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Review List of 一人のクラシックオールドファン 

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     2011/05/01

    A.デイヴィス/BBCSOコンビによる盤については以前「南極交響曲」においてその演奏の基本的アプローチの感想を述べさせていただきましたが、今月はエルガーの交響曲第1番で触れてみたいと思います。本盤演奏は1991年録音で演奏タイムは@20’52A7’53B12’03C12’10と第1楽章でこの曲の印象が決まってしまう感じであります。私はこの曲を他の指揮者は勿論A.デイヴィスが同じオーケストラを振って収録した1985年ライブCDや2004年録画DVDそしてPOを振った2007年ライブCD盤(タイム@7’32A7’53B11’45C12’11)何れも聴いておりませんので比べようはないのですが多分本盤演奏はこの指揮者47歳頃の登り調子のいい状況ではと自己解釈しており、彼は英国系作曲家の演奏にかけては今では右に出る者がいないくらいの英国音楽の伝道師の地位を築いていますが当時の演奏も曲自体の性格(初演以降何回も演奏され評判が良かったらしく初演指揮者ハンス・リヒターに捧げられています)もあって穏やかな中にも実にイギリスの威風を感じさせてくれ第1楽章ゆっくり親しみ易い数分のテーマがやがて循環的に変奏されて途中微風溢れる何気ない遣り取りにもこの指揮者のセンスが窺われます。時にシベリウス、時にR.シュトラウス的なイメージで管弦、ティンパニーの高まりも過ぎりながら最後は次第に下降しながら最初のテーマを引きずって静かにこの楽章を閉じます。第2楽章は弦の小波からすぐにマーチ風に発達しそうで途中ヴァイオリン・ソロも織り込みながらゆっくり踏みしめて〆。第3楽章は特にこの指揮者の美質が活かされた楽章で穏やかな弦の中に暫く身を浸しておきたい「ひととき」を味わう楽章です。一時的に感情的にはなるけれど決して力まないしとりとめない風が素晴らしいです。低音からスタートする最終楽章は変化が比較的多くハープの混じったコラール的な箇所も印象的ですが次第に最初のテーマを断片的に広げて最終コーナーでそれが管楽器中心にクローズアップされ、あゝ循環変奏曲だったのかと気がつきました。流石イギリスのオーケストラでこの辺りの駆け引きは上手いとも思いました。余談ですがどうもA.デイヴィスは御大C.デイヴィスと混同されがちでHMVでも少しその傾向がある様ですよ。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/30

    メニューインが弾くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲には結構録音盤が数多く残されていてバックがフルトヴェングラー指揮のものは1947年オーケストラLFO(タイム@23’57A10’53B10’16)、同じく1947年オーケストラBPO(タイム@23’44A10’26B9’56)そして本盤演奏1953年オーケストラPHO(タイム@23’43A9’36B10’16)の三種を私は確認しております。さて、1953年というとフルトヴェングラー67歳、メニューイン37歳の頃、年の開きとしては後年クレンペラーのバックで演奏した時と同じなのですがメニューインが一回り若いせいか第1楽章からやや饒舌的な感じで仕掛けカデンツァにおいても中々な達者ぶりであります。若さにおける意欲と解釈しております。第2楽章は更にロマン性を強調して情緒たっぷりであります・・・ちょっと「場違い」寸前?まで煮詰めております。最終楽章はさすがメニューインの方も決して流れずに手綱を引き締めておりカデンツァも一応メリハリをつけます。ベートーヴェンのこの曲における構築性よりロマン性を聴き応え・見栄えあるものに仕立てた演奏かと思います。我々LP世代ではフルトヴェングラー指揮でのこのベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲(メニューイン)とピアノ協奏曲「皇帝」(フィッシャー)がレコード・ライブラリーの定番にもなっていた事が懐かしく素晴らしいランクの演奏には間違いありませんね。本盤は更に音質が期待されるようです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/30

    メニューインが弾くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲には結構録音盤が数多く残されていてバックがフルトヴェングラー指揮のものは1947年オーケストラLFO(タイム@23’57A10’53B10’16)、同じく1947年オーケストラBPO(タイム@23’44A10’26B9’56)そして本盤演奏1953年オーケストラPHO(タイム@23’43A9’36B10’16)の三種を私は確認しております。さて、1953年というとフルトヴェングラー67歳、メニューイン37歳の頃、年の開きとしては後年クレンペラーのバックで演奏した時と同じなのですがメニューインが一回り若いせいか第1楽章からやや饒舌的な感じで仕掛けカデンツァにおいても中々な達者ぶりであります。若さにおける意欲と解釈しております。第2楽章は更にロマン性を強調して情緒たっぷりであります・・・ちょっと「場違い」寸前?まで煮詰めております。最終楽章はさすがメニューインの方も決して流れずに手綱を引き締めておりカデンツァも一応メリハリをつけます。ベートーヴェンのこの曲における構築性よりロマン性を聴き応え・見栄えあるものに仕立てた演奏かと思います。我々LP世代ではフルトヴェングラー指揮でのこのベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲(メニューイン)とピアノ協奏曲「皇帝」(フィッシャー)がレコード・ライブラリーの定番にもなっていた事が懐かしく素晴らしいランクの演奏には間違いありませんね。メンデルスゾーンの方もメニューインは数多く録音を残しておりその内メニューイン/フルトヴェングラーのメンデルスゾーン・ヴァイオリン協奏曲は1952年録音の名演奏であります。演奏タイムは@〜A20’02B6’33です。得てしてフルトヴェングラー/BPOのケースではどうしても指揮者のリードが目立つように思われがちなのですが彼らの関係(ナチス問題)で補完し合うところもなきにしもあらずなのか結構双方鳴りきっているところがモノラルの古い録音ながら他に替え難い盤となっております。正直フルトヴェングラーの指揮の底深さに私は迷わず「最高」レベルの評価を禁じえません。後世に残しておくべきでしょうね。全体として最高ランクにさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/29

    鮫島有美子さん(以下敬称略)が「日本のうた」のタイトルで最初に有名な日本歌曲を集めて1984年(当時32歳頃)日本で録音した盤で以降第2集(1985年録音)、第3集(1988年録音)と続きました。本盤ピアノ伴奏は勿論夫君のH.ドイチュで各曲1〜3分程度の曲を全部で19曲(トータルタイム53’53)納めております。本盤は所謂昔からよく知られた日本歌曲中心に編集されており続く二盤でスタンスとしては戦後の歌曲・・・近過去の歌曲に到るといった具合で第1集から順に聴くと大まかな日本歌曲の流れも分かりそうです。本盤は彼女のレコードデビュー盤とも位置付けられ今から思うと穏やかな自然体の姿勢の中にやはり初々しさというものが感じられる歌唱であります。日本の歌を色んな歌手が歌ったCDは結構種類多く出ているでしょう・・・、そうした状況下鮫島の歌唱は決して四角四面・・・如何にも歌曲でございます・・・といったものではないしイージーに俗化させたものではなく程よい処なのでしょう。通して聴くと少し優等生ぶりが単調さを誘引しかねない処で例えば「出船」(タイム2’28)ではもう少し切々さも欲しいところですがかの国民栄誉賞の大歌謡歌手 藤山一郎の二種類の歌唱「出船」も比較的健康的だったのを思えばマァ良しとも思い一方で「霧と話した」(3’42)での瀬島の感情の起伏表現は面白く聴けました。以降「日本のうた」に限らず録音を重ねるに従い益々深化して行き彼女の歌唱ぶりの澄み切った抒情性を磨いて行っている様です。ドイチュの伴奏にも違和感といったものは皆無で全体比較的穏やかなアプローチ、以降彼女と夫君のコンビは日本唱歌や歌謡曲、日本語による海外民謡と基本的には勿論クラシックアプローチでやや硬いイメージはあるもののその録音範囲を広げて行きほぼ前世紀までにリリース盤は安定した様にも思われます。マァこの世界ですからあとは過去の録音分の焼き直しみたいになって行くのは仕方ない事で、少なくとも「日本のうた」については末永く聴かれるべき一頃の国民的ソプラノ歌手の業績として位置づけられるべきでしょう。「荒城の月」(5’20)が珍しく四番まで歌われるなどしているのに私の聴いている盤の解説書には歌詞メモがついておらず出来れば付けて欲しいとは思いました(再発売分は付いているかも知れません)。先日TVで「題名のない音楽会」に出演していた彼女を見て上手に年をとっていることもうかがわれました。私は日本の歌曲集としてかつては鮫島の大先輩である瀬山詠子(ピアノ三浦洋一)の歌唱LP二枚盤をよく聴いていました、そのままCDでは出ていない様なのでそのLPからCDを専門業者に制作してもらってもいます(当然上野の音楽学校の雰囲気を伝えるこの両人の聴き比べもしています)。日本の歌を伝えていくという使命込みととっつき易い収録曲なので最高ランクといたします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/28

    1991年アバド/BPOバックで収録したブレンデル二回目のブラームス ピアノ協奏曲第2番で1992年レコード・アカデミー賞受賞演奏盤であります(一回目は1973年ハイティンク/RCOがサポートの録音)。演奏タイムは@18’00A9’23B12’23C9’26とややゆったりしたテンポ感(特に前半二つの楽章)でありアバドがBPO担当就任し間もない58歳の頃のサポートは大変(イタリア系でもあるのでしょうか)美しく、ブレンデル(当時60歳)もその頃時折言われた理屈っぽさもなく情感豊かに弾き進めています。先ず第1楽章冒頭のホルンの美しい響きでこの演奏雰囲気の大筋がつかめる様な導きで粒そろいのハッキリしたピアノが続きます。序奏部が終わってオーケストラが全奏で頑張るところは実にBPOの幾分厚い響きながら磨かれた優しさが最早全開です。マァ歌心充分で少し整い過ぎ、綺麗過ぎな印象はブレンデルのピアノにもうかがえます。正直もう少し奔放であっても良かったのではと思うのは贅沢なのでしょう。最後は堂々引っ張って終わります。先の贅沢感は第2楽章冒頭でのピアノ序奏でも感じた次第です。しかしこの楽章の中間部の美しくかつその重厚さを余す処なく表現してくれます。室内楽的な第3楽章はG.ファウストの美しいチェロからスタートしオーケストラも分厚くフォローして行くのですがピアノ共々弱音部分が実に美しく少しブラームスさとは違う感じもしないではありません。この協奏曲は四楽章で交響曲的な形式のみならず曲想・音色も交響曲的扱いが見られその四番目の楽章・・・最終楽章では後半闊達さもからませますが冗長感も伴いますね。本演奏盤、総括しますとデリケートな抒情を微妙な陰影で見事に表現して素晴らしい演奏には違いありませんが果たしてブラームスにぴったりかな?と贅沢感が矢張りちょっと掠めました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/04/27

    この小品集は1927年カザルス51歳の頃から1930年に録音された14曲(トータルタイム53’47)で中には私などが知らない「小品」もありますが各々音楽自体に語らせて滋味溢れるものと思います。昔からレパートリーの少なかったチェロの為の曲だけに師から弟子に受け継がれた曲目も含め、地味な楽器であるチェロの独立性を主張したカザルスの功績を覗く想いもありプレイヤーにかけました。聞こえてくるのは勿論SP等からの復刻なのでしょう・・・音質は曲によってはザーザー雨が降っているものもあり、又技術的にも現在の若い演奏者の魔術的な腕前には当然及んではいないのに所謂ヒストリカル盤の地位は初リリース以来安定したものとなっております。とにかく要は昔の録音のものだからそれだけのハンディは逆に楽しむ姿勢で私は(本盤に限らず)対応しています。さて、各々ピアノ伴奏が付いておりA.コルトーとのベートーヴェン「魔的主題の七つの変奏曲」(タイム10’02)が伴奏者としても著名でありタイム的にも収録曲中一番長く作品的にも充実したもので聴き応えがありました。演奏として一流かと問われれば即答はしかねますが昔の有名代表トリオメンバーによる演奏というブランド力がありそれだけ迫力も感じました。ポピュラーだけれどドヴォルザーク「わが母の教え給いし歌」(2’37)、リムスキー=コルサコフ「熊ン蜂の飛行」(1’07)、ベートーヴェン「メヌエット」(2’33)などは私も比較的小さな頃にも聴いた覚えがあるだけにこの音質と演奏だから余計懐かしさが増しました。私の聴いている盤の解説書にはこれも懐かしい音楽評論家 村田武雄氏のメモもついていました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/26

    シューマンが「天国のように永遠と続く・・・」と評した如く各楽章毎に各テーマが延々とつながる曲を退屈させることなく進めて如何に「曲意」を伝えるかで指揮者の手腕が問われるザ・グレイトなのですが小生がLPを買った当時見回してベーム盤しか見当たらなかった・・レコードアカデミー賞も受賞しているし・・わけです。1963年ベーム69歳の頃の録音で当初聴いた時は曲自体退屈なところもあったわけですが聴き込むにつれて曲の良さを伝えてくれたのがこのベーム/BPO盤です。第1楽章のあのホルンの序奏からこの楽章の〆のコーダまで決して弛緩しない緊張感の維持はベームのまだ若い情熱とBPOの筋肉質のサウンドの賜物と思います。第2楽章の叙情性もいたずらに惰性感に落ちず運んでいる独特のテンポは素晴らしいですね。やや単調に感じた第3楽章が終わって最終楽章では再びがっしりした構築性を見せフィナーレまで一気に進め前述の退屈な処を軽減するどころかずっしりした存在感をさえ味わせてくれます。兎に角梃子でも動かない武骨さ?が魅力な演奏であり、タイムとしては@14’24A13’51B11’16C11’29となっております。なお、このグレイト交響曲のベーム指揮分の他の主な盤は1956年NGRSO(@14’21A14’45B9’54C11’01)、1975年VPO(@14’59A14’28B12’07C12’33)、1979年SKDO(@13’57A13’30B11’00C11’34)などが有りDVDでの1973年VPO演奏物も手に入る様です、タイムはライブ録音のものは特に最終楽章聴衆拍手も含んでいる場合もあろうかと思います。1966年録音の同じくBPOを振っての未完成(タイム@11’29A11’42)も得てしてロマン性を強調しがちになるこの曲をベームの重厚・武骨さで中和してグレイトと共に素晴らしいです(遊びも欲しいのは厚かましいのでしょうがVPOとの幾種類かの演奏がこの点をクリアしている様に思えました)。曲自体がバランスのとれた第5番(1966年録音、@7’22A9’52B5’22C5’46)も力感が結構あってそう軽々しく扱わない処が好みは別にして面白いですね。とにかく本盤は先ず「ザ・グレイト」有りきでありましょう・・・前述以外の交響曲は未聴でありますので★一つ分減じて素晴らしいランクに止めておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/25

    シューマンが「天国のように永遠と続く・・・」と評した如く各楽章毎に各テーマが延々とつながる曲を退屈させることなく進めて如何に「曲意」を伝えるかで指揮者の手腕が問われるグレイトなのですが小生がLPを買った当時見回してベーム盤しか見当たらなかった・・レコードアカデミー賞も受賞しているし・・わけです。1963年ベーム69歳の頃の録音で当初聴いた時は曲自体退屈なところもあったわけですが聴き込むにつれて曲の良さを伝えてくれたのがこのベーム/BPO盤です。第1楽章のあのホルンの序奏からこの楽章の〆のコーダまで決して弛緩しない緊張感の維持はベームのまだ若い情熱とBPOの筋肉質のサウンドの賜物と思います。第2楽章の叙情性もいたずらに惰性感に落ちず運んでいる独特のテンポは素晴らしいですね。やや単調に感じた第3楽章が終わって最終楽章では再びがっしりした構築性を見せフィナーレまで一気に進め前述の退屈な処を軽減するどころかずっしりした存在感をさえ味わせてくれます。兎に角梃子でも動かない武骨さ?が魅力な演奏であり、タイムとしては@14’24A13’51B11’16C11’29となっております。なお、このグレイト交響曲のベーム指揮分の他の主な盤は1956年NGRSO(@14’21A14’45B9’54C11’01)、1975年VPO(@14’59A14’28B12’07C12’33)、1979年SKDO(@13’57A13’30B11’00C11’34)などが有りDVDでの1973年VPO演奏物も手に入る様です、タイムはライブ録音のものは特に最終楽章聴衆拍手も含んでいる場合もあろうかと思います。なお、本盤は廃盤ですが他の同演奏盤が販売されております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/24

    1997年MPOライブ録音(ヴァント85歳の頃)の交響曲第1番、速い出だしテンポでも第1楽章タイムトータルは14’02で平均並み。この出だしは非常&非情な厳しさが丸出し、この曲の今日通常の第一印象からは異なりマニア向け盤?展開部が少しゆったり目というのが良く言えば武骨、取りようによってはダルく聴こえるかも・・・?結局冒頭の仕掛けの割には緊迫感は抑制気味。私はこの演奏では第2楽章(9’33)が引き締まっていて気に入りました。第3楽章(4’59)、途中曲想入れ替わりの処がそう劇的ではなく自然なソフト感で進められこれはこれで納得。最終楽章(17’36拍手込み)でも先のソフト感が意外と効果的、あの主テーマも気負いはありません。ただ独特のテンポの揺らぎは時として流れを読めない迷いに陥りがちになりました。なお、NDRとの二種(1982年(タイム@13’16A8’54B4’51C16’45)、1996年(同@13’36A9’31B4’56C16’56))収録もあり何れも演奏方向は変わらず若干1982年分はタイム短め?ただ例えば第1楽章のテンポの採り方は所謂ドラマチック仕上げからすると流れがギクシャクしやはり緩やかな処でダレた印象も持つ方も?いずれにしてもヴァントの厳しい「愛想・迎合なし」に尽きるのでしょう。この偉大な交響曲を何通りも聴き慣れた方には素晴らしい切り口となるであろう演奏なのでしょう。1994年収録のベートーヴェン交響曲第1番(同@8’50A6’40B3’51C6’08)は正しくドイツの地味で奇をてらわない味わいの中で幾分個性的な処も見せますが基本的にその「処」は派手な指揮者、オーケストラとは一線を隔します。表面ではなく芯において堂々としています。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/23

    1962年バーンスタイン(44歳頃)/NYPOの躍動感溢れる「新世界」交響曲で演奏タイムは@11’01A14’43B6’32C11’01とやや第2楽章が長めかなといった程度で他の彼の指揮分・・・1953年NYSSOとの録音タイム@8’45A13’33B7’11C11’22とは第1楽章の反復演奏の有無の違いがあり、1986年IPOとの録音では@12’30A18’22B7’05C12’09と異常な第2楽章の長さからすればマァまともな方でLP時代から愛聴していた本盤演奏であります・・・浪人時代近所のお宅へ母親に連れられてそこの当時豪華な?ステレオ・プレイヤーで最初に聴いた思い出の演奏盤でもあります。超有名曲だけに名演奏がひしめいていますがアメリカ初演曲ということでアメリカのオーケストラの演奏に惹かれておりまだ若かったバーンスタインの生気溢れる息遣いが録音は古くなったとは言え半世紀以上経っても直に伝わって来ます。第1楽章初めは比較的ゆったり引き摺る様にスタートするのですが次の瞬間すばやいティンパニーの切り込みが咬まされ展開部へテンポを速めて行きます。折々のティンパニー効果も素敵ですが何より黄金期?のアメリカン・ドライ気味で少し荒削りでセカセカしたNYPOサウンドが懐かしく「乗り々気分」充分。フィナーレへ向けてスピードアップして行く有様には心が弾みます。なお、先述した様にこの楽章は繰り返し演奏されております。第2楽章初めと終わりの遠雷の様なティンパニーが印象的な事とそう過度な感傷に落ちず途中における管楽器メロディ・バックの線太な弦ピチカートや弦楽器メロディ・バックの低音強調もフト見せる表情が面白いです。第3楽章での変則的なリズム感はバーンスタインならではで音は粗くやや速いのも特徴的。最終楽章は若干「勿体」をつけつつテーマを導きます。分厚いオーケストラながら厳しい詰めを挟みスピードアップ。それでも一旦休止前はゆっくりそのスピードをダウンさせ弦の大波を漂わせそして〆に向け畳み掛けて行き最後はゆっくり反芻してこの名演奏を終わります。私の様な年齢までになるまでその時々この演奏を丁度茶を三煎して味わう如く聴いたものです。序曲「謝肉祭」(1965年録音、タイム8’59)等も夫々民族性を活かしまだ後年見られる様なバーンスタインの過度な恣意性がない溌剌とした佳演と思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/04/22

    パロットは早くから所謂リフキン方式を採用していた指揮者のひとりで本盤ヨハネ受難曲も少人数でのパッションもので各独唱者が合唱も兼ねるというスタイルであり、この意味では成功したヨハネ受難曲であります。1991年パロット44歳頃の丁度よい頃合の録音でいろいろあるバージョンの内 第4稿ベースでの演奏タイムは第1部33’54、第2部75’28と若干速い印象を受けています。エヴァンゲリストのR.C.クランプ(T,当時47歳頃)は過度に感情に陥らず割とシンプルにその語り部を進めております、Tのアリア部分も素敵ですね。イエスのD.トーマス(B,同38歳頃)はマア無難な処ですね。ソプラノ、アルトなども多分推定ですが男性起用ではないかと思われる位一部の「破綻」もない演奏で分り易く言えば「中性的」な魅力を備えていると言えるでしょう。第2部の押し詰まった辺りのソプラノ・アリアでのT.ボンナー(S,同40歳頃)など特にその「中性的」な感じです。合唱部分はテルツ少年合唱隊のメンバーを各パート複数程度・・・多くない人数・・・でまかなって冒頭の演奏方針にフィツトさせこれはこれで受け入れられましょう。室内楽的に透明感というか清澄感を打ち出した取り敢えずこのヨハネ受難曲につては「最高」と評したいのですが、他の収録曲は未聴でありますからランク★一つ保留とさせていただきたいのとパロットのこのオーケストラ・アプローチで管弦・器楽曲が今後レパートリー拡大・・・現にベートヴェン等にも録音進出しています・・・で聴者の説得性を得られるかはもう少し様子見といった処であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/21

    鈴木雅明氏(以下敬称略)の率いるBCJ演奏によるバッハのカンタータシリーズももう50巻目に近づき演奏スタイルというのが定着しておりますが(1995年あの阪神大震災の年に地元神戸での第1巻録音スタートした本プロジェクトは一応二十年後の2015年でのカンタータ全曲録音完成予定と聞いております)本盤は13巻目の1999年録音(鈴木45歳の頃)のまだこのシリーズ初期にあたるものでバッハのライプチッヒ時代の作品BWV64「見よ、どれほどの愛を」、(タイム17’27)、BWV25「私の身体の健康は損なわれ」(15’23)、BWV69a「主を讃えよ、私の魂よ」(17’56)、BWV77「お前の主である神を愛しなさい」(14’53)の四カンタータそして断片カンタータBWV50(3’32)を収録したものです。鈴木のスタイルは妙にセカセカはしないものの速めのテンポで抑制の効いた表現なので言葉・発音の問題の克服程度も含めて正に日本人のバッハなのかも・・・、まさに汲めども尽きぬバッハ・カンタータを聴く楽しみを披露してくれます。冒頭のフーガ合唱が印象的なBWV64では加えるに短調ヴァイオリンガヴォットに乗った野々下由香里(S)清楚なアリアが素晴らしいです。BWV25でのマタイ・パッションにも入っている旋律を混ぜた精度の高い合唱は聴きものですしBWV69aではこのシリーズ当初では線の細さが少し気にはなっていたTの櫻田(同31歳)もますます安定した歌唱ぶりであります。BWV77においては女声陣やや線が細く時折声がオーケストラに埋もれた様にも思えるもののK.S.アヴェラ(A)のアリアは珍しいトランペット伴奏に乗って深い味を出してはおりました、私自身、アルトは女声の方を好みますので・・・。このシリーズで早くから参加しているBのP.コーイ(当時45歳で鈴木と同年)は内省的な落ち着いた歌唱を繰り広げています。大体日本サイドでバッハカンタータ全集を完成しようという偉業はやはり少年期から神戸の女子大チャペルでオルガンを弾いていたという鈴木の体に染み付いた信仰に近いものがあってこそと思われます。とにかく完成まで頑張って欲しいものですね。このシリーズは主に私の地元の先述の神戸の女子大チャペルで録音がなされているのもそういう意味なのでしょう。私も何回かこの会場でのBCJのカンタータ・コンサートに出かけた事があり、お行儀の良い聴衆雰囲気も味わいました。確かに信仰心あつき処からの偉業なのですが日本側メンバーの結束パーフォーマンス・直向さが何か我々無信仰に近い者にとって複雑な心境・・・我々凡人にはつけ入る隙が見出せません。それだけ真摯なものが感じられるのでしょう(バッハは理想的聴衆として神の存在をどこかで考えて気を引き締めていたのですが・・・)。曲のポピュラー性から素晴らしいランクに留めておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/04/20

    鈴木雅明氏(以下敬称略)の率いるBCJ演奏によるバッハのカンタータシリーズももう50巻目に近づき演奏スタイルというのが定着しておりますが(2015年には一応カンタータ全曲録音完成予定と聞いております)本盤は11巻目の1998年録音(鈴木44歳の頃)のまだこのシリーズ初期にあたるものでバッハのライプチッヒ時代とっかかりの作品BWV136「神よ、私を究め」、(タイム14’50)、BWV138「何故憂えるのか、私の心よ」(16’02)、BWV95「キリストは私の命」(17’57)、BWV46「目を留めよ、見るが良い」(17’55)の四カンタータを収録したものです。以上の四曲の内後三曲が比較的深刻モードな為 編集上 とっつき易いBWV136を先頭バッターにもってくる等工夫されておりますし私もソプラノアリアが聴けないものの牧歌的合唱からスタートし最後の真摯なコラールと四曲中BWV136は一番気に入ったものとなっております。BWV95での鈴木美登里(S)の清澄なアリアも印象的。鈴木のスタイルである妙にセカセカはしない速めのテンポで抑制の効いた表現は正に日本人のバッハなのかも・・・、言葉・発音の問題の克服程度も含めてで。本盤全体に歌手としては男声が多くBのP.コーイ(当時44歳で鈴木と同年)はこのシリーズで早くから参加して内省的な落ち着いた歌唱を繰り広げています。Tの櫻田(同30歳)もこのシリーズ当初で線の細さが少し気にはなっていましたが本盤では切々さに磨きがかかり?大分慣れて来たのではないでしょうか。大体日本サイドでバッハカンタータ全集を完成しようという偉業はやはり少年期から神戸の女子大チャペルでオルガンを弾いていたという鈴木の体に染み付いた信仰に近いものがあってこそと思われます。とにかく完成まで頑張って欲しいものですね。周知の通りこのシリーズが私の地元の先述の神戸の女子大チャペルで録音がなされているのもそういう意味あいなのでしょう。私も何回かこの会場でのBCJのカンタータ・コンサートに出かけた事があり、お行儀の良い聴衆雰囲気も味わいました。確かに信仰心あつき処からの偉業なのですがただ少し「上から目線」的なニュアンスが感じられるのは私だけでしょうか、そして日本側メンバーの結束パーフォーマンス・直向さが何か我々無信仰に近い者にとって、例えば飲み会に少し遅れて参加した時既に場に出来上がっているボルテージにしばらく置いてきぼりになる様な不安感覚に最近私自身なって来ているのも正直な処です。不安は快楽のコストとは言え私にとって宗教音楽についてまわる課題でもあります。曲の好み、曲のポピュラー性からOKランクに止めておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/04/19

    「アルトのためのカンタータ」と称してカウンターテナーのA.ショルが1997年(当時30歳の頃)にP.ヘレヴェッヘ/OCVのバックでバッハカンタータBWV170「満ち足りた安らぎよ」(タイム20’48)、BWV54「さあ、罪に抗うがいい」(11’03)そしてBWV35「霊魂は驚き惑います」(25’01)の三曲を録音したものです。ショルはかつてルネ・ヤーコプスの下で修行したといわれる天賦の才能に恵まれたカウンターテナーでその安定した発声・音程には定評があり本盤各曲でもある特殊な世界へ誘ってくれます。彼自身もう今ではそんなに若いとは言えない年齢期ではあり古典フォークソングや彼自作のポップス系の曲などへもトライしているとの事ですね。本命のバロックについては世界の主な有名バッハ声楽指揮者との共演が多くヘレヴェッヘともバッハのロ短調ミサ、マタイ受難曲、ヨハネ受難曲等の録音盤があります。ヘレヴェッヘは本盤演奏録音時 丁度50歳で最近はバッハの全カンタータ征服というより他のレパートリーに進出中です。私自身は何枚か彼のバッハ盤を聴いていますが比較的どちらかと言えば静的な佇まいが気に入ったりしております。BWV170は本盤三曲中では一番好きでありショルも気高く歌っています。BWV35はオーケストラ部分が割りと多くそれだけにバッハの他の作・・・例えばチェンバロ協奏曲BWV1059など・・・との転用がはかられている作品です、正直オーケストラ部分の多さにカンタータとしての焦点がずれてしまった感も無きにしもあらず。BWV54はコンパクトなカンタータですが技巧的な作品でショルはその実力でなんなくクリアしています。なお、本盤オーケストラOCVでは日本のBCJにも務めている寺神戸がコンサートマスターとして参加していることにも要注目。本盤初版ではショル・ポートレイトとして7曲(35’33)バッハ「クリスマス・オラトリオ」からのサンプリング等を納めたサービス盤が付録されていました。個人的には私は女声アルトの方が好きではあるのですが・・・客観的には素晴らしいランク盤なのでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/18

    1939年からクレメンス・クラウスによって始められたニューイヤーコンサートは以降70年以上毎年開催されており私たちもここしばらくはTVでの宇宙中継で現地での優雅な日本人観客が映っているのを横目にマンネリ気味の正月番組の合間にチャンネルを合わせております。歴代担当指揮者を見ますと圧倒的に創設者のクラウスそして後年コンサートマスターとなったW.ボスコフスキーが回数としては多く意外なのはマゼール(最近あまり話題にはなっていませんね)が続いている状況の中で何とカラヤンが1987年(カラヤン79歳で最初で最後の出演)に棒を振ったライブが本盤演奏であります。充分でない体調を押してなのですが馥郁たるVPOサウンドを重厚に引き出してしかもシュトラウス・ワルツの極意というか独特の呼吸が伴っているのは流石同国オーストリア産同士の阿吽なのかも知れません。カラヤンとしては過去何回も演奏し又録音も繰り返して来た曲目でちょっと雑誌「レコード芸術」資料で調べたら本盤収録分で有名な曲三曲の正式録音経歴は次の通りで他にもいろいろあることでしょう。「こうもり」序曲・・・VPO(1948,1959)、BPO(1942,1966,1975,1980)、「美しく青きドナウ」・・・VPO(1946,1968)、BPO(1966,1975,1980)、PHO(1955)、「ラデッキー行進曲」・・・VPO(1968)、BPO(1966,1980)、PHO(1955,1960)といった具合で勿論本盤録音がカラヤン最後のワルツものとなっているだけにある種の感慨を持ちます。それにこのニューイヤーコンサートでは初めて歌手登場でその大役をK.バトル(S,当時39歳)が「春の声」(タイム8’35)でバックと掛合いしながら見事に果たしております。アンコールの二曲目の定番「美しく青きドナウ」(10’18)に続いて最後恒例の「ラデッキー行進曲」(3’30)では手拍子の場面であのカラヤンが客席に体を向けたのもそして「平和・平和・・・」と言ったのもCDでは分からないのは残念です。なお、本盤には「皇帝円舞曲」(11’25)のボーナストラック付きでありランクをアップさせますが、やはりこうした超豪華コンサートは客席雰囲気も見たく関心がDVD勝ちには正直な処なりますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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