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TOP > My page > Review List of 風信子
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3 people agree with this review 2018/03/19
プロローグとエピローグのように添えられた2つの序曲が先ず素晴らしい 特に”美しいメルジーネの物語”は録音も少ないので天恵と言える ”真夏の夜の夢”は速めのテンポで颯爽と駆け出していく だから序曲が大きく重くならない 時を隔てて書かれた劇音楽とのバランスを考えてのことだろう ”夜の杜”のイメージがこれほど自然に顕れた演奏を知らない 弱音部の明晰さと美しさは無類だ 当然”スケルツォ”はワクワクゾクゾクが止まらない スウェーデン室内管が上手い シェークスピア劇を超えてメルヘンの世界に入ってしまったようだ 想像力を刺激される演奏をダウスゴーは展開する 組曲では省かれてしまう部分の美しくそして面白いことに改めて気付かされた メンデルスゾーンの管弦楽法にこれほど色彩を感じたのは初めてだ 聴き込むほどに惚れ惚れした ぜひ朋たちに聴いて欲しいと強く思った あなたも如何
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4 people agree with this review 2018/03/18
故郷エストニアからショスタコーヴィチが出てくるとは驚いた と同時に腑に落ちる デンマーク スウェーデン ドイツ ロシアなど周囲の大国から支配され続け 現在でもロシアから国境を守る政争が続くエストニアで ショスコーヴィチの音楽は如何に聴かれ如何に奏されるか興味深い P.ヤルヴィは第10番をアメリカの 第7番をロシアのオーケストラと録音している ここにヤルヴィのショスタコーヴィチ観が伺えはしないか エストニア祝祭O.の演奏はヤルヴィに緊密に統率されながらも音楽をする喜びにあふれている そこから粗野とも天真爛漫とも聞こえる開放感が伝わってくる 第6交響曲が纏った意匠にふさわしい 愉悦と皮肉の底に流れる戦う意思の力が感じられる演奏だ さらに驚かされたのは第8弦楽四重奏曲の弦楽合奏版だ バルシャイ版ではない スタセヴィチ版とある 粘っこい弦の歌い方以上にティンバニーの打音に強烈な主張を感じずにはいられない ショスタコーヴィチが言ったか言わなかったかは定かでないが 彼の交響曲と弦楽四重奏曲は墓碑銘でありレクイエムであることを得心する 朋に聞かせたい音楽だ あなたも如何
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4 people agree with this review 2018/03/17
愉しみに待っていた 再びワーグナーから始まる ”ローエングリン”から冒頭の前奏曲とはネルソンスらしい選択 終始高音の弦が鳴り続ける音楽は弾くのもそして聴かせるのも難しい これが実に美しい ゲヴァントハウスO.を見くびっていた これがブルックナーの前座とはなんと贅沢なコンサートの入りだろう 第3稿で聴く”ロマンティック”はオーソドックスな記憶を喚起する そらで歌えるほど馴染んでいるが不思議な感興が湧き起こる ソノリティは懐かしいのに新鮮な風が吹き込んでいる部屋にいる様だ テンポは自然な揺らぎを織り交ぜながらも悠揚なもの 低音域が重い録音だが軽快さを失ってはいない 何より中世ロマネスクに憧れたブルックナーが音楽に込めた情趣を醸し出しているのが素晴らしい 期待して待っていた甲斐があった これからも急がず一曲一曲と向き合って対話してほしい 朋に知らせよう あなたも如何
5 people agree with this review 2018/03/16
ダイナミックレンジが広い曲だから音量を上げる 思いの外木管楽器のソロだけで進行する部分が多い曲だ ショスタコーヴィチの音楽全般に言える特徴”一筆書き様”の性格に依る SACDに効あり P.ヤルヴィはスコア通りのディナーミクを貫く スペクタクルを演出しようとは毛ほども考えない 不人情に思えるほどニュートラルで音楽のディテールだけを漏らさず描いていく ここが”第7シンフォニー”の肝だ 戦渦のレニングラードで書かれた交響曲に込められたショスタコーヴィチの心情と信念を見事に射抜く 戦争にドラマはない 戦闘からカタルシスは生まれない その行く手に頂上はない 達すべきゴールはない クライマックスは築かれない 戦いの只中に紛れ込んだら ただ歩き続けること この闇を潜り抜けること 生き抜く意思を失わないこと 戦いで見たもの感じたものを忘れずに生き続けると自分に誓う 戦争の影を感じた時聴きたい演奏だ あなたも如何
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1 people agree with this review 2018/03/15
アンリ・デマレを知らない 愛用の「作品名辞典」ではその名も楽曲も見つけることができない リュリやラランドの影響を受けたと人名辞典にはある 紆余曲折があってネーデルナンドやスペインを渡り歩いたようだ 最後はリュネヴィルのロレーヌ公の宮廷楽団の楽長となったという 80年という長命を得たようでフランシス・クープランの生涯をそっくり飲み込むほどフランス・バロック時代をいき抜いている ニケとコンセール・スピリチュエルの演奏が聴きたくて巡り合った 二曲のモテットに聴き入った しかつめらしい重苦しさなど無縁の透明で豊かな華やぎすら感じるソノリティに浸った リュートを中心とした撥弦楽器の響きに覆われた通奏低音の広がる軽やかさが心地よい 美しい音楽がここにもあった あなたも如何
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0 people agree with this review 2018/03/14
ロンドンのバッハ ヨハン・クリスティアンの最後のシンフォニア集作品18は子供の頃から愛聴している J.S.バッハの末子にしてモーツァルトに多大な影響を与えたと言われる人気作曲家だったが J.C.は47歳という早逝と言わないまでも比較的短い生涯だったこともあり ハイドンやモーツァルトが達した”交響曲”の世界に至ることができなかった このOp.18も多くをオペラなど他作品の序曲らから移し変えられた稿に拠っている ソナタ形式楽章を戴く四楽章形態に到達していない 魅力と光彩を放ちながら所謂古典派になれなかった最後の一人だ にも拘わらずわたしを魅了して止まないその音楽はいつまでもキラキラと輝く美しさを失っていない まだ音楽が信条告白とは無縁で生活を彩る家具や雑貨と同価値だった世界の大らかさがある ホールステッド&HBの清楚な演奏は古びることなく今日もわたしの部屋と生活に潤いと豊かさを添えてくれる あなたも如何
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0 people agree with this review 2018/03/13
ディテールを疎かにしないのがスホーンデルヴィルトだ 突き詰めればディナーミクは縮小の対象となった 骨格標本みたいと揶揄されたベートーヴェンのコンチェルトは新鮮さを飛び越えて革命だった そこから見えたベートーヴェンは熱血の英雄ではなく数学者あるいは哲学者の顔をしていた 隠れていた側面にして本質を見抜いたなと感心した そして今モーツァルトに挑んでいる 個性的な”レクイエム”だ わたしはへそ曲がりなので 如何様に創意工夫を施そうが新しい装いをしようが モーツァルトの”レクイエム”は”ラクリモサ”までしか聴かない 今回は先へ進んでみたがやはり駄目だった モーツァルトが書かなかったものはモーツァルトではない 客観の耳を持っていれば 誰がどのように演奏しようと違和感は消えない どこまで行けるのか スホーンデルヴイルトの旅路の先を見守っていきたい
1 people agree with this review 2018/03/13
ピリオド楽器の演奏で聴くことが平常になっているモーツァルトをスタンウェイとパリ管で聴こうと何故考えたのかしら プレスラーが誰か記憶にもない ボザール・トリオのピアニストと聞けば耳なじみだ 米寿と卒寿の時の演奏とあって覚束ない点もあるが それはどうでもいいと思わせる演奏と雰囲気だ プレスラーが先ず愉しんでいる P.ヤルヴィとパリ管の面々も嬉しそうだ 皆が喜んで音楽をしている姿様子は周囲を幸せの気で包んでいく 本来音楽はこう言うものだったはずだ 上手い下手と断じて聴いた気になっていた 馬鹿げたことだ ここに音楽があるから老いも若きも知己も他人も隔てるものがない 音楽会は人が集うところに生まれたもの それが祝いであろうとそうでなかろうと音楽があって人の輪が広がっていく 一人では生まれない豊かな時間と空間が共有できる こんな当たり前のこと忘れていたなあ 朋と音楽したくなった あなたも如何
2 people agree with this review 2018/03/13
メンデルスゾーンが”マタイ受難曲”に筆写スコアに出会ったのが14歳だった 20歳で復活初演を果たす 40年に満たない生涯はバッハへの憧憬の道程となった ここに配された6つのモテットは孰れもその晩年の作であり唯一無二の個性に彩られた傑作群だ 音楽は浮き足立つことなく平明に推移しながらも華やぎと彩りを纏っている 短いが充実した情趣を醸し出す モテットの中にピアノ・トリオが挿入されている ここにもバッハからの引用があるもののベートーヴェンの世界を継ぐものだ ハ短調はベートーヴェンの”第5シンフォニー”あるいは”熱情ソナタ”と連鎖する 表情記号にも エネルジコ コン・フォーコ エスプレシーヴォ アパッショナートと激しい表示が並ぶ ビートソン クーシスト そしてウィスペルウェイの激烈な表現に圧倒される ニケ&FRCの無伴奏合唱が主体だが 三重奏とエピローグに添えられたチェロ・ソナタの一楽章が花を添えて愉しいディスクとなった 朋と聴く日を願いつつ あなたも如何
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1 people agree with this review 2018/03/12
何かが胸の内を掻き立てる 足の裏がムズムズして居ても立ってもいられなくなる その曲名は知るものの 特にピアノが好きでもなし 況してや楽曲の長さの前に永年二の足を踏んでいた ひょんな気まぐれか気の迷いか ディスクが目の前にある それでも積ん読で済ませていた 周りのディスクが消えて姿が現れた 聞き流すつもりでプレーヤーに載せる なんだこれは! インプロビゼーション? 延々と続くラプソディ? 平曲? 音楽は語り物なんだとつくづく感じる ショスタコーヴィチは息子マキシムにヴァリエーションを学べと言った ベートーヴェンのディアベリ変奏曲を連想する そしてバッハ ここには古から現代に至るまでの無数の音楽の記憶が顔を出す 鼻の奥がツンとして涙で視界が霞む 何故だろう 寂しいのにムクムクと根気よく歩む勇気のようなものが立ち上る 哀しいのにしっかり目を上げていなければと思わせる 音楽の中には人の命と釣り合うほどに質量のあるものがあるねと朋に言おう あなたも如何
5 people agree with this review 2018/03/11
面白い 面喰らう方もあろがこれがピリオド楽器によるピリオド演奏なのだ フレーズの歌い方が現代とは違っていた それは正に楽器の特性から自然に生じたフレージングなのだ ヴァイオリンの絃(いと)も弓の弦(つる)も現在より緩い張力しか持たなかったから 弾き始めは絃に当てた弦はしっかり押し当てゆっくり引かなければならなかった 弾き終わりもまた同様だった その分フレーズの中心部は勢いがついているので音量が増しテンポが上がる フレーズは自然なクレッシェンドとディミヌエンドそしてアチェレランドとリタルダントを描く事になった バロック時代はこれが顕著だった ドヴォルジャークの時代ロマン派後期の楽器事情はずっと現代に近いはずだ だが ムジカ・フロレアは元来パロック・オーケストラなのだ ドヴォルジャーク交響曲録音5曲目に至ってそのバロックの演奏スタイルをぶつけてきた 拒否反応が返ってくることは百も承知だろう 自分達にしかできない演奏を提示する表現意欲が清々しい 違和感に負けず虚心で聴き通せば自ずと感興が湧き起こるだろう 音楽の朋よ愉しもう あなたも如何
4 people agree with this review 2018/03/11
コンチェルト・ケルンの弦楽交響曲を聴きたくて求めた 予想通り想像力を刺激する快演だった そしてマズアとゲヴァントハウスO.のNo.付き交響曲を忘れてしまった ふと聴いていなかった事に気付いた 洗濯の合間に聞いた 聞き流すつもりだった とんでもない事だ 聴き入ってしまう メンデルスゾーンは優しい音楽だ 慰められた 生きていることを愛しいと思えた ゲヴァントハウスO.はメンデルスゾーンと血が繋がっているのだろう 往古のレジデント指揮者への今も変わらぬ尊敬と親愛の情が血脈を流れている 知情意が均衡をもって音楽の隅々に行き渡って語りかけてくる 温かい思いが身内に溢れる なんといい音楽だろう 命の長短など問うなど無意味だと知る 生きたこと生きていることを有り難い歓びと自覚する 音楽に救われている自分を感じている 比較など無意味だ 先ずメンデルスゾーンを聴こうと朋に言う あなたも如何
1 people agree with this review 2018/03/10
パーセルの美しさは比べるものがない この個性から目をそらせる音楽家がいるはずもない 時代やスタイルを超えて永遠の光を放っている その光は柔らかく温かい ニケとコンセール・スピリチュエルの素晴らしさは短い”序曲”を聴くだけで確信される ハウラー パドウェル ハーヴェイいずれの歌唱も艶と潤いを帯び自然な情感を湛えている コーラスも充実したハーモニーをもたらす 過剰にならない的確な表現性に退屈を感じさせない 詞の意味を解さないのに思いの丈が伝わる音楽の力に改めて驚く わたしのようにオペラが苦手の朋にも知らせたい あなたも如何
1 people agree with this review 2018/03/09
最期までモーツァルトの友人であったことを喜びとしていたアイブラーの名を戴いたクァルテットが10年以上前にカナダに誕生していた 若いが古楽オーケストラで腕を磨いた四人だという これまでアイブラーやハイドンの録音があるようだ それが3年も前にベートーヴェンのピリオド演奏をしていたが ようやく日の目を見たということのようだ 不明を恥じるが情報がなかった Op.18のNo.1, 2, 3 というプログラムから全曲録音の意思あるやと見うける 遅れたが聴いてみた 右から第2Vn が聞こえ Vc, Vla, 第1Vnと左へ並ぶ ベートーヴェンの音楽構造が手に取るように分かる 四人もよく聴きよく奏で呼びかけ応答が自然に為されている アーティキュレーションとデュナーミクは完璧であり 音楽そのものを語らせている 誇張恣意の類は一切聞かれない 爽快さを突き抜けて尊大さのない神聖さ 幽けき清廉さに包まれた美しいベートーヴェンだ アイブラー・クァルテットを聞く機会が増すことを期待する あなたも如何
4 people agree with this review 2018/03/08
文化果つるところカワサキに遂に”川崎”の名を冠したオーケストラが誕生した 川崎の方 川崎っ子 怒るなかれ! こう言う”わたし”も川崎生まれ川崎育ちの川崎人だ 柄の悪い貧しい労働者の街公害都市の住人と影に日向に言われて生きてきた わたしも貧しい工場労働者の子だから元気に過ごしながらもどこかで引け目を感じていた ピアノどころかレコード一枚ない家庭で育ちながら音楽が好きになった ステレオを買ってもらうのに一年意地汚く親に強請った 月五百円のお小遣いを貯めて一枚一枚LPを買った 初めてコンサートに行ったのは高校生になってからだ コンサートは東京 横浜へ行く 大阪や赤坂にコンサート専用ホールができても川崎には縁がないと思っていた 2003年ミューザ川崎コンサートホールができたときは夢を見ているようだった だから2011年の大地震で閉館したときにはやっぱり悪い夢を見ていたのだと落胆した 2013年少し音響は変わってしまったけれどミューザは再開した 開館以来東京交響楽団がレジデント・オーケストラとしてヴィンヤード・ホールを生かしてくれているが ”Orchestra of KAWASAKI City”は幻に終わると思っていた 室内が付いてもここにプロフェッショナル・オーケストラが登場したことが嬉しい 子供の頃からの夢が現実になった わたしは川崎を離れてしまったけれど この若々しいオーケストラの響きが美しく育つことを見守っていく 大志ある青年たちを応援してください
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