訃報：テディ・ペンダーグラス

2010年1月14日 (木)

1970年から80年代にかけて、多くのヒットを飛ばしたソウル･シンガーTeddy Pendergrassが1月13日、59歳という若さで亡くなりました。

1950年3月26日、フィラデルフィア出身。1971年にHarold Melvin & The Blue Notesのリード･シンガーとなり、ファースト･シングル「I Miss You」、72年の大ヒット曲「If You Don't Know Me by Now」や75年の「Wake Up Everybody」など数々のヒット曲を飛ばし、フィラデルフィア・ソウル全盛期を支えた存在です。

75年にグループを脱退し、翌年ソロ転向。77年にはセルフ･タイトル『Teddy Pendergrass』でデビュー。そのエモーショナルで雄雄しい歌声とセクシーなラブ･バラッドで世界中の女性を魅了し、セックス･シンボルとして一時代を築いたTeddy。「Close the Door」、「Turn Off the Lights」、「Can't We Try」、「Love T.K.O.」、 Stephanie Millsとの「Two Hearts」やWhitney Houstonとのデュエット「Hold Me」・・・など、本当に数えきれないほどの名唱を残してくれました。日本でもテディペンという愛称で親しまれ、「Do Me」がドリフターズのヒゲダンスに流用されたことでも知られております。また若い世代からの支持も熱く、多くのアーティストが彼の楽曲をカバーしています。

82年には自ら運転するロールスロイスで交通事故を起こし、下半身不随に。その後車椅子生活を続けながらも音楽シーンに復帰。 06年には引退するまで活動を続けていました。

息子の Teddy Pendergrass IIによると 8ヶ月前に結腸がんの手術を受けたものの、回復することなくフィラデルフィアの病院で亡くなったとのことです。心からご冥福をお祈りいたします。

Harold Melvin & The Blue Notes「I Miss You」

オフィシャルサイト

バイオグラフィー

セクシー、メロウ、吐息、グルーヴ・・・　フィリー・ソウルの帝王、テディ・ペンダーグラス。1950年フィラデルフィア生まれ（本名セオドア・ペンダーグラスJr.）。幼い頃から、教会のゴスペル・クワイアーに加わり、10歳の時には聖職者として認められるほどの存在であったという。10代の頃は、地元のグループ「キャディラックス」でドラムを担当。その後、1970年「ハロルド・メルヴィン＆ザ・ブルー・ノーツ」にドラマー兼バック・ヴォーカルとして加入したものの、そのセクシーでスケールの大きなヴォーカルが女性を中心に人気が高まっていき、最終的にはリード・ヴォーカルに抜擢される。グループは1972年にレコード・デビューし、「二人の絆」(If You Don’t Know Me By Now)が全米3位（R&B:1位）を記録するなどヒットを連発し、フィラデルフィアのPhiladelphia International Records (PIR)を中心に隆盛を極めたフィリー・ソウルの牽引する人気グループとなった。1976年、テディはソロに転向し、引き続き「クローズ・ザ・ドア」(Close The Door/1978),「灯かりを消して」(Turn Off The Lights/1979),「ラヴ T.K.O.」(Love T.K.O./1980)などヒットを量産。長身で端整なルックスと、野性味あふれるセクシーなバリトン・ヴォイスは女性を中心に熱狂的なファンを生んだ。（コンサート会場では、ステージに女性のランジェリーが投げ込まれたという話があるほど）　頂点を極めていた1982年、車を運転中に交通事故を起こし、車椅子の生活を余儀なくされる。それでも音楽シーンにカムバックし、PIRからElectra/Asylumに移籍し、2000年代までレコーディングやコンサートなどを続けていた。2010年1月13日、フィラデルフィア郊外の病院で亡くなった。享年59歳。日本でも、女性はもちろん、熱心なソウル・ファンまで人気が高く、“テディ・ペン”の愛称で呼ばれた。ザ・ドリフターズのテレビ番組「8時だョ!全員集合」のなかで志村けんと加藤茶が披露して人気になった「ひげダンス」のBGMは、テディ・ペンダーグラスの「ドゥー・ミー」(Do Me/1979, “Teddy”収録)をアレンジしたものとして知られている。
メーカー資料より

テディペン代表作

『Teddy Pendergrass』　（1977年）

記念すべきソロ・デビューアルバム。都会人の哀歓をうたう魅力溢れる作品。落ち着いた男の魅力を漂わせる曲をしっとりと歌うテディ、30歳。
『Life Is a Song Worth Singing』　（1978年）

レディ・キラーとの異名を持つセクシーなバリトン・ヴォイスとハートフルで力強いヴォーカルは後世に残る偉大な遺産。大ヒットシングル「Close The Door」収録。
『Teddy』（1979年）

ヒット曲「Turn Off The Lights」、「ヒゲダンス」のオリジナル「Do Me」収録。バラードの歌唱法はよりオリジナルに。必携の1枚。
『Live! Coast to Coast』＆『TP』（1979年＆1980年）

LAとフィラデルフィアでのライブ録音『Live！～』と翌年発表の4thのカップリング。前者は当時2枚組で発売された。後者はテディ節炸裂の名曲「Love T.K.O.」収録。
『It's Time for Love』＆『This One's for You』（1981年＆1982年）

シグマ録音でこれまでどおりのギャンブル＝ハフ路線の前者と、制作陣を追加し変化にとんだ後者。

Harold Melvin & The Blue Notes（テディペン参加作）

『Harold Melvin & Blue Notes』　（1972年）

リード・ヴォーカルにテディ・ペンダーグラスを迎え、72年に発表したベスト・セラー・アルバム。大ヒット「If You Don't Know Me By Now」「I Miss You」「Be For Real」などテディのセクシー・ヴォイスとギャンブル＝ハフの曲の究極のコラボレーション。
『Black & Blue』　（1973年）

このグループを代表するヒット曲「Love I Lost」を収録、バラードでも新境地を開き、スタンダードの「Cabaret」を歌うなど彼らの良さが発揮されたセカンド。
『Wake Up Everybody』（1975年）

テディ参加最後のアルバム。タイトル曲「Wake Up Everybody」はスマッシュヒットを記録。またThelma Houstonのディスコヒット「Don't Leave Me This Way」も収録。

テディペン・カヴァー

「Close the Door」
・Boyz II Men
・Montell Jordan
・Kenny Lattimore / Chante Moore
「Love T.K.O.」
・Regina Belle
・Daryl Hall & John Oates
他

テディペン・サンプリング

「And if I Had」
・Devil's Pie / D'Angelo
「Close the Door」
・In The PJ's / Big Daddy Kane 「When Somebody Loves You Back」
・Feels Good / Cam'ron feat. Usher
「Come Go With Me」
・My Place / Nelly
「Set Me Free」
・Still / Jennifer Lopez
「Can't We Try」
・Camay / Ghostface Killah feat. Raekwon and Cappadonna
「Love T.K.O.」
・Can I Kill It? / Compton's Most Wanted
「You're My Latest, My Greatest Inspiration」
・Higher / Do or Die feat. Kanye West