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Review List of レインボー 

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     2017/07/19

    2008年、アメリカの5大軍楽隊の一つ、アメリカ沿岸警備隊音楽隊(コースト・ガード・バンド)が初来日、東京で海上保安庁音楽隊と合同で演奏会を行いましたが、このCDはそのハイライトを収録したライヴ盤です。
    指揮者はケネス・メーガン中佐、リチャード・ワイマン准尉、稲垣征夫。
    沿岸警備隊音楽隊は比較的有名なバンドですが、今まであまり音源は多くなかったので貴重と言えます。
    演奏能力は高く、スーザの行進曲を聴いてもバランスよく、滑らかなサウンドと軽快な演奏で聴かせます。
    またアメリカのミリタリー・バンドらしく歌手も入ってバラエティー豊かに楽しく健康的に仕上がっています。
    一方、海上保安庁音楽隊は1988年に創設(このCDに収録された演奏会は20周年記念演奏会との事)された新しいバンドで、沿岸警備隊のように隊員はプロの音楽家というわけではなく、各地で勤務したのち一定期間のみ音楽隊所属として活躍後またどこかに別の部署に異動になるというセミプロのような物だそうです。
    確かに演奏、特に技量面では差があるのがよく分かりますが、その分熱気でカバーしており、悪くありません。
    最後の3曲は合同演奏ですが、これも力強く、沿岸警備隊の公式行進曲『常に忠誠を』等は見事です。
    またライヴ録音という事ですが音質は問題ありません。
    ただ、海上保安庁音楽隊の単独演奏が僅か2曲だけというのはいくらなんでも寂しく、もう少しバランスをとって増やす事は出来なかったのかなと思います。

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     2017/07/18

    ラモン・ガンバ指揮、BBCコンサート管弦楽団の演奏で収録された、ミッシャ・サポリンスキーの映画音楽集。
    シャンドス・ムービー・シリーズの一枚である。
    サポリンスキーは名前から何となく分かる通りロシア出身で、イギリスに活動の場を移し、主に映画音楽を書いた作曲家。
    この盤の大半はフィリップ・レーンの編曲による組曲版の演奏で、殆どが世界初録音となった物。
    ダイナミックで劇的なスコアから民族調、果てはオルガン独奏と作風は幅広く、華麗なオーケストレーションと相まって、もう少し知られても良いと思いました。
    ガンバの演奏は、共感豊かにスコアの魅力を引っ張り出している物で作品知るには十分、また音質も良好です。

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     2017/07/17

    リムスキー=コルサコフのオペラ『貴婦人ヴェーラ・シェロガ』の全曲盤です。
    このオペラは『プスコフの娘』のプロローグを独立させた一幕物で、わりと珍しい作品です。
    珍しいだけあり、録音は多くありません。
    ストヤン・アンゲーロフ指揮、ブルガリア国立放送交響楽団の演奏で収録された物で、ステフカ・エフスタティエヴァ、アレクサンドリナ・ミルチェヴァ=ノノヴァ、ステフカ・エヴァタティエフ、ドミトリー・スタンチェフ、ペーター・バカルディエフとオール・ブルガリア勢による演奏です。
    無名の演奏家による演奏ではありますが、透明なオケの音色や歌手の熱演となかなか聴かせてくれる演奏です。
    この発売元のフィレデオというレーベル の詳細は不明ですが、元はブルガリア国営のバルカントン・レーベルの音源らしく、CD裏ジャケットに記載があります。
    録音年は不明ですが、音質はまぁ問題なく聴ける水準です。

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     2017/07/16

    アラン・ロンバール指揮、ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるロシアの管弦楽曲集です。
    ムソルグスキーの展覧会の絵を中心に、この手のアルバムとしてはポピュラーな選曲となっています。
    ストラスブール・フィルは、フランス東部、アルザス地方のストラスブールに所在するオケです。
    歴代指揮者の中でもロンバール時代に録音した音源で知られており、この音源もその時代の1つ。
    全体的にロシアらしい濃厚さはない代わりに、いかにもフランスオケといった上品な響き、繊細な演奏です。
    展覧会の絵などは完全にフランス物として演奏しているかのよう。
    1976〜1977年録音、音質は年代を考えれば良好。
    その上79分収録で廉価盤価格なので、お買い得な一枚でしょう。

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     2017/07/15

    新星堂が企画、販売した栄光のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団シリーズの一枚である。
    これはタイトル通り、ウィーン・フィルの膨大な音源の中から有名な指揮者の音源を復刻した物で、発売当初は結構珍しい音源が多かった。
    その後復刻された音源もあるが、このCDに収録されたシルヴェストリの指揮によるロシア管弦楽曲集は恐らくこれ以外では復刻されていないだろう。
    1960年に録音された物で、『スペイン奇想曲』『3つのオレンジへの恋』『ガイーヌ』が収録されています。
    爆演系指揮者として知られるシルヴェストリですがここでは、全うな正統派的な演奏であり、スペイン奇想曲等では当時のウィーン・フィルの美しい音色が存分に楽しめる内容となっています。
    古い録音ではありますが特に問題なく聴けるでしょう。

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     2017/07/14

    スペインの作曲家、ホアキン・セッラの管弦楽作品を集めたアルバムです。
    全曲世界初録音とあります。
    セッラは当地以外では有名ではないのですが、スペインの国民楽派の作曲家で民族色豊かなメロディーと時に近代的な和声を使った聴きやすい作品を作った作曲家です。
    この盤でもその特徴が良く出ています。
    サルバドール・ブロトンス指揮、エル・バレス交響楽団の演奏で収録されています。
    こちらも演奏団体は有名ではありませんが、良い意味でローカルな演奏で面白く、また作曲家への共感も感じられます。
    録音は良好です。

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     2017/07/13

    ロシア・ピアノ協奏曲の2大名曲、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を収録した物です。
    演奏は、チャイコフスキーがヴァレンティーナ・カメニーコヴァー(ピアノ)イルジー・ピンカス(指揮)ラフマニノフがミルカ・ポコルナ(ピアノ)イルジー・ワルドハンス(指揮)、オーケストラはどちらもブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団です。
    チャイコフスキーは正統派のオーソドックスな演奏ですが、カメニーコヴァーの確かなピアノや、良い意味で洗練されない鄙びたローカル色のオケのサウンドで盛り上げが上手くなかなか聴かせる良い演奏です。
    ラフマニノフはピアニストがなかなか独特な個性的な演奏を繰り広げておりまた、ここでもオケは良い伴奏をしています。
    ちなみに指揮者のワルドハンスは当時ブルノ国立フィルの首席指揮者。
    殆ど無名の演奏家による音源ですが、どちらも味があって良いと思います。
    録音は古いのですが、特段問題ないでしょう。

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     2017/07/11

    芥川也寸志の管弦楽作品集です。
    『交響曲第1番』『交響三章「トゥリニタ・シンフォニカ」』『弦楽のための三楽章「トリプティーク」』を収録しています。
    交響曲と交響三章は、芥川也寸志指揮、東京交響楽団による演奏、つまりは自作自演なのですがこれ、なかなか良いです。
    作曲家の指揮と言うと意外と上手くない人もいたりするのですが、この芥川のタクトはなかなか上手く、はっきりとしたリズムやメリハリ、推進力のある演奏です。
    特に交響曲では日本のオケとは思えない、金管の豪快な響き、それこそソヴィエトのオケを思わせる所もあり、大変聴かせ上手でこの曲の名演奏としてお勧めです。
    トリプティークは森正指揮、東京交響楽団の演奏であり、こちらも作曲者の演奏程熱くない物の、作品の魅力を的確に引き出した好演だと思います。
    今回の発売にあたり、あらたにリマスタされているため録音年の割に音質は良好です。

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     2017/07/10

    ハチャトゥリアンの『ピアノ協奏曲』と『ピアノと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ』を収録したCDです。
    ドミトリー・ヤブロンスキー指揮、モスクワ交響楽団の演奏で、ピアニストはオクサナ・ヤブロンスカヤです。
    ピアニストは指揮者の母親なのだそうで、このコンビでナクソス等幾つかのレーベルに録音があります。
    ここに収録された作品はハチャトゥリアンらしい民族色豊かな作品ですが、この演奏はピアニストやオケのカラーか、洗練された大人しい演奏になっています。
    と言ってもロシアオケらしさがないわけでもないですし、作品を知るには十分と言える水準でしょう。
    1995年、モスフィルム・スタジオで録音された物で音質は良好です。

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     2017/07/09

    ボロディンの交響曲全集。
    マルク・エルムレル指揮、ボリショイ劇場管弦楽団の演奏で録音された物です。
    ロシア勢による演奏ですが、爆演を期待して聴くと意外と洗練された響きがして驚きます。
    例えば最も有名でスラヴ的な第2番は結構あっさりしています。
    しかし第2、第3楽章等で聴かれる響きはまるでバレエ音楽のようで、このあたりバレエ指揮者として有名であったエルムレルらしい演奏というかもしれません。
    また全くロシア的なサウンドが聴けないのかと言われればそうではなく、弦楽の厚い音色や、大音量の低音金管に名残が見られます。
    これらのサウンドとエルムレルの解釈が合わさった1番がこのCDの最も聴き所の一つなのかも知れません。
    『中央アジアの草原にて』は、ロリス・チェクナヴォリアン指揮、アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で録音された音源で元はイギリスのASVから出ていた物です。
    このコンビらしい粗さもある物の、野性的で熱の入った良い演奏だと思います。
    録音は共に良好です。

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     2017/07/08

    米デルタ傘下のレーザーライトの音源を使ってコロムビアが製作したプロミネント1000シリーズの一枚である。
    フランスのバレエ音楽を集めた内容で、ドリーブ『コッペリア』『シルヴィア』グノー『ファウスト』を収録。
    演奏は、シルヴィアとファウストが、ヤーノシュ・シャーンドル指揮、ブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団、コッペリアがハインツ・フリッケ指揮、ベルリン放送交響楽団である。
    シャーンドルはハンガリーの、フリッケは東ドイツの指揮者で、オケもそれぞれの国を代表する団体であるが、まぁネームバリューに劣る所があるのは事実だろう。
    しかし、一見してスタンダードに仕上がった安心して聴ける演奏の中に、魂のこもった情熱と職人技を感じさせ、有名音源にも匹敵する演奏と言って良いだろう。
    シルヴィアの狩りの女神のホルンの美しさは一流オケにも負けていない。
    録音は1980年代後半のデジタル録音だが、少しデジタル録音初期の雰囲気が残る。
    まぁ問題ない範囲であるが。

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     2017/07/07

    イギリスの作曲家、グランヴィル・バントックの作品集です。
    エイドリアン・リーパー指揮、チェコスロヴァキア国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、1989年コシツェ芸術家の家にて録音された物です。
    タイトルの『ヘブリディーズ交響曲』の他、『古きイギリス組曲』『ロシアの情景』という作品が収録されています。
    バントックはR.V.ウィリアムズとほぼ同世代で、ケルトを中心に異国情緒的な作品を数々書いた人物です。
    メインの交響曲は、出だしこそ神秘的で面白いのですが、30分はちょっと長い。
    一方ロシアの情景と古きイギリス組曲は、大体15分程で聴きやすい。
    演奏はあまり期待していなかった(同じコンビによるコーウェンがイマイチだったので)が、この盤はなかなかメリハリがついていて良い演奏だと思う。
    録音も良好。

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     2017/07/05

    東京吹奏楽団の第60回定期演奏会の模様を収録されたこのCDは同楽団が創立50周年を迎えるにあたり2013年10月20日に東京芸術劇場で開催された演奏会のライヴ盤。
    指揮者は同楽団の名誉指揮者、汐澤安彦である。
    汐澤安彦といえば、ソニーやビクター等から行進曲や吹奏楽オリジナル曲や自由曲集を出していた大ベテラン。
    一方東京吹奏楽団もあまり目立たないが、在京プロ吹奏楽団の中でも最も古い歴史がある団体である。
    このCDはスパークがこの演奏会に書き起こした『ファンファーレ・オブ・トウキョウ』に始まり、ローストや、アンドレ・アンリをソロに迎えたアルチュニアン『トランペット協奏曲』レスピーギの『ローマの祭り』等が選曲、プティ『水のしたたり』とかは割と珍しくメジャーばかりを抑えず、ちょっと渋めな選曲なのが良い。
    演奏はプロらしく、安定しており、また吹奏楽に時々ある煩い響きになることなく、バランスも良い、特に行進曲の演奏は良い!
    プティとタイケ『旧友』ロータ『ゴットファーザー』キング『バーナムとベイリーのお気に入り』はアンコールだったらしく、解説書に楽曲解説がないのが残念である。
    録音、音質はブレーンの中では良い方だろう。

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     2017/07/04

    オール・ハンガリー勢によるJ.S.バッハの『管弦楽組曲第2番』と『管弦楽組曲第3番』を収録したCDである。
    第2番は、ミクローシュ・エルデーイ指揮、ブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団、ヨージェフ・ジュホース(フルート)による演奏だ。
    近年は珍しくなってきたモダン楽器のフル編成によるオーケストラの重厚な伴奏とフルートの独奏は今聴いても新鮮だ。
    この盤ではフルート・ソロの音色が弱くなるときがあり、時折オケの方が目立つ。
    誰もが認める演奏ではなく、マイフェバリッツと言った演奏であるが、個人的にはこの作品の名演奏の1つだと思う。
    一方『第3番』は、ジェルジ・レーヘル指揮、ブダペスト交響楽団。
    レーヘルはハンガリーを中心に活躍した指揮者であったが1989年に若くして病没している。
    その演奏はいぶし銀の渋い演奏ではあるが、聴けば聴くほど演奏の良さが分かる。
    この第3番の演奏も同じでフルオケによる重厚な音色がより、いい味を出している。
    スラヴ的な響きをももつこのオケと指揮者でしか聴けない奇跡のような名演奏だと個人的に思っている。
    1963〜1965年録音で音質は年代を考えれば聴きやすい。

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     2017/07/03

    ロシアの管弦楽曲を集めたアルバムである。
    いずれも非ロシア系の演奏家ながら、なかなか良い演奏である。
    ラフマニノフ『岩』は、ヴァルター・ヴェラー指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で収録された物。
    オリジナルは同じラフマニノフの第3交響曲とカップリングされていた物である。
    ヴェラーは個人的に出会った録音が悪かったのかイマイチな指揮者の一人であったがこの録音は端正なヴェラー節に、骨太さがあり良かった。
    チャイコフスキー『フランチェスカ・ダ・リミニ』ボロディン『交響曲第2番』は、シルヴィオ・ヴァルヴィーゾ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団の演奏で、これはオリジナル通りの復刻らしい。
    更に加えて言うなら初CD化との事。
    チャイコフスキーも悪くないが、ボロディンが聴き物で、元々オペラの素材を転用されたこの作品は親しみやすい旋律とドラマチックな展開が特徴的だが、ヴァルヴィーゾの演奏はこれを特に強調した演奏。
    全体的に劇的でダイナミックな表現力が特徴で、有名な第一楽章等は、ブラスのパワーに圧倒される。
    ややお祭り騒ぎ的な感じはあるが。
    一方ゆったりとした所はオケの美しさが目立ち、これが良いコントラストとなっている。
    全て何十年も前の演奏だが、デッカの鮮明で迫力のある録音は現在でも通用するし、復刻も良好。

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