好戦的な言動と行動でヒップホップ・シーン最重要危険人物として警戒され続け、多くの敵を作りながらもヒップホップの歴史に強烈な爪痕を残してきた50 Cent。何度かの延期を経てリリースされたこの4thアルバムの発表前後もビーフの相手であるRick Rossに対して卑劣ともいえる攻撃を連発。まるで、ヒップホップ・シーンを本当に「ゲーム」として楽しむしか生き抜いていく方法がないかのようにも見え、アルバムにもそんな50の今の現状があらわれているように思うのは私だけだろうか。プライベートな面を表に出した前作『Curtis』とは対照的に、ニューアルバムは『自我崩壊の日。』と非常に攻撃的で、いかにも50らしい。劇画調な側面は変わらないものの、Eminem最新作にも通じるダークさが全体を覆っている。そんな中、Ne-Yoと共演した「Baby by Me」と、続くGovernorがソウルフルなフックを歌うRockwilderプロデュースの「Do You Think About Me」は、スラム街に一瞬訪れる安らぎの時間のような際立った存在感を放つ。プロデューサーはTy Fytffe、Dr Dre、Mark Batson、Tha Bizness、Havoc、DJ Khalilなど。