください。

M: タイトル通り「Loyalty (誠実) 」でいること。150%のクォリティーの音楽をドロップするということ。

T: さっきMNMSTAも言ったけど、日本のファンはメロウでスムーズな曲が好きなんだと知ったんだ。もともと俺たちのサウンドはGファンクが多かったし、やっぱりファンが求めている音楽を作りたいとも思った。『Perfection』はやはり最も評価の高かったアルバムだし、あのアルバムのようなGファンク、スムーズな楽曲を意識して作ってみようと思ったんだ。

--- またアルバム・タイトル『Loyalty & Respect』に込められた意味を教えてください。

T: ファン、音楽、そして自分達に対するLoyalty(誠意、誠実さ)とRespect(敬意)を持ち続けることが大切だってこと。つまり、俺たちと一緒にやって来た、俺たちについて来てくれた人達に対して背を向けないこと。そして長い間FOESUMとして活動してきた自分達同士に対しても。自分の周りの人間を悪く言わないことが、自分達にリスペクトとして返ってくるとも思っている。

--- 今作にはDJ GLAZEが参加していませんが、その理由を教えてもらえますか。

T: GLAZEは今、家族と過ごすことを望んでいるんだ。MNMSTAと俺は音楽を作り続けていたいし、日本のファンにニューアルバムを約束したから、今回はこういう形になったけど、決してメンバーから外れたわけじゃない。また彼が音楽に戻ってきたら一緒にやるさ。

---彼が参加していないことが、制作面で何か影響を与えることはなかったのでしょうか。

M: 特に無かったね。今までもたくさんのプロジェクトで色々なプロデューサーと仕事してきたし、これまでの作品もGLAZEだけが手掛けていたわけじゃないからね。 今回のアルバムにも、今まで仕事をしてきたプロデューサーが変わらず参加してくれて、GLAZEと同じように俺たちの音を作ってくれたよ。

T: 少し制作面で違いはあったけど、基本的にいつも通りさ。 参加したMC EihtにTwinz、Bo-RocにTwo-Jらは、みんな近いファミリーだし。ヨーロッパのビッグなプロデュサーKayseとはもう4年ほど仕事してきているしね。今回GLAZEは参加して無いけど、聴けばこれはFOESUMのアルバムで、Gファンクのクラシックだというのが分かるよ。 

--- 今作ではLOOPSがメインでプロデュースを担当していますが、彼は『Long Beach City Limits』を手掛けてたL'Sですか?彼との関係や、彼がどのような活動をしている人物なのか教えていただけますか。

M: そう、あのLことLOOPSだ。あのアルバムでは俺達はエグゼクティブ・プロデューサーだった。

T: 彼はロングビーチ出身の新進プロデューサーだ。昔から知っているホーミーだね。彼は最高のロングビーチ・サウンドをつくるんだ。

--- またLOOPSをメインで起用した理由を教えてください。

M: 彼はもう、俺達が何を求めているかを知っているからね。

T: 今回の作品の大半は彼のスタジオでレコーディングしたんだ。今回俺たちは彼に、彼が“何ができるか”を世間に知らせるチャンスをあげたんだ。ロングビーチには、名も知れずに、でもドープなサウンドをつくる天才たちがうじゃうじゃ眠っているんだ。

--- LA在住の日本人のDJ 2HIGHが2曲を手掛けていますが、彼とはどのように知り合ったのですか?また、彼がLAのシーンにおいてどのようなプロデューサーなのかも教えてください。

T: いい質問だね。そういやいつどこで会ったんだっけ?

M: 確か共通の知り合いがいて、出会ったんじゃなかったかな。 彼は色々なアーティスト達に知られている。DOGG POUNDまわりのアーティストや、ウェスト・コーストのやばい奴らは結構みんな知っているんじゃないかな。

--- 「I Like Em」ではTWO-Jがプロデュースを担当していますが、この曲はどのような経緯で、どのように制作されたのでしょうか。

T: 去年の日本ツアー中にTWO-Jのホームに行った時、昔からの友人のGONO(House of playerzの郷農氏)のMO‘BOUNCEスタジオへ寄ったんだ。そこでTWO-Jがこのトラックを聴かせてくれた。そしたら、即ドープなコンセプトが浮かんできた。TWO-Jがドープなトラックを作って、俺らがドープなリリックを書いて、そして、スーパードープな曲になったってわけさ。この曲はその場でレコーディングまでされたものなんだよ。この曲はまさにFOESUMのアンセムだ。

--- BO-ROCとの「Summertime」は特に古くからのFOESUMファンから指示を得そうなキラー・トラックだと思うのですが、これはイントロでも語っているとおりDOVE SHACK「Summertime In The LBC」の続編的な曲なの でしょうか?「In The Wind」しかり、BO-ROCとのジョイントは自身でも格別だと感じますか?

T: その通り、彼はドープだね!いつだろうが、どこだろうが、どんなタイプのトラックだろうが、彼はいつもFOESUMの為の仕事をしてくれるんだ。

M: 俺たちと彼の間には最高のケミストリーが生まれるんだ。 この曲をかける時には、バーベキューの準備をしておいた方がいいぜ(笑)。

T: 彼とはいつもつるんでて、スタジオ・ワークの後もそのまま一緒に楽しんだりしているよ。

--- ここ最近、DEATH ROWの未発表音源がネット上に多く出回っていてFOESUMの音源も出回っているようですが、その当時の今だから話せる秘話があったら教えてください。

T: スヌープと演ってお蔵入りになった曲とか?どこの誰が音源を流出させているか知らないが、過去のことは過去のこと。俺たちはもう違うページにいるんだ。いまさらDEATH ROWやスヌープのことを話しのネタにしたくはないね。

--- 何か日本のファンにメッセージをお願いします。

T: ‘96年(デビュー)当時からLoyalty & Respectを大切にしてきた。昔から違う人達と出会って仕事しても、いつも良くしてくれる。ソニー・ミュージックも良い仕事とサポートをしてくれている。ニューアルバムを手に入れてくれ!聴いたら驚くぜ。

M: これからも色んなプロジェクトを進めていくぜ。たくさんの愛に感謝してる。良いアルバム、自信作だ。

*備考: 今回はFINGAZZやTONY‐Gの参加もあり、特にウエストコーストラップのゴッドファーザーTONY‐Gによるミックスダウン(FOESUMとTONY-G(G-SPOT STUDIO)が一緒に仕事をするのは『Perfection』以来。 FINGAZZは超多忙の中、特別にHomie Deal(仲の良いもの同士、強い知り合いなどのための特別扱い)で曲をビシッと締めてくれた。

新譜Loyalty And Respect
あのウェッサイ名盤への完全回帰! 西海岸最後の大物、フォーサムの約4年ぶりとなるオリジナル・アルバムが登場!コンセプトは『Perfection』の再現-歴史的名盤と名高いフォーサムのデビュー・アルバム『Perfection』を彷彿とせるメロウ&スムースなサウンド・プロダクションを中心に、日本人が最も好むウェッサイ・ミュージックへの回帰を果たす。地元からはLBCを代表するWayniac(Twinz)やBo-Roc(The Dove Shack)など説明不要なウェッサイ・レジェンドを、そして日本からはDS455やTWO-Jらシーンを先導するトップ・アーティストを迎え、夢の日米ウェッサイ・コラボを実現した。新たなるウェッサイ・クラッシック、ここに完成!