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Review List of 小川バッハ 

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     2025/07/21

    本盤は、同曲の1990年サントリーホール・ライブ(ソニー盤)や1993年EMI盤と比較すると、暖かさや安らぎを感じる。上記2つの盤は演奏時期が秋(10月と9月)なのに対して、本盤は春(4月)だったことも影響しているのだろうか。4楽章の最後(最後の8〜9分)に超スローテンポになる部分は、曲が終わるのを惜しむかのようである。全曲を聴き終えると、この曲を演奏できたこと(楽員の気持ちは、この曲をチェリの指揮で演奏できたことか?)への感謝の気持ちが伝わってくる。

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     2025/07/21

    本盤は、チェリ&ミュンヘン・フィルによるブル8の1993年EMI盤や1994年リスボン・ライブよりも音質が良い。また、これら2つの演奏時よりもチェリが少し若かったためか(本盤は1990年録音)、掛け声が多く、引き締まった演奏になっている。4楽章の最後の8〜9分あたりでテンポが一段と遅くなるところは、峻厳な儀式を見ているかのようであり、最後の残り4分あたりで曲想が変わるところから終結分までの部分の極限までに遅いテンポの演奏を聴くと、希望の光に向かって徐々に歩んだ末に悲願が成就して喜びにあふれる光景が想起される。投稿者は、1990年のチェリ&ミュンヘン・フィルの来日公演のときにブル8をオーチャードホールで聴いたが、本盤を聴いて、ティンパニーの故ザードロの熱演と終演後のチェリの満足そうな笑顔とが目に浮かんだ。

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     2025/07/20

    ミュンヘン・フィルの透明な響きによって、心が洗われ、また、精神が研ぎ澄まされる思いがする。緩徐楽章は、スーパースローの映像を見ているかのようである。遅いテンポによって初めて可能になる微妙かつ繊細な陰影づけを通して、俗世間を離れたブルックナーの音楽の悠然たる呼吸を感じることができる。

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     2025/07/20

    この曲に対する指揮者とオケの熱い想いがひしひしと伝わってくる。聴いていて力が湧いてくる熱演。ライブではないにもかかわらず、ホールの熱気まで感じられる。終結部の盛り上がりは、フルヴェンのバイロイトの第9の終結部を彷彿とさせる。音質は悪くないが、この録音の企画が2〜3年遅かったらステレオ録音になっただろうと考えると、録音時期のタイミングが惜しまれる。

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     2025/05/21

    ブルックナーの交響曲0〜9番を、1997年から2006年までの10年間に毎年1曲ずつライブ録音した11枚セット。収録の順序(CDの順序ではない)は、2、3、4、7、5、8、6、1、9、0番。9番と同日に演奏されたテ・デウムも収録されている。鳴った瞬間の音と大聖堂の長い残響とが溶け合って生み出される独特の響きから、音の粒子が宙を舞っているのを見るかのような印象を受ける。ティンパニーがクレッシェンドしながら高速連打したあとの残響は迫力満点。ふわっとした柔らかく暖かい弦の響きも心地よい。全体的に、よく歌うブルックナーであり、この傾向は緩除楽章で顕著。良いのは、3、5〜7番か。8番はテンポの変化や内声の際立たせ方に特徴があり、オケが少し苦しいところもあるものの、曲への想いが伝わってくる。9番3楽章では、初めの方と終わりの方のヴァイオリンの弦の刻み方が独特(弓を遅めに上げ下げしている?)で新鮮。全曲とも、楽章間を編集していないようであり、また、楽章間で調弦せず、すぐに次の楽章に入る。一般に、楽章間で調弦する時間は若干の息抜きにもなっているように思われることに照らして、すぐに次の楽章を開始する本盤の指揮者とオケの集中力の持続には驚く。聴衆は、曲が終わったあとの残響が消えてから拍手を始める。4、6、8番のあとは、盛大な拍手が長めに収録されている(4番のあとは2分半の拍手を収録)。5、7、9番、テ・デウムのあとは拍手なし。指揮者の「シュー」とか「ヒュー」とかいう声がしばしば聞こえて、臨場感がある一方で、たまに耳障りなこともある。指揮者とオケの一生懸命さとブルックナーの音楽に対する純粋な気持ちとが伝わってきて、11枚聴き終えたあとに、良い気分になる。

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     2025/05/06

    モーツァルトは、力強さと優美さが調和した構築性の高い演奏。ブルックナーは血の通った熱い演奏。2楽章の緊迫感は尋常でなく、それが、静寂が支配する天上世界という印象を受ける3楽章と2楽章との対比を際立たせている。3楽章では曲想の展開がじっくり表現されていて、壮大な絵巻物を見ているよう。2曲とも、ウィーン・フィルの響きが大変充実しており、オケの並々ならぬ意気込みが感じられる。サヴァリッシュの充実ぶりも顕著。この演奏会は、学生の頃に会場で聴いた。当時、ブルックナーを聴き始めたばかりだったが、終演後、余韻にいつまでも浸っていたことを覚えている。ちなみに、この年(1983年)のザルツブルク音楽祭では、本公演の他に、「マゼール&ウィーン・フィルによるブル8」と「アバド&ロンドン響によるブラームスのピアノ協奏曲1番(ピアノはアシュケナージ)と展覧会の絵」の2公演を祝祭劇場で聴いた。チケットは、ザルツブルク音楽祭の公式チケット売り場の店頭で買ったり、その周辺で不要なチケットを売りに来た人(ダフ屋ではなく、学生の私に額面の半額で売ってくれた)から買った。

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     2025/05/06

    聴き終えて、ブルックナーを聴いたというよりも、バーンスタインの心、魂、祈りの声を聴いた、という感じがした。バーンスタインは完全燃焼。ウィーン・フィルはバーンスタインと同化している。2楽章の中間部のユーモラスな旋律を聴くと、なんとなく、ゲーテのファウストに出てくるメフィストフェーレスを想起するが、この演奏では、2楽章のティンパニーが、神が最後の審判を下しているかのようで、中間部とその前後の部分との対比が際立っており、そのため、神とメフィストフェーレスが対決しているかのような感じがする。この演奏を生で聴いたら、3楽章が終わっても拍手せずに、静寂のまま帰途につきたくなりそう。

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     2025/05/03

    滋味あふれる丁寧な自然体の演奏。速くもなく遅くもない。重くもなく軽くもない。楽器ごとの音量のバランスがとても良い。指揮者とオケが曲に共感している様子が伝わってくる。1楽章では、時折、テンポを変化させたり、金管やティンパニーを強奏させたりしているが、それが目立つことはない。オケの水準は極めて高く、録音も良い。この演奏を聴いて、ケンプのピアノから受ける印象に似ているとふと思った。そういえば、ライトナーはケンプとベートーヴェンやモーツァルトの協奏曲を録音している。もしかすると、ライトナーがケンプとの競演から得たものが、この演奏に影響しているのだろうか、それとも、ケンプが自分に近いところのある指揮者としてライトナーを録音パートナーに選んだのだろうか、などと想像してみた。

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     2025/04/24

    驚異的に精緻な演奏。とくに3楽章では、作曲家も演奏者も消えてしまって純粋な音楽だけが存在している、という印象を受けた。こんなに美しい弦のヴィブラートは、ウィーン・フィル以外からは聴けないだろう。

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     2025/04/14

    放送上の時間の制約上、多くのカットがあり、演奏時間は全曲で約50分。1楽章と4楽章は部分的に複数のカット、3楽章は中間を大きくカット。最後に盛大な拍手が入っている。急激な加速・減速、特異な強弱変化、ポルタメントの多用など、個性的な古き良き時代の演奏スタイルを楽しめる。この傾向は4楽章で最も強い。演奏は熱血そのもの。2楽章(中間部を除く)の疾風怒濤のスピードは驚異的。ボストン響は、変幻自在の指揮に見事に対応している。音質は当時(1947年)としても余り良くないが、オケの音は生々しくとらえられている(AS盤を所有)。クーセヴィツキーによるカットなしの8番や、ブルックナーの他の交響曲も聴きたくなる(無いと思われるが)。放送上やむをえなかったカットに目をつぶって、星5つ。

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     2025/04/14

    重厚。イン・テンポでブルックナーの本質を見事に表現している。これぞブルックナー、これぞドイツ・オーストリア、という感じ。弦も管も音の密度が濃く、非常に充実している。金管の強奏の迫力は壮快。古い録音にもかかわらず、音がとても良い。この演奏をブルックナーが聴いたら、感謝感激するのではないだろうか。

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     2025/04/08

    冒頭から弦の渋い音色に引き込まれる。現代のオーケストラからは聴くことのできない音色だ。指揮のシュミッツ(1898〜1992年)は、曲全体を見通したうえで、適度なテンポ変化によって部分ごとの関連を明快に表現している。各楽器の音量のバランスに配慮するとともに、低弦をしっかり鳴らすことによって重量感のある演奏になっており、聴き終えたあとに充実感が得られる。0番を単独で、しかも大変丁寧に演奏している点から、この指揮者は0番に強い愛着を持っていたのではないだろうかと推測される。

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     2025/04/08

    ウィーンのムジークフェラインでの1953年ライブ。モノラルだが、当時のウィーン響の温もりある響きが耳に心地よい。加速したり減速したりと細かな緩急がつけられていて、初めは違和感を覚えたが、聴き進むうちに、起伏があって生き生きとしているという感じになる。細部にこだわるのではなく、旋律をよく歌わせて曲の大きな流れを重視した演奏。2楽章の静寂、3楽章の躍動感、4楽章での静と動の対比は聴きごたえがある。ブルックナーの交響曲の20世紀半ばにおける一つの演奏スタイルを味わうことができる貴重盤。

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     2025/04/02

    熱い演奏。テンポが早いが(特に4楽章)、ただ早いだけではなく細かく表情がつけられており、音楽が生き生きとしている。クレッシェンドしながら加速する箇所は圧倒的な迫力。モノラルにしたうえで音質を悪くして、フルヴェンの演奏だと言われたら、信じるかもしれない。

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     2025/04/01

    この曲の数多い名盤の中で異彩を放っている。大河の流れを思わせる悠々たる演奏を通して、スヴェトラーノフの悠々とした人生の歩みが感じられる。こういう演奏に接すると、日々を慌ただしく過ごしていてはいけないと反省させられる。ゆっくりしたテンポを基本としたうえで繊細に緩急をつけ、曲想の移ろいを効果的に表現している。オケの響きは透明で、深い湖のどこまでも澄みきった水のよう。透明さと柔らかさが絶妙にブレンドされた弦のヴィブラートには、うっとりする。録音も良く、それぞれの楽器が目の前で鳴っているように聞こえてくる。包容力がある演奏で、聴き終わると大きな安らぎを得られる。

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