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1 people agree with this review 2021/03/17
イベールのCDのリリースが最近増えている。お陰で寄港地以外見るべきものがないというイメージを払拭しつつあると感じる今日この頃だが、50年近く前に先陣を切って寄港地以外の作品の作品を取り上げたのがマルティノンであった。 皇紀2600年記念式典のための「祝典序曲」だが、このマルティノン盤が世界初録音である。良くも悪くも捉えどころのないイベールらしい音楽が初っ端から展開され、最後は一応盛り上がったりもするが、全体として祝典的な雰囲気はどこへ行ってしまったのだろうという気持ちにさせられる。 目玉の寄港地はデュトワと比較してしまうとやや弦楽セクションの響きが硬いような気もするが、十二分に地中海の雰囲気を味わうことができる。 そして珍曲「架空の愛へのトロピズム」である。もちろん世界初録音で、初演をマルティノンが振ったという縁からこの曲を録音したのだろうが、未だにマルティノン以外の盤の録音がないというオマケ付き。調べると9楽章からなるディヴェルメントのような楽曲で、いろいろな音楽の要素を取り込んでいるらしいが、正直色々な要素が25分程度の曲に詰め込まれすぎていて、ごった煮のようになってしまっていて曲に統一感がない。統一感がないのがイベールの特徴の一つともいえるので、仕方ないと言えば仕方ないのだが。これはもう演奏家が悪いとかではなく、楽曲がそのようなものだからとしか言えないのではないだろうか。このような楽曲を50年以上も前に録音したマルティノンには先見の明があったといえる。寄港地以外の楽曲の出来自体は大したことないが、この録音の歴史的意義とマルティノンの先見性を評価して五つ星とさせていただく。
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0 people agree with this review 2021/03/17
バルトークの声楽作品は基本的にハンガリー語で歌われることを前提としているためか、なかなか取り上げられる機会も少なくCDも多くない。しかしバルトークの民謡編曲作品は、主にピアノ独奏曲と声楽曲という2つのジャンルに多くの作例が見られる。この民謡編曲が、作曲家バルトークの技法の発展に大きな役割を果たしているという事実を鑑みれば、彼の声楽作品もやはり無視することができないというのが自然な結論であるといえる。 この盤に収録されている作品の中では、27の合唱曲から7つの曲を選んでオーケストラ伴奏をつけた作品が面白い。演奏もバルトークの作品に対する意気込みが強く感じられる。
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ノックレベルクによるグリーグピアノ曲全集第4弾は、「ホルベアの時代から」や「スロッテル」などを収録している。管弦楽版がよく知られる「ホルベアの時代から」は、ベルゲン出身でデンマークで活躍した作家・劇作家ルズヴィ・ホルベア(1684-1754)の時代に流行した様式で書かれた作品である。バロックの時代へのオマージュという点ではラヴェルのクープランの墓と類似しているのかもしれない。この盤で初めてこの曲のピアノ版(もともとはピアノのために書かれた作品)に触れ、何回か聴いているうちにもしかしたらピアノ版の方が管弦楽版よりもいいかも知れないと思えるようになった。 「スロッテル」はフィドルで演奏されるノルウェー農民の舞曲をピアノ用に編曲したもので、その大胆なリズムはバルトークの15のハンガリー農民の歌を思い出させる(余談だがバルトークは生前ソ連への演奏旅行時にハンガリーのグリーグと紹介されている)。 ノックレベルクの演奏はさすがスペシャリストだけあって、説得性があるし、彼が執筆した解説も専門家だけあって多くのことを我々に教えてくれる。
ノックレベルクによるグリーグのピアノ曲全集第2弾は、ノルウェー民謡を編曲した作品が収められている。25のノルウェーの民謡や19のノルウェー民謡など、グリーグは小品でこそメロディメーカーとしての才能を発揮しているように思う。若かりし頃、同世代のスヴェンセンの交響曲を聴いて自身の交響曲を封印したというエピソードがあるが、自身の適性が小品にあることを理解したからこその決断だったのではないかと思う。ノックレベルクはグリーグのスペシャリストとして著名なピアニストで、自らこのCDの解説を書くなど音楽学者としての顔も併せ持つため、演奏の説得性が極めて高いように思う。
リストの「荘厳ミサ曲」は、1856年にハンガリーのエステルゴムで初演された作品ではある。後に新教皇の就任のお祝いとして、当時のピウス9世にも送られている。 リスト自身はこの荘厳ミサ曲を最も好きな作品の一つで、自身が生み出した最上の作品であると述べているが、いかんせん演奏ないしは録音される機会が極めて少ない。そもそもリストが宗教音楽を書いていると言うこと自体知られていないのであるから、仕方がないといえば仕方がないのだが、このような宗教音楽の傑作が全く取り上げられないのはあまりにもったいない気がしてならない。リストの宗教音楽を数多く録音している“スペシャリスト“フェレンチークもこの曲の良さを引き出しているように感じる。録音から60年近く経過しているが、この曲の決定版と言って差し支えないだろう。
フンガロトンから新バルトーク全集ということで10数年前から継続的にSACDがリリースされていたが、ハンガリーが先のリーマンショックで財政危機に陥ったこともあって、新盤が出るのか心配だったが、2016年に待望の新盤(この盤)が出た。ただ2016年の年末にこのプロジェクトに指揮者・伴奏者として関わっていたコチシュが亡くなってしまったので、このプロジェクトの行く末が心配なこの頃である。2016年以降、新盤が出るという話も一切出てきていないし。。。 前置きはともかく、普段あまり、というより全く取り上げられないバルトークの合唱作品を収めたディスクである。バルトークの合唱作品は民謡を編曲したものが多く、その作例も比較的初期から晩年にまでわたっている。このディスクに収められている合唱曲もそのほとんどが、民謡編曲か、民謡に見られる音型を用いて作曲された作品(過ぎ去った時より)である。民謡編曲と言うと、安っぽくディレッタントで物悲しいというイメージが先行するが、此処に収められている作品は決してそんなことはなく、芸術作品として十分に鑑賞に耐えうる出来であると思う。コダーイの声楽作品と比較しても面白いだろう。
ヨハン・ハルヴォルセンは、スヴェンセンやグリーグらの後継者にあたる作曲家であり、彼らと同様ノルウェーの伝統音楽に霊感を受けてノルウェー的な作品を多く生み出した。同じ北欧の作曲家だとシベリウスやニールセンとほぼ同世代の人物であるが、作風は彼らよりも保守的でナショナル・ロマンティシズムに属する作曲家といえる。この盤に収録されている交響曲1番も、ロマン派交響曲という一言で片付けられてしまうだろう。 この盤で一番聞いていただきたいのは、「仮面舞踏会」からの組曲である。ルズヴィ・ホルベア(グリーグの「ホルベアの時代から」のホルベアである)の仮面舞踏会をもとにした劇付随音楽から曲を抜粋して組曲にしたものだが、懐古的なメロディが美しく、リズム感のある舞曲もあって聞いていて楽しい。ニールセンのオペラ「仮面舞踏会」も同じくホルベアのテクストを基に作曲されているので、比較しながら聴くのも楽しい。
1 people agree with this review 2021/03/16
ジャック・ルーシェはバッハのジャズアレンジでその名を知られるようになったジャズピアニストだが、このドビュッシーのジャズアレンジはバッハのアレンジよりもずっと良いと感じるのは私だけだろうか。「月の光」といい、「牧神の午後による前奏曲」といい、アレンジの良さが光っている。
3 people agree with this review 2021/03/16
スイス出身の指揮者アルミン・ジョルダンは、その名前の表記やスイスのフランス語圏やフランスでの活動歴が長かったことから、差し詰めフランス語を母語にしているのかと思いきや、実はドイツ語圏のルツェルン出身である。そんなアルミン・ジョルダンのフランス音楽の録音をまとめたのがこのボックスである。私よりも前のレビューアーの方が書かれているように、このボックスの魅力はフランス近代音楽のマイナー作曲家の作品が多く含まれていることである。例えばルクーの管弦楽作品があるということは余程のマニアでもない限り知らないであろうし、アンリ・ラボーの名前を聞いたことのないクラシックファンは多いだろうと思う。このようなマイナー作曲家の作品を名の知れた指揮者とオーケストラで聴けるというだけで、このボックスには価値があると思う。もちろん前のレビューアーの方が書かれているように、ラヴェルやドビュッシー、フォーレの出来も決定盤はいかないまでも水準以上ではある。これでデュカスのオペラが収録されていたら完璧だったのであるが、管弦楽曲集成を謳っているが故に仕方ないか。
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0 people agree with this review 2021/03/16
例えばシベリウスやニールセンがそうであるように、北欧の作曲家は劇音楽というジャンルにおいて多くの作品を生み出している。それはノルウェーの作曲家ヨハン・ハルヴォルセンについても当てはまり、仮面舞踏会をはじめ多くの作品を劇作品のために書いている。このディスクに収められているフォッセグリムもその一つで、4幕のトロール劇として1905年にオスロで初演されている。ノルウェーの国民的楽器であるフィドルが冒頭から音色を奏で、この劇がノルウェー的性格を持ったものであるとわかる。グリーグのペールギュントなどでフィドルの響きに興味を持たれた方は、ぜひこのディスクを手に取って欲しい。併録のセオドア・ルーズヴェルトへのノルウェーの挨拶は、セオドア・ルーズヴェルトが1910年にノルウェーを訪れた際に、ノーベル賞委員会がハルヴォルセンにアメリカとノルウェーの友好関係を祈念するために委託したもので、アメリカ国歌、星条旗よ永遠なれを主題にした変奏曲である。 録音演奏ともに良好で、演奏者の熱気が感じられる。
いままで近代のオルガン独奏曲をなんとなく敬遠していたが、このフランクの作品集はいい意味で期待を裏切ってくれた。内省的で優しい響きは、フランスのバロック期のオルガン音楽を思い起こさせる。
44の2重奏曲は収められている曲の全てが、ハンガリー・ルーマニア・スロヴァキア・セルビア・ルテニア(現ウクライナ)地域で採集された民謡を編曲したものであるというところに、バルトークの民謡研究の大家としての自負が感じられる。この作品に収められている曲の一部はのちにバルトーク自身の手でピアノ用に編曲されてもいる。演奏はプロのヴァイオリニストが演奏するだけであって、練習曲がいい意味で練習曲ではなくなってしまっている。 コチシュが伴奏を務める民謡編曲作品も、演奏者が手を抜かずに演奏しているため素晴らしい出来栄え。自国の大作曲家へのリスペクトを感じさせる。
ピアノ作品ばかりが取り上げられるリストではあるが、カトリック教会音楽の改革運動にも関与し、多くの宗教音楽を作曲したことはあまり知られてはいない。当盤では、そういった作品群の代表的なものの一つ、リストの母国ハンガリー出身の聖女エルジェーベト(エリーザベト)の生涯を描いた「聖エリーザベトの伝説」が取り上げられている。リストの声楽音楽のスペシャリストと呼べるフェレンチークの指揮で今一度リストの知られざる音楽に触れるというのも良いのではないだろうか。
このボックスセットに収められているハーリ・ヤーノシュ全曲版だが、個人的にはあまりお勧めしない。まず語りが入ってしまうことで曲全体が間延びしてしまい、メリハリがなくなってしまっている。さらに言えば、ナレーションが英語というのもいいとは思わない。やはりハンガリーの作家の喜劇をもとに書かれた作品であるし、音楽もハンガリー語で歌われることを前提にしているので、言語として根本的に異なる英語が張り込む余地はない。全曲盤に興味がある方には、フンガロトンから出ているフェレンチークの全曲盤をお勧めする
昨年(2020年)生誕100周年を迎えたスウェーデンの作曲家トールビョルン・ルンドクイストのラジオドラマ用音楽。日本でもよく知られている「ニルスのふしぎな旅」と「イェスタ・ベルリングのサガ」というラーゲルレーヴの2作品のための音楽が収録されている。 「ニルスのふしぎな旅」は小人となったニルスが、渡鳥の群れとともにスウェーデンの各地を旅するというストーリーで、もともと小学生の地理教材として書かれたもの。スウェーデン各地の風景が音楽で描写されていて、聞いているこちらもスウェーデンを旅しているような気分になる。
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